【野球】勝つ喜びと負けた悔しさを知る選手たちを強みに 強い慶應復活を誓う指揮官~堀井哲也監督~/2026春季リーグ戦開幕前首脳陣インタビュー 第3弾

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東京六大学野球春季リーグ戦が4月11日に開幕する。3季連続5位という結果に終わっている慶大は、“強い慶應”を取り戻すべく、スローガン「ファンファーレ」のもと、約2か月に及ぶ春季キャンプやオープン戦を重ねてきた。今回ケイスポでは、選手を指導してきた慶應の首脳陣に取材し、“強い慶應”復活へのカギに迫った。第3弾は、堀井哲也監督!(このインタビューは3月7日に対面で実施しました。)

 

――昨年春秋ともに5位という結果でしたが、率直にどのような1年だったと感じていらっしゃいますか。
前の年も春3位、秋5位でしたが、その前の年よりも力がついていました。しかも、外丸(令8環卒・前橋育英)と2年前の秋に最優秀防御率を取った渡辺(=渡辺和大、商4・高松商業)という日本一投手と防御率ナンバーワンがいたので、ある程度自信を持って臨んだ1年だったんですけど、そういう意味ではうまく結果に結びつけられなかったなという風に思います。私自身、非常に反省もあるし、悔しい思いもしています。

 

――昨年の試合の中で印象に残っている試合や場面があれば教えていただけますか。
もういくつもありますね。秋季の法大1回戦。7点取られて、6回まで完全試合だったんだけど、7―7に追いついた、追いついたんだけど、言ってみればあそこまで行ったら勝ち越したかったという試合もありましたし。春季の明大2回戦、明治にリードしながらも、8回に追いつかれて、そこから延長12回まで行ってね、2点取られたんですけど、その裏2点取り返してと、でもまたそれも引き分けで終わったという。よく粘った試合も多いんですけど、もう1つ勝ち切れなかったという試合もあるので。その法政と明治の引き分けの2試合は今でも印象に残っていますね。

 

――シーズン全体を振り返って、収穫や課題として挙げられる点はどのようなところでしょうか。

1つは、けが人が非常に多かった1年だったので、コンディショニングの部分ですね。日々のしっかりとしたフィジカルの土台づくりと、それをもとにしたコンディショニングを練習で追い込みながらどう管理していくか。自己管理も含めて、チームとしての管理や対処も含めて、その点が一つの課題だったと思います。それから特に秋のシーズンで、非常に打力、得点力が落ちてしまって、私も6年監督をやらせていただいているんですけど、慶應で1番打つ方で苦しんだシーズンでしたね。春のシーズン後の取り組みがちょっとうまくいかなかったなという。このフィジカルも含めたけが人と秋の攻撃力、この2つが非常に大きな反省だと思っています。

 

――今津(=今津慶介、総4・旭川東)選手が今年主将に就任されましたが、主将としてどのような活躍を期待されていますか。

主将は新4年生の話し合いで決めるので、そこは最高学年の4年生として非常に信頼を得ているという前提で。彼が今までリーグ戦でも非常にムードを変えるような、そういう活躍をしてきていますので、今度はキャプテンとしてね。重荷を背負いながら、チームの鼓舞する姿、そこが選ばれた1番の理由じゃないかなと僕は思っています。勝負強さとチームの流れを変える力を持っているところ、その2つに非常に期待していますね。

 

――副将3人にはどのような活躍や役割を期待していますか

これもポジションのバランスが非常に取れていますね。ピッチャーの広池(=広池浩成、経4・慶應)、内野の上田(=上田太陽、商4・國學院久我山)、外野の寳田(=寳田裕椰、経4・三重)。上田は1年生から試合に出ていて、広池は2、3年でブレイクしかかって故障で苦しんで今復活していると。それから寳田は逆に3年生までリーグ戦の経験がない。そういうポジションも、4年生になるまでのバックグラウンドも、いろいろ持つ人間がうまく就任しましたので、今津を支えながらもチーム全体をまとめて引っ張っていくということが副将3人の役割じゃないかなと思います。

 

――今年のチームの強み、またどのような野球を目指していきたいと考えていらっしゃいますか。

強みは1年の時の日本一を経験しているということと、2、3年で非常に苦しいシーズンを経験しているということですね。ですから、1年生から試合に出ていた横地(=横地広太、政4・慶應)とか村岡(=村岡龍、商4・慶應)とか上田とか、勝つ喜びや勝った先輩の姿を知っている選手もいます。それから2年間の負けた悔しさ、苦しさ、これを両方知っているというのが、この学年の強みだと思います。今年の野球は、2つの気持ち、勝つ喜び、負けた悔しさをエネルギーにして武器にしたチーム作りを目指したいなと。練習の段階から試合に至るまで、その2つの気持ちが軸というか、根底にあるんじゃないかなと思っています。そういうチーム作りを期待したいと思っています。

 

――今シーズンの布陣について、まず投手陣から伺います。現時点での第1先発・第2先発として考えている投手はいらっしゃいますか。(※以下布陣は3月7日時点のものです。)

土曜日は渡辺和、日曜日は広池ですね。

 

――この春リーグ戦で特に期待している投手がいれば教えてください。

1番と言われると、やっぱり渡辺和かな。最優秀防御率を取って、その後去年苦しんだという、彼も両方知っている人間なので、なんとか良い最終学年にしてほしいなと思いますね。フル回転で。優勝するにはエースが6勝と言われていますからそういう活躍を期待しています。

 

――今の状態について

順調だと思います。課題であるコンディショニングもいいですし、オープン戦でのここまでのパフォーマンスも非常に良いので、僕は良いと思っています。

 

――続いて内野陣について伺います。現時点での陣容はどのようにお考えでしょうか

非常にレベルは拮抗しています。その中でファースト吉野(=吉野太陽、法4・慶應)、セカンドキャプテン今津、サード服部(=服部翔、政3・星稜)、ショート林(=林純司、環3・報徳学園)というのが現時点でのベストメンバーですね。

 

――服部選手の成長について

まず1つは守備力がものすごい安定していると。去年も守備固めで何回か使っています。それに加えて、バッティングも非常に成長したので、1番の成長かもしれないですね。

 

――外野陣についてですが、現時点での構想はいかがでしょうか。

ここも難しいですね。レフト横地(=横地広太、政4・慶應)、センター丸田(=丸田湊斗、法3・慶應)、ライト一宮(=一宮智樹、経2・八千代松陰)で、中塚(=中塚遥翔、環3・智辯和歌山)がDHというところなんでしょうね。

 

――DHについて

僕の考えというのは、DH専門を作るというよりもポジションであふれた選手、例えばキャッチャーだと加藤(=加藤右悟、環2・慶應)、吉開(=吉開鉄朗、商4・慶應)がいて、加藤をDHで使おうとかね。外野もライトが一宮、小原(=小原大和、環4・花巻東)がいて、ファーストも吉野と福井(=福井直睦、商3・慶應)がいます。そのうちのどっちかをDHで使うという考えですね。競う中でのDHというのを今見つけているところです。

 

――キャッチャーは吉開選手、加藤選手がマスクを被ることが多いですが、それぞれの特徴や強みを教えてください。

もう一人、渡辺憩(商3・慶應)もですね。1番総合力が高いのは渡辺憩かな。ただ、やっぱり4年生としての、特にピッチャー陣の信頼が高いのは吉開かな。それで、攻撃力も含めた肩の強さやポテンシャル的には加藤ですね。今この3人の争いです。

 

――これまでの春の松山、鹿児島キャンプでは特にどのような点に重点をおいて取り組んでこられましたか。

松山ではとにかく競争ですね。全員連れて行きましたので。今年誰が残るんだというね。特に体の強さの面で、ピッチングやバッティングのいろんな数値も測りました。毎日7日間休みなしで。その中でしっかりとやりきれた選手、けがに強い選手や体力のある選手を。そこの体力勝負だよということをずっと新チーム結成以来言ってきたので、11月~1月のトレーニングの成果が競争に現れたキャンプだったと思っています。そこから鹿児島に来てからは、絞られたメンバーの中でまた競争ということです。そうやってチーム内の競争というのは、僕は慶應の1番の強みであり、チームの勢いの原動力だと思っています。ですから、そこを重点的にやってきました。毎日試合があるというスケジュールも体力勝負ということです。試合が1番きついので。練習というのはどれだけきつくても手を抜けるんですよ。試合は手を抜けないので、これはきついですよ。前後に練習もできるので、自分で課題を取り組んでいこうということでやっています。

 

――ここまでの試合では勝ちが続いていますが、戦況についてどのような印象を持たれていますか。

ピッチャーは非常に力がつきました。それに伴うキャッチャーの存在。キャッチャーの3人が今良い方向に切磋琢磨しているので、バッテリーの力がついたということが1番の要因かな。それからバッティング。打つ力が作れている。それから1番課題だった内野守備がしっかりしてきました。これは両上田コーチ(=上田誠コーチ、上田和明コーチ)が加わって、ピッチャーと内野守備を見ているので、そこがまさに成果として出ているんじゃないかなと思います。

――開幕カード・立教大学について、監督はどのような印象をお持ちでしょうか。

去年は勝ち点を取っていますけど、木村監督が3年目を迎えて非常に力をつけているので、それまで相性がちょっととかいう時代もありましたけど、今は完全に五分五分だと思っています。

 

――投打それぞれのキーマンとして期待している選手がいれば教えてください。

ピッチャーは渡辺和、野手は今津かな。

 

――コーチお二人について、それぞれどのような役割を担っていらっしゃるのでしょうか。

上田誠さんはピッチャーを含めたバッテリーで、上田和明さんは内野も含めた守備、走塁ですね。誠さんは慶應義塾高校の監督を長くやりましたし、上田和明さんもプロであれだけいろんな経験をしていますから、2人とも全般に目を配ってくださいと。うちはもうコーチ間の垣根をなくしているんですよ。専門分断にならないように、自分の主担当があるにしても、お互い色々気がついたことはどんどんチームに言っていきましょうということは言ってるので、主担当ありながらの全体最適化というね、そういうのを目指しています。

 

――改めて、今年の目標をお願いします。

リーグ優勝、日本一。

 

――最後にケイスポの読者、慶大野球部ファンに向けて今季の抱負、メッセージをお願いします。

ここ2年間ご期待に応えられなかったこと、監督として非常に心苦しく思っています。なんとかもう1回、強い慶應を取り戻して、皆様の期待にお応えしたいと思っております。

(担当:河合亜采子)

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