2026年10月22日(木)プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD
10月22日(木)に行われたプロ野球ドラフト会議にて、慶大野球部から2名の選手が指名を受けた。慶大が誇るエース・渡辺和大(商4・高松商業)は福岡ソフトバンクホークスから3位指名、主将・今津慶介(総4・旭川東)は北海道日本ハムファイターズから育成5位で指名された。慶大から現役選手が指名されるのは、廣瀨隆太(現福岡ソフトバンクホークス)以来、3年ぶりとなる。一方、プロ志望届を提出していた広池浩成(経4・慶應)、沖村要(商4・慶應)、吉開鉄朗(商4・慶應)、吉野太陽(法4・慶應)、小原大和(環4・花巻東)の5選手は、惜しくも指名には至らなかった。(以下:記者会見抜粋)

笑顔で姿を現した渡辺和
ーー不安感があった中で指名を受けた瞬間の気持ちは
突然だったので、驚きの気持ちのほうが強かったです。
ーーマネージャーの話では緊張感なくこの日を迎えたとの話だったが
来るまでは大丈夫だったんですけど、この場に来てからは緊張感がありました。
ーーソフトバンクに対するイメージは
慶應の先輩が多く所属している球団で、今季パ・リーグでも1位と一番強い球団でもあるので、そういったレベルの高いところで戦えるのは非常に嬉しく思います。
ーーどんな選手になりたい
チームの勝ち頭になれるピッチャーに、その中でも何十年とチームに貢献できるピッチャーになりたいです。

ーー慶大野球部ならではの特徴や、そこでの4年間の努力について
渡辺和:他の大学よりも部員数がはるかに多くて、ピッチャーだけでも5、60人くらい。日頃から毎日部員と競争をしていく中で、個々の能力がアップしていきました。また寮生活はウエイトの設備も良くて、トレーニングするには非常に恵まれた環境だったなと思います。
堀井監督:早くからリーグ戦出ていて、2年の秋に最優秀防御率。少し苦しんだ時期もあったんですけど、コツコツと体づくりやフォーム作りを、手のかからない選手だったので自分でやりつつ、コーチの方の助言も聞きながら頑張っていました。今年の春にリーグ優勝、全日本準優勝ができたのも渡辺の力によるものが大きかったので、よく頑張った4年間だったと思います。
ーー3日前の明大3回戦で肩の不調を訴えたが、投球練習を再開しているのか
渡辺和:診断結果として言われたのが昨日だったので、それまで投球はしていなかったので、ここからキャッチボールとブルペン投球をして見ていくつもりではあります。
堀井監督:チームの中でも一番練習量が多い選手なので、そういう意味では先ほど言った体作りやフォーム作りは非常に一生懸命やっています。今回アクシデントがあったので、トレーナーの指示に従いながら本人は投げたいという気持ちが強いと思うんですけど、周りのアドバイスも踏まえて、焦らず復帰してもらえればと思っています。
ーープロ野球選手になりたいという分岐点はいつだったか、また慶大での4年間を振り返って
プロ野球選手になりたいと思ったのは小学1年生からなんですけど、それは漠然とした夢であって、実際に本気でなろうと思ったのは大学3年の時でした。そのきっかけが大学2年の秋に最優秀防御率を取らせてもらって、自分でも通用するのかなどの気持ちが強くなったので現実的に行きたいなっていう風に思いました。
ーー先ほど憧れている選手はいないという言葉があったが、野球を始めた時に目指していたり応援していたりした選手はいたか
野球を始めたきっかけが好きな人とかではなく、兄が試合しているところとか練習してるところに入れられていたりしたので、どちらかというと兄がしている姿を見て自分は始めたんだなという思いでいます。

色紙には「新人王」と書いた
ーー先ほど堀井監督から言葉があったように2年の秋で最優秀防御率を取った後苦しい時期もあったと思うが、どのように乗り越えたか
うまくいく時期の方が野球は少ないと思っているので、結果は出ていてもどこかで調子悪いなと思う時期も3年以外でもいっぱいありましたし、普段からいいことばかりでなく悪いことにしっかり目を向けているんで、3年ばかり注目されがちなんですけど、野球は悪いことの繰り返しなので、3年の時も悪かったんですけど焦りとかはなく、いつものようにどこが悪いのかをしっかり自分で見極めて試合に集中していました。
ーープロでの具体的な目標や、目指したい数字などがあれば、それを踏まえた抱負をお願いします。
(プロでの具体的な目標というのは)1年目から先発ローテーションに入って、1軍でも戦える、そしてチームを勝たせる投手になりたいです。
ーーご両親や故郷、お世話になった方々へのメッセージや、プロ入りが決まった今、感謝の思いがあれば、ぜひお願いします。
両親には、本当に香川からプロに送り出してもらうにあたって、経済的にも結構苦労をかけたと思っています。その中で、ずっと僕の夢を応援してくれたことに、まず感謝したいと思います。この後もプロで生活していく中で、一番、自分がプロのマウンドで投げる姿を見せられたらいいなというふうに思っています。両親を含めて、お世話になった監督さんやチームメートにも、頑張っているところを見せて、恩返ししたいという思いもあります。

福岡ソフトバンクホークスでは、「慶應3兄弟」と呼ばれる、柳町達(令2卒)、正木智也(令4卒)、廣瀨隆太(令6卒)の3選手が現在も活躍している。チームはパ・リーグ3連覇を果たし、日本シリーズを控える。新たに加わる渡辺和も「慶應4兄弟」の末っ子として、プロの世界で躍動する姿が楽しみだ。
その後、しばらく慶大選手の名前は呼ばれず、全球団が支配下選手の指名を終了した。続いて始まった育成選手の指名。育成1巡目、2巡目と指名が進み、各球団が次々と選択終了を告げていく。ドラフト会議も終わりに近づいたかと思われたその瞬間だった。「第5巡、選択希望選手。北海道日本ハムファイターズ、今津慶介、内野手、慶應義塾大学」。会場はこれ以上ない盛り上がりを見せ、2階席で他の部員とともに指名を待っていた今津は、1階の記者会見会場へと降りてきた。

指名後の今津
ーー率直な気持ちをお聞かせください
指名がありホッとしている気持ちです。
ーーどのような気持ちで待っていたか
このまま終わるんじゃないかという不安もよぎったんですけど、一緒に見ていたチームメイトが「やっぱりお前は最下位からの方がお前らしいよ」という声をかけてくれたので、もしかしたらあるんじゃないのかという風に信じて待っていました。
ーー名前を呼ばれた瞬間は
指名されたことと同じくらいかそれよりも、周りのチームメイトが喜んでくれたので本当に嬉しかったです。
ーー故郷である北海道を拠点とする日本ハムから指名を受けたことは
幼い時からファイターズの試合を見て育ってきたのでもちろん支えられてきましたし、夢を与えてくださったので、その分の恩返しを出来るように、そして戦力として一日でも早くチームに貢献できるように精進していきたいなと思います。

ーーどんな選手になりたいか
新庄監督のように見ている人を魅了するプレーができるような選手になりたいです。
ーーエスコンフィールド北海道でプレーする楽しみは
一度六大学の試合でプレーしたことがあって、その時に踏み入れた瞬間に感動しましたし、もう一度ここでやりたいなとずっと思っていたので、一軍の試合であの場に立てるように頑張っていきたいと思います。
ーープロ野球選手を目指すにあたって大学4年間どう自分を伸ばしていったか
プロ野球選手になりたいと漠然とは思っていたんですけど、実際になれるかもしれないなと思ったのは3年の春で、それまでは日々の練習をがむしゃらに周りにいる仲間たちと切磋琢磨しながらやっていて。その中で慶應のレギュラーを掴みたいという一心でひたすら練習していた結果今の立場があると思うので、そこまでビジョンが見えていなかった中で一日一日、一軍のレギュラーを目指して努力していたのが今身を結んでいるという感じです。

色紙には「成り上がり」と書いた
ーー新庄監督のような選手を目指していくにあたってどの辺を伸ばしていきたいか
自分の持ち味はバッティング、特にここ一番というところで試合を決められるクラッチヒッターだと思っていて、そこは一軍でも通用すると思っているので、そこを磨いてチームに貢献したいなと思います。
ーー(堀井監督へ)今までの努力の姿を見てどういう成長があったか
堀井監督:3年でレギュラーを取ったんですけど、4年でキャプテンになったときにチーム事情でセカンドをやってみないかということで、コーチも本人もよく頑張ってくれて、そこを守れるようになったことが結果としてチームとして助かりましたし、本人も、バッティングはもともとすごく良いものがあったので、そこが本人の将来に繋がっていたのかなと。非常によく努力しました。
ーー旭川の方々や高校の仲間たちに伝えたいことは
高校時代の仲間に限らず地元の方たちも応援しに神宮に来てくれるので、そういう面では支えられてるなと感じます。
ーー慶大での4年間を振り返って
今は自分がここに立っているのが考えられないというか、そういう下級生時代を同期のみんなと過ごしましたし、1日で人生が変わるとも思うので、後輩たちには僕がプロ野球選手になれたならみんななれると思うので、そこを諦めないでひたむきにやって、あとは一番支えてくれる周りの方々を大切にしてほしいなと思います。

ーーお父様やおじい様に伝えたいことは
父や祖父も含めて家族に支えられて北海道から出てきて慶應で野球ができているので、まずは育ててくれてありがとうっていう気持ちと、ここからが勝負なのでその決意を伝えたいなと思います。
ーー政治家に挑戦したい気持ちは
父や祖父の姿を見ていたので政界にも興味はあるんですけど、やっぱり今は毎日必死に野球を練習して、1日でも長くファイターズの選手としてできればなと思います。
ーー(堀井監督へ)歴代の主将の中で秀でていた部分は
堀井監督:どっちかと言ったら背中で引っ張るタイプで、決してコミュニケーション能力が悪いわけじゃなくて非常に高いと思いますけど、それよりもエネルギーで引っ張っていくタイプだと思います。
地元・北海道を本拠地とする日本ハムファイターズから指名を受けた今津。育成指名も終盤に差し掛かる中、プロへの切符をつかんだ。闘志あふれるプレーでチームをけん引してきた主将の、プロの舞台でのさらなる活躍を願いたい。

(記事:河合亜采子/取材:河合亜采子、奈須龍成)

