【バスケ】ホームで早稲田に勝利 、早慶戦優勝!

待ちに待った歓喜の瞬間が訪れた。昨年の敗戦から1年、“陸の王者”慶應が早稲田に雪辱を果たした瞬間であった。涙を流す選手・スタッフがホームである日吉記念館のコート上で喜びを分かち合う。両校にとって何事にも代え難い伝統ある大会に優勝し、勝敗は再び34勝34敗に。勝ち越しの行方は来年の後輩達に託された。

第68回目を迎えた早慶戦。試合会場は慶大のホームである日吉記念館。去年、慶大はトーナメントを制し歓喜の時を味わったが、まさかの早慶戦敗戦。優勝の後に敗戦の悔しさを味わった慶大の早慶戦に懸ける思いは並々ならぬものがある。そんな中挑んだこの大会。日吉記念館は3階席まで異例の超満員。OBも駆けつけ、大観衆、両校の応援団、チアが作りだす盛り上がりの中、試合は開始した。

第68回早慶バスケットボール定期戦

2010/06/06(日)@日吉記念館

  1Q 2Q 3Q 4Q 合計
慶大 23 18 19 22 82
早大 16 20 22 19 77

スタメンは二ノ宮主将(環4)、酒井(環4)、岩下(総4)、家治(環3)、蛯名(法1)。

1Q、まず家治が難しい態勢からバスケットカウントを奪い、先制点をあげたのは慶大。更に岩下がブロックショットでインサイドを死守すると、オフェンスでは連続得点と4年生としての気迫を見せつける。対する早大もインサイドで得点を重ね加点。目まぐるしい両校の展開の中、ルーキーとは思えない落ち着きで蛯名がスクープショットを沈めリズムが慶大に傾き始める。するとすかさず酒井が得意のバスケットカウントでチームを盛り立てるが、お返しとばかりに早大にバスケットカウントを決められ23-16で1Q終了。

2Q、「自分の中で気持ちが空回りしてた」(ニノ宮)と二ノ宮のファウルが3つになりベンチへ。慶大はトランジションの起点を失い苦しい展開に。するとこの苦境を岩下の安定感のあるインサイドプレイで何とか打開し点差は6点。慶大はもう一人のルーキー矢嶋(総1)がドライブからタフショットをねじ込みチームに貢献。その後早大も意地を見せ点差を縮めるが、早い展開から家治が大事な所でシュートをしっかり決め41-36と慶大は何とかリードを守り前半終了。

ドライブをしかける家治(環3)

3Q、開始直後に早大にスリーポイントを連続で決められ逆転を許してしまう。アウトサイドが好調な早大に対し、慶大はファウルをもらいフリースローで何とか得点。均衡する展開の中で「中島が助けてくれた。」(佐々木HC)と中島(総1)の思い切りの良いプレイが得点に繋がり慶大は再びリード。しかし二ノ宮に続いてこの日絶好調の酒井がファウル4つに。主力2人のファウルトラブルで慶大に嫌なムードがたちこめる。最後は早大のブザービーターが決まり60-58とほぼ互角の展開で勝負の命運は最終Qへ。

優勝のかかった最終Q、優勝へのプレッシャーからかお互い出だしが悪く得点が停滞。慶大は引き離すチャンスであったが早大に連続でシュートを決められ慶大は再び逆転を許してしまう。しかし岩下のポストプレイ、酒井の速攻で65-65の同点に。残り時間5分、勝負は再び振り出しに戻る。その後慶大は蛯名がスティールから得点を決めると3点のリード。しかしすぐに早大はスリーポイントを決め返し71-71の同点に。頼れる主将二ノ宮がこの日慶大唯一となるスリーポイントを沈め74-71となるが、早大はバスケットカウントを決め三度同点。互いのプライドがぶつかり合う展開に会場の盛り上がりは最高潮に。しかし最後勝負を決めたのはやはり慶大4年生3人であった。

勝ち越し点をあげた二ノ宮主将(環4)

同点から3人がそれぞれ得点し、80-74。更に一瞬フリーになった岩下がボールを受けスラムダンクを叩きこみ82-74。勝利を確信した酒井が速攻からダンクを狙いに行くが惜しくも失敗。82-77で慶大は死闘を制し見事早慶戦優勝を成し遂げた。

見事早慶戦優勝を果たした慶大。「慶應に来たからこういう経験が出来た」(二ノ宮)と勝利の瞬間、多数の選手、スタッフが嬉し涙を流し、改めて伝統の重みが感じられる大会と再認識させられた。「本当に最高の環境でやれた)(岩下)と今年の開催地である慶大ホームの日吉記念館で優勝を果たし、この日は慶大バスケ部にとって特別な日となったはずである。これから夏を挟みリーグ、インカレと厳しい戦いが待ち構えているが、この勝利を糧にチームは更に成長を遂げるはずだ。

By Shigehisa Osajima

コメント

 

佐々木HC

二ノ宮がずいぶん固くなっていたのでそれを1年生がよくつないでくれた。(早慶戦の雰囲気は)相手の金井がちょっと怪我で出れなかったけど、相手も充実していて嫌だったけど、1年がよくがんばってくれた。(1Q立ち上がりは)去年と同じで、出だしはすごく良かったのでちょっと気持ち悪いなぁとは思っていたのだが、二ノ宮がちょっと固くなりすぎていたので、そこでちょっと違う風になってしまった。(2Q3Qは早大ペースもありながら、最後は慶大の流れにもってこれた)やっぱりディフェンスをがんばって早い攻撃、速攻を2本くらい決めたところからこっちに流れが来てて。あともう一つは相手の久保田をずいぶん注意した、それと同時にアウトサイドのシュートに注意したんだけど下級生のシュートが当たっていただけで4年が意外と当たっていなかった。なのでつかまえれば大丈夫かな、という気はしてました。(最後は二ノ宮選手が決めたが)3つくらい思い切ったドライブができたので、ある意味最後まで使って良かったかな、と思った。(1年生として長くプレイした蛯名選手は)洛南高で進学クラスでいながら、そうじゃない連中と一緒にやっていたので、やっぱり冷静さを持っている。だからこういう試合になるほど力を出す子だなぁと初めからそう思っていて。今回も練習でもずっとスターターにいれてやっていた。(同じ1年生の中島選手は)中島良かったね。中島が助けてくれましたね。あれで1本とったのと、ファールとってフリースローやったのが大きかった。あれがなかったらちょっと危なかった。(春シーズンの締めくくりとしてのこの早慶戦は)去年は(トーナメントで)優勝してもこれで負けて、評価が下がったので(笑)。今年は(トーナメント)2位で(早慶戦)優勝だから許してもらえるのかな、春は。

二ノ宮主将

自分の出来が最悪だったんですけど、早慶戦は何が何でも勝ちたかったし岩下だったり酒井、家治といった上級生が頑張ってくれて・・・今日はファウルもあってベンチから見ている時間も長かったんですけど頼もしく見えたというか、本当に彼らに助けられました。本当に勝てて良かったです。(前半でファウルトラブルに陥った時の心境は)自分の中で気持ちが空回りしてたんで、いつも通りのプレーをしようと心がけました。でも結果的に僕のプレーは良くなかったんで、本当に皆に助けられたという感じです。(緊張は)緊張は全くなかったんですけど、自分の思ってることをプレーで表現出来なかったです。(先日先代の鈴木主将(政卒・09)からアドバイスをもらったと佐々木HCが言っていたが)そうですね、調子が悪い時が絶対あるのでそういう時にどう立て直すかをイメージしとけと仰っていて、正に今日がその状態だったのでそのアドバイスを覚えていて為になりました。(今日の慶應はいつもと違うなというのはあったか)今日は僕が仕事を出来なかったことです。そこを祐典(酒井)や岩下がフォローしてくれたんでそういう所はよかったです。(家治もシュートタッチが不調だったが)シュートが入ってる時は良かったんですけど、入らないときもあって。出来ればもっと良いシュートセレクションをしてほしかったんですけど、岩下がリバウンドを頑張っていたし、本人も気合が入っていたので強気で行かせました。(蛯名については)1年生であれだけの度胸はすごいです。ディフェンスを頑張ってくれました。(最後は号泣していましたが)恥ずかしいですね。試合のラスト、勝利が決定的になった時からもうやばくて、もういいやみたいな(笑)。勝って泣くとかは今までなかったし、慶應に来たからこういう経験が出来たので、改めて来てよかったと思いました。(秋のリーグに向けて)内容的に今日の試合は自分を筆頭に良くなかったので、内容を良いものにしなければならない。今後は内容にもこだわりつつ、結果を出せるように頑張りたいです。

酒井

慶早戦っていうのは4年生がどれだけ強い気持ちで臨めるかっていうのが大事で、もし本来の力を出せなくても他の人がカバーすれば良いかなと思っていて、僕が攻撃にも参加しましたし、ファウルトラブルになってしまったんですけど岩下であったり4年生がカバーしあった結果勝利につながったと思います。(早慶戦の空気が違うのでは)今まで3年間活躍出来なくて、もやもや感があったんですけど4年生ということでそれではいけないということで、昨日もチームメイトのメーリスを使ってスタッフ陣にありがとう、プレイヤーには俺らが頑張らないといけないよということを回してそういう所で意思疎通が出来たかなと思います。トーナメント優勝した青学がやっていたみたいなので良い所は取り入れていこうと思っていて。それが直接勝利に繋がったか分からないんですけど結果的に勝ったんで。(途中得点が止まったが)本来は二ノ宮が起点となってトランジションやるんですけど、トラブルがあってハーフコートになって点が伸びないということに。その中でもディフェンス一つ一つ頑張ろうと思っていました。でもあっちのバックアップメンバーのスカウンティングをやっていなくて前半は対処できなかったです。去年もトーナメント調子良くなかった選手が慶早戦活躍していて、この大会は何が起こるか本当分からないんで、一つ一つのプレイを大事にしていこうと思いました。(酒井選手のガッツポーズについては)自分もチームも勢いに乗りますし、結果的に最後は駆け抜けていったというか岩下のダンクで良い感じで終わったので。僕のダンクはだめだったんですけど(笑)。あれはちょっと調子乗りました(笑)狙っちゃいましたね(笑)(秋に向けて)慶早戦って本来とは違うんで外も入らないですし、異様な雰囲気ですし。これは別物です。リーグはリーグで1戦1戦、もっとシュートとチームプレイの精度を高めてリーグでは青学も倒したいですし、インカレも優勝をかかげているんで、この勢いで駆け抜けていきたいです。個人的には怪我をすぐ治してオフも楽しんでいきたいです(笑)。

岩下

(ファウルトラブルもあったが)二ノ宮とかは気負いすぎた部分もあるのかなと思いますけど、とりあえず結果的にファウルトラブルになってしまったので、途中祐典と家治と3人で、俺らがしっかりやろう、という風に声をかけてやって、チームの軸となるべき自分達が最終的に頑張れたのがよかったかなと思います。あとは本当にみんなが頑張ってくれて、全員で勝ち取った勝利だと思います。(気持ちが入っていたか)本当に無心だったし、とりあえず勝ちたいっていうただそれだけだったので。(久保田とのマッチアップは)あいつ上手いんで所々抑えられなくて、多分今日も30点ぐらい取ってると思うので、僕としても1on1は課題ですね。(最後の終盤に力を出せたのは)どうしても勝ちたかったので。周囲の人々の支えとか、ベンチ帰ってもすごい後押ししてくれるし、そういった力も原動力になったのかなと思います。(いつもと違う雰囲気だったが)本当に最高の環境でやれて、試合始まる前とかも身震いするぐらい気持ちいい歓声のもとやれたのは本当に嬉しかったです。(去年は勝ちきれなかった所を今年は勝ちきったが)この試合を通して得られたもの、チームが成長出来たことというのが今後顕著に表れてくるはずだと僕自身思ってます。そのターニングポイントだと思ってたので、この勝ちきった試合は自信になるし、まあリーグ戦長いですけど、なんとか弾みをつけてそのままインカレに臨めればと思います。(泣いてましたね)いやぁ,本当に勝ちたかった。(自分の代で勝つというのは違うか)違いますね。この1週間それしか考えてなかった。去年負けたイメージっていうのがありますし。でもお客さんにいい試合を見せられてよかったです。(今日勝って戦績をタイに戻したが)後は後輩に託して、彼らが勝ち越してくれることを祈りながら、応援しようと思います。(秋のシーズンに向けて)春の大きな目標を1つ達成出来たので、インカレに向けてリーグ戦長いですけど照準を合わせて、目の前のこと1つ1つをしっかりやって、勝っていきたいと思います。

家治

今日は、ニノさん(二ノ宮)とか4年生が言っていた通り何が何でも勝ちたい、どんな接戦でも勝ちたい、という強い意気込みでやっていたので勝てて良かったです。(序盤はどんどん得点していましたが、中盤は焦りなどがありましたか)緊張…最初自分ではちょっとしてるかなぁと思ったんですけど思ったよりシュートタッチ良くて、前半は4年生緊張するだろうと思っていたので、自分がシュートタッチ良くてよかった。どんどん打っていこうとした結果、点に結びついて良かった。でも後半は…焦ってたというか雰囲気にのまれちゃって(笑)。周り見えなくなっちゃったのは反省をしなければいけないと思う。でもその時に4年生ががんばってくれたので勝利に結びついたのかな、と思います。

蛯名

楽しかったです。勝てたんで良かったです。(緊張は)多分なかったです。リングの下にお客さんがいっぱいいるのが初めてで緊張したんですけど、高校の時はもっとお客さんが入ったこともあったので、緊張は多分なかったです。(1Q慶大がリードしたあとに早大ペースの時間が続きましたが)トーナメントでも新人戦でも僕の役目はディフェンスだったので、早稲田の井手選手を抑えることだけ意識して。あとリバウンドとチームでやること…例えばここでパスを入れるとかスクリーンをかけるとかを意識しました。(4年生の涙を見て早慶戦の重みを感じたか)やっぱりそうなんだなぁ、と。僕あんまり泣かないんで、自分で言うのも何なんですけど(笑)。でも心動かさせる部分はありました。(ポイントガードとしてプレイした手ごたえは)なかったです。ニノさんがいない時は正直何もできなくて。ミスもしてしまった。個人的には1番で出たより2番で出た方が合っているのかな、と思うんですけどきっと来年再来年あたりから1番で使われるので、やれと言われたらできるようになりたい。(春シーズンを振り返って)正直ここまで試合に出させてもらえるとは思っていなかったので、嬉しい。でも出たら出たで一応、点数とったりリバウンド取ったり成績は残せているので、今の調子で秋シーズンもこれからの3年半…もがんばっていきたいです。(ルーキーとは思えない落ち着きぶりですが)よく言われます(笑)。(昔からですか)よく覚えていないですけど…自分ではあまりそう思っていないですね。焦る時は焦りますし、ミスる時はミスりますし、はまる時ははまるので。でもそうしないように意識しているのでそれが結果としてそういう風に見えるのかもしれないです。

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