4月15日、今年で第45回を数える東京六大学対校陸上競技大会が開催された。それぞれ冬にトレーニングを積んだ東京六大学の選手たちが、国立競技場に集結し、熱戦を繰り広げた。
2012年4月15日(日) 東京六大学対校陸上競技大会@国立競技場
100mの予選では、世界ジュニア記録を持つ山縣亮太(総2)が別格の走りを見せた。爆発的な加速力で10”25の大会新記録をたたき出し、堂々の1位で予選通過。決勝でも10”37を出し見事優勝を決めた。4×100mリレーには、本橋(経4)、谷口(経3)、岩見(理2)、山縣が出場。1、2位を競るかたちでアンカーの山縣にバトンが渡ると、再び山縣が会場を沸かせる。2位以下に力の差を見せつけ、39”88の大会新記録で優勝。さらに山縣はトラック部門の最優秀選手に選ばれた。昨年、関東インカレを制した4×400mリレーにも期待がかかったが、こちらの結果は6大学中5位。昨年までのエース・廣瀬(環卒)の抜けた穴が大きいことを感じさせる結果となってしまった。
フィールド部門では、慶大が79点を獲得し見事1位に輝いた。フィールドパートチーフの秋本(総4)は、塾新記録となる15m88を叩き出し優勝。本大会三連覇を達成した。さらに走幅跳では長尾(環4)が7m25を出し優勝。三段跳では重村(3)、和泉(政2)が1、2位を独占し慶大に大量得点をもたらした。その他にもルーキーの刈田(1)が走高跳で1m95を跳び2位になるなど、これからの成長が楽しみな選手も現れた。慶大はトラック部門48点、フィールド部門79点の合計127点で総合3位だった。
対校戦結果
総合
優勝 早大 153点2位 法大 130点
3位 慶大 127点
4位 明大 72点
5位 東大 41点
6位 立大 25点
トラック
1位 早大 91点2位 法大 67点
3位 明大 65点
4位 慶大 48点
5位 東大 立大 15点
フィールド
1位 慶大 79点2位 法大 67点
3位 早大 62点
4位 東大 27点
5位 立大 11点
6位 明大 7点
慶大選手の結果は以下の通り
種目 | 選手 | 記録 | 結果 |
100m | 山縣 本橋 | 10”37 11”00 | 1位 6位 |
400m | 春山 大野 | 49”90 49”79 | 7位 予選敗退 |
800m | 浅井 櫛田 | 1’54”51 1’54”64 | 2位3位 |
1500m | 坂庭 岡田 | 3’56”62 4’10”49 | 4位8位 |
5000m | 門出 鐵本 | 14’59”54 15’18”31 | 7位10位 |
100mH | 小島 久保 | 14”95 15”35 | 6位8位 |
3000mSC | 粟田 | 9’52”75 | 10位 |
4×100mR | 本橋-谷口-岩見-山縣 | 39”88 | 1位 |
4×400mR | 室伏-大野-春山-笹村 | 3’18”07 | 5位 |
走高跳 | 刈田 詫摩 | 1m95 1m90 | 2位 3位 |
棒高跳 | 杉本 吉田 | 3m80 3m60 | 4位 8位 |
走幅跳 | 長尾 三宅 | 7m25 6m81 | 1位 7位 |
三段跳 | 重村 和泉 | 14m99 14m90 | 1位 2位 |
砲丸投 | 秋本 キアラシ | 15m88 11m37 | 1位 6位 |
円盤投 | 堀内 秋本 | 43m34 39m92 | 2位 5位 |
(文・大貫心明)
コメント本橋主将
(100mを振り返って)ものすごい調子がいいとは思っていませんでしたが、もう少し記録が出せるかな、と思っていました。絶好調ではありませんでした。自分の感覚とレースのタイムが合わさっていないと感じました。今日は課題がいくつか見つかりました。その課題をしっかり直して関東インカレに向かっていきたいと思います。(リレーでは大会新記録で優勝を成し遂げたが)今シーズンの短短の目標が、4継全勝でした。六大戦の目標は40”04の大会記録を更新しての優勝、ということでしたので、まずはその2つの目標がしっかり達成できたという点は非常に良かったです。(主将として、今日の競走部の全体の結果を見ると)出来は良かったと思います。六大戦の目標は「早大に迫る勢いを」ということで、得点だけでなく、応援やサポート等全ての面でどこまで迫れるか、ということに重きを置いていました。近年ずっと3位だったのを、法大を抜いてどれだけ早大に迫れるのか、ということを考えていました。結果的に3位だったのですが、それでも過去の結果よりも、法大に3点差というギリギリのところまで追いつけたので良かったと思います。さらに応援では早大を圧倒していたという風に思います。今後関東インカレや早慶戦に向かっていくというなかで勢いがついたのではないかと思います。(今後の出場予定のレースは)4月中に横浜市民大会と日体大の記録会に出場します。そのあとは関東インカレになります。(関東インカレの抱負は)チームに関しては関東インカレを部員全員が目標にしています。男子は総合8位入賞がチームとしての目標です。そのなかで、短短チームとしては4継は必ず勝つ、中大を倒して優勝したい、と意気込んでいます。個人としては出られるか微妙ですが、これから競争を勝ち抜いて、山縣とともに表彰台にのぼりたいと思っています。
山縣
(100mに関しては)練習の段階で結構記録が出せていました。良い記録がでるのかな、とは思っていました。やはり試合で良い記録が出せたので良かったです。(決勝で早大・九鬼選手を意識することなどはあったか)レースのなかで人のことは気にしないようにしていました。今までだったら横目で気にしていたとは思うんですけれども、そういうのをなくそうと心がけていました。そういった意味では意識はしなかったです。(リレーではアンカーとして勝利に導いたが)慶大の短短チームにとってリレーで全て勝つ、ということが今年の目標でした。幸先の良いスタートが切れたと思います。(トラック部門の最優秀選手に選出されたが)早大のディーン元気さんと並んで表彰されるというのはやはり自分にとっては光栄なことでした。やはり嬉しかったです。(今後出場予定のレースは)4月29日に広島で織田記念という大会でシニアの選手の方々と戦います。5月3日に静岡国際グランプリがあり、そこでは200mで出場します。6日には川崎グランプリ、その1週間後から関東インカレがあります。それから1ヶ月くらいあいて日本選手権、という形です。かなりレースが立て込むので、疲労と向き合いながら、疲れをためないようにして、納得のいくレースをしていきたいです。(今年度の目標)僕が大学にいる間で唯一のオリンピックに行くチャンスなので、それに出られるように、まずは標準切りをしたいと思います。
秋本
(見事、本大会三連覇です)あまり実感はないですね。三連覇については特に意識はしていなかったんですけど、勝てればいいかなと思っていました。(慶大はフィールド部門で1位に輝きましたが、フィールドパートチーフとしていかがですか)そちらの方が嬉しいです。自分が三連覇できたことももちろん嬉しいですけど、フィールド種目79点で優勝できてよかったです。今回フィールドの7種目で70点以上取ろうという目標を立てていたんですけど、まさか10点近く上回って優勝できるとは思っていなかったので、本当に嬉しかったです。(個人の投擲の内容を振り返って)今日の個人的な目標として、勝つということと、記録として16mというのを目指してやっていたので、記録的にはまだまだではあるんですが、日本選手権B標準の15m80をまず超えられたということと、塾新記録をようやく四年目にして達成できたので、その点は嬉しいです。けれど、やっぱり16mを目指していたので不満は残りました。(冬の練習は)冬前に特集を組んでいただいたときは回転投げをやると言ったんですけど、新しい試みでやっぱり難しかったので、安定して記録が残せるであろうグライド投法でやることを決めました。この冬は、最初の頃は回転投げをやったんですけど、2月の終わりにグライド投げでやっていこうと決めてからはその練習をやっていました。メインでやろうと思っていたのは体力作りで、ウエイトトレーニングと、足が痛かったのであまり走り込みはできなかったんですけど、坂ダッシュとかはある程度できたので、体力作りはこの冬しっかりできたかなと思っています。(関東インカレに向けて)今年の本橋主将のチームは関東インカレの場でもしっかり戦えるチームだと思っているので、チームの目標としては総合優勝を目指しています。個人としては16m50を投げて表彰台というのをずっと目標としているので、チームの総合優勝に少しでも貢献できるように、僕は砲丸投げで頑張りたいと思います。
長尾
(1位という結果について)記録的にはまだ満足のいくものではないですけど、僕これ一年のときに怪我しちゃってこの大会に因縁があったのでそれがはらせてよかったと思います。(今日の跳躍はいいものであったか)ファール4本でそのうち記録残ったのがうち2本でそれも会心の跳躍とはいえなかったので不満の残る内容でしたけど1位とれてよかったです。(今日の試合前のコンディションは)それなりによくて、ちゃんとした跳躍ができれば記録残せるなあと思ってました。(フィールド1位という結果について)みんなどこかで崩れるかなと思ってたんですけど想定した以上にみんな結果残してくれたと思います。(今後の試合予定)2週間後に大学の記録会でるんですけど、それともうひとつでて5月の中旬に関東インカレにでるんですけどしっかり記録残したいと思います。(今年度の目標)関東インカレとかの学生の大会があるんですけど入賞もしくは表彰台にのぼれたりできたらいいなと思います。
重村
(優勝しましたがいかがですか)公式戦で結果を求められていたので、後輩の和泉と1,2位を独占しようと話していました。第一の目標は達成できたかなと思います。(今日の内容を振り返って)最近の調子は最悪だったんですけど、とにかく応援が力になりました。(冬はどのようなことに重点を置いてきましたか)去年の冬で失敗してけがで動けなかったので、今年は弱った筋肉を鍛えるためにウエイトトレーニングを中心にやっていました。(目標の記録は)目の前にある15m15の関東インカレA標準を目指していきたいと思います。(関東インカレに向けて)去年は下から三番目くらいでボロボロだったので、今年は3位以内目指して頑張りたいと思います。
刈田
(1年生ながら堂々の結果でした)2位に入れたことに関してはよかったんですけど、自分の中で2mを跳びたいという気持ちがあっただけに、1m95という惜しい結果で終わってしまったのは悔しかったですし、残念でした。でも今回悔しい思いをしたことで、次こそは絶対2m跳ぼうという気持ちになれたので、この試合はこの試合でよかったと思います。(今日の内容を振り返って)跳躍としてはなかなかいい跳躍も出まして、1m90の三回目ではかなり高さも出たので、2mを跳ぶことは次の試合あたりで実現できる手応えがありました。(関東インカレに向けて)自分は1年生という立場ですし、失うものは本当に何もないので、自己ベストを出すくらいの勢いで、しっかり狙って合わせていきたいです。
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