◆ネットプレーを武器に、勝利の活路を切り開く
井上 善文(経2)―春関、コンソレでインカレ本戦出場が決まりましたが、振り返って
去年の春関ではシングルスは本戦に上がれず、ダブルスも本戦で一回勝ったんですが二回戦負けで、インカレ予選出場。でも結局本戦には上がれず終わったんですけど、今年は単複二回勝って、インカレ本直(予選を介さず本戦から出場すること)を決めるコンソレで上がることができて、とりあえずほっとしているというか安心しています。ただダブルスに関して言うともっと上を狙えたと正直思っていて、本当優勝を狙っていましたし、三回戦で明治の小野・古橋とやったときもセカンドセットでリードする場面があったのにしっかり勝ち切ることができなかったのは甘さがあったなと思います。そこを克服して早慶戦に臨みたいです。―去年の春関に比べて大きく戦績を伸ばした要因は
正直はっきりとは分からないんですけど、練習中の集中力だったり、練習外のところでどうやったら自分を強く見せることができるかということだったり、私生活の睡眠時間だったり栄養管理だつたり、テニスに関する話で言うと、ダブルスのファーストサーブ、ファーストボレー。シングルスでも自分の武器であるサーブとボレーをどういうふうに織り交ぜて相手の土俵に乗らないかというか、自分の土俵に相手を乗せることができるかっていう工夫が段々できるようになってきたんだと思います。―昨年はダブルスでの活躍が多かったですが、今年はシングルスでも存在感を示していますね
シングルスはさっき言ったことと少し被るんですけど、最近はサーブアンドボレーでネットに出る人があんまりいなくて、やっぱりラリーをしっかりしっかりして、っていうのが主流。その中で僕は他の人がやらないような、すぐネットに出てポイントするのであったり、ストロークもただ打つのではなく緩急をつけて自分の持っている球を生かして、スライスを混ぜたり、人とは少し違うようなプレーでシングルスをやっていくっていうのはあります。―ダブルスでは志賀選手と組むことが多いですが、ペアとしての調子は
去年の夏関では本戦一回戦負けで、新進は志賀さんが出てなかったので、この前の春関で組みなおして、志賀さんとの呼吸もあってきましたし、お互いがどこを取って、どこを取らないかも分かってきた。あとは話せるようになってきたことが一番大きくて、ポイント間などに、相手はどこが嫌だとか、あとはアイフォメーションを多く使い始めたり、結構引き出しが増えてきたかなっていうのは感じます。
―昨年度の早慶戦ではどんなことを学びましたか
最初、ちょうど一年前の早慶戦では団体戦自体が初めてで、正直緊張していたのであまり覚えてないというか、何もできずに負けたという感じだったんですけど、リーグ・王座とどんどん早慶戦を経験するにつれて早稲田がどういうプレーをしてくるのかということや、そのプレーに対して自分がどういうプレーをしていくのが一番勝ちに近いのかということが分かってきました。具体的には、早稲田はストロークをしぶとくやってくるので、それをいかに足をつけたボレーで返して、チャンスにつなげていくかという感じです。
―早慶戦に挑む上で、どんなことを意識しますか
まだ出場する選手は分からないんですけど、まずダブルスを考えると、とにかくガッチリしたダブルス、というか相手に気持ち良くプレーをさせない。サーブから崩して、ボレーでしっかりポイントを取る。そういうところをしっかりして、あとは志賀さんが後ろでストロークをやっていただくときに、自分が、前で掻き回して相手にプレッシャーをかけることが大事だと思います。
―早慶戦で一番注目してもらいたいプレーは
やっぱり単複ともにネットプレー!それが自分の持ち味だと思うので、詰めの早さだったり、相手が苦しまぎれに上げたロブをスマッシュで決めるところだったり、ネット前での動きに注目していただきたいです。
―春関での戦績を踏まえて、早慶戦ではシングルスでの出場がありそうですか
いやっ、自分だとわかんないんですけど(笑)。まあでも去年は正直ダブルスに専念していた部分があって、でも今年はやっぱりシングルスでインカレ本直も決めましたし、自分で積極的にアピールもしていって、シングルスも出る心構えで常にいたいと思っています!―逆にダブルスにはやはりこだわりがありますか
まずは慶應の中でも、ダブルスには井上がいるというふうに存在感を出したい!っていう気持ちがあります。もちろんシングルスもここから出していくのが大事だと思うんですが、まだ早慶戦で勝利も挙げられてないので、まずは自分のダブルスで今回の早慶戦で一勝をとって存在感をアピールしていきたいです。―最後に早慶戦への意気込みをどうぞ!
まだ誰が出るかとかは全く分かりませんが、自分が単複出る気持ちで、そして出たときに勝つ気持ちで。とにかく一本一本5セットマッチで長い試合になると思いますが、集中力を切らさずに自分のプレーをしっかりやるということが一番勝利への近道だと思うので、試合に入ってもやっぱり、あがらずに思い切りの良さを見せ付けてやりたいと思います!
◆井上 善文(いのうえ よしぶみ)
慶應義塾高等学校を経て現在経済学部2年。昨年はダブルスを中心に活躍を見せていたが、今年はシングルスでも存在感を発揮。サーブ、ボレーから、ストロークに至るまでマルチな球種をもって、インカレ本戦出場権を獲得した。早慶戦でも井上の闘魂のあふれるガッツポーズに期待したい。
◆爆発的なバックハンドで勝利へと登りつめる
権 大亮(総2)―先日の関東学生トーナメントを振り返って
そんなに調子は良くなかったわんですけど、しっかりインカレの本戦を決めることができて、まあ、この冬は勝負強さにこだわってやってきたので、その部分が出た結果かなと思います。―今大会の早慶対決を振り返ると
今年ダブルスで早稲田と当たって、去年早稲田と対戦したときと比べて、今年はすごく自分の力もついているし、いけるという気が持てました。―今年は一年生の渡邉選手とダブルスを組んで出場されましたが、感触は
最初はやっぱり二人の役割が上手くいかなかったんですけど、試合を重ねていくにつれて、僕がストロークを繋いで、ペアの渡邉が前でしっかり動いてっていう形が確立できて、それで早稲田にも勝つことができたので、すごく自信になりました。―昨年度の春の早慶戦やリーグ、王座での早慶戦のなかで一番印象に残っている試合は
王座の決勝で早稲田の大城光と当たった試合です。高校のときの同級生で、早慶で分かれて戦うことになったので、高校のときはずっと勝てなかったんですけど、今度は絶対勝ってやるっていう気持ちで臨んで、でもそこでも勝てなくて。すごく悔しかったです。―第一セットは食らいついていた印象でした
はい、そうですね。4-4までは競っていて、すごくいい感じだったんですけど、やっぱり勝負所で去年は自分のプレーができなくて、ディフェンシブになってしまって相手に攻め込まれまして流れを持っていかれてしまいました。今年は絶対競るとは思うんですけど、そこの部分でしっかり攻め切って勝負をものにしたいと思います。―去年の三回の早慶戦を経験して、早慶戦への思いは生まれましたか
はい。今年こそは絶対に早稲田に勝ちたいと思います。―去年のこの時期からどんな変化がありましたか
技術的な成長がどうっていうよりは試合でコンスタントに勝てるようになりました。去年の春関は予選で負けていますし、それに比べたら夏関で本戦に上がって二回勝って、新進でベスト4まで行って、今年の春関ではインカレ本直を決めたというように、徐々に試合の結果は
出始めている。でもまだこれが自分のベストではないと思うので、インカレでは優勝を目指してやっていきたいです。
―後輩の一年生が入部して、チームの中での自分の役割は変わりましたか
去年は一年生ということで思いっきり、ただ思いっきりプレーしていたんですけど、今年からはしっかり下を引っ張っていかなきゃいけないし、なおかつ上にもついていって、仲介というか、うまく上と下を繋げられるように。プレーで引っ張っていくのはもちろんですけど、
うまく部全体でコミニュケーションを取れるようにしていきたいです。
―早慶戦で注目してもらいたいプレーは
去年はシングルスだけでの出場だったんですけど、この前の新進でもベスト8で、今年も春関でインカレ予選予選が決まってダブルスでの成長が飛躍的なので、もしダブルスで出る場面があれば、注目していただきたいです。
―早大も若い選手が活躍していますが、特に意識しているのは
大城ももちろんそうですけど、春関でベスト8に入った古田選手とか、ベスト16だった岡村選手とか、ポテンシャルの高い選手がたくさんいるので、そうした選手にも勝てるようにやっていきたいです。
―早慶戦への意気込みをお願いします
去年はシングルスだけの出場で、しかも早稲田に対しては一本も取ることができなかったのですが、今年は単複出場して絶対二本取ってくる気持ちで頑張ります!
◆権 大亮(ごん だいすけ)
秀明栄光高等学校を経て現在総合政策学部2年。早大の大城は高校時代のチームメイトであり、現在は負けられないライバルである。持ち味は爆発的なパワーを秘めたバックハンドだが、今年はそこに安定感が加わり、勝率を上げている。
(取材・伊藤 明日香)
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