【ラグビー】課題が残るも4試合ぶり勝利 関西学院大戦

 現在、怪我人の影響もあってAチーム3連敗中と例年になく調子を落としている慶大。チームの雰囲気を上げるためにも勝利という結果が欲しい中、ホームに関西学院大を迎えた。試合は決して圧倒する内容ではなかったものの、慶大らしいアタックの形も随所に発揮して34-12で勝利。4試合ぶりの勝利を挙げた。

 

5月30日 練習試合 対関西学院大@下田グラウンド

得点
慶大 チーム 関西学院大
前半 後半 VS 前半 後半
T
G
PG
DG
10 24 小計 12
34 合計 12
 

【得点】慶大のみ

T=古岡、金本2、明本、髙橋浩、立石

G=仲宗根2

慶大選手
ポジション 名前(学部学年) 交代選手
1.PR 古田 哲也(環3) →17.小田 基貴(商2)
2.HO 金子 大介(総4)  
3.PR 髙橋 浩平(経3)  
4.LO 佐藤 大朗(総2)  
5.LO 立石 真也(総4)  
6.FL 柴田 翼(環4)  
7.FL 阿井 宏太郎(環4) →19.髙橋 立寛(環4)
8.NO8 明本 大樹(総3)  
9.SH 古岡 承勲(経4) →20.小斉平 聖人(商4)
10.SO 和田 拓(政4)  
11.WTB 三木 貴史(経4)  
12.CTB 仲宗根 健太(総3)  
13.CTB 落合 陽輔(経4)  
14.WTB 金本 智弘(理4) →22.児玉 健太郎(環1)
15.FB 小川 優輔(環3) →児玉 健太郎→小川 優輔
16.FR 渡辺 祐吉(経2)  
17.SR 伊藤 悠(商3)  
21.CTB 甲斐 鑑(理2)  
 

 前半、「タックルと運動量」(明本・総3)をフォーカスする慶大は鋭いタックルと、タックル後の各選手の素早いアクションで試合を優位に進めていく。そして、両チーム得点できないまま迎えた20分にスコアは動いた。SH古岡(経4)が「敵のディフェンスのミス」(古岡)の隙を突いてボールを奪うと、およそ40mを独走してトライを決めて5-0として、4試合ぶりとなる先制点を奪った。勢いづく慶大は追加点を狙う。前半27分にキックボールを三木がキャッチするとここから小川(環3)、金本(理4)とパス回しを展開。「パスがいい形で回ってきた」と振り返る金本は相手ディフェンス数人を置き去りにして右スミにトライを決めて10-0。リードして前半を折り返した。

 リードを広げたい後半だったが、ミスから失点を喫してしまう。5分にパスミスから大きなゲインを許すと、サイドで数的不利に陥りトライを許して10-5。後半立ち上がり早々の失点で不穏な空気が流れてしまう。しかし、試合を優位に進めるためにも追加点が欲しい慶大はすぐさま反撃。10分に敵陣でのラックから途中出場の小斉平(商4)と和田(政4)のHB、落合(経4)、小川とつないで最後はまたしても金本。「チームで崩して取ったトライ」(金本)と振り返るように慶大らしいアタックを披露して関西学院大を15-5と引き離すことに成功する。この後も攻撃の手を緩めない慶大は23分に明本、28分には髙橋浩(経3)がそれぞれモールからトライを決めて27-5まで点差を広げた。さらに35分には三木、児玉(環1)などのゲインでトライまであと1歩のところまで運ぶと、最後はこの日LOで出場する立石(総4)が押し込んでトライ。34-5と順調に加点していく。しかし、最後に罠が待っていた。自陣でキックをチャージされたことをきっかけにまさかの失点。「最後の(点の)取られ方が良くなかった」(金子・総4)と語るように、課題を残してノーサイドの笛が鳴った。

 「やることができて勝てた」(金子)。チームカラーを発揮しての勝利は喜べる部分だろう。ただ、一方で「最後までゲームコントロールできなかった」(三木)という課題が出てきたことも明らか。次戦の相手は昨季の大学選手権王者・帝大。慶大も対抗戦で敗れている因縁の相手にはこの試合以上の「タックル」と「運動量」が必要だろう。「リベンジ」(阿井・環4)を果たすためにも、「小さい自分たち走って走って勝つ」(古岡)。課題を修正しつつ、持ち味を最大限に発揮するラグビーで勝利を期待したい。

By Tomoki Kakizaki

 

監督・選手のコメント

林監督

(試合の総括)2つトライをとられたのの取られ方がすごく良くなかったので、後味の悪い試合ですね。一つ目はペナルティーでボケっとしてて。最後のは最悪でしたね。タッチキック蹴ればいいところで結局キックミス、キック蹴らないで攻めたりして、そういうところでトライとられてしまって。最後は良くなかったですね。(今日の試合のプランは)仕事量とペースで勝負しようとしていました。特に、今まで前五人の仕事量が少なかったので、はっぱをかけて。(チームの状態は)怪我人がまだ多いんですけれどもね。今日は少し良くなったんじゃないですか。良くなったというか少しメンバーが戻ってきたというか。(次の帝京戦について)2週間後なので、もう一回仕事量にフォーカスしてやっていきたいですね。あとはブレイクダウン。今日はもう捨てられていましたからね。次帝京と早稲田は絶対捨ててきませんからね。特別なことは特にしませんが、帝京と早稲田は秋のターゲットになってきますので、しっかりやりたいですね。

和田ゲームキャプテン

フォワードにすごい運動量があって、助けてもらったのに最後の20分のところでゲームコントロールをミスってしまったので。もっとうまくできると思うので、そこは去年からの課題なのでもうちょっと成長しないといけないなと思います。前半できてることが後半できなくなってしまっていて。タッチ出すところはしっかり出して。最後のトライも出してれば終わりだったので。チームの反省というよりは個人的に反省しなければいけないと感じています。(ゲームキャプテンとしては)とにかく元気出していこうと。やってきたことを出すしかないので。その面では皆声掛け合ってできたと思うんですけど。メンタル的なところと技術的なところはまだ噛み合っていないところはあったんですけど。(チームとしての課題は)敵陣への入り方ですかね。そこは今シーズンのキーになってくると思います。精度もオプションもしっかり高めてという感じですね。(良かった点は)フォワードにすごい運動量がありましたね。それはすごい助かったし、モールトライも取れましたし。今日みたいに良いテンポで出していければ僕らのアタックができると思います。(チーム状況は)今まで勝てていなかったので少し元気がなかったんですけど、気持ちの面では今日の感じで続けていければあがっていくのかなと感じています。(帝京戦は)どれだけフォワードが走ってくれても、ゲームコントロール、僕だと思うので。10番の選手が慶應をどうコントロールできるかが勝利するかしないかにつながってくると思うので。そこだけしっかりすれば良い試合ができると思います。

金子

(振り返って)最後の(点の)取られ方が良くなかったが、セットプレーの安定はできたので復帰戦としては良かったと思う。次の帝京戦に向けて新しい課題ができて、僕自身やっと勝ててホッとしている。(具体的な課題は)1番の古田とか、スクラムが落ちてしまう部分があって、プレッシャーがかけられることもあると思うので(スクラムを)組んで弱いなと思うことはあった。帝京や早稲田、東海はそういうレベルをプッシュしていると思うので、僕らも3人でまとまってプッシュしていきたい。ただ組んでいる部分があるのでもっとプッシュしてプレッシャーをかけていきたい。(フォーカスした点は)運動量として僕は前3の誰よりもオーバーとかクリーンアウトの回数を多くしようと思ったんですけど、できたかどうかはわからないのでビデオを見て分析したいと思う。(収穫点は)まだまだ成長段階なのでビデオを見ないとわからないが、3番の高橋浩平がスクラムを組めるようになって成長してきたというのを感じることができた。(前3の強化をしてきて手応えは)ようやく少しは実感できたかなという感じ。来月から1ヶ月間は平日、土日もスクラムを組んでいこうと思っているので来月1ヶ月でさらに伸ばそうと思う。成長を感じることができてうれしい。(久しぶりの勝利でチームに与える影響は)勝利というよりは今まではやることができなくて負けていたので、やることができて勝てた部分があって、去年や一昨年は(春シーズンを)勝ち続けてきていて、何で負けているんだろうというのがあったので、自信に少しつながったと思う。(帝大戦に向けて)欲は出さなく、まずはセットプレーの100%の安定。ラインアウトやスクラムでプレッシャーをかけてくると思うので、100%こなせば他のプレーもいきいきとしてくると思うのでそこをフォーカスしたいと思う。

阿井

(振り返って)今季、怪我が多くてまだ2試合目なのでまだまだチームにフィットしていないというか、納得できる部分も少しあれば、まだまだ納得できない部分が結構あった。ブレイクダウンの部分やボール持った時に絡まれたり反省点が見えた試合だったのでやって良かったと思う。(フォーカスした点は)チームでは仕事量というのをフォーカスしていて、僕自身もFLなので仕事量は意識してポイントに入った後、すぐに次のポイントに行けるか、プレーとプレーの間を休まないでできるかということをフォーカスした。あとはFLはタックルの後すぐに起き上がってボールに絡むというのが求められているのでそこを意識した。(先ほど出た反省点からどう修正が必要か)全て修正しなければいけないが、僕自身体が小さいFLなので仕事量を上げなければいけないし、しっかりタックルも一発で決めなければいけないし、ボールを持ったら前に出てボールを出さなくてはいけない。体が小さくても他のFwdに何もハンデがないと思われるくらい良いプレーをして修正していきたいと思う。(収穫は)タックルは自分のエリアに入ってきたのは恐らく止められたと思う。結果を見てみないとわからないが、真っ直ぐブレずに自分の力がしっかり伝わる姿勢で入るということを意識してやって、1~2本は良い姿勢で入れたのでその点は収穫だったと思う。(帝大戦に向けて)去年の秋は負けた相手で僕は怪我で出れなかったので、外から見ていて悔しかったのでリベンジをしたい。ブレイクダウンが相当激しい試合になると思うが、FLとして負けないように頑張りたいと思う。

明本

自分たちのやりたいことが形になって今日は出来た。ボール回しもうまくいったので自分としては満足。(フォーカスしていた点)タックルと運動量。運動量を上げるために寝た選手はすぐ立つようにしていた。(達成度は)自分もFwdもBksも走れていたので今日はよかったと思う。(自身のプレーの出来は)ジャッカルも決まりNO.8としてのプレーは出来たと思うので自分としては満足できた。(トライについて)みんながモールを作って最後に僕が持っていただけ。トライできたのはみんなのおかげ。(課題について)最後にトライ取られたところもあったが、最後切るところは切るべきだった。試合後に練習もしたが切るところは切るというメリハリが必要だと感じた。(キックに関して)チーム内で統一されていて和田さんがチャレンジしていたが相手に取られてしまった。切るところは切るということで修正していこうと思う。(次の試合に向けて)僕はAチームに定着しているわけではないので先輩を目標にして自分のプレーはしっかりやって来週の試合も自分らしくやっていきたい。

古岡

最近勝てていなかった。敗因としてはゲームコントロールにあると思っていた。陣地を取っていこうとして要所要所自陣でボールを取れたのでゲームコントロールは出来たと思う。(フォーカスしていた点は)ゲームコントロール。前の3試合はゲームコントロールが出来ていなかった。陣地は取っていかなければいけないと教えられている。(自身の調子について)自分の売りは早いテンポで出すことなのでそこは出来たと思う。ただゲームコントロールはまだまだだった。(40メートルをゲインしてのトライについて)敵のディフェンスのミスからだったのでごっつぁんトライだったと思う。(今日の課題は)攻めの部分の全体的なフィットネス。味方Fwdがもっと自分に来て欲しかった。(次の試合の抱負)ゲームコントロールに気を付けたゲーム運びと小さい自分たちは走って走って勝つことを意識していく。

三木

(振り返って)負けが続いていたので、内容がどうであれ結果として勝つことができてホッとしている。(フォーカスした点は)自陣から攻める傾向が最近あって、そこを攻めるのを抑えてキックでゲームコントロールしていこうというのがあった。最後の方は自陣なのに突っ込んだりする場面があったが、全体としては良かったと思う。キックをコントロールすることをフォーカスした。(反省点は)チームとしては最後に突っ込んでしまい、最後までゲームコントロールできなかったこと。個人的にはWTBとしてのトライを取れていないことが反省点。(帝大戦に向けて)春シーズンも終盤に差し掛かってきて結果にこだわらなくてはいけなくなってきたので、内容は成長できるので勝つということを1番重視してやっていきたい。

金本

(試合を振り返って)やっぱりチームとしては後半のゲームの作り方も甘かったので、それが秋に出てくるとまずいので、次に向けて修正したい。(蹴り合いになったが)自分たちのいいところでキックして、ゲームをコントロールしていこうという(意識が)あったので、蹴り合いになるのはわかっていたが、そこで自分たちのダイレクトであったり、キックのチョイスのミスがあったので、自分たちでリズムを手放してしまったことは反省するところだと思う。(2トライ決めたが)(1トライ目は)僕の前のパスがいい形で回ってきたので、ケガをして久しぶりの試合だったが、思い通りに走れたかなと思う。(2トライ目は)ただ僕が(ボールを)置いただけであって、チームで崩して取ったトライだった。(次戦に向けて)帝京は去年の対抗戦で最後逆転されて悔しい思いをして、個人的にもすごい悔しかったので、それを晴らすためにも、今日ちょっと内容が悪かったので、しっかり修正して勝ちたい。

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