6月30日(土)慶大三田キャンパスにてロンドン五輪水泳日本代表に選ばれた立石諒(環4)選手の壮行会が行われた。ロンドン五輪を目前にした立石選手を激励するために多くの塾員、塾生が集まった。盛大な激励を受けた立石選手がロンドン五輪に向けて熱い思いを語った。
体育会水泳部長 井上逸兵
皆様こんにちは。本日はお集まり頂きまして本当にありがとうございます。狭い場所で本当に心苦しいんですけども、こんなにたくさん集まって頂いて感謝感激でございます。この会費の値段を見て大人の事情もわかって頂けるかと思っております。本当に心より感謝致します。立石も色々な場所で壮行会をやって貰っていると思うんですが、クラブや出身高校や、もちろん水泳部でもやりました。ですけども、今最後に水泳部だけでなく慶應の皆様の一押しで、スタート台でより良くより強いキックを彼にして欲しいと思いまして、この会を企画致しました。実は私は水泳に関して素人なんですが、彼の泳いでいる速度は既に世界一で、北島よりも速いのです。しかし飛び込む時が北島は上手なんです。これが弱点ですね。彼はロンドンのスタート台に立った時に、色々なものを背負っていると思います。そのひとつに塾員、塾生全体でもうひと押し、立石の背中を押して欲しいと思います。そんな気持ちで今日は皆様にお集まり頂きました。本当にありがとうございます。
日本水泳連盟会長 佐野和夫
みなさんこんにちは。ただ今ご紹介いただきました日本水泳連盟の会長を務めております佐野でございます。私は38年の工学部の卒業であります。よろしくお願いします。本日の立石の壮行会は井上部長の肝いりの企画でして、井上先生はですね、とにかく慶應からオリンピックへ出るのだから、みんなで立石選手に気持ちのいい出発をさせたいというお言葉をいただきまして、私も本当に涙が出るような思いでした。私は立石選手とは立場上、国際遠征も何回か行きましてね、ただなかなか成績が出ない。私と行くときはもっと成績を出せと言っているんですが。今度は出してくるということを言ってくれております。慶應義塾からは、オリンピックの水泳の代表選手は同じ環境情報学部の井本直歩子選手以来ですから、それから16年ぶりですね。平泳ぎで言いますと、非常にさかのぼって小池禮三大先輩以来ということになります。ぜひとも頑張って、彼の記録であれば十分、メダルは狙える。ちょうど今全米選手権というのをやっているんですけど、これを見ているとさすがアメリカだなという感じがいたしますね。今優勝タイムで日本が勝っているのは、平泳ぎのみ。ですから日本の平泳ぎのレベルがいかに高いかということでございます。それで100Mで優勝したのが、かつての北島康介のライバル、ブレンダン・ハンセンという選手なのですが、そのタイムよりも立石の方が勝ってる。ですけどもそれで安心してはいけない。彼が本当に心から「この一本」ということになると死にもの狂いでやりますから。立石選手の泳ぎは素晴らしいですし、それに最近非常に磨きがかかってきました。今国立スポーツ科学センターという所で寝泊まりして、練習を頑張ってくれてますが、前回少し顔を出したら、非常に泳ぎが良くなっていて、このまま持続してもらいたいなと。何といってもですね、オリンピックというのは「魔物がいる」とよく言われますけど、本当にその場で自分のベストコンディションをいかに作れるかということだと思います。そうすれば、彼のタイムは、ベスト記録を出せば、間違いなく金メダル争いに入っていける。ところがまあ日本は、北島康介という強い選手がいますからね。彼はもう本当に、ベテランで、そういう大きな大会に調子を合わせるというのが非常に上手い。彼はこれまで、ここぞという時に頑張ってくれました。ですから私はいつも北島にも感謝してます。立場上ですね、この前大会に一緒に行ったときに、軒並みメダルが取れない中、最後にメダルを取ってくれたのが北島康介。私も涙が出てきましたけども、そんなような状況でむしろ日本の選手を追い越すということが非常に厳しい。そういった立場で今度は立石が頑張って、慶應義塾出身のオリンピックファイナリストとして頑張ってもらって、とにかく100Mか200M、あるいは両方でもいいですから、金メダルを取っていただいて帰ってくると、賞金3000万円出しますから、2つ取ると6000万、JOCからのお金を足して6600万。これを北島は取ると宣言しちゃってるんですよね。そんなに欲張らせないで、どっちか1つをもぎ取ってもらいたいと思います。まあお金じゃないですけど、本当に頑張って我々に希望を与えてくれると思いますので、ぜひベストコンディションでベストパフォーマンスを見せていただきたい。頑張ってください。
水泳日本代表 立石諒
僕自身オリンピック選考会が終わってから少し時間が経って練習を重ねて試合に出て自信をつけ始めていて、壮行会という場で金メダルを取るとは一言も言ってないんですけど、最近少し金メダルが見えてきているなと思っています。僕ができる恩返しというのは水泳を通じて結果で返すことしかできないので、スポーツ選手として、そして塾生として日本代表の国旗だけでなく塾旗を背負って、オリンピックに臨んで一番いい結果を出して戻ってきたいと思います。応援よろしくお願いします。ありがとうございました。
(記事・宮本大 河合美紀 脇田直樹)
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