【バスケ】韓国の強豪との貴重な一戦!第5回延世大定期戦

 

福元直人(環1・福大大濠高)は途中出場ながらキレのある動きを見せた

第五回慶應義塾大学・延世大学校バスケットボール定期戦 2012/7/28(土)@日吉記念館 毎年恒例の試合となった延世大定期戦が、本年度は慶大ホームの日吉記念館で行われた。相手の高い技術や身体能力に押されながらも、会場を沸かせるプレーを随所で見せた慶大。結果は苦いものとなったが、各自が秋シーズンに向けて調整をしていく上で非常に重要な意味を持つ、収穫の多い一戦だった。 

2012/7/28(土)@日吉記念館
第五回慶應義塾大学・延世大学校バスケットボール定期戦
 1Q2Q3Q4Q合計
慶大1120211365
延世大1324232585
◆慶大スターティングメンバー
 選手名(学部・学年・出身校)
PG伊藤良太(環2・洛南高)
SG真木達(環1・国学院久我山高)
SF権田隆人(政2・慶應高)
PF桂竜馬(政4・国立高)
本橋祐典(環3・佼成学園高)

 

怪我から復帰を果たした蛯名涼(法3・洛南高)

1Qは両チームとも譲らず、互角の試合展開となった。延世大の細かいパスワークや巨体を生かしたリバウンドに手を焼きつつも、慶大は積極的な姿勢で得点を試みる。しかし序盤はシュートの精度が上がらず、ゴール下やフリースローがなかなか得点に結びつかない。そのリバウンドを相手に奪われ、ピンチを強いられる場面も見られた。その後、権田や伊藤が外からの得点を重ねて、差をつけはじめたかと思われたが、終盤は乱れたパスを容赦なくカットされ痛い失点を被る。慶大の本調子は発揮されていなかったものの1Qは11-13という五分五分の結果で終了した。2Q前半は延世大が優勢となった。相手チームの身体能力を生かしたドライブや、高い精度のスリーポイントが慶大を苦しめる。後半、悪い流れを断ち切るきっかけを作ったのは権田であった。ジャンプシュート、スリーポイントと外角のシュートを立て続けに決め、流れを慶大に引き寄せる。その後も「機動力として貢献できた」(真木)と語った真木の速攻などが機能し流れは慶大に。2Q終了間際に黒木が0度からのミドルシュートを決め、31-37で前半終了。

後半は黒木のゴール下シュートで幕を開けた。3Q開始まもなく途中出場の福元のバスケットカウントや権田のレイアップなど、逆転をはかる積極的なオフェンスが光った。中盤には、大元が投入された直後にスリーポイントを決めて会場を大いに盛り上げる。さらには「蛯名が仕掛けた所から、チーム全体に動きが出てきた」(佐々木HC)との言葉通り、怪我からの復帰を果たした蛯名の身体を張ったディフェンスによって、慶大サイドに良い流れが引き寄せられた。一人ひとりが自分の役割を果たした末に一時は4点差まで迫った。だがしかし、延世大も黙ってはいない。ゴール下のこぼれ球はことごとく奪い取られ、縮まった点差は再び開き始める。真木の落ち着いたフリースローでの得点と、黒木のリバウンドからのゴール下シュートで3Qは幕を閉じたが得点は52-60。点差は8点になっていた。4Qで猛追を試みる慶大は再び積極的に仕掛ける。黒木による目が覚めるようなリバウンドシュートがチームを鼓舞するも、ファールが重なるにつれて思い通りのプレーが出来なくなってしまう。やがて延世大のゾーンディフェンスにもはまってしまい、他のQと比べて得点が伸びなかった。福元のアシストを受けた本橋が得点するなどして最後まで粘るが、そのまま65-85で試合終了。最終的には20点という点差で慶大は敗北を喫した。 本年度の定期戦でも白星を獲得するに至らなかった慶大。「全体的なスタミナがないがために最後に息切れをしてしまうチーム」(佐々木HC)と、新人戦後の慶大を佐々木HCが形容するように、慶大が3Qの流れを4Qまで保てなかったことは非常に悔やまれる。ただ、慶大らしいプレースタイルが機能していた部分も多く、強豪・延世大と競り合った場面を見せたこの試合は、選手達にとって重要な意義をもつはずだ。この定期戦での反省点を生かし、来たる秋シーズンで慶大の復活が見られることを期待したい。

(記事・埜村 亮太)

試合後コメント 佐々木三男HC 勝負所で上級生が頑張れなかったですね。(インサイドの桂、本橋の出場時間が短かったが)ある意味ツープラトンみたいな形で出来るはずなんですが、彼達が出るとイマイチ機能していませんね。だから必然的に時間も短くなります。(逆に1センターの時間が多かったが、今後もその形は使っていくのか)まあそうせざるを得ないと思うので、2チームあるような形で戦うしかないと思います。(今日の試合の収穫は)良かったのは、蛯名が仕掛けた所から、チーム全体に動きが出てきたことですね。これから二部と戦う中ではセネガルとかとも戦う訳で、ダブルチームとかのディフェンスは毎試合やらないといけない普通のディフェンスだと思っているので、そういう意味で少しその芽が見られたのはよかったかなと思います。ただ小さいメンバーじゃないと出来ないということでは、結果はついてこないと思うんですよね。だから、大きい2人が頑張ることが勝利に繋がると思います。(新人戦からの練習)走るというか、全体的なスタミナがないがために最後に息切れをしてしまうチームだったので、スタミナをアップさせること。それと1、2年生をもっと練習させることで、そこに上級生を混ぜれば起用の幅がもっと広がるということで、3週間は下級生の強化をずっとやってました。その中で確実性が出てきたのは真木、それから伊藤が少し落ち着いてきた感じです。あとは大きい方の山崎が、あと1ヶ月しっかりとやれば、リーグ戦でも使えそうな感じですね。(今後の課題は)本橋と桂の安定ですね。1つ1つのプレーをもっと大事にやっていって欲しいですね。(リーグ戦に向けて)走る力がないと戦えないのでそれを鍛えることと、あとこれは永遠の課題なんですが、フリースローを落とし過ぎなので、それはあげていかないとダメですね。 PG伊藤良太(環2・洛南高) 昨日スクリメージで試合をして、30点差離れました。そこで課題としてリバウンドとディフェンスのプレッシャーのあとのノーマークで打たれてしまったことが反省点として挙げられて、そこで今日、その反省を生かしてやろうとしたんですけど、後半でフリーで打たれてしまったり、中で打たれてしまったりと、昨日の反省をいかしきれなかったのが反省点です。相手が大きくてゾーンをうまく崩せなかったのも反省点です。(新人戦からの成長点)チームを引っ張るという気持ちで、自分で一杯一杯になってしまうことが多かったんですけど、オフを挟んでもう1回自分を見つめ直して、どうやったらチームに貢献できるかを考えて自分の性格をしっかり生かすために明るい性格でチームを盛り上げたり声出して引っ張っていこうと軸を決めました。そこはまだでたんですけど、技術面では成長点があったので、オフを挟みますが、リーグ戦に向けて頑張っていきたいです。(自分の状態)課題はいっぱいあるんですけど、技術面だけではなく、メンタルの部分で成長しなければいけない部分がいっぱいあって、学年が上がるにつれて引っ張っていかなければいけないと思うので、チームを引っ張っていく面でも成長していかなければいけないですし、ガードとしても成長していかなければならないと思います。ガードが日本1のプレーヤーだったらチームもすごい安定すると思うので、技術面もメンタル面でも成長していきたいです。(延世大の印象)大きいことはもちろんのこと、固いプレーが印象的で1個1個の基礎やシュートのミスが少なくて、ファールの仕方もうまいですし、見習わなければいけない面かたくさんありました。(今後の目標)今回色んな人が試合に出て、それによって、幅が広かったのでそういうところはプラスにしてやっていきたいです。個人としてはいつでも点がとれるようになりたいですし、その中でチームが勝てるようなゲームメイクを頭で考えながら練習に取り組んでいきたいです。 SF権田隆人(政2・慶應高) (今日の試合を振り返って)良い流れの時もありましたが、点差が詰まった時に勢いを持続させることが出来ず悔やまれますが、昨日全く通用しなかった部分が通用するようになったので、前進した部分もありました。(相手は3ポイントシュートがよく決まったが)はい、やはり相手はインサイドが大きいので、そこに寄った後が上手かったので、ローテーションの部分を修正したいです。(新人戦から成長したことは)ここ3週間定期考査で精神的にも肉体的にもつらい部分がありましたが、そこを乗り越えられたので、精神的に成長できましたが、まだまだ伸びしろがたくさんあるので、夏休みに成長したいです。(4Qで突き放されたが)やはり、集中力が切れてしまい、その結果自分たちのシュート精度が落ち、また体力でも差を感じました。(夏休みに向けて)チームとしてもディフェンスを意識してますし、個人としてもディフェンスが課題ですので、そこを磨いていきたいです。(秋に向けて)秋は長丁場ですので、体力を夏につけて頑張ります。 PF黒木亮(環1・延岡学園高) 初めて海外のチームとやらせてもらって日本の大学のチームとは違った韓国のうまさとフィジカルを体感しました。相手に2メートルが3人いて自分がつくことになったりもしたんですけど、フィジカルが強かったのでインサイドで止められない部分もありました。(高さへの対策は)練習前ではガード陣、フォワード陣がビッグマンにボール入ったときはダブルチームにいく練習をしてきました。成功したりもしたんですが、試合の終盤になってくると疲労がたまってきてダブルチームにいけずに1対1で崩されてしまった部分もあって、最後の方はあまり機能してませんでした。(早慶戦からここまでを振り返って)早慶戦は慶応の一体感を知ったので、慶応の良さというか素晴らしさを実感して、そこから新人戦につなげて行きたかったんですけど、新人戦は東海の前にやられてしまいました。すぐにオフが2週間くらいあったんで、トレーニングも頑張ってほかの大学のインサイド陣にも当たり負けないように頑張ってきたんですけど、今回の延世でまた更にフィジカルが強いのを経験して、また良い経験になりました。なので、早慶戦から今までの経験をリーグ、入替え戦に向けていければなと思ってます。(リーグ戦に向けて)初めてのリーグ戦で、18試合ということで、中高そういうのは経験してこなかったので、スケジュールのめまぐるしさに自分がどう対応してスタミナを保ってチームに貢献していくかが大事だと思ってます。自分の持ち味であるリバウンドとディフェンス、合わせのプレイで得点決めたりだとかを今まで通り頑張って、リーグ戦も戦っていきたいです。 G福元直人(環1・福大大濠高) 自分はベンチスタートということが多いんで、どこが出来ていないかっていうことを見ながら、出た時に直ぐに修正出来る様にしています。昨日の試合から上手く行っていないのは、上の三人だけでボールが回っているっていうのが多かったんで、そこをしっかり修正して自分の出番で体現出来たので点差を詰められたんですけど、後半は今度そこでまた足が止まってしまって同じ様な展開でやられたのが負けた原因かなと思います。(新人戦後から取り組んだこと)新人戦前から考えるとなかなか馴染めてない感じなんで、ゴールにアタックするという自分の持ち味にもっとチャレンジして行けば、チームの五人の内の一人として馴染めるかなって思って練習には取り組んでいました。(春よりも積極性が目立っていたが)点を取ることを常に一番として、後は良太さんの代わりや補佐として出ることが多いので、G的な要素でどんどん早い展開に持って行って、チーム全体の得点を増やすことを意識しています。(今後に向けて)チームとして一部昇格は絶対的な目標なんですけど、個人的にはもっとチームを安定させられるGとしての役割だったり、自分のこなすべき役割をこなしつつ点を取ることも出来る様に、もっと精度の高いプレイヤーになれたらなと思います。 SG真木達(環1・国学院久我山高) あともう少しという部分でがんばりきれなかったです。それが誰がということではなく、チーム全体の共通認識の部分でもうひとがんばりというところでした。(そこを改善していくために必要なこと)一人一人の気持ちだと思います。普段の練習から一人一人が強い気持ちを持つことが大事だと思います。今日先生もおっしゃってたんですけど、延世大学の勝負どころでの強さというのをすぐにでも習得するようにと言われたので、今日から一週間オフを挟んでしまいますけど、八月の練習からは延世大学で感じたものを練習中に出していきたいです。(今日の良かった点について)個人的には、機動力として貢献できたかなと思います。チームとしては、しっかり走ることができて、一度身長の低いメンバーになった時間帯があったんですけど、足を動かそうとみんなで話し合って、3クォーターにはディフェンスからブレイクというのが多々あったので、そういうところが良かったと思います。(新人戦からの成長について)個人的には、矢嶋さんの代わりに点を取るという役割を担っていると思うので、コンスタントに点が取れるように練習してきました。昨日今日と結構良かったので、ちゃんと成果は出ているのかなと思います。(夏に向けて)やっぱり筋トレですね。しっかりと体を作って、秋シーズンに臨みたいと思います。

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