前章にも話した通りだが、日本にラクロスを普及させたのは、慶大。つまり、日本ラクロス界の「パイオニア」。だからこそ、「慶大が日本ラクロス界を引っ張って行かないといけない」。(日本ラクロス協会・国際部・櫻井さん)。「慶大ラクロス部が圧倒的な強さを見せることで、ラクロスに対する注目度が上がる。」そうした、高い意識をもって、男子ラクロス部の選手たちはプレーをしている。
そして、その言葉通り男子ラクロス部はこれまで輝かしい成績を残してきた。全日本選手権5度の制覇を誇り、学生の中では唯一無二の存在。ラクロス界の中心に座り続けた。そんな、素晴らしい成績を残してきた、男子ラクロス部だが、ここ3年間は苦しみもがいている。関東リーグで、東大、早大といったライバルたちに敗れ、全日本選手権に出場すらできていないのだ。「パイオニアプライド」を掲げ、絶対王者として君臨し続けてきた彼らにとってはこれ以上ない屈辱だろう。しかし、数年前と比べてラクロスが浸透してきて、各校のレべルが詰まってきているのも事実だ。「ここ4年間で、ラクロスの知名度は格段に上がった」(櫻井さん)。そう語る通り、地上波でラクロスの特集をやったり、映画の題材になったりと、メディアへの露出は格段に増えている。
日本ラクロスが全体的にレベルアップをしていて、注目度が上がることは嬉しい。それでも、それは慶大が他チームに敗れていい理由にはならない。ルーツ校として「勝ち続ける義務がある」(櫻井さん)。日本ラクロスをリードしてきた、偉大な先輩たちのために。さらには、勝つことを応援してくれる人たちのために。慶大男子ラクロス部は、勝つことだけを追い求めて歩みを続けていく。(石塚大樹)
※次回は6月に行われた「Hofstra大との国際親善試合」についてです。
コメント