【ラグビー】関東大学対抗戦直前インタビュー②〜注目の4年生編〜

蹴球部・対抗戦直前特集第2弾でお話を伺ったのは最上級の4年生。平野裕馬選手、山田亮介選手、遠藤洋介選手、佐藤大朗選手、新甫拓選手の5人だ。それぞれが最後に最高のシーズンを送るため、取り組んだことや考えていることを語って頂いた。

平野選手

★ 平野裕馬選手(PR・環4・国学院久我山)

「全勝で対抗戦を駆け抜けて、冬の大学選手権につなげられたらいい」

 

――夏合宿で取り組んだこと

初めの1週間は走り込みを中心に行って150キロくらい走りました。そのあとに練習試合に向けてのメンバー選考をしてチームとしての戦術を固めていきました。菅平では練習試合を行いました。

 

――夏の練習試合について

早稲田戦では合宿で練習したセットプレーに自信を持って臨んだんですけど、セットプレーで圧倒されてしまったので残念でした。でも手の届かない相手ではないと思ったのでこれから巻き返せたらいいなと思います。

 

――夏合宿で変わったことは

4年間で一番きつい合宿だったので、自分たちはあれだけ走りこんできたんだという自信を持つことができるようになって気持ちの面で強くなれたかなと思います。

 

――フィジカル面の変化は

フィジカルも走り込んだのでかなり強くなったと思います。体重は走りすぎて増やすのは難しかったんですけど減らさないようにして、同じ103kgでもより走れるようになったと思います。

 

――手ごたえはあるか

東海戦、早稲田戦と結果はついてこなかったんですけど、随所に自分たちのやってきたことは出ていたので合宿で成長できたと思います。セットプレーは未完成な部分があるんでこれからも成長させていきたいです。

 

――筑波の印象

日本代表もカテゴリー代表の選手もいるんですけど、初戦は対抗戦を占う重要な一戦になるので落としてはいけないと思いますし、みんな集中して強い気持ちで臨もうと思っています。

 

――筑波戦の対策

夏合宿で走ってきたのでその走力を活かして走って粘り勝とうと思っています。僕としてはスクラムで相手にいいボールを配球させないようにしてそこから相手にプレッシャーをかけていきたいです。

 

――対抗戦で意識するチームは

早明帝には負けてはいけないと思っています。

 

――特に意識する選手は

早稲田のキャプテンの上田選手や明治の1番の石原選手には負けたくないと思います。2人ともカテゴリー代表にも選ばれているすごい選手なんですけど、Fwdとしてプレッシャーをかけていきたいです。

 

――今のチームの状況は

悪くないです。いい練習ができているし、みんなモチベーション高くやっているので。夏は結果が出なかったんですけど、それでもみんなひたむきに練習しているので不安はないです。

 

――平野選手の状態は

大きなけがはなかったし体重も減っていないので、かなりいいコンディションだと思います。

 

――アピールポイントは

スクラムで相手にプレッシャーをかけたいです。

 

――秋の目標

全勝で対抗戦を駆け抜けて、冬の大学選手権につなげられたらいいなと思います。

 

――平野選手、お忙しい中ありがとうございました!

 

山田選手

★ 山田亮介選手(PR/LO・環4・国学院久我山)

「どれだけできるのか楽しみな状態にありますし、いい方向にきていると思います」

 

――夏合宿を終えて、変化したと思うところは

春シーズン結果として、あまりいい結果が出ていなかったので、チーム全体としていかに自分たちが弱いということを自覚して、どれだけつらいことをやれるかというのが大事だったと思います。何か変えなくてはいけないということをチームが意識し始めたことが良かったです。どのチームよりきついことをやらなければ、その先に勝利は見えてこないと思いました。そういう意識の面で夏合宿では頑張っていたと思います。チーム全体の意識として、勝ちに対する欲が出てきているのではないかと感じています。

 

――個人としての変化

一ヶ月間けっこう厳しいことをしてきたので、精神的にもタフになったと思います。肉体的にもすごくきつい状況で常に練習をしてきたので、どれだけできるのか楽しみな状態にありますし、いい方向にきていると思います。

 

――春のシーズンはLOをやられたり、PRをやられたりしていたが、夏合宿では主にどちらを強化したか

夏合宿では主にPRのほうをやっていました。PRをやっていれば、LOのほうもできるというか、ラインアウト以外の部分ではできるので、まずフロントローのほうで試合に完全に出られるように。スクラムに課題があるので、それを改善できるようにフロントローをやっていたんですけど、チャンスがあるのであれば春もせっかくやっていたので、LOのほうでも試合に出られるならば、出たいと思います。夏合宿ではPRのほうをメインにやっていました。

 

――佐藤大朗選手にお話を伺った際、モールの練習をしたと聞きましたが、手応えは

正直今までの慶應はモールを組むということはほとんどなかったのですが、個人の能力で他校に劣るなかでも、モールというのは練習すればするほど、体の大きさではないということがわかってきました。練習すればするほど、押せているという感覚がつかめます。8人みんなでまとまっていけば体の大きさは関係なくて、他校にも通じるのだなということを、夏合宿を通して感じました。昔は少しモールはどうなのか、と思った時期もあったのですが、今では武器になってきたと思います。

 

――夏の練習試合の手応え

早稲田相手にモールでトライが取れたというのは自信になりました。春悪かったことを改善できているので、そんなに結果が出たわけではないですが、進歩しているなという実感はあるので、いいものになったのではないかと思います。

 

――対抗戦の目標、意気込み

春は主にLOで出ていたんですけど、フロントローで出たいという思いがあるので、そこにはまだスクラムとか足りてない部分もあるので、そこを意識していきたいです。自分の中では手応えを感じているので、そこの部分を改善していくとともに試合にでたら、自分が前に出て行くという気持ちをもっと持って、先頭に立って体を張っていきたいです。とにかく今週の日曜から始まるので、コンディションをしっかり整えて、残りの練習をしっかりしていきたいと思います。

 

――初戦の相手筑波大学に対して

日本代表に入っている選手も3人ぐらいいるので、その選手たちがキーマンになってくるのかなと思うのと、両WTBにすごく決定力があるので、そこにボールを集められると向こうのペースになってしまうと思うので、まずはFwdのセットプレー、ラインアウトなどでプレッシャーをかけて、崩していかないと相手のいいバックスに走られてしまうのでFwdが勝負の鍵になってくると思います。


――チームとしての課題は
夏合宿の最後の試合でディフェンスがあまり(よくなくて)、ディフェンスの連携の練習をあまりしてこなかったというのもあるんですけど、ディフェンスが悪かったので、今つめているところなんですけど、しっかり確認して試合を迎えられればなと思います。

 

――応援して下さる方々に見てほしいアピールポイント
ボールを持って前に出るプレーですとか、ボールを持ったときのプレーを主に見ていただければなと思います。

 

――PR3番となると、平野選手がライバルになってくると思うが、アピールしたいところは
平野とは持ち味が違いますが、フロントローとして出るにはスクラムの安定というのが重要になってくると思うので、先ほど言った持ち味を出しつつ、スクラムの安定とかもしっかりしていきたいと思います。

――山田選手、お忙しい中ありがとうございました!

 

遠藤選手

★ 遠藤洋介選手(LO・環4・国学院久我山)

「初めての対抗戦なので、4年生ですけどルーキーらしく体張っていこうと考えています」

 

――夏合宿で集中して取り組んだこと

最初の山中湖の2週間はウエイトとフィットネストレーニングをして、相当走ったという地獄の山中湖合宿でした。それが強化の一番のところです。

 

――夏合宿で変わったこと

すごくつらかったのでメンタルは強くなったかなと思います。つらいことを受け身でやるのではなく自分からやるという意味でメンタルは大きく成長したと思います。

 

――身体の変化は

ふつうは痩せちゃうんですけど、ウエイトと女子マネージャーの方が食後に体重を量って減らさないようにコントロールしてくれたことで今年は身体の面もキープできたのかなと思います。

 

――手ごたえは

僕は幸せなことに夏合宿MVPをもらったので手ごたえがないと言ったらうそになるんですけど、試合結果としてはあまりよくなかったのでまだまだこれからかなと思います。MVPというのは監督から夏合宿の最後に毎年発表があるんですけど、まさか僕が選ばれると思ってなかったです。けがなしで最後まで出られたのが大きく影響していると思います。

 

――筑波について

相手は日本代表もいますしタレントがそろっているチームだと思うんですけど、山中湖で培った走りとか小さくても成熟した組織プレーがあると思うのでその2つで勝てたらなと思います。

 

――筑波対策はしているか

ペナルティをしてしまうと相手は竹中選手や彦坂匡克選手などいいランナーがいて攻め込んでくる力があるので、なるべくペナルティを減らそうという練習はしています。

 

――対抗戦で意識するチーム

やっぱり早明帝ですかね。強いところは意識しちゃいます。春も全然いい試合ができなかったので、秋でやり返さなきゃなという思いはあります。特に早稲田は特別な相手ですね。

 

――意識する選手は

早大だと国学院久我山の同期だった黒澤健が出ているのは意識しますね。あとはロックの芦谷選手は意識します。彼も大きくてラインアウトもすごくうまいので負けられないという思いがあります。

 

――現在のチームの状況

自分たちのやるべきことはわかっているんですけど、なかなか次のステップに進めず停滞しているというか。でも決して雰囲気は悪くないですよ。みんな意欲的に練習に取り組んでいますし、AとBのやりあいというのもありますし。ただ、あまり結果が出ていないのでみんなもやもやしているという感じはあります。

 

――個人の状態は

僕にとっては初めての対抗戦なので、4年生ですけどルーキーらしく体張っていこうと考えています。チームの中でやるべきことというのはわかっているのでラインアウトやセットプレーとかでしっかりやっていけたらなと思います。

 

――秋の目標

試合に出て活躍して勝って日本一になることです。

 

――最後に一言

慶應はひたむきにプレーしているので熱い気持ちとかを見せられたらなと思います。

 

――遠藤選手、お忙しい中ありがとうございました!

 

佐藤選手

★ 佐藤大朗選手(LO/FL/NO8・総4・国立)

「チームの中心としてみんなを引っ張っていきたい」

 

――夏合宿の感想は

今まで4回あった中で一番厳しくて、一番長い合宿だったと思います。

 

――今までとは練習量に違いがあったということか

練習量も多かったんですけど、内容もきつかったです。今までは2部練だったんですけど、今回は最初は4部練でそのあとは3部練ということで内容もきつかったし、回数もいつもより多くて休む時間も少なかったので、そういう意味ですごくきつかったです。

 

――強化した点は

個人としてもチームとしても同じなんですけど、慶應は体が小さくて相手の体格のほうが勝るのでチームとして走り勝とうということで、自分としても走れるようにすることを考えてました。ただその中で例年に比べてみんな体重も増やしていたので、体重を増やした中でどれだけ走れるかということにチームとしても個人としても挑戦しました。

 

――体重を増やしながら走るということは難しいテーマのように感じるが

すごく難しいですね。合宿では練習もきつかったんですけど、練習をしていく中でいかに体重を維持して、あわよくば増やしていくことを継続していくかという部分に取り組んでいました。体重が前日の夜よりも減っていると食堂から出られないということもあって、就寝直前まで食べ続けなくてはならないときもあってそういう部分も辛かったです。

 

――食べ物にも特徴はあるのか

油ものは取らないようにはしてますけど、あとは水分が落ちてしまうので水分と炭水化物とおかずを取ってという感じでバランス良くとるようにしていました。

 

――FWチームとして強化した点は

セットプレーはもちろんなんですけど、モールをオフェンス、ディフェンスともにやりました。

 

――モールの練習はかなり辛いようにも思われるが

めちゃくちゃ厳しいですね。どこのチームも大きいのでモールが強くそこを守らないといけないですし、自分たちも体を大きくしてきたのでモールに多く時間を割きました。みんなヘロヘロになりながら練習してました(笑)。

 

――合宿の成果は練習試合で出すことができたか

すごい疲労がたまっているなかで、チームとしての春に悪かった試合の入りの部分にフォーカスしていました。入りは最初にトライを取れたりしたので成果はあったと思います。関西学院大戦などは相手より走れているなと思うことはできました。ただ逆に勝ちきれなかった試合もあるのでそのところはまだまだだと思います。モールについては早大戦とかはモールでトライを取れたり、春はモールで多くトライを取れたのに対して1本だけに抑えられたのでそこの成果は出てると思います。

 

――個人としては様々なポジションを去れてきたがどのポジションについて主に練習をしてきたか

中心となるのはLOですね。今年のチームは怪我人が多かったのもあってLOがあまりいないのでそこが中心でした。その中でFLやNo.8に怪我人がいたのでやったりしていました。僕は出られればどこでもいいと思っています。

 

――対抗戦初戦の筑波大戦が迫っているが

自分の出来としてはまだ重い状態なんです。その中で合宿から戻ってこちらの気候にも慣れてきたので、筑波大戦は暑くてつらいと思うんですけどそのために照準を合わせている段階です。チームとしては合宿前半は走れるように練習をしてきて、菅平でも日吉でもチームとして練習をしてきたので、筑波大戦に向けては調整ではなくてさらにレベルアップして接戦に持ち込んで勝ちたいと思います。

 

――昨年は筑波大に敗れてしまいましたがどのような印象がありますか

日本代表の選手もいるし、タレントが揃っていると思います。チームとしてしっかりと戦えば勝機はあると思います。

 

――秋のシーズンの中で意識する相手は

全部ですね、負けていい相手はいないので。その中でも早大とか伝統校には負けたくないと思っています。

 

――秋のシーズンの最終目標をお願いします

チームとしては優勝したいというのが目標です。個人としてはチームの中心としてみんなを引っ張っていきたいと思っています。

 

――佐藤選手、お忙しい中ありがとうございました!

佐藤選手と茂木主将

 

新甫選手

★ 新甫拓選手(WTB/FB・経4・慶應)

「いぶし銀なプレーをしていきたい」

 

――夏合宿にどのような意気込みで臨みましたか

地獄の合宿という風に聞いていましたので、どうなるのだろうという怖さとか不安があったので、とりあえず乗り越えるということが1つの目標ではありました。

 

――チームとしては

前半は個の強化に重点を置いて、後半になってから組織の部分を取り入れた練習をしていきました。

 

――収穫は

山中湖合宿に関してはきつい練習を乗り越えたことに対して自信とかもついたと思いますし、菅平では今までつめてこられなかった組織の部分をだいぶやってこられたと思いますので、その2点はだいぶできてきたと思います。

 

――課題は

いっぱいあるんですけど、まずはゲームコントロールが課題としてあげられると思います。積極的に走りにいく時間帯であったり、エリアを取りに行く時間帯であったりの使い分けが1つ課題になると思います。

 

――合宿を通して変化したと思うことはありますか

辛いことをやってきたので、つらさになれたというか、それは1つ確かに自信にはなったと思います。

 

――練習試合の手応えは

早大と戦ったときには春より点差も減っていますし、自分たちのラグビーをできる時間帯もだいぶ増えてきたので、手応えとしてはつかめてきた感はあります。ですがまだまだ一歩や二歩ではなく三歩ステップアップしていかないと厳しいかな、と感じています。

 

――個人としてフォーカスしていたところは

今までFBを4年間やってきたんですけれども、夏途中からWTBにポジション変更しまして、まずはポジションになれることに精一杯でした。

 

――対抗戦への意気込み

FBをやっていた頃は周りをいかすことを一番においてやっていたので、WTBでは自分が自分が、という意識が必要になると思います。そこを出していけたらな、と思います。

 

――初戦の相手、筑波大に対する印象は

バックスリーにタレントがそろっているという印象です。僕もそこに負けないようにしっかりと止めて、ディフェンスの面で身体を張っていきたいです。

 

――チームとしての対策、調整は


相手のバックスリーに自由に走らせないエリアの取り方だったり、ゲームの進め方だったりに重きを置いてやっていますね。

 
――対抗戦を通して意識する大学は
やはり早稲田、明治は意識しますし、帝京さんも春すごい大差で負けてしまっているので、どうしても意識してしまいますけど、慶大としては一個一個の相手に、チームで勝っていかなければいけないと思っていますので、そこは意識しなければいけないと思います。


 
――個人としてアピールしたいところは
あまり足も速くないですし、体も大きくないのですけど、その中で人を動かすところであったり、ディフェンスで派手ではなくても、一個一個止めていくといったところだったり、いぶし銀なプレーをしていきたいなと思っています。


 
――現在のチームの状況
組織としては合宿の後半から煮詰めている組織としてのプレーがすごい充実してきて、まとまったものとなっているので、すごい手応えはありますし、筑波戦に向けてチーム全体としてもいい雰囲気が出てきていると思います。

 
――対抗戦の目標
チームとしては対抗戦1位。個人としても積極的にがつがつとしたプレーを見せていきたいと思います。

 

――新甫選手、お忙しい中ありがとうございました!

 

(取材 中島 裕幾・吉武 さくら・吉山 祐未)

 

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