センターコートの権利が懸かる大会5日目。慶大は宇都宮大、大産大と次々と実力校を撃破。1セットも落とさない4戦連続のストレート勝ちで見事、準決勝進出を決定させた。
12月8日(金) 第65回秩父宮賜杯全日本バレーボール大学男子選手権大会
4回戦 慶大×宇都宮大/準々決勝 慶大×大阪産業大 @とどろきアリーナ
悲願の日本一に向け、好スタートを切った慶大。続く4回戦の相手は関東2部3位の宇都宮大学だ。
力の差を見せつけたいところだったが、立ち上がりは思うように流れを引き寄せることができない。しかし、エース・柳田(環2)のスパイクで同点に追いつくと、中盤以降はもう一人のエース・岡田(商3)が活躍。ブロックで逆転となるポイントを奪うと、野口(環2)のサービスエース、柳田のサービスエースが連続で飛び出す。自分たちのバレーを取り戻した慶大が粘る宇都宮大を振り切って、第1セットを制した。
第2セットになると、試合開始直後に見られたミスが激減。ラリーで粘りを見せ、「絶対にボールを落とさない気持ち」(間宮主将・政4)で繋いでいく。それが慶大自慢の攻撃陣を生かし、柳田、間宮がポイントを重ねていく。中盤に相手に追い上げられる場面もあったが、決死のレシーブでボールを拾い続けると最後はラリーに終止符を打ったのは間宮。さらにサービスエースを決めた主将の奮闘で勢いづいた慶大が連続得点を奪い、結局25-18の大差で連取した。
第3セットはダブルエースが活躍。序盤から岡田、柳田が強烈なスパイクを打ち込むと、周りもそれに触発されていく。山本(環4)がブロックを決めると、星谷(理3)は高速クイックとサーブで相手を崩す。セッター・野口もそんな攻撃陣をうまく操るべくタクトを振るい、守備ではリベロ・野瀬(環1)が正確なサーブレシーブで安定感をもたらした。最後は地力に勝る慶大が、柳田のスパイクで25点目を奪いストレート勝ち。ベスト8進出を決めた。
しかし、試合途中にはトスが合わない場面が見受けられるなど、まだまだ課題も見つかった。短いわずかな時間の中で、この反省を今後にどう生かしていけるかが大切になってくるだろう。
(文・並松康弘、写真・西野英樹)
得点 | ||
慶大○ | セット | 宇都宮大● |
25 | 1 | 21 |
25 | 2 | 18 |
25 | 3 | 22 |
ベスト4進出を懸けた準々決勝。相手は秋季関西1部リーグ2位、ベスト8中の唯一の関西勢である大産大だ。勝てばセンターコートで戦える権利が与えられるため、両チームの緊張感は今までの戦い以上のものとなった。
第1セット、慶大は序盤からクイックを織り交ぜるなど、「高さもあってやり辛い」(山本)という相手に対しアクセントをつけた攻撃を仕掛ける。しかし、大産大もこれに食らいつき、試合は両者譲らない展開に。この状況で先に抜け出したのは慶大。16-15の場面から山本・星谷のクイックや岡田のスパイクで19-16と突き放す。しかし粘る大産大も、タイムアウト後からブロックのインナーを抜く強烈なスパイクなど4連続得点で逆転。ゲームの流れが行き来するシーソーゲーム。そのなかで、先にセットポイントを握ったのは慶大であった。山本の完璧なブロックが飛び出して24点目を奪い、このセットは勝負あり。最後は岡田のスパイクで第1セットを慶大が先取した。
第2セットの序盤は大産大にリードを許す展開。しかし慶大が徐々に点差を縮めて相手を追い詰めていくと、相手のミスを足掛かりに逆転、柳田・野口のシャットアウトブロックで突き放した。25-22でこのセットも取り、慶大は準決勝進出まであと1セットとなる。
第3セットもいきなり大産大に点差を広げられてしまうが、もはや慶大に焦りの色は見られず。慶大の得点源となっている、柳田のキレ味抜群のジャンプサーブで相手レセプションを崩し、そこから今年チームで磨いたブロックで確実に点をもぎ取るという流れで、連続得点を奪い逆転。終盤にもこの形から得点が生まれ、25-20で慶大が勝利。見事に準決勝進出となった。
ベスト4に駒を進めたのは、慶大・早大・筑波大・専大の4チーム。そして慶大の準決勝の相手は、永遠のライバル・早大だ。勝った方が大学日本一に王手をかけられる、まさに運命の一戦。今年も数多くの激闘を繰り広げてきた早慶戦が、最後の最後でまたしても実現することとなった。慶大にとって、秋の雪辱を果たすための最高の舞台は整った。この舞台で慶大が主役となるために――。あとはもう、勝つのみだ。
(文・古尾谷拓真、写真・並松康弘)
得点 | ||
慶大○ | セット | 大産大● |
25 | 1 | 23 |
25 | 2 | 22 |
25 | 3 | 20 |
間宮 秀太主将
(ベスト4を決めた今のお気持ちは)ここまでは来ると思っていたので、やっとこれからだなという気持ちです。(相手の粘りもあって簡単な試合ではなかったと思うが)これで負けたら終わってしまうので、それで何としてでも勝つ、絶対にボールを落とさないという気持ちだけでした。(ストレート勝ちで余力も残せていると思うが)もうここまで来たら、どこのチームも体力云々より気持ちの面が大事だと思うので、あまり関係ないかなと思います。(秋リーグ悔しい思いをした早大との準決勝となったが)今日のムードでやれば負けないと思うので、とにかく勝ちたいと思います。(チームの雰囲気や表情も良いと思うが)ここまで来るのも目標だったので、やっとここまで来たかというのをチームのみんなも感じているんだと思います。(明日、明後日への意気込みは)目標は優勝なので、それに向けて自分たちの力を出し切りたいと思います。
山本 悠登
(今日の試合を振り返って)大産大とは春に遠征で戦って、けっこう高さもあってやり辛くなるだろうなというのは昨日から思っていたのですけど、今日はそういうチームにも普通にストレートで勝てたことはすごい良かったです。(相手のブロックは今日も気になりましたか)そうですね、自分があまり打たなかったっていうのもあるんですけど、負担になることはそんなになかったです。(ご自身の調子は)いい感じできていると思います。(準決勝の早稲田戦にむけて)早稲田とやることは(自分にとって)これで最後になると思うので、しっかり勝てるように、あとは全力を尽くすだけなので、力を出し切りたいと思います。
サイド | 柳田将洋(環2・東洋高) |
セッター | 野口剛志郎(環2・東福岡高) |
センター | 星谷健太朗(理3・渋谷幕張高) |
サイド | 岡田拓巳(商3・熊谷高) |
サイド | 間宮秀太(政4・慶應高) |
センター | 山本悠登(環4・東亜学園高) |
リベロ | 野瀬将平(環1・東福岡高) |
途中出場 | 稲田聡典(環2・日向学院高) |
丸谷将大(環2・東筑高) | |
吉田純(環1・東亜学園高) |
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