―昨季を振り返っていかがですか
秋は最後の早慶戦では点を取られてしまいましたけど、それまでの試合での点の取られ方は悪くないというか、圧倒しつつちょっと仕方ない感じで点をあげてしまったので、別に自分でも点を取られたという気がしていないですね。法政戦は負けはしましたけど攻めた結果の負けだったので、負けたこと自体は悔しかったですけど、投球内容としては納得していました。なので、早慶戦で崩れてしまいましたけど、結構充実したシーズンだったと思います。
―明大戦からは一回戦からの先発を任されました
一戦目と二戦目とではプレッシャーが全然違いますし、絶対にエースとして勝たないといけないなというのがありました。明治戦は優勝が懸かっていてすごく気合が入っていたのですが、優勝がなくなった早慶戦では気が抜けてしまったというか、やっぱり一戦目を投げるピッチャーだったらもっと詰めていかなければならないと思いますけど、そこは自分の気持ちが弱かったなと思うので、たとえ優勝がなくなっても一戦目のピッチャーとして勝てるピッチングをしないとなと思います。
―昨季で印象に残っている試合はありますか
やっぱり明治戦ですね。僕が初めて一戦目を投げた試合で、勝ち点を落としていれば優勝もなくなりましたし、その中での初めての一戦目だったのでそれが印象に残っています。
―4勝をマークし、明大四回戦では八者連続三振を成し遂げるなど、昨季の好調の要因は何だったと考えていますか
ただ先輩に優勝してほしいという一心で投げていたので、それが一番自分のピッチングをさせてくれた要因というか、そのことだけを考えて投げていたので、無我夢中でした。
―一代上の先輩に対する思いは強いですか
そうですね。キャプテンだった山﨑錬さん(商卒)は特にお世話になった方で、錬さんには優勝して引退してもらいたいなという思いがずっと強かったので。
―逆に昨季に見つかった課題はありますか
最後早慶戦で崩れてしまったように安定感がまだまだ足りないなというのがあって、あとは細かいコントロールですね。そんなにコントロールを気にして投げるタイプではないですけど、決めにいくときのコントロールが甘かったので、そこは課題だなと思います。
―ここまでの練習を振り返っていかがですか
まだいい時と悪い時の差が激しいというか、コントロールはまとまっていましたけれども、ちょっとまとまりすぎていて痛い思いをするというか、打たれるという場面もあったので、そこはまたコントロールに関していい勉強ができたかなと思います。全体的には1ランクずつレベルが上がってきているなと感じています。
―石垣島キャンプで重点を置いた部分は何ですか
冬に鈍っていたので自分の感覚を取り戻すということもありましたけど、ボールのキレを出すということと空振りを取れる球を投げるということ、セットポジションからの投球に重点を置いて練習していました。
―オープン戦などの実戦の場面ではどうですか
いい点では、空振り三振が前より増えましたし、調子がいい時では社会人相手でも圧倒したピッチングができました。悪い点では、ボールがストライクにはいきますけど、高めにいき過ぎて打たれるという場面があったので、ストライクに入れることもですけど、きっちり決めにいくときは決めないといけないなと思いました。
―バッテリーを組んでいる捕手の手銭副将(環4)とはピッチングについての話しをしますか
手銭は僕のことをすごく分かってくれていて、ちょっと話すだけでもお互い分かっているので、そんなには話さないですね。
―ご自身の中で手応えはありますか
これからの練習で詰めていきますけど、今の時点では70パーセントくらいですね。ずっと社会人相手にしか投げていなくて大学生には投げずにいるので、今の自分のピッチングが大学生をどれだけ圧倒できるかは想像できないですね。社会人の選手は甘い球を逃さないので、レベルが一つ違うなとこの春に感じました。
―最上級生になられて心境の変化などはありますか
自分が一番しっかりしないといけないなという思いがあります。背番号が今季から18番に変わったのでさらに引き締まる思いというか、もっと頑張らないといけないなと思います。
―江藤監督から何か声をかけられたりはしますか
打たれたときは「リーグ戦前で良かったな」とか、「お前がしっかりしないといけないから頼むぞ」とか、そのくらいですかね。
―投手陣の中で意識する選手や期待している選手はいますか
意識している人はいないですけど、期待しているのは明(政3)ですね。僕の一個下のピッチャーですけど、あいつに結構期待していて、かなり今調子がいいのでリーグ戦でもやってくれるのではないかと思います。
―他大学で意識しているところはありますか
全部意識していますね。開幕の立教だって自分でいろいろ調べていますし、次の法政はバッティングが良いと聞いていますし、明治は去年からあまりメンバーが変わっていませんし、東大だって桑田さんが来ていろいろ変わったと書いてありましたし。本当に全部意識しています。
―その中で勝っていく自信はありますか
あります。投げる試合は全部勝ちます。
―白村投手にとって理想の先発投手像とはどのようなものですか
プロで言ったら楽天の田中将大投手ですね。テレビで見ていても気迫がすごく伝わってきてチームメイトもあいつを負けさせる訳にはいかないという気持ちがあると聞いているので、そう思われるようなピッチャーになりたいです。
―目指すところは先発完投ですか
もちろんそうです。いや、先発完封です。そのくらいの気持ちでやっています。
―先程話にも出ましたが、今季はエースナンバー18を背負っての登板となります
やらないといけないというか、自分でもそれは思っていますし周りからも頼られたということだと思うので、期待に応えたいですし、自分の持っている力を全部出し切りたいと思います。
―周囲からの期待を感じていますか
そうですね。でも僕は結構プレッシャーとかが好きなタイプなので、いろいろ言ってくれるのは有り難いです。
―投手陣、野手陣とも昨年の主力が抜けた穴をどのように捉えていますか
野手というよりは、ピッチャーはずっと投げてきた福谷さん(理卒、現中日ドラゴンズ)、竹内大助さん(環卒)が抜けて、それでも穴埋めをするのはみんなですけど、特に僕が福谷さんと大助さんの役割を一人でしないといけないなと思っています。でもそれを僕ができればチーム力としては去年よりも劣らないというか、バッティングもいいですし。すべては僕次第という感じですかね。
―投手陣全体の出来は白村投手から見てどうですか
僕自身オープン戦の最後の方に打てれてしまって、他の投手は結構抑えていたので、僕一人で足を引っ張ってしまった感じですけど、リーグ戦では僕が支えるので。
―投手陣の大黒柱として大いに期待されていると思います。そのこともプレッシャーとして楽しみたいという思いですか
そうですね。18番を背負っていいピッチングできたらさらにいいじゃないですか。今はそのことしか考えていなくて、自分でも柱にならないといけないなという思いです。
―これまでの大学3年間はどのようなものでしたか
いい思いもして、つらい思いもしたっていう3年間でした。高校からプロに行こうかと迷っていたのですが、大学に来て学生野球をやっていい思いやつらい思いというか、プロではつらい思いしかできないと思うので、大学、学生らしい、そういう野球をまだできて、本当に色んな思いもして、遠回りではなかったなって今は思います。自分を成長させるために慶應大学に来たので、やっぱり来て後悔はしていませんし、まあ、プロに行かなくて良かったなって思いますね。
―その中で得たものは何ですか
自分が甘かった、自分に甘くて本当に自分勝手なことしか考えていなかったなと思いますけど、そういう自分を見つめ直すことができるようになって、少しは大人になれたかなと思います。
―大学ラストイヤーとなる今年一年はどのような年にしたいですか
去年は春、秋ともに喜べなかったので、自分もそうですけど、周りのお世話になった人にも、監督にも喜んでもらえるような一年にしたいです。
―新聞紙上などでドラフト上位候補に挙げられるなど、プロからの注目を集めていることについてはいかがですか
小さいころからの夢がプロ野球選手になることだったので、もちろんプロに行きたいです。プロに行くことではなくてプロで活躍することが目標なので、そこはしっかり1位で行って、上で活躍するという土台を今しっかり作っているところなので、もちろん絶対にプロ野球には行きますし、上でしっかり活躍したいと思います。
―一昨年の伊藤選手(環卒、現阪神タイガース)、昨年の福谷投手と、2年連続で慶大野球部からドラフト1位選手を輩出していることは意識していますか
そうですね。先輩方が築いてくださった素晴らしい伝統なので、それを僕で止める訳にはいかないと思っていますし、その先輩たちが受けてきたプレッシャーというのが結構分かってきました。プレッシャーを受けるのは僕自身本当に好きですけど、自分が抱え込むプレッシャーっていうのをこんなに受けるのは初めてで、ちょっと戸惑いましたけど、先輩たちもこういう思いをしたのだなというのを味わって、改めてあの方たちは偉大だったと思いました。
―今季に懸ける意気込みをお願いします
投げる試合は全部勝つということしか考えていないです。
―最後にファンの方々へのメッセージをお願いします
僕が投げる試合は全部勝つので、ぜひ神宮球場に観に来てください!
―お忙しい中ありがとうございました
山内貴矢
コメント