【野球】開幕戦はほろ苦い結果に　立大①

慶大のエースとしてマウンドにあがる白村

　いよいよ東京六大学野球春季リーグ戦が開幕した。慶大・白村、立大・齋藤両投手の好投で２回まで両者ともに得点は０。しかし３回表、先頭打者大城の右前二塁打を皮切りに、３番岡部のホームランなどの猛攻により一気に４点を奪われる。その後、さらに６回に３点、９回に１点の追加点を与え、大量得点を許す展開となった。打撃で反撃を狙いたかったが立大投手陣が慶大打線に連打を許さず散発５安打、最終的には無得点。厳しい初戦となった。

立大：○齋藤、澤田圭、田村―平本

慶大：●白村、渡邉義―手錢　明、山形―小笠原

慶大出場選手

主将・堀野を中心に守り勝つ野球を目指す 

晴天の空の下、慶應義塾大学の清家篤塾長による始球式により、いよいよ東京六大学野球春季リーグ戦が開幕した。今季、慶大は「見せよう、塾野球力」というスローガンを掲げ、リーグ戦完全優勝を狙う。迎えた初戦は、昨シーズン５位に終わるも慶大が毎回接戦を繰り広げる相手、立大との対戦。勝って幸先のいいスタートを切りたかった慶大だが、そうはさせてくれない。

立大先発の齋藤、慶大先発のプロ候補の白村（商４）は互いに良い立ち上がりを見せ、両者ヒットを許すも丁寧に抑え、２回まで無得点に終わる。

白村は甘い球がいってしまったと振り返った

しかし３回表に均衡が崩れる。一死の状態から大城、安田に二者連続安打を浴びると、調子を立て直す間もなく続く岡部に本塁打を打たれ、あっという間に３点が入ってしまう。「ドタバタ」（白村）してしまったというように、その後も白村本来のピッチングが出せないままさらに１点追加されてしまう。

点差を詰めたいその裏の攻撃、失点を取り戻すかのように白村が自らのバットで右方向に抜ける鮮やかな安打を放つものの、後ろが続かずなかなか得点につながらない。

立大の流れを何としてでも止めたい慶大。白村は４回５回ともに四球や死球を与えるものの、無失点に抑える。打線も反撃のチャンスをうかがい、新主将・堀野（理４）が意地の中前安打を打つも、３塁も踏めない苦しい展開が続く。

６回、事態はさらに悪化する。勝利のためには何としてでも追加点を与えたくない６回だったが思い通りにいかない。この回の先頭打者の平本に二塁打を打たれ、暗雲が立ち込める。一死から大城に死球を与えると、追い打ちをかけるような安田の内野安打によりランナーが１人還り、１死一、二塁。ここで１０３球を投げた白村に代わり、期待の１年生投手・渡邉義（環１）がマウンドに上がる。

３回に本塁打を放った岡部相手に続けて２つのストライクを取るものの、３球目を打たれ打球は左中間へ。打ち取ったかと思われた打球は風に乗り適時三塁打となってさらに２点を奪われる。その裏の攻撃、この回から投

期待の１年生左腕・渡邉義

げる澤田圭から秋季リーグ戦ベストナインの佐藤旭がヒットを放つも、後続の堀野、谷田（商２）が連続三振に倒れ無得点となかなか反撃のチャンスを作れない。

この後７回表には、渡邉義が１年生らしからぬ見事なピッチングを見せ、８回表には明（政３）がきっちりと３人で抑えたが、打線は澤田圭の前に沈黙する。

険悪な雰囲気のまま迎えた最終回、抑えの山形（政４）は二死ランナー無し、あと１人というところで死球を与え、さらに続く大塚に三塁打を打たれて１失点に終わる。無得点に終わるのを避けたいその裏の攻撃、一死で谷田が安打を放つも二者連続三振に終わった。

昨年の主力選手が抜け、新チームで迎えた初戦はほろ苦い結果となってしまった。しかし選手たちは、「今日悪いところが出たので、明日は思い切ってやるだけです」（堀野）と前向きな気持ちを失ってはいない。今日の悔しい気持ちを明日の試合にぶつけ、２連勝して立大から勝ち点を奪ってほしい。部員全員で今こそ「見せよう、塾野球力」。

（記事　堀越ゆかり）

選手のコメント

堀野　真主将（理４）

（今日の試合を振り返って）チームの悪いところが全て出たということと経験が浅いチームということでなかなかみんな固かったですね。（先頭打者として安打も打ちましたね）あの時は相手に行っている流れをこっちに持ってこれるかなという展開だったので、あの場面でヒットが打てたのは良かったと思います。（立大の先発投手・齋藤の投球に関しては）コントロールが良いピッチャーということは分かっていたんですけど、なかなか連打を許してくれなくて。 良いピッチャーでした。（試合中のチームの雰囲気は）やはり上手くいかなかったことが何回も続いてしまったということと白村が打たれたということがあって沈んでいましたね。見い出せてないというか、負けるべくして負けました。（明日に向けて）明日は勝つしかないです。今日悪いところが出たので、明日は思い切ってやるだけです。

白村　明弘（商４）

(今季初登板となったが、調子はどうだったか)序盤はまあ、そんなに今日は良くなかったんですけど、悪いなりになんとか行ってて。３回に、先頭を打ち取ったんですけど、そこからドタバタしてしまって、それで、チームに流れを作ろうというピッチングをしようと思っていたんですけれど、結果的に１アウト３塁から打たれてしまって、その後甘い球が行って、ホームランを打たれてしまって…と、ズルズル行ってしまったので、本当に悪いところが全部出てしまったというか、もっと精神的に強く投げなきゃいけないな、と思いました。(今シーズン新たに目標としていることはあるか)ただ抑えるだけじゃなくて、チームに流れを持ってこられるように、勝ちに繋がるようなピッチングを、という風にずっと思ってたんですけれど、今日それができなくて、非常に悔しいです。(次回登板に向けて)今日負けてしまったんで、今日完敗して、逆に毒が全部出たと思って、明日からバッティングもピッチングもしっかり切り替えてできればいいなと思います。

松本　大希（環４）

(今シーズン初戦となりましたが)そうですね。４年生でラストシーズンということで、今までは先輩について行ってたんですけど、これからは自分たちが率先してプレー以外の面でもチームの先頭に立ってやっていかなければならない、という自覚を持って初戦を迎えました。(二回のチーム初ヒット、自身にとってはリーグ戦初ヒットとなりましたが)２年の春から、試合には色々な形で出させてもらってるんですけど、結果が出ない中でも使い続けてくれた監督に感謝、仲間に感謝です。(オフの間重点的に行ったトレーニングは)新チームになってからファーストを始めたんですけど、ファーストは打てないと使ってもらえないので主に振りこみは人一倍行いました。(次戦以降の意気込みは)そうですね、今日はバッター陣が全然援護出来なかったので、何とか先制点を僕らの力で取って、それで逃げ切るという形で行きたいと思います。

佐藤　旭（商３）

(今日の試合を振り返って)開幕戦なので楽しみだったですけど、流れを掴めずにこういう結果になって残念です。(重点を置いて練習したことは)振り込みと、後はスローイングの安定ですね。(今季から背番号が１だが)チームの顔ということだと思うので、チームを引っ張れるように頑張りたいです。(今季の意気込みは)個人成績がともなえばチームに貢献できるので、頑張りたいです

谷田成吾（商２）

（今日の試合を振り返って）出鼻をくじかれたというか、先に点を取られてすぐに取り返せず向こうのペースのまま行ってしまったので、明日は入りから集中して、先に点を取りたいと思います。（３番打者として２年目のシーズンをスタートさせたが）たくさんオープン戦をこなしてきて、しっかり準備はしてきたので、やることをやるだけだなという感じです。（背番号が２４に変わったが）監督が背番号を振り分けるんですけど、いい番号をもらったので、それに見合う活躍をしたいなと思います。（今シーズンの目標）年間を通して、チームの勝利に貢献できる活躍するというのが僕の目標なので、いい場面があればしっかり打ちたいなと思います。

渡邉　義（環１）

(今日の試合を振り返って)白村さんの後を投げんですけれども失点0と言うのがピッチャーの目標だったので先頭バッターに追い込んでから打たれたのが悔しかったです。後は球も走ってたし良かったと思います。(初登板だったが)ブルペンでは緊張して体も動かなかったんですけれども、マウンドに上がったら緊張もなく腕も振れて良い球がいってので初登板にしては良かったと思います。(高校との違いは)体格も大きく、スイングスピードも全然違うので打球の早さや飛距離が凄いなと思いました。(次に向けて)次はどの場面で投げても無失点に抑えたいです。