【野球】慶大打線本領発揮!チャンスものにし今季初勝利 立大②

4月14日(日) 慶大―立大 2回戦

 

試合を決める一打うぃ放つ松本大

試合を決める一打を放つ松本大 

 昨日の1回戦、8-0と言わば完敗を喫し後がない慶大。重要な先発マウンドには左腕エース・加嶋を送るが2回裏に連打で1点を先制され苦しい展開に。一方、慶大打線は立大先発・大澤の前に4回まで2塁すら踏めない攻撃が続く。しかし5回表先頭の植田が安打で出塁すると、代打・小笠原の適時二塁打で同点に追いつく。お互い決め手のないまま迎えた8回表、慶大は1死満塁のチャンスを作ると代打・渡邊暁の内野ゴロの間に勝ち越しに成功。さらに松本大の三点本塁打で勝負あり。今季初勝利をあげ、勝敗を五分に戻した。

 

慶大
法大
 

慶大:加嶋、山田、○明-手錢、小笠原

法大:大澤、澤田圭、●田村、矢部、三谷-平本

 

慶大出場選手

 

ポジション 選手名(学部学年・出身高校)
[7]8 佐藤旭(商3・慶應)
[4] 堀野(理4・掛川西)
[9] 谷田(商2・慶應)
[5] 横尾(総2・日大三)
[8] 藤本知(環3・慶應)
H7 渡邊暁(商4・慶應)
[3] 植田(商4・慶應)
R 梅野(環2・福岡大大濠)
松本大(環4・桐光学園)
[6] 牧野(商4・千葉東)
H 齋藤(商4・慶應)
明(政3・慶應)
 8 [2] 手錢(環4・大社)
H 荒川(商4・慶應)
山田(環4・中京大中京)
H6 山本泰(環2・慶應)
[1] 加嶋(商2・慶應志木)
H2 小笠原(環2・智弁和歌山)
 

竹内大から19を受け継いだ加嶋

竹内大から19を受け継いだ加嶋 

昨日の開幕戦、先発投手にはプロ注目の白村(商4)を立て勝利を狙いに行くも、投打において上手くいかず8-0と完敗した慶大。完全優勝には後がなくなった慶大の先発マウンドには加嶋(商2)があがる。栄光の左腕エースの系譜“背番号19”を今季から付け、チーム内外からの期待も大きい。この試合で結果を残し、名実ともに左腕エースになりたいところだ。

 

その加嶋に立ち上がりから立大打線が襲い掛かる。2死から岡部、寺田の安打の連続安打で初回からピンチを迎える。しかしここは次打者の立大主将・平原を左飛に打ち取り無失点で切り抜ける。

 

先制点が欲しい慶大は果敢に立大先発・大澤の球に食らいつくもなかなかチャンスを作ることができず、2回表はわずか8球で打ち取られてしまう。

するとその裏、先頭打者の小尾に左前安打を許すと、続く大塚の打球は左翼線へ。左翼手・佐藤旭(商3)がクッションボールを処理している間に小尾は一気に本塁を落とし入れ、またしても立大に先制を許してしまう。

3回裏も加嶋は先頭の大城に中前安打を浴び、チャンスメイクされると2死2塁で立大4番・寺田を迎える。加嶋の投じた2球目は三遊間を破り左前安打となる。立大に追加点を奪われたかと思われた。しかし左翼手・佐藤旭が打球に対して猛チャージ。昨春の早慶戦1回戦でのレーザービームを思い出させるような送球で本塁タッチアウト。勝負の流れを立大に渡さない。

 

同点の口火となる安打を放った植田

同点の口火となる安打を放った植田 

すると5回表、慶大にチャンスが訪れる。先頭の植田(商4)が綺麗なセンター返しで出塁すると、続く牧野(商4)がきちんと犠打を決めチャンスメイク。次打者の代打・荒川(商4)も死球で出塁し、1死1、2塁で江藤監督は加嶋に代え、代打・小笠原(環2)を送る。追い込まれてからの3球目、逆らわず逆方向へのバッティング。適時二塁打となり二走が生還し同点に追いつく。

 

5回裏からは山田(環4)がリリーフ。ラストイヤーに燃える男の攻めの投球で立大打線に付け入る隙を与えない。

山田の好投に応えたい慶大打線だが走者は出すものの得点に結びつけることができない。

7回裏からは明(政3)にスイッチ。安定した投球で立大打線を退け、打線の援護を待つ。

 

そして慶大打線がついに本領を発揮する。8回表、先頭の佐藤旭が右前安打で出塁すると堀野(理4)がきっちり送りチャンスを迎える。続く谷田の右前安打、横尾の死球でチャンスを広げ1死満塁と絶好の勝ち越しのチャンスを得る。そして江藤監督は今日当たっている代打攻勢を仕掛ける。藤本(環3)に代えて打者は渡邊暁、その5球目。打球は遊撃手の正面に飛ぶも大城がジャックルし三走が生還。ついに慶大が勝ち越しに成功した。そして昨日、自身神宮初安打を放った松本大に打席が回る。追い込まれてからの5球目を強振すると打球はグングン伸びてライトスタンドへ。1号三点本塁打となり慶大に大きく流れを引き寄せる一打となった。昨年までは守備固めとしての起用が多かった松本大が打った本塁打なだけに、スタンド中から拍手と歓声が沸いた。

 

渡邊暁の内野ゴロで勝ち越しに成功した

渡邊暁の内野ゴロで勝ち越しに成功した 

こうなれば後は慶大のペース。明が強気の投球で立大打線を封じ込めると、慶大打線は更に奮起する。9回の表には立大投手・矢部の暴投と谷田の適時安打でダメ押しの2点を追加する。最後まで明が投げ切りゲームセット。慶大は今季初勝利、同時に明のリーグ戦初白星となった。

 

昨日の開幕戦敗戦後、各自がなぜ負けたのかを考え、そして今日そこが改善された。常に考えながら野球をし、勝つためには何をすればよいのかを考え、突き詰めていった結果が勝利をもたらした。

明日は勝ち点が奪えるかどうかの大一番。勝ってこれからの春季リーグ戦に弾みを付けたいところだ。おそらく明日の先発は開幕戦で抑え込まれた齋藤。かならず勝ってリベンジを果たし、勝ち点を奪わないことには完全優勝は見えてこない。今日の様に、スタメン選手も控え選手も一丸となって勝利に向かうことができれば、本当の塾野球力が見えてくるに違いない。

(記事 渡邉 拓磨)

 

 

 

 

選手のコメント

 

堀野 真主将(理4)

(今日の試合を振り返って)逆転で勝てたということが大きいです。これまで点が取れていなかったので、何かしらの形で点が入れば上手くいくと思っていたのでその通りに行って良かったです。(試合前のチームの雰囲気は)今日は勝つしかないので、緊張感ありましたし、かといってガチガチになりすぎると昨日みたいな試合になってしまうので、良い雰囲気ではありました。(打線が奮起した理由は)昨日、見逃し三振と三振が多くて、監督から1イニング3球で終わってもいいから初球からどんどん振れと言われたので。積極性が出たことが良かったです。(重要な場面でバントの機会が来ました)それ決めないと僕何のために試合出てるの、というくらいの意味があるバントだったので決められて良かったです。(明日に向けて)今日勝てて、やっとスタートラインに立てたと思うので、ここからスタートだと思って集中して勝ちに行きます。

 

牧野 恭法(商4)

(今日の試合を振り返って)スタメンがあまり良くなかったのですが、代わった選手が活躍してくれたので、慶應の選手の総力戦だったと感じます。(今季初先発だったが)今季というか、大学初の先発で、4年で初は遅いんですけど、何とかチームに貢献できればと思っていました。(5回表の得点に絡むバント成功について)僕、あれくらいしかできないので、脇役として頑張っていきたいと思います。(厳しいポジション争いの中で、自分の売りとなることは)思い切りの良さが自分では売りだと思っているので、下級生の山本(泰寛)と争っていますけど、負けないように頑張ります。(明日への意気込み)今、チームの勢いが良いので、このままやることをやれば勝てると思うので、この調子でいきたいです。

 

松本 大希(環4)

(今日の試合を振り返って)今日は先発出場ではなかったですけど、監督にはバットは振れているからいつでも準備しておけと言われていたので、それに向けて試合開始から集中して出番が来るのを待っていました。(リーグ戦初本塁打となったが)弾道が低かったので入るとは思わなかったですけど、結果的にそれがホームランになって良かったです。(打撃好調の要因は)去年の秋のシーズンが終わってこの冬の間人一倍バットは振ってきて、そういうのが自信につながっているのではないかなと思います。(一塁守備では好プレーもあったが)あれは取ってあげなければいけない打球だと思ったので、そんなに特にいいプレーをしたとは思ってないです。(明日への意気込みは)明日勝ち点を落としたら今日勝った意味がなくなると思うので、明日もしっかり勝負所で打点を挙げられるように頑張っていきたいです。

 

明 大貴(政3)

(試合を終えて)ほっとしました。(相手に先制された時の気持ち)昨日の悪い試合展開が頭をよぎりましたが、加嶋が何とか最低限抑えてくれたので勝てるのではないかと思いました。(相手の印象)昨日も投げたのですが、自分のピッチングをすれば打たれないと思っていたので、自信を持って投げました。(反省点は)ストレートとスライダーしか投げていませんが、ツーシームが得意なので余裕があれば使いたいと思っています。(味方の援護について)嬉しかったです。緊迫したゲームだったので、心が少し楽になりました。(どんな心境でマウンドに上がったか)絶対点はあげたくないという気持ちで臨みました。(明日への意気込み)明日も投げるとしたら後半のイニングになると思うので、立教から勝ち点を取って優勝へ向けて良いスタートを切りたいと思います。

 

渡邊 暁眞(商4)

(今日の試合を振り返って)昨日負けていて、何が何でも勝ちたいという思いでいたので、勝てて良かったです。(勝ち越しの好機での今季初打席だったが)正直あまりずっと調子が良くなくて最近やっと調子が上がってきて、いい場面で使ってくれたので、なんとか打てればいいなと思いました。(明日に向けて)どんな形でもいいので、勝つことだけ意識して、何が何でも勝ちたいです。

 

谷田 成吾(商2)

(タイムリー含む3安打、猛打賞の活躍だったが、手応えは)昨日の敗戦があって、今日は入りが大事だなと思って、初回はツーアウトからでしたけど1本出て、だいぶ自分も楽になりましたし、その後は、チャンスで追い込まれてしまってからライト前に打ったんですけど、いい所に転がってくれて、運が良かった感じです。(昨日に続きヒットを放ったが、好調の要因は)オープン戦からずっと調子が良くて、自分の準備をきっちりして試合に臨めば、いい結果が出るだろうと自分を信じてやってきたんで、それができているのが一番の要因だと思います。(今年からクリーンアップに抜擢されているが、意気込みは)年間通して、チームの勝利に貢献できる活躍を目指してるんで、まだ始まったばかりなんで、明日しっかり勝って、明日からは勝ちに貢献できるように打ちたいと思います。(4番に同学年の横尾選手が控えるが、意識はしているか)意識するというか、横尾が後ろにいるから楽に打たせてもらっている部分もあるし、よく打席に入る前に喋っているんですけど、なかなかやりやすいですね。(明日の試合への抱負)せっかく今日勝てたので、明日もきっちり勝って、勝ち点を取りたいなと思います。

 

佐藤 旭(商3)

(7回の好守の場面について)すでに1点取られていて、これ以上点をやりたくなかったんで何とか刺してやろうと思って思い切り投げました。(8回の攻撃の起点となった安打について)1-1だったので、何とか自分が出て、繋いでいってあとは3・4番に任せてという感じで。チャンスを作ることができて良かったです。(9回のエンドランヒットについてはやはり右打ちを意識していたか)そうですね。前のバッターが振り逃げで出て、相手も嫌な流れになっていたと思うので、何とかうまく転がすことが出来ました。(四球を選んだり盗塁したりなど、トップバッターとしての役割を果たせているのでは)そうですね。僕の役割は、チャンスを作ったり繋ぎ役に徹して、っていうことだと思うので。そういう意味では、まだまだですけど1番としての仕事は最低限できているんじゃないかな、と思います。(明日以降の意気込みは)これで1勝1敗なんで、明日勝って勝ち点取っていいスタート切りたいと思います。

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