快晴の下、桜の花が満開を迎えた4月11日、新生慶應イレブンの戦いが始まった。開幕戦の相手は、昨年度、勝ち点を奪えず苦しめられた相性の悪い神奈川大学。しかし、主将の三上曰く「勢いのある試合を出来るのが今年のチーム」という通り、慶大が終始攻め続け神大に見事完全勝利した。
第84回関東サッカーリーグ戦【前期】1部リーグ 第1節
2010/4/11(日)11:30 KO@ニッパツ三ツ沢球技場慶應義塾大学4-0神奈川大学
{得点者}前半11分 河井陽介(慶大)、前半13分 深澤良(慶大)、後半24分 田中奏一(慶大)、後半36分 深澤良(慶大)
試合開始直後に神大のFWが抜け出るが、中川(総3)が止め、事なきを得る。試合が動いたのは前半11分。川久保(理2)からのパスを河井(政3)が決めて先制すると、そのわずか2分後には深澤(理3)が相手のこぼれ球を冷静に決める。その後も慶大は積極的にセットプレーなど得点のチャンスを作っていき、DFも堅い守りを見せ、シュート数でも神大を圧倒。そのまま2―0で前半を折り返す。
後半に入っても慶大の勢いがとどまることはない。7分には神大FWのクロスボールからの失点の危機があるも、あと少しのところで相手の足がボールに届かず、難を逃れた。神大が攻める場面も見られたが慶大ペースは変わらない。後半24分には黄(総3)の直接FKから河井、山浦(商2)とつないだパスを田中(環3)が決める「ずっと練習してた」(山浦)というナイスプレー。相手の好セーブに阻まれる惜しい場面が続くが、36分には山浦のパスを受けた深澤がダメ押しの4点目。そのまま無失点を守りきった慶大が、初戦を見事な大勝で飾った。新しいメンバーでのプレーに手応えを感じられる試合となった。
By Yuki Morioka
コメント李監督
(試合を振り返って)結果が示すとおりですね。初戦だったのでお互いちょっと硬くなってしまうということは当然あると思うんですが、流れも、勝ち点3取れたことも、ゲームの内容も含めて、本当に良かったと思います。(今回の相手の印象は)まぁ苦手な相手ではあったんですけど、やってみないとわからないし、(今回は)うちが早い時間に点を取れましたけど、逆のパターンもあり得るので。そういった意味で、立ち上がり10分~15分の間に2点取れたのは大きかったです。(相手の敗因はどこだったとお考えですか)相手はいつもどおりのプレーでしたけど、暑かったので少し運動量が落ちていたかな、という感じです。(課題は)まだ1試合しかやってないわけだし、これから。今日出来たことが来週出来ないかもしれないし、まだちょっとわからないかな。ただ、もうちょっと出来るかな。選手の努力もあると思うし、もっと自信もってできると良いかな。(新しいチームでの、手ごたえが感じられる試合となりましたか)そうですね。結構良いときと悪い時が準備段階ではあったので、とにかくやってみないとわからない。去年と違うところもあって、メンバーを見るとわかると思うんですけど、4年生が少ない若いチームなんですよね。(しばらくはこのメンバーでいくことになりますか)このメンバーがもう精一杯ですね。慶應はサッカー推薦とかが無いですから。(次回の早稲田戦への意気込みは)今日の(早大の)結果が気になるところなんですけど、勝ち点3を取れたし、みんなやることはわかっているので、まぁそういう意味では早稲田戦に向けての良い準備が出来たかな、と思います。三上主将
初戦っていうのはやっぱり難しい試合だし堅くなりがちだが、こういう勢いのある試合をできるのが今年のチームのいいところ。非常に持ち味が出ていたと思う。(勢いがある部分とは)今日みたいに先制点取ったらどんどんたたみかけられるような、いい雰囲気をいい意味で持続できるところ。(去年に勝ち点が取れなかった神大に、勝ち点が取れたのは大きいか)去年勝てなかったので、それなりに少しは苦手意識があったと思うが、うちに関しては去年と多少スタイルが違う。今年は縦に早い攻撃というのを目指してやっているので、そういう意味では変に意識することなくやった。(新しいスタイルの手応えは)今日は結果が出たので、今いるこのメンバーで一番合ってる戦い方なのかなと思う。継続していけたらいい。(来週の早慶戦に向けて)昨年定期戦も含めて3回戦って2勝1分ということで、相当早稲田の方も気合いが入ってくると思う。非常に強いチームだと思うので、絶対勝てるように全員一丸となって戦いたい。(主将として、どんな思いで今日は臨んだのか)OBの方もたくさん来てくれたので、伝統ある部の主将として恥ずかしくない試合をしなきゃいけないという風に、自分のなかではプレッシャーをかけてやったつもり。(個人的な出来は)あまり良くなかった。今日は自分のなかでも体のキレは良くなくて。そういうなかでも周りのチームメートが頑張ってくれたので良かった。(頑張ったなと思う選手は)本当に全員だと思う。(去年などと比べて、開幕までの準備段階の手応えは)福岡に遠征に行ったりしてフェスティバルに参加したが、そこも全勝で終わることができた。チームとしては得意な形というか自分たちのいい形というのをしっかりイメージとして持った状態で臨めたと思うので、そこは非常にいい準備ができたと言えるのかなと思う。(去年のチームにプラスアルファが加わるとしたら勢いか)そうですね。前に向かう力というか、そういう勢いだと思う。(若い選手たちが多いチームになりました)若い選手たちがどんどん出てきてチャレンジしてくれているので、非常にいい雰囲気でやっている。
笠松副将
(ふりかえって)4対0という結果は本当にいい出だしだと思うので、自分たちのやりたいことをちゃんと表現できたかなと思うので。まぁいいスタートができたと思います。(ただ相手の出来が良くないという部分もあったと思うのですが)そうですね、実際すべてがすべてできたという訳ではないですけど。どんな相手に対しても勝つということは大切ですし、まして開幕戦は難しいので。その中でしっかりと後ろは0、前は4という結果を残せたことは今後につながる、相手がどうであれ次につながる試合になったと思います。3ボランチもうまく機能しましたし、尚毅を中心にしっかりと守備の部分を統率することができたので。あとは終盤ちょっと落ちていた運動量という部分を修正していけたらと思います。(次節は早大ですが)特別な試合になることは間違いないですし、今年の早稲田は強いと思うので、しっかりと分析して、かつ自分たちの試合をできるように1週間調整して。本当に大事な試合なので勝ちたいと思います。
深澤
(開幕戦を振り返って)大事な開幕戦を勝ててチームとしてよかったです。(自身のゴールシーンについて)素直にうれしかったです。でもそれは自分だけのゴールではなくて、ディフェンスの寄せなど小さなことをチーム全体で怠らずやった結果、得られたものだと思います。(ポジションがFWに変わって意識したことは)元々自分はFWがメインのポジションでやっていたので、おもいきってやろうと思いました。(最上級生として意識すること)昨年までもそうだったんですが、最上級生はやはりチームを引っ張っていかないといけない。やはり結果を出していくことが引っ張っていくことになると考えているんで、今日は2ゴールあげられて良かったです。(次ははやくも早慶戦ですが)去年は自分達は早稲田に勝ち越しているので向こうは絶対負けられないという気持ちで臨んでくるので、さらに強い気持ちで臨みたい。
金房
(初出場でしたが)出させて頂いて、監督に感謝したいです。それだけです。使って頂いてありがとうございます。(監督からの指示は)何も特に指示はないです。最後なので閉めさせるようにというところと、ラインコントロールのところを言われただけで。(トレーナーの方で出場されたのは)歴代の先輩の方ではいるんですけど、最近はあんまり出来ていなかったんで。僕自身も高校も内部で、ずっと裏方だったり仕事ばっかりしてきて、そういうなかで下のチームから出られて、そういうのを証明出来て嬉しかったです。(次節の出場を
期待しています)次節もメンバー入れるように頑張っていきたいです。(これからの意気込みをお願いします)本当に、そうやって下の選手に勇気だったり夢を与えられるような存在でいられたらいいなと思います。中川
(今日の試合を振り返って)初戦と言うことだったが、チームの雰囲気も良く自分たちのペースで試合を進めることが出来た。(無失点だったが)GKが仕事しないというのが、チームとして一番良いことなので、今日はボールも来なかったので良かった。次節も0に抑えたい。(新チームでの手応えは)良かった。DFラインは去年と変わっていないので何も不安はない。攻撃陣も、藤田、山浦ら新しいメンバーが去年のチーム以上に力を発揮してくれている。(次節の意気込みは)次節は早慶戦なので、いつもとは違ったモチベーションがある。慶応のプライドもあるので、手を抜かずに勝ちたい。
田中
(試合を振り返って)個人的な内容としてはあまり良くなかった。ただチームも勝ち、無失点に抑えられたのは良かった。(開幕の出来としては)どうなるかはわからなかったが、連動した形というのは出来ていて、(新チームでも)出来ると言うことが証明出来て良かった。(次節の意気込みは)早大なのでみんな気持ちは持って望めると思う。今日試合は個人的には良いプレーが出来なかったので、一週間ちゃんと練習して望みたいです。
河井
(試合を振り返って)前半の立ち上がりから勢いよく良いプレーが出来た。前半で2点取れたっていうのが大きかったですね。(ご自身の得点もありました)たまたま自分のとこに(ボールが)来ただけなんですけどね(笑)。(狙ってた訳ではなかったんですね)そうですね。(勝ち点3を取れたのは、これからへの大きな一歩ですね)そうですね、開幕戦というのもあったんですが、とりあえず「勝ち」から入りたかったので、そこで勝てたのは嬉しい。あと神大という苦手な相手に4ー0で完勝出来たっていうのも自信になりました。次につながる試合だったと思います。(ずばり勝因は)誰も先制点を取っても満足していなかったし、本当に90分間常にゴールに向かって試合を出来たことだと思います。(新しいチーム、フォーメーションでの手応えを感じられる試合になったのでは)そうですね、まず後ろ4枚が変わってないっていうのが結構大きくて、そこで守備が安定してたので、立ち上がりとかも安定して入れるし、代わって入った選手も自信が持てて、今年は結構良いチームになるんじゃないかと思います。(得点シーンもありましたが、全体的なご自身の出来は)もうちょっとシュート数を増やしたいなっていうのは自分の中で課題として持っているので、今日はリードしてたから良いんですけど、必要なときは自分が試合の流れを変えるシュートだったり、それを点につなげたりっていうのを意識してやっていきたいです。(早稲田戦への意気込みをお願いします)早慶戦になるんで、良い流れで、1週間準備して、まぁ次は気持ちの戦いになると思うんで、負けないように、しっかり勝ちたいと思います。
山浦
(今日の試合を振り返って)終わってみて勝つことが出来たんで、ホッとしたというか。凄く嬉しかったです。(アシストを決めた3点目のセットプレーは)あれはずっと練習してたプレーです。狙い通りというか、上手くはまったなという感じです。かなり嬉しかったです。(中盤の構成について)メンバーも去年から変わったし、自分のポジションも変わっていた。ただ自分たち3ボランチは真ん中なんで崩れちゃうとチーム全体に影響してしまう。だからお互いにセカンドボールを拾うことや運動量をあげていくことは話していた。(来週の早慶戦について)お客さんもいつもより入ってくれるし、雰囲気も違ってくると思う。勝つことができたら自分たちだけじゃなく多くの人が喜んでくれる。だから絶対に勝ちたいですね。
川久保
(今日の試合を振り返って)開幕戦だったので、勝てて嬉しかったです。(初スタメンだったが、緊張などはあったか)前日に 半身浴と足裏マッサージで緊張をほぐし、今日走り回ることを心がけていた。(前線でタメを作っていたが、その点に関して意識したこと)そういったプレーは嫌いじゃないし、元々の自分の持ち味なので、それが出せてよかった。(早慶戦について)一大イベントなので、絶対出てなんとしても勝ちたい。松下
(ふりかえって)そうですね、出るときはとにかく思い切ってプレーしろと言われました。(ちなみにポジションは)中盤です!(高校との違いは)やっぱり高3のときより周りのレベルが高くなっていて、最初入ったときはめっちゃ緊張したんですけど、まぁあっという間に終わりました(笑)(でもシュート1本ありましたよね)まぁ、そうですね!(次節にむけて)次は早慶戦なのでもし自分が出られたら慶應の誇りをもって気品を持ったプレーをしていきたいです。
慶大メンバー
GK 中川翔太(総3)DF 黄大城(総3)
DF 笠松亮太(総3)
DF 三上佳貴(政4)
DF 田中奏一(環3) 86分→金房拓海(商4)
MF 藤田息吹(政2)
MF 大塚尚毅(総3) 81分→松下純土(総1)
MF 山浦公裕(商2)
MF 河井陽介(政3)
FW 川久保理(理2) 72分→森田達見(経2)
FW 深澤良(理4)
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