【男子テニス】強豪相手に苦戦…… 関東学生選手権三日目

気迫で負けないテニスを見せた谷本

  関東学生選手権大会も三日目を迎えた8月7日、慶大からはシングルスに3組、ダブルスに3組が出場した。ここで慶大勢は関東1部校の上位選手たちと対戦。次に駒を進めることができたのは各種目一組ずつという厳しい結果が彼らを待ち受けていた。

 

2013/08/07  関東学生選手権大会@秩父ミューズパーク

試合結果

シングルス3回戦

谷本真人 3-6,6-1,4-6 今井慎太郎(早大)

井上善文 5-7,3-6 大城光(早大)

近藤大基 6-3,7-6 弓立祐生(明大)

 

ダブルス1回戦

権・渡邉 3-6,5-7 戸田・塚越(法大)

 

ダブルス2回戦

井上・谷本 6-4,6-4 白井・秋山(亜大)

矢野・高田 4-6,6-7(4) 戸田・塚越(法大)

二回戦で激しい同校対決を制した谷本(環2=名古屋高)と井上(経3=慶應義塾高)はともに三回戦で早大の上位選手と対戦した。まず見せ場を作ったのは、これまでリーグ戦ダブルスなどで実力を示してきた井上。今大会で課題だったサーブを確実に入れネットダッシュすると、ダブルスで鳴らした豪快なボレーやスマッシュを相手コートに突き刺す。大学屈指のストローカーである大城と「同じ土俵に上がる」(井上)ことを敢えてせず、自分のスタイルで堂々と渡りあった。リターンゲームでは一歩踏み込んで押し負けず、ワンブレークアップの5-3と相手を追い詰めた。しかし窮地でも相手サーブの球威が落ちず、ブレークならず。5-4のサービスゲーム、井上にとっては絶好のチャンスであったが、勢いをつけた相手に井上のサービスダッシュを逆手に取られ、リターンポイントを奪われる。デュースに入る長いゲームとなったが、ここぞという場面で痛恨のダブルフォルトが出てしまい、このゲームを落としてしまった。その後も自分を信じてネットを取る井上だったが、浅く打ち込まれてローボレーになり、思うように攻められない。相手の逆をついてポイントを奪う場面もあったが、主導権までは奪えず3-6で敗れた。   一方の谷本は同世代のトップ選手である今井と対戦。序盤こそ相手に流れを譲ったが、第二セットから体重の乗ったストロークが決まり出し、6-1と大差で奪い返した。最終セットでは相手の勢いが手をつけられない程になり、0-4とリードを広げられてしまう。しかしそこから谷本が再び奮起。間合いを取った懐の深いラリーを展開して相手を自分のペースに引き込むと、粘りを重ねて4ゲームを奪う。それでも最後は相手のサーブに食い込まれ、4-6でゲームセットとなった。  

正確さと威力を備えた近藤のバックハンド

正確さと威力を備えた近藤のバックハンド

慶大勢が次々と敗れる中、安定感を見せたのはエースである近藤(環3=湘南工科大附属高)。リーグ戦では明大のシングルス2を張る弓立と対戦し、第一セットを6-3で先取。第二セットでは相手が本領を発揮し、3-4までは追う展開となった。しかし、大きく深い球と浅く鋭い球を使い分け、チャンスの場面ではムチのように腕をしならせるフォアハンドでポイントを重ねると、じわじわと追いつき、タイブレークへと突入した。ここでもリターンを攻め、主導権を握って勝利。今大会抜群の安定感を見せている近藤が、慶大勢で唯一三回戦を突破した。   ダブルスでは昨年度ベスト4の矢野(環3=出雲高)・髙田(環2=湘南工科大附属高)は法大主将率いる戸田・塚越ペアに苦戦を強いられる。相手の強烈なサービスゲームではリターンが安定せず、逆に相手に粘られ簡単にキープさせてもらえない嫌な展開に。セカンドセットでは互いに譲らず一進一退の攻防となってタイブレークに突入した。しかし相手の勝利への執念が上回り、紙一重の接戦を制することはできなかった。   また、井上・谷本は安定感のあるサーブから高さを活かしたネットプレーを見事に決めて、亜大ペアを破って準々決勝進出を決めた。   日ごとに厳しさを増す大会の中で、いよいよ慶大勢で残っているのは単複一組ずつとなってしまった。流れる汗も、落とした涙も、そのすべてを吸い込んだクレーコートは陽炎の中で揺らめき、変わらずに明日へと広がっている。蜃気楼のようにはかない勝利をつかみとるのは、はたして――。己の技だけを信じ、慶大選手たちは明日の戦いへと突き進んでゆく。

(記事 伊藤明日香)

 

◆選手コメント

渡邉将司(総2=名古屋経済大市邨高)

(今日の試合を振り返って)昨日終わって3-6,5-3でサーブゲームからだったんですけど、逆に取ろうとしすぎちゃって、相手は思いっきりやってきて、やっぱりリードしていて取りたいときこそ思いっきりやったほうが相手にもプレッシャーがかかりますし、そこでちょっとミスしたかなと思います。(中断の後の戦い方に関して、次はどのように工夫したらいいですか)今回はサービスゲームだったので、確率重視でいったんですけど、それよりも打っていったほうが相手にもプレッシャーをかけられるので、やっぱり中断試合のあとは思いっきりいって、相手に引かせることができれば、取られたとしても次が楽だと思うので、それを意識してやりたいです。(法大主将のペアとはリーグ戦でも対戦があるかもしれませんが、手応えは)僕は何回か当たったことがあって、負けてるんですけど、やっぱり勝負どころで結構動いてくる相手なので、そこで逆に動いたところを狙ったりだとか、普段は動いてなくても勝負どころで動いたりしてプレッシャーをかけるといくことをやっていけば自分も勝てるチャンスが広がっていくと思います。(今大会を振り返って)僕はこの大会で去年勝って、結構好きな大会なんですけど、今回は調子は悪くなかったんでさけど勝てなくて、悔しい思いをしたので、次にあるインカレではフォアハンドが今調子いいので課題であるサーブをやっていけばインカレ、リーグで勝てると思います。ストロークでもっとテンポを早めたり、工夫をしつつ、インカレとリーグ戦に向けてやっていきたいです。

髙田航輝(環2=湘南工科大附属高)

(今日の試合を振り返って)相手も序盤からいいプレーをしてきて、僕たちもそこまでひどい内容やプレーではなかったんですけど、やっぱり僕も矢野さんも大事なところで一本相手より勝負出来てない部分があったので。リターンにしても、ストレートにいくときにしっかり攻めるという気持ちが必要でした。結局そのリターンゲームがブレーク出来なくて、相手のほうがサービスゲームを簡単にキープしたのに対して、僕たちは長いデュースでどうにか取るという感じだったので、相手のほうが余裕があったかなと思います。まあ、紙一重な部分はあったんですけど、今回いろいろ悔しい思いはしましたが、これを良い経験だと思って、ここからインカレまで何日かあるので、一日一日、技術の部分は中々向上できないかも知れれないですけど、気持ちの部分で頑張っていきたいと思います。

井上善文(経3=慶應義塾高)

(今日の試合を振り返って)僕は大城とは大学に入ってからこれが初めての対戦だったんですけど、一言でいうともったいないというか取りこぼしたという試合でした。ファーストセットが5-2のツーブレークアップでサービスゲームで、そこで相手のスーパーショットがあったというわけでもなく、自分が攻め急いだというか、ミスが出て、相手を楽にしてしまって、フォアハンドでエースが飛んできたりとか、それまでミスしていたランニングショットを入れてきたりとかというように、自分のせいで相手を乗らせてしまって、セカンドセットの序盤も引き離され、追いつきはしたものの、最後もいいパスを打たれてしまったという展開だったので、ファーストセットが本当に悔やまれます。(相手のリターンが浅く、苦しい体制でのローボレーが多かったですが)サーブアンドボレーをするというのは自分の中で決めていました。相手はストローカーなので、こちらもストロークでいくと同じ土俵に上がることになってしまうので、やったことは間違いじゃないと思っているんですけど、相手が慣れてきてリターンをローボレーで取らされたときに、最後のゲームの1ポイント目もそうだったんですけど、一本でミスしてしまったのが一番良くなくて、センターでもいいから返しておけば、次にロブが上がってきたりして自分の展開にできるはずなので、そこの工夫を、また対戦することがあればやっていきたいです。(ダブルスにはどのように気持ちを切り替えて臨みますか)ダブルスとシングルスは別物で、負けてしまったものはしょうがないので、ここで引きずらずにダブルスモードに入って、二人で話し合って、相手は亜細亜の選手なので、優勝を目指してこだわってやっていきたいです。(インカレに向けて)春関で単複本直を掴み取ることができたので、予選で暑い中タフな試合をして上がってくる人たちよりは条件はいいはずなので、そこをいかにアドバンテージにできるか。一回戦や二回戦でファイナルまでやっているようじゃだめなので、きっちり倒してどんどん次に繋げられるようにやっていきたいです。

近藤大基(環3=湘南工科大附属高)

(今日の試合を振り返って)相手は新進で優勝してて、明治のシングルス2で、強いということは分かっていたんですけど、高校のときに一回対戦したことがあって、そのときは6-3,6-3くらいで勝って、そのときから変わってるかはわからなかったので、最初は探り探りで、打ってくる選手ということは分かっていたので、スライスを打ったり、フラットを打ったり、色々なことを織り交ぜて、相手を崩して、途中から弱点と得意なところが見えてきて、相手も崩れてくれたのでファーストセットは良かったんですけど、セカンドセットでは上げてきて、それをやる前に打たれてしまったので、どんどん決められて自分もミスをして、という展開になったんですけど、粘るところは粘って、打つところは打っていって、基本の相手を崩すというところは頭の中におきながら、後は忠実にメリハリを大事に試合展開をしていったら、攻めようとしたことが上手い具合にストロークで抑えられて良かったなという感じです。(競り合って時間をかけて取る試合が多いですが、作戦ですか)クレーコートなので、打っても決まらないことが多くて、このコートはすごく状態も悪いので滑るしエラーも多いし、サーブ打ったらイレギュラーで頭上を超えたりする変なコートなので最初はコートに慣れながら相手を崩していって、イライラを抑えながらやっているっていう。慣れてきたら自分から行こうかなという感じです。(次戦の相手は早大の古田選手ですが、そのままの作戦でいきますか)あいつには高校のときの個人戦ではまだ負けたことがないので。高校のときからずっとライバルとしてやってきたので、すごく楽しみです。(意気込みをお願いします)学生大会で全然勝ってないので、とりあえず優勝して、インカレでは田川、遠藤のどっちかを倒すことしか考えてないので。優勝とかじゃなくて、勝てば優勝できると思うので、そんな感じです。  

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