【ラグビー】気迫のプレーで圧勝/記念試合 関西学大戦

FBとして活躍した中村敬

FBとして活躍した中村敬

うららかな陽気の下、秩父宮ラグビー場で関西学大との記念試合が行われた。新体制で臨む今季初のAチームの試合だ。前半で一時リードを許したものの、自身のペースを掴んだ慶大は大きく点差をつけて快勝。今後に望みを繋ぐプレーを見せた。

 

 

 

 

関西学院創立125周年記念試合

4月26日(土)14時00分K.O.@秩父宮ラグビー場

 

得点
慶大   関西学大
前半 後半   前半 後半
T
G
PG
DG
21 33 小計 19 14
54 合計 33
 

得点者(慶大のみ)

T=関東 石橋 中村敬2 服部2 佐藤耀 吉迫

G=中村敬7

 

慶大出場メンバー
ポジション  
1.PR 青木周大(商4・慶應) →16眞鍋泰明(経4・慶應)
2.HO 佐藤耀(総3・本郷) →17松岡大介(環2・小倉)
3.PR 吉田貴宏(総4・本郷) →18出口桂(商3・明善)
4.LO 小山田潤平(経4・慶應)  
5.LO 大塚健太(環3・国学院久我山) →19西出翼(経3・慶應NY)
6.FL 木原健裕(総4・本郷)  
7.FL 鈴木達哉(環2・茗溪学園) →20徳永将(商3・慶應)
8.No8 白子雄太郎(商4・慶應)  
9.SH 南篤志(総3・清真学園) →21宮澤尚人(法4・慶應)
10.SO 石橋拓也(環4・小倉) →22名頭薗泰輝(商4・慶應)
11.WTB 服部祐一郎(総4・国学院久我山)  
12.CTB 下川桂嗣(商4・修猷館)  
13.CTB 川原健太朗(環4・小倉)  
14.WTB 関東申峻(総4・宮古) →23吉迫雅俊(商2・慶應志木)
15.FB 中村敬介(経3・慶應)  
 

チャンスは開始2分で訪れる。敵陣深くでPR吉田貴が相手の隙を突くキックでアシストするとWTB関東が素早く反応、先制トライを決めた。しかしここから厳しい時間が始まる。関西学大の積極的な攻めに立て続けにトライを許し、25分には、7‐19とリードを広げられる。状況が変わったのは、38分、SO石橋のライン中央へのトライだ。悪い流れを断ち切った慶大はその直後FB中村敬が俊足を生かし、相手プレーヤーの間を縫った独走トライを見せ、前半を21‐19で折り返した。

スタメン定着を狙う佐藤耀

スタメン定着を狙う佐藤耀

 

後半は慶大が圧倒する。まずは開始直後にWTB服部が左サイドにトライ、勢いをつけると8分、相手ラインアウトのミスにつけ込みHO佐藤耀もトライを決めた。リザーブ選手の活躍も目覚ましい。関東と交代したWTB吉迫は、出場直後に自陣深くからフィールドを大きく駆け抜けトライを決める。その後も慶大は、36分にFB中村敬、38分にWTB服部が再びトライを決め、猛攻を続ける。しかしノーサイド直前の43分、相手に攻め込まれ得点を許してしまった慶大、悔いの残る終わり方となった。

 

今季初の試合、「めちゃめちゃ気合が入っていた」(青木)。全力でぶつかったからこそ自身の課題もはっきり見えた。春季大会初戦の流経大戦ではどのような試合を見せてくれるのか、彼らから目が離せない。

(記事 長尾里穂)

 

コメント

 

和田康二監督

(今日の試合を振り返って)課題が明確になった試合で、関西学院大が気持ちの入ったプレーをしてくださりいい試合になりました。(ポジションをいじりました)この時期なので試したいことは試すということと、ポジションにこだわらないプレーをしようということです。(課題は)体つくりを重視しているのでフィットネスが課題です。これはまだ手をつけていないので、ディフェンスでの課題がはっきりとしました。(一方でオフェンスでは収穫もありました)オフェンスではミスを恐れないということで、石橋、川原、下川と体格と走力を兼ね備えた選手がいるので、どんどん仕掛けてサポートできました。8トライのうちいい形のトライも多かったです。(流経大戦に向けて)毎週試合があるので1戦も無駄にせず課題を明確にして戦っていきたいです。

 

青木周大

(今日の試合を振り返って)今年はじめのチームとしての試合でめちゃめちゃ気合い入ってたし、ミスが多かったことは課題なんですが、前に出る意識はよかったと思います。(記念試合ということでどのような気持ちでのぞんだか)去年負けている試合ですし関西学院さんも気合い入っていましたので、気持ちで負けないように頑張りました。(自身のプレーの良かったところ)フィールドプレーではあまり活躍できなかったんですが、最近の慶應はスクラムが強くないと言われるなかで、二回ターンオーバーできたことは自信になったし、セットプレーで秋に向けていい兆しを見れたことは良かったと思います。(課題は)走力がついてきていないのでしっかり体重落とさずに体力つけてフィールドプレーでも活躍できるように頑張りたいです。(流経大戦に向けて)リーグ戦の相手はからだが大きいんですが、今日うまくできたスクラムで押しきれるように頑張りたいのと、個人的にはトライとらないと面白くないので、取れるように貪欲に頑張っていきたいです。

 

佐藤耀

(試合を振り返って)春シーズンにやろうと決めていたことがいろいろあってそれをやろうと思って臨んだ試合だったんですけど、できた部分とできなかった部分がありました。個人としてもスローをミスしてしまったとこや判断がよくなかったとこがあったのでまだまだ改善できる試合だなと思います。(トライもあったが今日のご自身の出来は)あそこはいつも狙ってるところだったので、来たっていう感じでトライできました。僕は判断があまりよくなかったので、そこは反省しないといけないと思います。(Aチームとして戦う今季最初の試合だったが)FWとしてセットプレーの強化と運動量の増加を目標に掲げてやっていて、スクラムは今日結構よくできていて次に繋がる試合だったと思います。(次に向けて)一戦一戦スタメンで出続けることが一番大事で、次の試合も勝って秋にいい繋ぎ方ができるように頑張ります。

 

西出翼

(今日の試合を振り返って)暑くてタフでしたが普段から練習を多くやっているので走れたし、コンタクト面などで練習している成果は出たかなと思います。(逆に課題は)KODでミスしてしまったのと、ディフェンスでまだ食い込まれている部分が多かったので前で食い止められるようにしていきたいです。(途中出場の意気込みは)前半この暑さでみんなばてていたので僕が元気に積極的にボールに絡みに行って、前に出ていきたいと思っていました。(次に向けて)まだリザーブの立ち位置なので早くスタメンに入れるように練習頑張ります。

 

石橋拓也

(今日を振り返っていかがでしたか)慣れないポジションだったのですが、80分のゲームを通じてのゲームメイクが甘かったと反省しています。(どのような点が課題だと思いましたか)キックを織り交ぜないと、相手の陣地に上手く入れないのですが、今日はキックが上手く使えていませんでした。今後工夫していきたいです。(SOとして、前回の試合から改善した点はどこですか)慣れてきて前回よりはやりやすかったのですが、最後、ツメが甘い点が多かったです。(チーム全体の雰囲気はいかがでしたか)雰囲気はすごくいいのですが、よくできてしまう分、甘さが出てしまっていると思います。強いチームに勝つために、そこを修正していきたいですね。(トライシーンを振り返っていかがですか)前が空いていたので走りました。(次の試合に向けて一言お願いします)流経大は、選手一人一人のポテンシャルが高いので、今日のようにテンポ良くいけない部分が出てくると思うのですが、その時でも落ち着いて対応していきたいです。

 

中村敬介

(今日の試合を振り返って)今年のチームとしては実質初戦で、必ず勝たないといけない試合でした。個人的にはトライも取れてラインブレイクもできたので、満足のいく試合でした。チームとしては、慶大の持ち味であるディフェンスが出せなかったのが課題です。(トライシーンを振り返って)2本目は完全にラッキーで、1本目も運がいい部分もありましたが、トライを決めることが大切なので、取れてよかったです。(コンバージョンもよく決まりました)個人的には外した1本が印象に残っていて、コンバージョンは昨シーズン課題であったので、さらに精度をあげていきたいです。(ディフェンスでの課題とは)インサイドブレイクされる場面が目立ち苦しくなりました。(流経大戦に向けて)慶大らしいラグビーで勝ちます。

 

下川桂嗣

(今日の試合を振り返って)新チームになって15人制の大会の初戦ということで、ひとまずは勝てたっていうのが一番だと思うので。それは良かったですね。(相手、関学大の印象は)ひとりひとりが強くて、アタックにすごくアグレッシブにくるなっていう印象を受けました。(初のセンターでのスタメンは)いやあ、難しかったですね(笑)。なかなか慣れない部分で前半にけっこうミスもあったんですけど、もうちょっとハーフタイムとか試合中に修正することができたらもっと楽に戦えたのかなと思います。(ご自身のポジションについて)センターも石橋をはじめ良い選手がいっぱいいますし、フルバック、ウイングっていう去年までやっていたポジションも今日の吉迫であったり服部、浦野というようにライバルがいっぱいいます。自分としてはまず試合に出たいという気持ちがあるので、チャンスがあるならどのポジションでもベストを尽くしたいと思っています。本職というか、今までやってきたのはフルバック、ウイングなんですけど、チームの中でセンターとしてももし認められるのであればそっちにも挑戦していきたいなっていう思いはあります。(これからの試合に向けて)春の結果は少なからず秋に関係してくると思うんですけど、今年は春から全部勝って、勝ちグセをつけようっていうのが僕たちの中でひとつの目標としてあるので。今から6月の終わりまでずっと試合が続きますが、しっかり一戦一戦勝って、チーム全体に良い循環というか影響を与えられるように一番上のチームからやっていきたいなっていう思いは4年生としてあります。

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