【ソッカー男子】アミノバイタルカップ順位決定戦 悪夢の3分間…逆転で敗れ、全国行きを逃す 流経大戦

残酷な結末を迎えてしまった。アミノバイタル杯を戦っている慶大は、一昨日の準々決勝の青学大戦で敗れたため、流経大との順位決定戦に臨んだ。この試合で勝てば、全国への出場が決まる大一番。慶大は、前半終了間際に久保のゴールで先制するものの、後半開始早々に立て続けに得点を奪われ、逆転を許してしまう。決死の反撃を試みた慶大だったが、追い付くことはできずに試合終了。痛恨の敗戦を喫し、夏の総理大臣杯の出場権を逃してしまった。
 
 
 
アミノバイタルカップ2014 第3回関東大学サッカートーナメント大会兼総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント関東予選 順位決定戦
 

2014/6/6(金) 11:30KORKUフットボールフィールド

 慶應義塾大学1-2流通経済大学

【得点者(アシスト者)】

慶:44分 久保飛翔(端山豪)

流:48分藤山、51分富田

 ◇慶大出場選手 

 

GK増川翔太(商4・柏レイソルU-18)
DF飯高颯生(環3・大宮アルディージャユース)
DF望月大知(環2・静岡学園高)
DF久保飛翔(環3・済美高)
DF保田隆介(法4・横浜F・マリノスユース)
MF端山豪(総3・東京ヴェルディユース)
MF増田湧介(環4・清水東高)
MF磨見朋樹(文4・横浜FCユース)→69分 長尾賢太郎(総4・ヴィッセル神戸U-18)
MF山田融(総3・横浜F・マリノスユース) →75分 小林剛(環4・鎌倉高)
FW黄将健 (総3・近畿大学付属高)→84分 宮地元貴(総2・東京ヴェルディユース)
FW平戸奨眞(法4・暁星高)
 
 
慶大は準々決勝の青学大戦からスタメンを大幅に入れ替え、運命の一戦に臨んだ。

スタメンに復帰した端山

スタメンに復帰した端山

 
序盤は互いに出方をうかがうような展開の中、流経大にファーストチャンスを許す。10分、アーリークロスを送られるも、難を逃れる。慶大も直後に反撃。山田(総3・横浜F・マリノスユース)が右足でゴールを狙うが、枠の左に外れてしまう。その後は、しっかりとしたブロックを形成して、相手にボールを持たせる展開に。21分には、ペナルティエリア手前の中央で端山(総3・東京ヴェルディユース)が倒され、FKを獲得。端山が自らシュートを放つが、壁に阻まれてしまう。雨足が強まっても徐々に攻勢を強める慶大は、24分にもチャンスが到来。磨見(文4・横浜FCユース)がゴール前まで切れ込んでシュートを打つが、これも枠の外へ。だが、一転して26分にピンチ。ペナルティエリア手前から強烈なシュートを浴びるも、増川(商4・柏レイソルU-18)がファインセーブ。一進一退の展開が続くと、37分に慶大に決定機が訪れる。左サイドからのクロスが逆サイドに流れ、その流れから最後は黄(総3・近畿大学付属高)がシュート。しかし、惜しくも枠をとらえられない。この日の慶大は、堅守速攻だけではなく、パス回しからの崩し、攻撃も披露。前半終了間際の44分にCKを獲得する。環、待望の先制点。最高の状態でハーフタイムを迎える。

前線で起点となった平戸

前線で起点となった平戸

 

 
ハーフタイムの選手の交代はなし。エンドが変わった後半、早々に山田が右サイドを駆け上がり、クロス。しかし、中の増田には惜しくも合わず。チャンスを生かせずにいると、ここから慶大に悪夢が襲う。49分、右サイドから崩され、クロスを送られると、増川がまさかのファンブル。立ち上がりの時間帯に同点に追いつかれてしまう。51分には再び右サイドからクロス。ゴール前でフリーで頭で合わせられ、一気に逆転を許す。逆転弾を献上してしまう。徹底的に右サイドを突かれる。何としても追い付きたい慶大。58分、左からのCK。連続で。久保がエリア内で倒されるが、ファールの判定はなし。60分、飯高の駆け上がりからチャンスが生まれるも、ゴールならず。反撃を試みたい慶大だが、固い守備の流経大を前に、なかなかチャンスを創出できない。ここで須田監督は、69分、磨見に代わって長尾(総4・ヴィッセル神戸U-18)を投入。27分、敵陣中央の左でFKを獲得する。端山が右足を振り抜くが、大きく枠を外れる。73分、端山が強烈なミドルシュート。しかし、惜しくも枠を外れる。30分、山田に代わって小林(環4・鎌倉高)を投入。スピードある選手を立て続けに投入し、勝負に出る。77分、ゴール前まで迫るも、ネットは揺らせない。33分、小林のクロスに長尾がつぶれる。しかし、その後が続かない。クリアされてしまう。83分、黄に代わって宮地(総2・東京ヴェルディユース)を投入。パワープレーに出る。41分、右サイドの長尾のクロスに増田が頭で合わせる。だが、GKのファインセーブに遭う。43分には、ペナルティエリア手前から増田が強烈な左足。しかし、これも枠をとらえられない。44分、左からの小林のクロスに宮地が合わせるも、これもゴールならず。アディショナルタイムは3分。最後まで猛攻を仕掛けたが、1点が遠い。無常にも、試合終了のホイッスルが鳴り響いてしまった。

今季公式戦初スタメンの飯高

今季公式戦初スタメンの飯高

 
この試合を通じて、慶大の方が多くのチャンスを作った。しかし、結果は悔しい敗戦。一瞬の集中力が明暗を分けることを、強く突きつけられてしまった。だが、メンバーを入れ替えた中で「いいゲーム」(須田監督)ができたことも、大きな収穫だ。全国へ慶大ソッカー部の名をとどろかせる機会を、一つ失ってしまったことは事実。しかし、彼らの視線は既にリーグ戦へと向けられている。
 
(記事 木下彰)
 
 
 
 
慶大の試合後のコメント◆
 
須田芳正監督
 
(今日の試合を振り返って)
 
負けたけれども、すごくいいゲームだったと思いますね。
 
(スタメンを大幅に入れ替えたが)
 
コンディションのいい選手、あれだけ3試合連続で戦って、コンディションがかなり厳しい選手もいたので、フレッシュな選手を使おうということで。その中でキャプテンのところと、あとセンターのところはポジション的なこともいろいろあったので、3人は残して、あとのポジションにはチャンスが巡ってきたということで、サブの選手もすごく調子は良かったので、どのメンバーが一番パフォーマンスが良くなるかということで、変えてみました。
 
(前半終了間際の先制点について)
 
プラン通りというか、我々の今年のサッカーは無失点でいこうということなので、前半は失点しなかったというのが良かったと思います。
 
(後半の立ち上がりを振り返って)
 
うちらが、逆にチャンスがすぐにあったよね。そこで決められなくても、いい形で終わっていればあのような失点はならなかったんじゃないかと思うけれども、流経大の個の能力は高いんだよね。結局、後半はうちらにもチャンスはあったし、相手も同じようにチャンスがあったけれども、決定的な仕事ができるかどうかということなんだよね。もしかしたら今日のゲームは、うちらの方がチャンスが多かったかもしれない。そこで決められるか、あるいは最後に体を張って守れるかというのは個人の問題だから、そこの差がちょっと出てきたんじゃないかな。相手の14番は決定的なパスを出していたし。うちらもシュートまで行く場面はあったけれども、なかなかゴールに入らない。ある意味課題がはっきりと出たので、これからのことを考えて、逆に良かったんじゃないかな。変に総理大臣杯に行くということで調整があったり、夏場のスケジュールが立たないというよりは、もちろん今度のリーグ戦もあるし、我々の目標はリーグ戦でいい成績を残してインカレへ、というのがあるので、後期のリーグ戦に向けてもしっかりとトレーニングができるかなと。個人としても課題点がはっきりと出てきているので、急に改善されるわけじゃないから、じっくりと夏場に取り組んで秋を迎えたい。という意味で、負けて良かったというのは言い方がおかしいけれども、前向きに捉えていきたいと思います。
 
(アミノ杯の最終戦に向けて)
 
今まで試合に出ていない選手がやれる機会なので、もちろん公式戦なので、そういうところでいい経験を積んでもらうためにも、タイトルは懸かっていないけれども、いいプレーをしてアピールしてもらいたいなと思います。

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