【バスケ】トーナメント閉幕、15位に終わる。課題を胸に早慶戦へ vs駒大

一年生とは思えない完成されたフィジカルで存在感を放つ堂本。体を張ったリバウンドで慶大に流れを引き戻した。

一年生とは思えない完成されたフィジカルで存在感を放つ堂本。身体を張ったリバウンドで慶大に流れを引き戻した。

初戦の勝利から一転、続く3戦でまさかの連敗という苦しい展開の中で迎えた第5戦。ややプレーに安定性が欠ける場面があったものの、駒大を相手に着実な試合運びをみせる。一貫して僅差を守り抜いた慶大が88-72で試合を制し、今大会を15位という結果で締めくくった。

2014/05/30(金) @代々木第二体育館
第63回 関東大学バスケットボール選手権大会
  1Q 2Q 3Q 4Q 合計
慶大 22 16 26 24 88
駒大 14 19 23 16 72
慶大スターティングメンバー
  選手名(♯背番号・学部・学年・出身校)
PG #4 伊藤良太(環4・洛南高)
SG #20 西戸良(総2・洛南高)
SF #10 大元孝文(環3・洛南高)
PF #6 権田隆人(政4・慶應高)
C #7 黒木亮(環3・延岡学園高)
 

視野の広さと的確なプレーに定評のある西戸。今季は自らも果敢に得点を狙いに行く

視野の広さと的確なプレーに定評のある西戸。今季は自らも果敢に得点を狙いに行く

1Q、先にゴールネットを揺らしたのは駒大。試合の入りがスムーズにいかず苦戦する慶大は、相手に立て続けに得点を許す。権田や黒木がゴール下で奮闘するも、拮抗した展開が続いた。その後、西戸が2本の3ポイントシュートを決めるが、流れを完全に手繰り寄せるには至らず。逆に攻守の切り替えの遅さを突かれ、相手の速攻に苦しめられた。開始7分、14-14となり勝負が振り出しに戻ると、慶大はメンバー5人を全員交代。吉川(環4・世田谷学園高)のキレのあるドライブイン、福元(環3・福大大濠高)の的確なパスや清家(経3・慶応高)の積極的なリバウンドで相手を翻弄し、得点を重ねた。序盤こそ苦戦したものの、22-14の8点差で2Qへつなげた。 続く2Q、開始早々相手に3ポイントシュートを決められるも、1年生の木村(環1・東山高)が高い身長を武器に攻守ともにリバウンドで貢献し、なんとか点差を維持する。しかし中盤に差し掛かる頃、シュート率とともに徐々にパスの精度も低下、攻めあぐねる展開に。オフェンスリバウンドを掴みきれず、セカンドチャンスを得られない。後藤が2本の3ポイントシュートを決めるなど、後半に巻き返しを図ったものの、集中力に欠ける一面も見られた2Q。得点差を5点と僅かに詰められ、試合を折り返した。

声掛けによる選手間の連携を意識した中島。巧みなプレーでチームを盛り立てる。

声掛けによる選手間の連携を意識した中島。巧みなプレーでチームを盛り立てる。

慶大はスターティングメンバーに戻し第3Qへと挑んだ。序盤、ドリブルの僅かなミスが相手に猛追のチャンスを与えてしまう。相手のペースに呑まれ連続得点を許すと、開始2分半で40-40と同点に。その後、黒木の安定したゴール下や西戸のバックシュートなど個人技が光るプレーで得点を重ねるが、ディフェンス面では相手の攻守の切り替えの早さに対応できないまま、一進一退の展開が続いた。ボールマンへのプレッシャーの甘さ、ディフェンスの戻りの遅さといった点において、覇気に欠ける慶大。そんな中、流れを変えたのはスピードあるプレーが持ち味の吉川。果敢なドライブインで相手のファウルを誘発した。さらに、1年生の堂本(商1・慶応高)。「自分が出てやる仕事はリバウンドと決まっている」(堂本)という言葉通りに果敢にリバウンドに参加するとともに、積極的にゴールを狙う姿勢が伺われた。息を吹き返した慶大は、64-56と得点差を8点に広げて3Qを終えた。 最終Qではスターティングメンバーが安定感のあるプレーをみせた。伊藤、権田、黒木の3人での速いパス回しによって、確実にインサイドから攻めるプレーで得点を量産。それに呼応するようにアウトサイド陣も機能し始め、伊藤、大元が連続で3ポイントシュートを決めると、一気に慶大の流れを引き寄せ、点差を15点まで広げた。しかし、相手も黙ってはいない。開始4分半、両者ともに激しい攻防、ゴールラッシュが到来する。だが最後まで相手に試合の流れを完全に渡すことはなかった。所々にプレーの粗さがあったものの、相手の追随を許さない試合運びを見せた慶大。チームの課題である「残りラスト1分」(清家)もきちんと戦い抜き、待望の勝利を掴んだ。

この勝利に浮かれていられない」(清家)。試合にこそ勝利したものの、選手の表情は厳しい。今大会15位という結果は決して納得のいくものではなかった。しかし、慶大らしいバスケットがなかなか出来ずにもがく中、この勝利は現状を打破するきっかけになったはずだ。一週間後には、「春シーズン一番の目標」(伊藤)と掲げる伝統の早慶戦が控えている。慶大は3年間連続敗戦、臥薪嘗胆の年月を経て、闘志は十分だ。「全員が前を向いている」(伊藤)と力強く語る先には、勝利の二文字がはっきりと見えているに違いない。

(記事:佐藤優)

[PG]伊藤良太(環4・洛南高)

勝つことは勿論ですが、とにかく内容が大切で来週の早慶戦に向けて何とかしてきっかけを掴みたかったです。昨年勝てたのはディフェンスでルーズボールなどの泥臭いプレーができていたからで、後半はそれが出来たので、まだまだ詰めなければいけない部分ばかりですが、きっかけは掴めました。(自身のプレーを振り返って)この大会全体そうですが、ポジションが変わって迷いながらプレーしてしまいました。ゴールに直線的なプレーをしたり、前からのプレッシャーという自分の持ち味をブレさせてしまい、チームに迷惑をかけてしまいました。(この大会を振り返って)精神的にも体力的にも非常にキツかったです。ここまで歯車が狂ってしまったことに主将として責任を感じています。でも全員が前を向いているので、いい意味で切り替えて早慶戦に向けて頑張って行きたいです。(HCが変わり練習に変化が出たか)180度変わりました。今までは佐々木先生が与えてくださったメニューをこなすだけでしたが、今は自分たちでメニューを決めています。でもその環境の変化を言い訳にしたくなくて、僕もあと1年しかできないので、チームが苦しい中でも4年が中心となって練習を引っ張っていきたいです。(早慶戦に向けて)春シーズン一番の目標で3年間負け続けているので、負けられない試合です。チーム全員が早慶戦に勝ちたいという一心でこれまで頑張ってきたので、絶対に勝って若き血を歌いたいです。

[PF]清家智(経3・慶応高)

一昨日、昨日と負けてしまっていて、チームでやりたいことが出来ていない状況で、格下の相手に対してどこまで自分たちのやりたいことが出来るのかと考えている中で、残りラスト1分であったり、伊藤さんや大元のシュートであったりは二日間と比べたら格段に出来ていたと思うので、良かったと思います。早慶戦まであと1週間、この勝利に浮かれていられないので、もう一度一からチームを立て直していくつもりで、全員が真剣になって早慶戦勝利を目標にあと1週間どう練習していくかが重要になってくると思いました。(タイムアウト中に選手同士で話し合う場面が多く見られたが)試合に出ている5人が声を出すということを念頭に置いていて、なかなかそれが体現できていないので、そういったコミュニケーション不足を指摘し合ったり、もう一度やるべきことを確認したり、今チームとして最低限やろうとしていることを確認していました。(新たなメンバーを迎えて実戦に挑んでみて)4年生が引っ張ってくれていているのでいい雰囲気だと思います。でもその中で選手達が自分で考えて下級生、上級生問わずプレーしなければならないので、難しい反面、そういった点がこれからコミットしていけば、早慶戦も絶対勝てると思いますし、強くなっていくと思います。(トーナメント全体の反省)全体的にみてうまくいかなかったことが多いので、それをこの一週間でみんなで修正していくしかないと思います。(早慶戦に向けて一言)絶対に勝つ!

[PG]中島一樹(総3・高崎高)

今までの試合で声がでてなかったので、チームとしても個人としても喋ろうという意識を持ってやっていて、出たときもプレーだけじゃなくて声で引っ張っていくように意識していました。(途中出場の際に指示はあったか)特に指示はなかったんですけど、今までやってきたオールコートのディフェンスとか、リバウンドを味方が取ったときにすぐ受けて速攻につなげるとか、そういうことを意識してやりました。(連敗が続いていたが今日勝てた勝因は)やはり一番は、今日は最初から全員で声を続け、チームが一つになれていたことだと思います。(トーナメント全体を振り返って)慶應としては苦しい試合が続くトーナメントとなり、落ちるところまで落ちて、課題が山積みです。ここから早慶戦まであと一週間なので、今までの全部の試合を振り返って、良かった点、悪かった点をピックアップし、それを早慶戦に向けていいバネにしたいと思います。

[SF]堂本 阿斗ディーン(環1・慶応高)

まり出る機会は回って来ていないのですが、自分が出てやる仕事はリバウンドと決まっているので、それを頑張りました。(高校と大学の違いは)やはりフィジカルと、攻守の切り替えが早いところですね。(リバウンドを頑張っていたが)自分の中で今日は結構調子が良くて、ディフェンスでもしっかりと出来たので、それは良かったと思います。(トーナメント全体を振り返って)あまり出ることがなかったので、出られるところでしっかりとこなせばいいと思っていたのですが、今日まではそこまで調子が上がらず、シュートも決まらなかったので、今日決められたことは大きいと思います。(早慶戦に向けて)自分は内部生で高校からやってきているのですが、今まで3連敗してきているので、今年はその試合経験を活かして勝ちたいと思います。(大学4年間の抱負)今チームの目標としてインカレ優勝というのがありますが、このトーナメントの結果から見るとすごく遠いものだと思うので、どうにかそこまで合わせていきたいです。

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