【バスケ】ファウルトラブルに悩まされ敗退。秋への飛躍誓う 新人戦vs拓大

試合後、応援席の上級生に礼をする選手たち

試合後、応援席の上級生に礼をする選手たち

 

初戦の関東学院大学戦で快勝を収めた慶大。2回戦の相手は優勝候補にも挙げられている拓殖大学だ。絶対的エースであるバンバ選手を抑え、地力で勝る相手に慶大がアップセットを起こせるかどうかに注目が集まった。しかし試合内容は序盤からファウルを強いられる苦しい展開に。後半からは常に大量ビハインドを背負いながらの厳しい戦いが続いた。個としてもチームとしても1枚上手である相手に自分たちのバスケットをさせてもらえず大敗。しかし新人戦を含めた春シーズンで見つかった課題に対する答えを、必ずや勝負の秋で見せてくれるだろう。

2014/06/19(木) @代々木第二体育館
第54回 関東大学バスケットボール新人戦
  1Q 2Q 3Q 4Q 合計
慶大 14 21 21 15 71
拓大 28 27 36 18 109
慶大スターティングメンバー
  選手名(♯背番号・学部・学年・出身校)
PG #5後藤宏太(環2・藤枝明誠)
SG #4西戸良(総2・洛南高)
SF #9藤井和朗(経2・慶応高)
PF #7トカチョフ サワ(環1・國學院久我山高)
C #23木村能生(環1・東山高)

初戦とは違い、落ち着いたプレーを見せた堂本

初戦とは違い、落ち着いたプレーを見せた堂本

1回戦と同じスタメンで試合に臨んだ慶大。1Q、先制点を奪い、試合のイニシアティブを取りたいところであったが、開始早々2本のバスケットカウントを拓殖大に許し、流れがつかめない。さらにオフェンス面でも苦戦。1回戦と打って変わって、一対一による攻撃が目立ちシュート確度もなかなか上がらず。開始7分間で4点しか奪うことができなかった。その後は後藤の3ポイントや、堂本(商1・慶応高)のバスケットカウントなどで点差を詰めるも、14点ビハインドを背負って2Qに臨んだ。

2Q開始直後、インサイドのキープレイヤーであるサワが3回目のファウルを犯してしまう。しかし交代の指示は出ず、プレー続行。その3分後、オールコートでのディフェンスの際にブロッキングファウルを取られ、4ファウルとなり、慶大にとってかなり苦しい状況に。ディフェンスが手薄になったゴール下を中心に攻められさらに点差を広げられてしまった。だが、オフェンス面では1Qと比べ改善が見られた。後藤がキレのあるペネトレイションから中外両方にアシストを供給すると、木村の力強いポストプレーも決まり、安定して得点を重ねられるようになった。ファウルトラブルという苦しい状況下の中でもチーム全体がなんとか粘りを見せ、前半を終えた。

2試合フル出場となった後藤。その経験は大きな収穫となったに違いない。

2試合フル出場となった後藤。その経験は大きな収穫となったに違いない

3Q、20点という大きな点差を縮めるため、阪口HCはリスク覚悟で4ファウルのサワをピリオドの頭からコートに送り出した。その序盤、西戸がドライブからのフローターや、堂本のアシストを受けバスケットカウントを獲得し気を吐くも、パスミスなどからのターンオーバーからの失点も目立ちなかなか点差を縮められない。そして迎えた3Q残り6分。ダブルチームで激しいチェックにいった際にサワが5回目のファウルを吹かれ退場。厳しい試合展開に追い打ちをかけるようなファウルアウトとなってしまった。サワが抜けた後はなかなか攻撃の糸口をつかむことができずオフェンスが停滞してしまう。ターンオーバーも相変わらず散見され拓殖大に18-0のスコアリングランを展開されることになった。後藤が一対一からの3ポイントで何とか食らいつくも、3Q終了時には93失点。その数字が慶大に大きくのしかかった。

迎えた最終Q、すでにエース、バンバ選手をベンチに下げた拓殖大であったが、その選手層は厚く「一人一人の能力の差」(阪口HC)を慶大に見せつけた。4Q中盤には木村も4つめのファウルを犯してしまい、1回戦で陥ったファウルトラブルという課題が再び浮き彫りになった。堂本がこのQだけで4つのオフェンスリバウンドを見せたが、すでに大きく広がった点差を縮めるきっかけとはならず。フル出場の反動からか、西戸、後藤両バックコート陣にも疲労が見られた慶大は攻め手を欠き、最終的には38点差で大敗を喫した。

ファウルトラブルに端を発し、インサイドのディフェンスやリバウンド、そしてルーズボールなどの球際でいつもの粘りを見せることができなかったのは慶大にとって悔やまれる。強豪との実力の差を痛感させられる試合であった。しかし、「秋リーグに向けて自分がやるべきことを確認できた」と西戸が語るように選手たちはすでに先を見据えている。充実したオフの準備期間を経て、秋リーグで選手たちがリベンジを果たすことを期待したい。

(記事・岩田亮)

阪口裕昭HC

やっぱり拓大は強かったですね。結構差がありました。(その差はどこに感じたか)やっぱり一人一人の能力の差が大きいね。でもここから先誰かが今の2年の代に転校してくるわけじゃないから、このメンバーでこれから2年以上戦わなきゃいけないわけだから、まあその地固めはできたかな。(新人戦全体を振り返って)まあ何か意義付けをしてチームでやらないといけないと思ってました。そういう意味ではキャプテンを務めた西戸や、後藤なんかにとってはいい経験になったんじゃないかな。(秋リーグに向けて)3か月間本当に頑張ります。優勝とかかっこいいこと言ってないでまずは残留を目指して、降格しないようにしないとね。またインカレでも勝てるようにしていきます。

[SG]西戸良主将(総2・洛南高)

新人戦が終わって、短い期間で通用する部分もしない部分も明らかになり、秋リーグに向けて自分がやるべきことを確認できたのですが、チームの雰囲気を悪くしてしまったのでそこは責任を感じています。何とか繋げたいなと、どうにかしないとと思っていて、今はそんな具体的には考えていないのですが、これからよく考えていかないといけないなと思います。(主将としてリーダーシップをとったが)やはり余裕があるときには考えてプレーできていたのですが、今日のような相手に対しては自分のことが7割くらいになってしまい、周りが見えなくなってしまう時間が多くて、自分が声を出していないという状況が分かりながらもどうしていいか分からないというのが正直なところでした。まだ期間はあるので、4年までにそういう技術以外のところも磨いていきたいなと思います。(逆に良かった部分というのは)ところどころのシュートというか、相手とのズレを作ったりというのは自分でもそんな悪かったとは思っていなくて、そういう所は伸ばすべきところかなと。(2試合フル出場となったが体力的には)キツかったというのが正直なところなのですが、自分でもベンチに下がる状況ではないということは分かっていたので、その中でもっと自分が出来たことがあったのではないかと思います。(HCから言われたこと)点数を取るのが僕と後藤しかいなかったので、その点の取り方の部分で、具体的には一回ボールを他の人に預けてからもう一回攻めるということを言われました。(秋のリーグ戦に向けて)この一週間は自分が先頭に立ってチームを引っ張ってきたので、そこを秋に3、4年生がいる状況の中で発揮することで練習ももっと良くなるでしょうし、プレーの向上というのも勿論ですが、チーム作りの面でも関わっていけるような人間になりたいです。

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