上位進出のためには白星が絶対条件の男子ホッケー部。谷直剛(政3)が自慢の快足を飛ばし、フィールドゴールを決めて先制に成功する。終盤PS(ペナルティーストローク)で同点に追いつかれるが、後半8(43)分に森駿太(経2)がリーグ戦初ゴールとなる貴重な勝ち越し点を決めると、さらに下山雄大(経2)のゴールで加点した慶大。宿敵明大を破り今季初勝利を飾った慶大は、なんとか上位進出へ望みをつないだ。
関東学生ホッケーリーグ秋季 グループリーグB
2014.9/20(土) 14:45~ @慶應日吉グラウンド
慶應義塾大学 3-1 明治大学
(前半1-1、後半2-0)
【得点者(アシスト者)】
13分 谷
43分 森(中井)
51分 下山(福谷)
<スタメン>
GK本名智一(経3)、FB田中啓介(政4)、三木雅史(経3)、宮坂健吾(政2)、吉國光裕(政1)、MF岡田寛(政4)、細井佑(経2)、福谷亮太(政1)、FW谷直剛(政3)、遠藤錬(経3)、下山雄大(経2)
2試合連続で終了間際に失点し、勝利がなかった慶大ホッケー部。グループ最終戦は春季対戦し、0-2で敗戦を喫している明大と相見える。
「最初から気持ちのところで強気に行こう」(田中啓介・政4)と前から積極的に勝負するが、2・3分に立て続けにPC(ペナルティーコーナー)を奪われてしまう。しかし相手のミスと本名智一(経3)のセーブによってピンチ脱出。さらに10分にもPCを取られるが、何とか失点を防ぐ。すると14分、自陣エンドラインから細井佑(経2)が大きくスクープを前線に送り込む。そこを狙っていたのは谷直剛(政3)。ここ2試合得点がなく、「ふがいない自分を感じていた」という谷は、ワンタッチで相手FBをかわし、勇猛果敢にドリブル。シュート体制に入ると、「自分を信じて振りぬいた」(谷)。きれいにゴールに突き刺さり慶大に先制点が入った。さらに岡田寛(政4)、宮坂健吾(政2)、中井将人(政2)の打ち込みにタッチシュートを狙いにいくが得点は決まらない。19分に細井がグリーンカードで退場し、キルプレーとなるがFB陣が奮闘し失点を許さない。しかし32分、ペナルティーサークルでファールを犯した慶大。PCかと思われたがここはまさかのPS(ペナルティーストローク)。これを冷静に決められ、同点で前半を終える。
後半。今シーズン「ストロークの調子がいい」という宮坂から得点のチャンスを演出する。そして42分、岡田から中井がサークルでパスを受け取りシュートを放つ。これは相手ゴーリーに阻まれるが、しっかりと森駿太(経2)が詰めていた。これを冷静に決め勝ち越しに成功。ここ2試合で森以外の2年生選手が得点を決めていたため、「プレッシャーになってい」たという森だが、最高の場面でゴールを決めることができた。
その後試合はペースアップし、一瞬の油断も許されない展開となる。しかし要所でパスカットや、ジャブでプレッシャーを与え、相手の攻め気を削ぐ。51分、福谷亮太(政1)が斜めに切り込み、サークルへセンタリング。これを下山雄大(経2)がタッチで合わせ、ダメ押しの3点目。少ないチャンスをしっかりとFWが決めた。残り20分弱。ここ2試合では試合終盤で点を取られていたため、選手たちは集中していた。焦りからくる明大のミスにも助けられ後半を完封、今シーズン初勝利を飾った。
慶大ペースに試合を運んだかといえばそうではなかったが、少ないチャンスを確実に生かした。勝たなければ関東優勝、上位進出の夢が断たれてしまう瀬戸際だった状況が、選手たちの闘志を燃やし、気持ちの面で相手を上回った。この日は3得点を決めたオフェンスだが、PCの数はグループリーグ3試合で5個と少ない。「自分でサークルインできる選手が少ない」(下山)ため、外からストロークでタッチシュートを狙う場面が多い。攻撃のメリハリをつけるためにも、今後のオフェンス陣に更なる期待がかかる。しかし勝利を手にしたことはチームに好影響をもたらした。「勝てる時の試合の運び方」(田中)を身をもって感じた。今後はもう試合を1試合も落とせない戦いが始まる。こんなところでは立ち止まれない。
(記事:荒川智史)
▽グループB・成績(9/22現在)
|
東農 |
明治 |
慶應義塾 |
法政 |
勝ち点 |
得失差 |
東農 |
― |
○3-2 |
○4-3 |
×1-3 |
6 |
0 |
明治 |
×2-3 |
― |
×1-3 |
9/28 |
0 |
-3 |
慶應義塾 |
×3-4 |
○3-1 |
― |
△1-1 |
4 |
1 |
法政 |
○3-1 |
9/28 |
△1-1 |
― |
4 |
2 |
▽上位進出のゆくえ
⇒9月28日に行われる法大vs明大の対戦により決まる
明\法 |
法1点 |
法2点 |
法3点 |
法4点 |
法5点 |
明1点 |
法大 |
法大 |
法大 |
法大 |
法大 |
明2点 |
慶大 |
法大 |
法大 |
法大 |
法大 |
明3点 |
慶大 |
慶大 |
法大 |
法大 |
法大 |
明4点 |
慶大 |
慶大 |
SO戦 |
法大 |
法大 |
明5点 |
慶大 |
慶大 |
慶大 |
法大 |
法大 |
次戦 10月5日(日)vs Aプールチーム@早稲田東伏見グラウンド
※対戦相手・時間が決まり次第、慶応スポーツ新聞会Twitterにてお知らせします
以下、選手コメント
FB田中啓介(政4=慶應義塾)主将
(どのような気持ちで試合に入ったか)勝つしかないというところで、春の早稲田戦でもそうだったんですけど、吹っ切れて最初から気持ちのところで強気に行こうというのを意識していました。(序盤で先制点をとれたのは大きかった)すごい大きいです。気持ち的にも楽になったというのもあるんですけど、慶應というチームは負けているときは強気に出て、勝っているときは少し下がり目に守備的になってしまうというチームなので、点が入って好影響もあったんですけど、そこで下がらないことを意識してプレーしました。(同点で迎えた後半序盤でも勝ち越した)先攻していると受け身になっちゃうという話もあったんですけど、今日はそこのところを改善していこうとハーフタイムでも話していたので、得点が入ったことを強みにして気持ちよく前に出られたので、後半また先制できたのはすごい良かったです。(守備もはまりましたね)後半は相手も結構打ち込んで、サークルにどんどん入れ始めたので、ブロックを引いて冷静に対処できたと思います。(リーグ戦上位進出も見えてきた)法大の結果で変わってきますが、2試合終えた僕らは今日勝つことがやれるすべてのことだったので、今できる100%、120%ができたことは良かったです。(次は2週間後の試合になるが何を調整していくか)試合後にも話したんですが、勝てる時の試合の運び方というのをもう少し練習していかないと、その日の雰囲気であったり流れであったりに身を任せてしまうと、勝てるか勝てないかが偶然になってしまうので、勝てる時の雰囲気づくりやプレー選択というのを練習の時から意識して準備したいと思います。(次戦への意気込み)チームとしてすごいまとまってきているので、個人的にも結果を出したいというのもありますし、まずはチームが勝てれば何でもいいので、しっかり走り込みの部分から頑張りたいと思います。
FW谷直剛(政3=慶應義塾)
(どのような気持ちで試合に入ったか)今日勝たないとどうやっても、目標としている優勝だったり上位進出だったりというのがかなわない試合だったので絶対に勝とうという合言葉を胸に試合に臨みました。(今日の試合を振り返って)個人的にも目標としてこの秋、自分が勝利に導くんだという気持ちを持ってやっていたんですが、ここ2試合点を取ったのは下級生で、うれしい部分がある反面、ふがいない自分を感じていたのもあったので、そこを何とかしようと思っていたところもあったので、点を取ることができてよかったです。(攻め込まれていた中での先制点でしたが、感想は)明治は強いチームで、前掛かりになるところがあるので、そういう意味ではカウンターをスピーディーにできれば必ず穴があると思っていたので、その意図通りに先制点をとれたことはすごい良かったです。先制点を取ることでチームに勢いを与えられたと思うので、意味のある1点をとれたと思います。(スクープから直接シュート、狙っていましたか)まず敵が(落下地点に)先に入っていたので、敵が触った瞬間に詰めてボールを奪い取ることができて、うまく敵2人をワンタッチでかわしてキープをできたので、あとは自分を信じて振りぬきました。(あえて今日の試合に課題を挙げるとしたら)今回点を3点取って勝つことができたのはすごい良かったんですけど、今まで練習してきた通りの形を全部できたかというとそうじゃなくて、相手のミスだったり思わぬ得点もあったりしたと思うので、もっと自分たちの練習で培ったものをいかんなく発揮できるようにしたいです。(次戦への準備は)2週間でどこまで技術が伸びるかというと限られると思うんですけど、2週間後の相手の情報分析だったり、チームの戦術共有だったりを浸透させて、その中で今日の試合の反省点を洗って、次の試合に臨みたいと思います(次戦への意気込み)優勝のために、チームのためにしっかり走って点を取りたいと思います
FW下山雄大(経2=慶應義塾)
(今日の試合を振り返って)気持ちの部分で勝てて、試合でも勝てたので良かったです。(先制して流れをつかめた)失点から入ることが多くて、そうするとどうしても流れが悪くなってしまうところがあるので今日先制できてよかったです。(貴重な3点目、感想は)中盤がいいパスをくれたので、僕は触るだけでした。いい時間帯で取れてよかったです。(PCは今日も1本のみでしたが)そもそもサークルに入る回数が少なかったというのが反省点です。一人で勝負できる選手が少なくて、なかなか前に運べなかったっていうのがあるので、そこはチームとしても個人としても課題です。(次戦に向けて調整したい点は)個人的にはもう少し突破力をつけたいなと思います。やっぱり谷さんのドリブルに頼っているところもあるので、自分もサークル内に切り込めるように頑張りたいと思います。
FW森駿太(経2=慶應義塾)
(今日の試合を振り返って)今まで明治とは練習試合もこなしてきて、でもその中では勝ちというのは得られてなかったので、今回ここで勝利をすることができてよかったと思います。(点数を決めた瞬間の気持ち)明治との練習試合で以前僕が点数を決めたことがあったので、点をとる自信というのは試合前からあったので、それを実現できた形となりました。(これで2年生全員が点数を決めたという形になったが)この秋リーグで下山、細井、中井、宮坂と点を取っていて、あとは点数を取ってないのが僕だけということでやっぱりチーム内でもそういうことがささやかれていて、それが少なからずプレッシャーになっていて、この試合で決めるしかないなというのがあったので、決めることができてうれしかったです。(次の試合に向けての意気込み)チーム2014の目標が関東リーグ優勝ということで、これからが本当の勝負となってくるので、これから2週間後の試合に向けてまたフォワードとしても点取りたいですし、チームとして勝利して最後は関東優勝という目標を遂げたいと思います。
FB宮坂健吾(政2=慶應義塾)
(今日の試合を振り返って)後半の最初に自分のミスで失点してしまいそうな場面をむかえてすごい焦ったんですが、そこから開き直って切るところはしっかり切ろうということで、ヒットがうまくフォワードまで通ったので、よかったかなと思います。(先週から今週にかけてどんな準備をしてきたか)先々週、先週の試合はストロークの調子はよかったので維持しようと思って、特にいつも以上に頑張るとかではなく普段通りの練習をして普段通りのアフターをしたという感じですね。(明治の攻めに対してディフェンスで心がけていたことは)相手の底の選手2枚のストロークが強いということで、後ろのマークを強くしてインターセプトを狙おうと言っていて、それをうまくみんなで実行することができたのでよかったと思います。(次の試合に向けての意気込み)僕たちの目標は秋リーグ優勝ということなので、この次の試合勝ってその目標を達成したいと思います。
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