第24回関東大学女子サッカーリーグ第6節。約2カ月に渡って行われてきたリーグ戦もついに残り二試合となった。そんな中、最大の強敵である日本女子体育大学との一戦を迎えた。負ければ首位陥落の可能性もある中、慶大は4―1という圧倒的なスコアで雨中の激戦を制した。残りあと一試合、ついに慶大は全勝優勝へ王手をかけた。
第24回 関東大学女子サッカーリーグ 第6節
10/24(日)15:30KO @慶應下田グラウンド
慶應義塾大学 4―1 日本女子体育大学
[得点者]前7分中山(慶大)、前23分中山(慶大)、前37分中山(慶大)、後32分中山(慶大)、
試合開始前、円陣の声もいつも以上に気合が入っている。それもそのはず、これまで開幕5連勝中の慶大にとって、この日女体戦は全勝優勝に向けて最大の山場。最大のライバルを相手に迎え、静かに試合開始のホイッスルが鳴った。前半、互いに様子を見るように落ち着いたパス回しで試合が進む。そんな一進一退の攻防の中、前半7分早くも試合が動く。相手ゴール近くでスローインを得た慶大は、ロングスローで石原(環1)へパス。これを上手く受けた石原はそのまま相手DF二人を見事なテクニックでかわし、ペナルティエリア内へ侵入する。絶妙のパスを今井(法4)に送りそのまま今井がシュート。しかし、これはGKのナイスセーブではじかれるがこぼれ球を中山(環2)が押し込む。これがゴールネットを揺らし貴重な先制点を奪う。このゴールで火が点いた慶大は一気に試合の主導権を握る。その後しばらく試合は落ち着くが、前半22分スルーパスに抜け出した今井がドリブルで一気にエリア内へ入ると、たまらずこれを止めに入った相手DFが足を出し、今井がエリア内で倒される。すると、審判によって大きく笛がなった。これにより、慶大がPKを獲得。23分、このPKを大きな重圧の中、中山がゴール右隅にきっちり決め待望の追加点を奪う。しかし、このPK獲得の際に今井が負傷。一時ピッチを離れることにより、不安な空気が流れる。しかし、この雰囲気をまたしても中山が振り払う。37分CKのチャンスを得た慶大。キッカー小堺(環4)の正確なキックに中山が頭で合わせ、3点目。慶大は強敵日女体大相手に3-0と大差で試合を進め前半が終了した。
後半開始のホイッスルと同時に、大粒の雨が降り始めた。ただでさえ辛い試合の中雨で足元を取られ、両チーム共に思うようなプレーが出来ないまま試合は進む。前半、相手を押していた慶大にも疲労の色が見え始め、プレーにもミスが目立つようになった。そして後半25分、エリア付近で相手FWが強烈なミドルシュートを放つ。これが無失点を続けていた慶大のゴールマウスをこじ開け、3-1とついに日女体大が反撃の狼煙をあげた。降りしきる雨と共に不穏な空気がベンチや応援席にも見られるようになっていた中の後半32分、反撃の勢いで攻撃に人数を割いていた相手DFの裏を突くカウンターで中山が相手ゴール前に抜け出す。エリアの外まで詰めてきた相手GKを落ち着いてかわし、無人のゴールへシュート。相手に行きかけた流れをぐっと引き戻す値千金の4点目を決めた。慶大はこの後3人の選手を入れ替えたが、変わった選手もきっちりと仕事をしてこのまま危なげなく試合終了。ついに全勝優勝へ王手をかけた。
リーグ最大の山場となったこの試合を4-1というスコアで制した慶大。今期の慶大の進化を感じる試合となった。ついに次節は最終戦。相手は強豪山梨大学ではあるが、我らがイレブンは見事期待に応え、全勝優勝してくれるものと信じている。
岩崎監督
(今日の試合を振り返って)選手には本当に準決勝のつもりで、この一週間日女体の特徴を頭に入れながら、その相手の弱いところを突くっていうトレーニングをやってきて、それをしっかりとみんながグラウンドの中で体現して、こうやって4-1っていう勝利を収めることができたのは本当に嬉しいし、決勝戦に向けてまた自分自身にも勇気をもらった試合だった。
(今日の試合での収穫と課題は)収穫はやっぱり日女体は個々の選手がしっかりキックもあったり、個々の選手のレベルが高いので自分達が押し込まれる場面もあったんですけど、そういったなかで体を張ってそういう試合の中の緊張感といったものがしっかり味わえたのがすごいよかったと思う。ただ、後半やっぱり一点取られた後みたいにその流れに負けて、自分たちが点を取られたっていうところは本当に次の試合に向けて日女が残してくれた課題で、それを克服してまた一つ強くなっていきたいと思う。
(次節への一週間の過ごし方は)本当にもう今までやってきたことを徹底して、いままでにない一週間を過ごそうと思ってます。やっぱりこの一週間はお金ではもうこの先絶対買えないものだと思うのでその一日一日を味わいつくして、チームに貢献して一週間頑張っていきたいと思います。
(次節への意気込み)集中応援日、皆さんの応援を受けてかつホームで山梨と。本当に自分達が想定していた通りの展開でここに臨めるので。ただ山梨も今日大東に1-0で勝ってるんですけど、しぶといチームですし、今年絶対上に行きたいと思ってるだろうし本当に舞台としては申し分ないと思うので、そこで選手が自分自身の力を、かつチームの力を120%発揮できるように頑張って、もう来週はしっかり勝って!終わります。
中山選手
(自身のプレーとしては)自分は4点決めたんですけど、まだまだ決定的なプレーが決め切れていない部分があるし、もっと突破を狙っていかなければいけないところで後ろ向きなプレーをしてしまったので、山梨相手には自ら突破を狙っていきたいです。
(最終戦への意気込みは)もう自分は本当に一部に上がるしかないと思ってるので、絶対に得点を決めてみんなでピッチで喜びたいです。
(by Keita Okumura)
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