リーグ戦も佳境を迎えた第15節。この試合に勝てば1部残留が決まるという大事な一戦の対戦相手は法政大学。一週目の戦いでは勝利をおさめたものの、春のトーナメントでは大敗を喫しており侮れない相手だ。上向きつつあるチームの調子を維持し、落とせない一戦で自分たちのバスケットが展開できるかということが焦点となった。前半は相手にリードを許す展開が続いたものの、後半からは慶大ペースに。特に4Qでは33得点も奪い法大を圧倒。快勝を収め、秋リーグ開幕前から目標としていた1部残留を見事に決めた。
2014/10/18(土) @専修大学生田キャンパス | |||||
第90回関東大学バスケットボールリーグ戦 第15日目 vs法大 | |||||
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
慶大 | 16 | 19 | 21 | 33 | 89 |
拓大 | 20 | 16 | 15 | 23 | 74 |
◆スターティングメンバー | |||||
PG | #4 伊藤良太(環4・洛南高) | ||||
SG | #13 福元直人(環3・福大大濠高) | ||||
SF | #10 大元孝文(環3・洛南高) | ||||
PF | #6 権田隆人(政4・慶應高) | ||||
C | #22 トカチョフ サワ(環1・國學院久我山高) | ||||
◆主要選手スタッツ(背番号/選手名/成績)◆ | |||||
#4 伊藤良太:20得点、6スティール #10 大元孝文:20得点 #22 トカチョフ サワ:21得点、10リバウンド |
先週から好調が続く大元をスタメンに戻し、試合に臨んだ慶大。1Q、サワが一対一からのミドルシュート、ポストプレーで得点。さらにはブロックショットも決めチームを引っ張った。伊藤、大元のバックコート陣もスリーポイントを沈め、序盤は慶大がリードを奪う。しかし残り5分を切ってからなかなかシュートを決めることができない。ターンオーバーも見られた慶大に対し法大はミドルシュートを中心にコンスタントに得点を重ねる。5分間で12-3のスコアリングランを許し4点ビハインドで2Qに向かった。
2Q、法大#24加藤にバスケットカウントを許すも、直後のプレーで権田がペネトレイションからバスケットカウントを奪い返すといった一進一退の攻防が続いた。「ビッグマンが走れば速攻が出せる」と語るサワの、スティールからのファストブレイクが2本決まると、法大はオフェンスリバウンドからのセカンドチャンスでしぶとく得点。トランジションゲームの中でインターセプトの応酬が見られる場面もあった。最後まで互いに譲ることなく、わずかに1点差で前半を折り返すことに。
3Q、この日一人で6スティールを荒稼ぎした伊藤が好守から速攻で得点を奪えば、権田、サワのフロントコート陣も効果的なブロックで相手オフェンスを食い止める。ディフェンスから徐々に流れを掴み始めた。さらに西戸、木村といったベンチメンバーも確実に得点しこの流れを維持する。「シュートを決めることがひとつの起爆剤になれば」という大元のスリーポイントもあり、このピリオドで逆転に成功した。
4Q、「40分間ディフェンスを頑張るというのは習慣になりつつある」という阪口HCの言葉通り、体力的に厳しい最終ピリオドでも、慶大ディフェンスの質は落ちることはなかった。西戸がスティールで相手の得点機会を減らすと、権田は体を張ったディフェンスリバウンドで貢献し、大元がこれを確実にゴールへとつなぐ。さらに「周りの選手を生かすというのも自分の役割」と語る福元のアシストを受けた伊藤が、相手に重くのしかかるスリーポイントを沈め、慶大ベンチの盛り上がりも最高潮に。勢いにのった怒涛の攻撃は最後まで続き法大を突き放した。最終的には15点差をつけての快勝。見事に昇格1年目ながら1部残留を決めた。
「後輩達が来年も1部でプレーできるように」という主将・伊藤の願いが達成されたこの勝利が持つ意味は、誰しもが大きいと感じていることだろう。強豪ひしめく1部リーグという厳しい舞台の中で、残留確定という確かな成果を慶大バスケ部はあげてくれた。しかしリーグ戦はこれからも続いていく。次の対戦相手は国士舘大学。順位決定戦、インカレでもあたる可能性があるだけに、勝って良いイメージをもっておきたいところだ。さらに一回り成長した選手たちのプレーに期待したい。
(記事:岩田亮)
阪口HC
おかげさまで無事に一部に残れたね。負けちゃいけないというのと同時に負けるわけないというのはあるんだけど、筑波に勝ったりして何が起こるかわからないから。でもみんなの応援のおかげで勝てました。(スタメンを変えたが)大元を戻したんだけど、ご覧のとおり元気になってきたからね。(立ち上がりのビハインドの展開について)上手くいくとは思っていたけど、法政もぎりぎりのところで頑張っているし、1部はそう簡単にすっきりやらせてはくれないよね。(4Q点差を開けた要因は)40分ずっと戦う感じ、ディフェンスを頑張るというのは習慣になりつつあって、粘れてるからね。今日は思ったよりコート上はすごい暑くて、本当にばてそうだったんだけど、前半サワとかを休ませられたので少し余裕はありました。(スティールが多いように見えたが)前の対戦の時よりも半歩、一歩距離を縮めていた分、上で取れたからね。一周目よりは上手くいきました。(国士舘戦に向けて)今季はこの頑張りを続けていきたいね。順位決定戦やインカレであたるかもしれない相手なので、また頑張ります。
[PG]伊藤良太(環4•洛南高)
まずチームとしてはどの相手に対しても気を引き締めて行こうとは言ったのですが、前半の部分ですごくターンオーバーが多くて、相手もターンオーバーが多くて相手に合わせてしまいました。後半はもっと気を引き締めようってことでミスも減って来ましたし、シュートも入るようになったので、40分全部よかったというわけでは無いんですが、適応できたという部分ではいい試合内容だったと思います。(最終Qでの3Pの得点シーンが印象的だったが)今週もそうですけど、先週からシュート確率に苦しんでいて、そういった中でも打たなければいけない状況でしたし、前半も入っていなかったんですけど、仲間が信頼してパスを出し続けてくれたおかげで気持ち良く打てました。それが得点にもつながりましたし、気持ちの部分ではあるんですが、仲間の信頼のあるパスがシュートに繋がったと思います。(1部残留が決まったが)リーグ戦の初めの頃を思い出すと、正直今は決まってホッとしているの一言ですね。今のチームの力だと全部のチームに勝てるかというとそんなことなくて、そんな中四年生で何が残せるかと言ったら、後輩達が来年も1部でプレーできるようにという気持ちでリーグに入って、今日残留が決まったので、そういう意味ではホッとしているんですが、まだまだリーグは続くので、チームとして成長できるようにもっと頑張っていきたいと思います。(明日の試合に向けて)国士舘は自分たちの中でライバル校だと思っていて、同じように2部から1部に上がったチームでもありますし、すごくディフェンスを頑張ってやってくる相手で似ている部分もあると思います。前回は相手のディフェンスでターンオーバーが多くなって負けてしまったので、40分間強い気持ちを持って、その中で自分たちのディフェンス•リバウンド•ルーズボールという泥臭い部分をしっかり40分間突き通して行けば勝てると思うので、ここでしっかり2連勝してインカレだったりこの後のリーグ戦だったりにつなげていきたいです。
[SF]大元孝文(環3・洛南高)
今日勝ったら一部残留ということで、チームとしてもすごく意識が高まっていた状態で臨んで、前半こそ出だしに相手のペースに引っ張られてしまった部分はあったんですけど、後半は慶応のバスケが出来てあれくらいの点差になったので、チームとしていい方向に向かっていると確信できた試合でした。(スタメン出場だったが)スタートの方が慣れていたので、最近調子がいいという面もあって今日はスタメンだったんですが、スタメンでもシックスマンでも自分のやることは変わらず点を取ることなので、そこはどんな状況でも意識してプレーしました。(3ポイントがよく決まっていたが)チームとしてもあまりシュート力が良くない中で、僕がシュートを決めることがひとつの起爆剤になればいいなと思っていました。(一部残留が決まったが)一部という舞台で、落ちることはあっても上がることは簡単ではないということを実感した2年間から、こうやって一部の舞台で闘えるということはすごく光栄なことだと思っているので、その舞台が来年も継続できてひとまず安心ということと、まだあと3試合残っているので、そこは無駄にしないようにしたいと思います。(リーグ戦終盤だが、チームの雰囲気は)青学に勝ったことでいまチームとしてもすごくいい流れができている中で、残りの3試合はとても重要になると思うんですけど、このリーグ戦15試合通して、ある程度チームの核が固まりつつあるので、それを今度インカレに向けて爆発させれば、上位進出も狙えるんじゃないかというくらい、チームの士気も高まっていると思います。(明日の国士舘大戦にむけて)国士舘は二部で1敗してからずっと勝っていない相手で、ここで負けて国士舘に苦手意識を持ってしまうと来年にも響くと思うので、しっかりと勝ち切って、今週2連勝して最終週にいい流れを持っていけるように頑張りたいです。
[SF]福元直人(環3・福大大濠高)
(1部残留が決まったが)とりあえず一部残留というのが最低限の目標だったのでそれが決まったというのはほっとしています。でもそれで満足していてはだめですし、残り3試合やるべきことはしっかりやって勝つべき相手に勝ってリーグを終わりたいというのと、今日勝てたんですがもう1回しっかりと自覚し直さなきゃなと思います。(法大相手だが対策などはあったか)前回の試合で勝っていて、勝っている中でも悪かったところや修正する部分と、もう一度自分たちのバスケットを見直すいい機会だと思ったので、相手に対して自分たちが何をすべきなのかということに重きを置いていました。(4Qで点差をつけたが)ディフェンスを我慢して4Qまで常にやり続けようとみんなで声をかけていて、ディフェンスを頑張れば自ずと離れてくるし、もっと早い展開ですぐに自分たちの流れに持ち込めるというのが僕たちの中にはあったので、その信念を貫いた結果だったと思います。(ディフェンスやアシストでの好プレーについて)得点を20、30点とるというよりは、アシストしながら周りの選手を生かすというのも自分の役割の一つだと思うので、そこを今日うまくできたのはよかったです。(スタメン起用が続いていますが)やはり入りが大事で課題だというのはリーグ戦序盤でわかったので、そこをなんとかスタメンの一員としてゆるい入りにならないようにと思っています。今まではシックスマンだったんですが、途中で入るのとスタメンとでは少し違って、何を意識というよりはそこを気持ちの中にとどめてやっています。(明日の国士舘大戦に向けて)前回負けているので勝たなくてはいけないと思いますし、今日決まったからといって気を抜いてしまって明日グダグダな試合をするのではなく、しっかりとやることをやって勝ちたいです。
[CF]トカチョフ・サワ(環1・國學院久我山高)
勝たなければいけない相手に勝てたというのは大きな成果だったんじゃないかなと、一部残留も決まってめでたいことだと思います。プレー的にはところどころで相手にブレイクをやられて得点を与えてしまったという反省点もあるんですけど、ただ後半シュートをしっかり決めて勝てたのはよかったです。(オフェンスが好調だが)僕は好調とか不調とかはその日によってあんまり考えないんですけど、髪を切って決めてきたので、精神的にも上がっていて、今日はやらなきゃなとポジティブな感じになった結果こうなったので、とりあえず気持ちよく楽しくやれるのが1番じゃないかなと。(ファウルが抑えられたのでは)危ない場面もあったんですけど、頑張って泥臭いディフェンスを続ければ、審判も吹きづらいというのはあるかもしれませんね。何回もブロックにいってファウルかなとも思ったんですけど運もよかったです。(スティールが目立ったが)法政はそこまで走れるチームというイメージはなかったので、試合前にもビッグマンが走れば速攻が出せるという話もしてたので、きつかったんですけどそれが点に繋がってよかったです。(リーグ残留が決定したことについて)嬉しいですね。来年もこういったハイレベルなチームと戦えるというのは嬉しいですけど、またそういった強豪と戦わなきゃいけない分、責任感というのも少し感じています。(明日に向けて)前回負けてしまって、個人的に自分のミスで負けてしまった試合だと思っているので、明日意地でも勝つという気持ちで、でも退場はしないように、冷静に熱く勝ちにいきたいです。
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