【ラグビー】BKが躍動し計8トライ奪う快勝/大学選手権第2戦 京産大戦

得意のランでチームにチャンスをもたらしたLO白子

得意のランでチームにチャンスをもたらしたLO白子

熊谷ラグビー場にて行われた大学選手権第2戦。慶大は関西大学Aリーグ2位の京産大と対戦した。スクラムやモールの強さ、ディフェンス力の高さを武器とする京産大に対し序盤は苦戦した部分もあった慶大だが、その後は試合を優位に進めた。計8トライを奪い52-21で完勝。大学選手権2連勝で勝ち点を12とした。

 

第51回全国大学ラグビーフットボール選手権大会 セカンドステージプールB vs京産大

2014/12/21(日)12:00K.O.@熊谷ラグビー場

 

得点
慶大   京産大
前半 後半   前半 後半
T
G
PG
DG
28 24 小計 14
52 合計 21
 

得点者(慶大のみ)

T=吉迫3、川原2、下川2、白子

G=矢川5、中村敬

 

ポジション
1.PR 青木周大(商4・慶應) →16堀切厚輝(環2・國學院久我山)
2.HO 神谷哲平(総4・桐蔭学園)
3.PR 吉田貴宏(総4・本郷) →17出口桂(商3・明善)

→18大塚健太(環3・國學院久我山)

4.LO 小山田潤平(経4・慶應)
5.LO 白子雄太郎(商4・慶應)
6.FL 廣川翔也(環2・東福岡)
7.FL 木原健裕(総4・本郷) →20古岡是道(法4・慶應)
8.No.8 森川翼(環4・桐蔭学園) →19西出翼(経3・慶應NY)
9.SH 宮澤尚人(法4・慶應) →21星卓磨(政4・慶應志木)
10.SO 矢川智基(環3・清真学園) →22名頭薗泰輝(商4・慶應)
11.WTB 金澤徹(商1・慶應) →23中村敬介(経3・慶應)
12.CTB 石橋拓也(環4・小倉)
13.CTB 川原健太朗(環4・小倉)
14.WTB 吉迫雅俊(商2・慶應志木)
15.FB 下川桂嗣(商4・修猷館)
 

下川は久しぶりのスタメン出場で2トライ

下川は久しぶりのスタメン出場で2トライ

立ち上がり、慶大はハンドリングエラーが多くなかなか自らのペースに持ち込めない。自陣から抜け出せずにいると8分、京産大に先制トライを許してしまう。しかし13分、この秋初めてAチームのスタメンに入ったWTB吉迫が流れを変えた。自陣10mライン付近で抜け出すとそのまま相手を寄せ付けないスピードで走り切りトライ。SO矢川のゴールも決まり7-7と同点に追いつく。「吉迫のトライから落ち着いてきて、そこからは自分たちのラグビーができた」(FL廣川)と、ここから慶大はペースをつかみ始める。20分、ターンオーバーからLO白子がゴール前までゲインしPR青木、CTB川原とつないでトライ。その後も相手のミスから得たチャンスを生かし29分にはまたも川原が、35分にはFB下川がトライを決める。前半終了間際に1トライを返されるものの、28-14と点差を広げ試合を折り返した。

 

随所に光るプレーを見せるNO8森川

随所に光るプレーを見せるNO8森川

後半も慶大ペースは続く。後半からFBに入った中村敬がいきなり敵を翻弄する動きで抜け出すと、ここから展開しインゴール左に吉迫がグラウンディング。続いて、再び吉迫が約50mを独走し、この日自身3本目のトライを決める。その後はチャンスをつくりながらもミスで得点に結びつかない場面もあったが、20分に相手のプレッシャーを受けながらパスをつないでいき最後は右WTBに回っていた下川がトライ。45-14と京産大を突き放していく。しかし29分、自陣ゴール前で慶大はペナルティを犯してしまい、京産大にスクラムのチャンスを与えてしまう。それまでも押される場面が目立ったスクラムだったが、ここでも相手のプレッシャーに負けてしまいそのまま押し込まれてしまった。「上手く相手に押されているのを修正出来なかった」(白子)と、課題も見えた慶大。それでもそこからは追加点を許すことなく、36分には川原のビッグゲインからボールをつないでいき白子がディフェンスラインを破ってダメ押しのトライを決めた。試合はそのままノーサイド。慶大は計8トライを奪い、52-21で快勝した。

 

危なげなく勝利を収めたものの失点シーンではあっさりとトライを許してしまっており、またスクラムやモールでは押される場面が目立った。次の試合に向け修正が必要と言える。これでセカンドステージ2戦2勝、4トライ以上獲得のボーナスポイントも加え勝ち点を12とした慶大。次の相手は関東大学リーグ戦を2年連続で制した流経大だ。すでにプールBのファイナルステージ進出争いは慶大と流経大の2校に絞られている。この直接対決で勝利した方が準決勝の舞台に進むことができる。個々の強さを武器とする流経大だが、慶大は粘り強く守り切り勝利をつかみたい。2年連続の正月越え、そしてその先の日本一に向けて――。慶大の戦いは続く。

 

今後もさらなる活躍に期待がかかる

今後もさらなる活躍に期待がかかる

【ケイスポ的MOM】圧巻のスピードで勝利を呼び込む WTB吉迫雅俊

今秋、対抗戦、大学選手権を通じ初のスタメン出場となった吉迫。「相当緊張した」と振り返ったが、チームにとっても大事な一戦で勝利に貢献する働きを見せた。まずは前半のトライシーン。先制されてしまった直後、その俊足で敵陣を切り裂き嫌な流れを断ち切った。さらに後半には相手のタックルをものともせずトライを決め、速さだけでなく強さ、巧さも発揮。入れ替えの激しいWTB陣の中で、2年生の吉迫が輝きを放った。

 

(記事 東條恵也)

 

コメント

和田康二監督

(今日の試合を振り返って)セカンドステージの第2戦をしっかり4トライ以上で勝ちきれたことは良かったです。もう来週の土曜日には試合なので、リカバリー含めてしっかりと準備をしていきたいです。(今日良かったこと)京産大はキックをあまり使わないので、我慢強いディフェンスからターンオーバーして、先週とは対照的に今日はトライの大半をBKが取ってくれたことです。(流経大戦に向けて)今日スクラムを京産大に上手く組まれてしまったので、そこを修正していきたいです。あと今日も反則から失点してしまって、我慢して守っていれば耐えられる場面だっただけに反省点です。流経大には強いボールキャリアーもいるので、こちらはリアクションで勝っていきたいです。

 

木原健裕主将

(今日の試合を振り返って)今日勝って次に繋がりましたが、次の流経大戦に向けてしっかりと準備をして、もう時間もあまりないですが、そこでしっかりと勝って昨年負けたステージに戻ってきたいと思います。(今日の課題)セットプレーを今日は試合の中で修正しきれなかったので、レフリーに合わせることも含めて修正していきたいです。(今日のゲームプラン)前半は風下で、深くボールを蹴ることで相手にタッチキックを蹴らせてマイボールから攻撃を始めることと、京産大はハイパントが多いのでその後の攻撃を意識しました。

 

青木周大副将

(京産大の対策は)ハイパントが多いチームなのでFWがしっかり戻ってBKを助けることを意識していました。あとはモールが特徴的なチームなのでしっかり止めて相手の強みを消そうかなというプランで臨みました。(今日の試合を振り返って)全体的にはそんなに悪くなかったんですけど軽いプレーで点を取られてしまったところとスクラムなどセットプレーが安定しきれなかったところがちょっとFWリーダーとしては悔いが残るところなので、しっかりこれからに向けてそこに照準を絞って調整していきたいと思います。(スクラムについて)京産大は初めて感じるような押し方をしていたので、前半終わった時に修正しようと思ったんですけど修正しきれなくて。対応力が高くないことが改めてわかったので次はもっと分析して、それに向けた練習をして勝ちたいなと思います。(次戦に向けて)もちろん結果にこだわってやっていきたいというのがあるんですけど。春に流経大に負けてからチームの不振が続いたということがあって、4年生として特別な思いを持っているので体を張ってしっかり勝ち点を取りたいと思います。

 

宮澤尚人副将

(今日の試合を振り返って)4トライ以上取れて、勝つことも出来たので良かったと思います。(京産大の印象は)FWのスクラム、モールが強いのと、ハイパントでコンテストしてくる、DFのリアクションが良いというイメージがあったのですが、実際に試合をやってみてもその通りでした。(試合前はどのように準備して臨んだか)今回の試合は前回の中大戦とは違って、自陣で積極的にアタックしてチャレンジしていこうということでした。(次週の流経大戦に向けて)来週が一番大事な試合だと思うのでしっかり準備して臨みたいと思います。

 

小山田潤平

(試合を振り返って)前半先制されたんですけど吉迫がトライ取ってくれて、そのあとはある程度自分たちがイメージした通りにラグビーができて良かったです。(セットプレーの出来は)正直良くなかったですね。ラインアウトも準備してたんですけど思ったよりうまくいかなくて、スクラムに関しては最終的にスクラムトライもされてしまって今後修正していかなきゃいけない部分だと思います。(ディフェンス面について)先制トライやそのあとのトライはちょっとした気の緩みじゃないですけど、今まで自分たちがやってきたことをしていれば止められたのに、疲れなどでうまく連携がとれなくなったときにいかれてるので、そこは一人一人が意識高く持って行けば大丈夫かなと思います。(流経大戦に向けて)セットプレーは今日やられたと思うのでセットプレーで圧倒して、僕自身はブレイクダウンで相手にもっとプレッシャーをかけて球出しを遅らせたりターンオーバーしていけたらなと思っています。

 

白子雄太郎

(今日の試合を振り返って)スクラムトライを取られたのが試合で一番悪かった所かなと。完全に負けてた訳ではないのですが、上手く相手に押されているのを修正出来なかったのが今回の試合の課題だと思いました。(トライした場面を振り返って)下川から良い形でもらえたので、しっかり押さえられて良かったなという感じです。(セットプレーを振り返って)今後色々なチームがいて、色々なスクラムの組み方があると思うんですけど、今回はちょっと関西のチームということで特殊だったのですが、試合中のコミュニケーションの中で課題を見つけて、それを修正出来なかったことが問題で、スクラム自体の力の差は無かったと思うのですが、相手によって組み方を変える、といった修正が利かなかった部分が悪い所でした。(次週の流経大戦に向けて)勝たないとその先は無いので、必勝の試合だと思うのですが、個人としては思い切りよく、ボールを持って前に走ることが僕の持ち味だと思うので球を前に出して、チームを前に出して、セットプレーではラインアウトはロックの小山田とコミュニケーションを取って安定させて、スクラムは今回出た課題を修正して、試合中も色々あると思いますが、しっかり改善してやっていければと思います。

 

廣川翔也

(試合を振り返って)前半の最初の方はあんまり良くなかったんですけど、吉迫のトライから落ち着いてきて、そこからは自分たちのラグビーができたかなと思います。(セットプレーについて)後半の後半に結構やられてしまって、特にスクラムは修正していかないといけないと思います。(そのスクラムやモールで押される場面があったが)京産大のスクラムが強くて、関東にはないようなスクラムの組み方だったと思います。来週もリーグ戦のチームなので対抗戦とは違うものにも慣れていかないといけないと思います。(ディフェンス面について)僕はちょっと内に切られて、飛び込んでいっちゃったところがありました。確実に止めていかないと来週は外国人選手もいてオフロードとかされちゃうので、揃えてみんなで出て抜かれないディフェンスをしたいと思います。(次の試合に向けて)また日吉帰って出れるように練習頑張ります。中6日なので難しいところもあると思うんですけど。あとは、外国人選手ですね。ジョージ・リサレとかリリダムも帰ってきたみたいなので、1人で勝てなかったら2人、3人行って運動量で勝っていきたいなと思います。

 

森川翼

(試合を振り返って)前半はじめ先制トライを取られて嫌な流れだったんですけど、吉迫とかBKが中心になってトライ取ってくれて流れを持ってきてくれたのでよかったです。あとは相手のミスでチャンスをものにしたところもあるので、今度は自分たちでチャンスをつくって勝利できたらなと思います。(スクラムやモールで相手のプレッシャーが強かった)スクラムは相手の組み方がちょっと変わってたので試合の中で対応しようという話だったんですけどなかなか対応できなくて、メンバー代わったときとかも押されてしまったところがあるので、そこは今週詰めていって流経戦に臨みたいなと思います。モールに関しては良いところもあったんですけど、モールを強みにしてきたチームだけあって押されてしまいました。来週もFWが勝負だと思うので、修正して勝ちたいと思います。(ご自身の出来)はじめノックオンしてしまったんですけど、全体的には余裕を持ってプレーができたのかなと思いますね。もっとチームの流れを変えるようなプレーが今後出せればなと思っています。(準決勝進出がかかる次戦に向けて)去年準決勝で敗れたのでまたそこに行って、勝ってまだ見たことのない決勝の舞台に出たいです。そのために来週の流経大戦は何が何でも勝ちたいなと思います。

 

吉迫雅俊

(今日を振り返って)相当緊張していました。(久しぶりのA戦出場でしたが)それもありますし、負けられない戦いということで緊張もありました。(好プレーが目立ったが)スペースがあると出るのはもともと得意で、今日は沢山外に回してくれたのでうまくいきました。それぞれのトライシーンでは特に緊張はなく、ただ走るだけといった感じでした。(京産大の印象は)FWが強かったので、BKで取ろうと思いました。(ここまで、DFを個人の課題としてきたが)今日もタックルを外されてトライされてしまったことがあったので、今後修正したいと思っています。(今後に向けて)WTBは競争が激しいので、まずはAチームに定着して、試合に出られたら思い切って挑みたいです。

 

下川桂嗣

(今日の試合を振り返って)前半の最初受けてしまって先制トライもされたんですけど、吉迫のトライから流れを引き戻して修正できたのでよかったです。(前半の最初は圧されていたが)風下というのもあったんですけど、うまくエリアが取れなくて。京産大のつなぎの部分も上手くてなかなかボールを取り返せないということころで空いているスペースにボールを運ばれていました。なのでちょっと嫌な感じはしたんですけどそのあと修正して落ち着いてディフェンスできました。(久しぶりのスタメンとなったが)緊張しました(笑)。いろいろ修正しないといけないところはあるんですけど、自分がスタメンに選んでもらった試合で勝てたということが一番嬉しいです。(トライの場面は)ボールをもらって走るだけだったのでごっつぁんトライだったんですけど、記録はトライなので嬉しいです。(後半はフォーメーションの変更がいくつかあったが)後半に中村がFBで入ったのはそのスピードで足が止まった相手を混乱させるという意図がありました。それは練習からもやっていたことなので違和感なくできました。(次戦に向けて)もう4年生で負けたら終わりという試合が続いているんですけど、23人の中に選ばれたら部員全員の思いを背負って戦うだけかなと思います。あまり先のことは考えないで、まず流経大に勝って正月もラグビーできるように頑張りたいです。

 

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