【野球】勝負の「11.3決戦」へ 優勝決定戦みどころ 秋季早慶戦特集⑥

先発が予想される竹内大

 今日は超・番外編として明日に迫った優勝決定戦のみどころをお伝えする。

 『早大に2連勝し、かつ、優勝決定戦に持ち込む』。当初は不可能とも思われた厳しい条件を見事にクリアし、20年ぶりの優勝決定戦に持ち込んだ慶大。はるか遠くで消えようとしていた優勝の灯が今、またはっきりと見えるところまでやってきた。おそらく東京六大学野球の歴史に新たな1ページを刻むであろう「11.3決戦」がまもなく始まる。

ケイスポ的勝負のポイント 序盤に流れを引き寄せろ!

 投打がかみ合い2試合続けて快勝の慶大。一方、安打を放つものの、後1本が出ず、2試合で1得点の早大。明日の優勝決定戦も勢いに乗る慶大が一見すると有利に見える。しかし、今回の優勝決定戦は第8週の終了後、中1日挟んでおり、この「1日」が鬼門となるおそれがある。というのも、プロ野球の日本シリーズでも3連勝していたチームが雨天順延で1日、間隔が開いたことを機に流れを失い、その後まさかの4連敗を喫する、ということも過去にはあるからだ。

 そのため試合の序盤、慶大が日曜日・月曜日のように、しっかりと流れをつかめるかが試合の大きなカギとなりそうだ。明日も昨日までの勢いそのままに序盤から慶大が点を取れるようなことになれば、先の2試合と同様、慶大ペースで試合が進んでいく可能性が高い。一方、接戦のまま試合が進むことになれば流れが早大に行かないとも限らない。

 そこで、慶大のキーマンになりそうなのが、不動の4番に座る伊藤だ。試合開始早々の1回にチャンスを作れば、伊藤に打席が回ってくるのはほぼ間違えない。早大2回戦のように先制打を放つことができれば、間違いなく慶大は勢いに乗ってくるだろう。

早大・斎藤、慶大戦の連敗ストップなるか

 一方、早大のキーマンにはやはり斎藤を上げる。早大1回戦とは異なり、勢いは圧倒的に慶大の側にある。それだけにその勢いを止め、さらに早大の側に持ってくるためには斎藤の全盛期の快投を見せる以外に方法はない。

 そして、もう1つ比較したいのが慶大・江藤監督、早大・應武監督のベンチワーク。少なくともここ2試合をみた限りにおいては、選手の起用法・打順の組み換えが見事にはまっている江藤監督に軍配が上がる。應武監督も代打起用した選手が安打を打つなど、ところどころで采配の妙を見せるものの、攻撃陣は完全に機能不全、打順の組み替えも功を奏しておらず、選手の力を引き出し切れていない。このままでいけば明日も江藤マジックが炸裂することとなるだろう。

 早慶による優勝決定戦は、1960年秋以来50年ぶり。その時は、再々試合にまで及んだ大激戦となったが、最後は早大が勝利した。慶大にとっては半世紀ぶりにそのリベンジを果たす時である。さあ、全塾の期待を背負って50年に1回の一大決戦へ、まさに『時は今』である。

By Michio Ikezawa

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