ホッケー界のパイオニアとして君臨してきた慶大ホッケー部。昨年は春季リーグ6位、秋季リーグ4位と悔しいシーズンに終わってしまった。4年ぶりの関東学生リーグ制覇に向けて、明後日18日(土)に開幕を控える選手たち。今回は6人の選手たちにその思いを語ってもらった。初回はチームの守りを担うG本名智一(経4)、MF細井佑(経3)、DF吉國光裕(政2)の3人に取材した。 ―まずはお互いの他己紹介からお願いします。
本名 吉國からいこうか。彼は粘っこいディフェンスが持ち味で、誠実に一生懸命にプレーするところを自分は推していて、まだビルドアップ面では問題はあるけど、ディフェンス面ではすごい頼りにしている後輩です。恥ずかしいけど(笑)
細井 えー吉國の紹介か(笑)
吉國 嫌なんですか(笑)
細井 でももうお前と長いよな。4年くらい?高校の時って試合出てたっけ?
吉國 高校の時はボーっとしてました。
細井 なんだよそれ(笑)吉國はザ・1年生って感じだよね。まだ幼いというか。そういう1年生っぽさがいいと思うよ。でもホッケー今調子いいでしょ?本当に高校の時と見違えるほどうまくなったと思うよ。もうちょっと詰んでいけばね。成長度でいったらほかの2年とかと比べても一番あると思うから、頑張ってほしいですよ。
-昨年の春の開幕から出場していますが、正直プレーの面で大変ではなかったですか
吉國 春季リーグまでは楽しくやっていたんですけど、夏ぐらいから・・・。どうすればいいのかわからない時期があって。田中さん(啓介・元主将=政卒)たちが卒業するくらいまではつらかったですね。でもそこから冬に少しオフ期間になって、1月くらいから、また体を動かし始めたらまた楽しくなったって感じですね。
細井 少し前まではもっと選手がいたから、1年生の時から試合に出られるって言うのは限られていた人だけだったと思うんだけど、1年間ずっとスタメンで出続けたって言うのは、すごい自信を持っていいことだと思うよ。
吉國 ありがとうございます(照)
―では続いて細井選手の紹介を
吉國 細井さんは、ずっとDFだったのにいつからかMFになりましたよね
細井 去年の関西遠征からやってたね。高根監督には、去年のチームが始まる前くらいに中盤として準備をしておけって言われていたんですよ。だからある程度は意識をもってはいたんですけどね。岡田(寛=政卒)さんとと中井(将人=政3)しかいなかったったから。って他己紹介なのに俺がしゃべっちゃダメじゃん(笑)
吉國 そうでした(笑)細井さんは高校の時からストロークは強かったし、ロングボールをどんどん前に通していたのですごい人だなと思ってました。大学で一緒に試合に出させてもらって、視野が広いし、パスのずれもほとんどないし、自分がミスしても優しく教えてくれるので、優しい先輩です。
本名 細井は安心感があるプレーヤーですね。どうしてもボールを受けるとドタバタしちゃうところが出ちゃうと思うんですけど細井が持つと落ち着くってシーンが多くて、キーパーとしても助かりますね。あとはホッケーに対する気持ちというか、勝ちたい欲というのが人一倍あるし、後輩だけれども尊敬する部分が多いですよ。
細井 ありがとうございます、うれしいです。
―では本名選手の紹介を
細井 志木高出身で大学も続けたってのはめずらしいですよね?
本名 実は10数年ぶりだったらしいよ。
細井 チームとしてよかったですよね、本名さんが入ってくれたことが。草薙さん(=卒)がいるときは草薙さんが偉大なキーパー過ぎて試合に出る機会がなくて、プレーもあんまり見たことがなかったんですけど、去年から出ていて、すごいシュートもたくさん止めてくれて、安心できるキーパーだなと思いました。
本名 草薙さんがいらっしゃったときは本当に下手だったし、下から優秀な相原(経2)もキーパーで入って危機感が生まれましたね。死ぬ気で練習しました。
―塾高出身の選手が多い中で、志木高から入部するというのは抵抗がありましたか
本名 最初は志木高なんでくるの?志木って塾高に比べて弱いじゃんっていうのがあると思っていたし、期待もされていないんだろうなというのはありました。でも埼玉県大会の時にボコボコにされた飯能南高校や皆野高校の選手がほかの大学に入ったというのを知って、大学でやり返したいという気持ちのほうが大きかったので、入部を決めた感じですね。そんな技術がない僕を迎え入れてくれたチームにも感謝しています。
ー昨年の振り返りをしたいと思いますが、昨年で一番印象に残っている試合は何ですか
本名 勝った明大戦ですね。間違いなく。明大には練習試合含めて20連敗くらいしていたんですよ。負けられない秋のリーグ戦で勝てたって言うのは個人的にも熱かったですね。
細井 よく試合を明大とはやるんですけど、本当に勝てなくて。0-7で負けた試合とかもあったんで…。それでもあそこで意地で勝っちゃうっていうのは慶大らしいというか、4点すべてがきれいな形じゃなくて泥臭い点だったんですけど、ああいうのを僕らは目指していかなきゃなって言うのはありますね。
吉國 僕は全国王座の出場が懸かっていた駿河台大戦ですね。
一同 あれはね・・・
吉國 PC(ペナルティーコーナー)で追いつかれたシーンや、最後のシーンもかなり印象に残っています。あれは悪い印象しかないですけど。あれで王座を逃して、また秋頑張ろうって思える試合でもありました。
本名 チームとしても久々の王座出場を逃すっていうことで、チームとしての転換点になったよね。
細井 自分は秋の東農大戦ですね。東農大っていう強豪で、僕らよりキャリアがあるチームを相手に打ち合いの試合をできたってのいうは負けはしましたけど、プレーヤーとしては楽しかったです。ああいう風に点がたくさん入る試合というのは、本当は望ましくはないのかもしれないですけど、打ち合えるチームになったんだなと。そういう意味では春の早大戦も印象に残ったかな。
吉國 強豪相手に対等にやりあえているなという感じはありましたね。
―新チームに移行して、ここまでどのような練習に力を入れていますか
本名 極論行ってしまえば、キーパーが1点も取られなければチームは負けないので、とにかくストロークを打ってもらって、それを止める。それから簡単な甘いシュートは絶対にゴールを許さない正確性を磨いています。それからシュートを打たれないように、DFと連携して守るっていうのを意識していますね。あとは自分のフィットする形というのをまだ探している感じですね。
吉國 個人的には新体制になってビルドアップの底を任されることになったので、まだまだ基礎技術やストロークも弱いので、そこを鍛えなおすところからやっています。とにかく制度と力をあげるところをやっています。
細井 中盤は4年生が今いない状況なので、後輩にも見本になるようなプレーをしなくてはいけないっていう自覚はあります。全体としては若いので、どんどんチャレンジをしようていうのを伝えてはあります。自由にやらせていく中で、これはしちゃいけないし、これはしたほうがいいって言うのを見つけて行くと思うし、いい意味で若いというのを中盤には求めています。
―少し話は変わりますが、ホッケー競技が普及しない現状というのはどう捉えていますか
細井 やっぱり知名度が上がらないのは、日本が弱いって言うのがあるんじゃないですか。だからもっと頑張るしかないと思う。吉國とか
本名 吉國とかな
吉國 俺っすか(笑)本名さんがまず日本代表になってくださいよ
本名 俺は年齢的にも体型的にも無理だから(笑)グラウンドも専用のものだし、水もまかなきゃいけないっていう設備的な問題もありますからね。最近ではCMでもホッケーが少し流れていたりしますけど。
吉國 親からしても、子供にこの競技を薦めるのは怖いって思うんじゃないですか。
本名 あと今就活とかで、ホッケーをやっているって言うと絶対にアイスホッケー?って聞かれる。説明してもピンとこないことが多いから、最近はアイスホッケーだよって押し通しちゃう(笑)そういうのが駄目なんだろうなって思うんだけどね。まずは慶大内で認知度を広げないといけないし、そのためには僕らが強くならないとなって思います。
細井 キッズホッケーとか、桜スポーツフェスタの参加者も増えていますしね。地道に頑張るしかないです。
―最後に春リーグへの意気込みをお願いします
吉國 新シーズンの始まりで不安な点もたくさんありますけど、試合にたくさん出させてもらっているからには全力でぶつかって、試合に勝つことに貢献できるように頑張りたいです。
本名 さっきも言ったように、シュートをすべて止めれば次のステージに進めるので、とにかく無失点を目指します。もっと安心感を与えられる、後ろには本名がいるぞっていうところを見せられたなと思います。
細井 まだ関東リーグで僕らの代は決勝までいったことがないので、絶対に決勝の舞台で試合がしたいです。とりあえず初戦の明大戦(4月18日)ですね。上に行くためには一つ一つ潰していくしかないと思います。たくさん研究して上を目指していきたいと思います。
―お忙しい中、ありがとうございました。
(取材 荒川智史)
開幕戦は18日(土)vs明大 @日吉ホッケーグラウンドにて行われます!
慶應義塾體育會ホッケー部の最新情報はこちらでご確認ください!
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