【ソッカー男子】第5節 先制するも後半に3失点、今季初の敗戦 専大戦

首位明大と勝ち点2差で迎えた今節の相手は未だ勝ちのない昨季のリーグ王者専大。明大が敗れたため、慶大が勝てば首位に立つことができるが、「途中の順位はあくまで途中の順位」(山田融副将)と意識せずに挑んだ。前節のスタメンから黄将健(総4・近畿大学付属高)に代えて加瀬澤力(総3・清水東高)を起用し勝利を狙う。先制点は慶大だった。21分に山本哲平(政3・國學院久我山高)がPA内で倒されてPKを獲得。これを端山豪(総4・東京ヴェルディユース)が落ち着いて決めて先制する。後半に入ると専大が勢いを増して攻めてくる。64分に左サイドを突破され、クロスを上げられるとこれを押し込まれて同点に追いつかれる。その後も専大の勢いは止まらず、74分には中央突破を許し、ミドルシュートを突き刺されて逆転される。さらに、82分にはダメ押しとなるオウンゴールを献上してしまう。慶大は3失点を喫し今季初の敗戦となった。

 

第89回関東大学サッカーリーグ戦 第5

2015/4/25(土)13:50KO@味の素フィールド西が丘

慶應義塾大学1-3専修大学

【得点者(アシスト者)】

〔慶〕 22分 端山 豪

〔順〕 64分 山川 翔也 (下田 悠哉)

    74分 野田 卓宏

    82分 オウンゴール

◇慶大出場選手

GK宮原隆志(経4・武蔵高)
DF溝渕雄志(環3・流通経済大学付属柏高)
DF望月大知(環3・静岡学園高)
DF宮地元貴(総3・東京ヴェルディユース)
DF井上大(総3・國學院久我山高)
MF山田融(総4・横浜F.マリノスユース)
MF端山豪(総4・東京ヴェルディユース)
MF加瀬澤力(総3・清水東高)→62手塚朋克(環2・静岡学園高)
MF松木駿之介(総1・青森山田高)
FW渡辺夏彦(総2・國學院久我山高) →76小谷春日(環1・藤枝東高)
FW山本哲平(政3・國學院久我山高)
 

果敢にゴールを狙う松木(写真提供=慶應塾生新聞会)

果敢にゴールを狙う松木(写真提供=慶應塾生新聞会)

昨季のリーグ王者との対戦となった第5節。慶大は加瀬澤力(総3・清水東高)をスタメンで起用。最初にチャンスを作ったのは慶大。2分に右サイドからのクロスを加瀬澤が粘ってキープし、最後は山本がシュートするも枠に入れることができなかった。10分には宮地元貴(総3・東京ヴェルディユース)のロングボールから溝渕雄志(環3・流通経済大学付属柏高)がヘディングで中へ折り返し、山本が右足でシュート。しかし、ポストに阻まれ得点を挙げることはできない。徐々にリズムをつかんできた慶大は21分にGK宮原隆志(経4・武蔵高)のロングキックから山本がPA内で上手く体を入れてボールをキープすると相手に倒される。これがPKの判定となり、先制のチャンスを迎える。これをキッカー端山が右隅に落ち着いて決めて3試合ぶりに先制に成功する。その後も慶大ペースで試合が進むが追加点を奪うことができないまま前半を終えた。

 

端山のPKで先制する(写真提供=慶應塾生新聞会)

端山のPKで先制する(写真提供=慶應塾生新聞会)

前半と同じメンバーで後半に臨んだ慶大は、2人を交代してプレスが勢いづいてきた専大に苦しみなかなかボールを運ぶことができない。49分には決定的なシュートを打たれるもDFが懸命に体を張り得点を許さない。52分には慶大も反撃に出る。ゴール前の混戦から渡辺夏彦(総2・國學院久我山高)、松木駿之介(総1・青森山田高)が立て続けにシュートを放ったがいずれも相手GKの好セーブに遭う。その後も専大に押され気味で試合が進み迎えた64分、左サイドを突破されクロスを上げられるとそのボールを合わせられて同点に追いつかれる。勝ち越したい慶大は直後の66分に中盤でボールを持った端山が山本に縦パスを入れる。そのボールが渡辺を経由して松木に渡り決定的な場面を迎えるも、またもシュートは相手GKの好セーブに阻まれる。後半中盤に入るとさらに専大が勢いを増してくる。74分に慶大がボールを奪われるとそのままハーフラインから一人に中央突破をゆるし、ミドルシュートを打たれる。これがゴールに突き刺さり、逆転を許す。追いつきたい慶大は75分、松木がDFを一人抜いてキーパーと対面するも懸命に戻ったDFにシュートがブロックされる。チャンスを活かしきれない慶大は82分にダメ押しとなるオウンゴールを許す。最後まで追加点を挙げることができないまま試合が終了し、今季初の敗戦となった。

 

途中出場でチャンスをうかがう手塚(写真提供=慶應塾生新聞会)

途中出場でチャンスをうかがう手塚(写真提供=慶應塾生新聞会)

今季初の敗戦となったが、長いリーグ戦の中で負けることもある。そこで大切なのは、「これをいかに引きずらないか、いかに連敗しないか」(山田副将)ということである。今季は飛び抜けて強いチームも弱いチームがあるわけでもない混戦となっている。その中で“リーグ制覇”を果たすにはいかに勝ち点を積み上げられるかが重要である。次節は同じく今季初黒星を喫した明大。今節の敗戦をいかに次節に繋げられるかが勝利のカギになりそうだ。

(記事 熊谷健二)

※今回記事で使用した写真は、慶應塾生新聞会の担当者様に提供していただきました。ありがとうございました。

 

◆試合後コメント

 

須田芳正監督

(前半が相手を抑えられていただけに、後半にかなり相手の良いようにされてしまったが)相手はおそらく後半は勢いよく出てくるだろうと思って、予想していたけどそれに本当に押されちゃったと。ずるずるずるずる下がったというところで。一つ長いシーズンの中で教訓にして、後半の入り方が教訓になったと思います。2回3回失敗しないようにしていきたいと思います。ただ、やっぱりうちらもチャンスがあったから、あそこで決めきれると、というところもあるんじゃないかな。向こうが勢い余って来て、そのなかでしっかり守ってカウンターで決定的なチャンスがあったから、もちろん前半もあったしそういうところで決めきるか決めきれないかというところも勝負のカギになったのではないかと思います。(松木選手、渡辺選手、それから山本選手、そのあたりが今までは決めきれていたのだが、今日に関しては決めきれなかった)そうですね。やっぱり相手のゴールキーパーの福島君がスーパーセーブだと思うけれども、そこの差じゃないかと思います。(これまで守備で安定していたが、今日3失点してしまったが)相手のいいシュートもあったし、あとは流れの中で、例えば相手のセンターバックとうちのトップの選手でボールが上がったところで無駄なファールというか流れを切るファールが多かったので、そういうのも何回も同じ繰り返しをしてリズムがなかなか取れなかったので、そういうところも含めてもう1回見直したいと思います。(明大が前の試合で敗れて、勝てば首位に立つというところは意識していたか)意識していなく、混戦だっていうことじゃない。どこも飛び抜けたチームもないし、弱いチームもないし、本当に混戦ではないかな。(相手が後半から選手とシステムを変えてきたことに対しての対応は)右に速い10番の北出君が入ったので、こっちからも言っているしピッチ内でもわかっていると思うけれど、勢いでズルズル引いちゃったよね。そこで我慢して逆にラインを高くしたり、ボールにもっと寄せて前に押し出したりというような対応ができないと今日みたいな結果になるんじゃないか。(自陣の右サイドから攻められていて、加瀬澤選手を交代して松木選手を左サイドにしたが、守備での交代ということか)守備というより、攻撃を意識して代えました。右に今調子の良い手塚で、相手の裏を狙って攻めようと思って代えました。(次節に向けて)1戦1戦なので、しっかりとした準備をして、今度は明治なので、強いチームとできるので、1戦1戦良い準備をして戦っていきたいと思います。

 

山田融副将(総4・横浜Fマリノスユース)

(今日の試合を振り返って)勝ちたかったので、非常に悔しい試合でした。(後半の入りについて)相手が結構イケイケで来て、その中でチームが押されてずるずる行っちゃったので、そこの部分がチームとして過大かなと思います。(失点シーンについて)個でやられた部分もありましたし、チームとして時間帯的に非常に苦しい時間帯だったので、やられて当然と言ったらやられて当然だったので、その前でちゃんと食い止めることを5分、10分でできればよかったと思います。(明大が敗れたことについて意識していたか)そういうことは全く考えていなくて、途中の順位はあくまで途中の順位なので、最終的に関東1位になっていればいいと思っているので、今日の1敗というのもリーグ戦の中で負けるということもありますし、これをいかに引きずらないか、いかに連敗しないかということがリーグ戦を戦っていく中で重要なので、他のチームというより自分たちが1戦1戦戦っていくことが重要だと思います。(次節に向けて)素晴らしい選手がたくさんいるチームなので、チャレンジャーとして絶対に勝つという気持ちを1人1人が持って戦っていきたいと思います。

 

端山豪(総3・東京ヴェルディユース)

(今日の試合を振り返って)勝ち点3を落としたというのが自分たちの実力だと思うので、これを謙虚に受け止めて次はしっかり勝てるように足りなかったところをみんなで話し合って次の試合に臨みたいと思います。(ご自身のPKのシーンを振り返っていかがですか)人からもらったPKだったので、ちゃんと決めようと思いました。(後半失点が続いたが)自分たちが同点にしてしまったことで自分たちも点を取りにいかなければいけない、崩さざるをえなければならない状況になってしまったので、同点にされたり逆転されたところで、もっと自分たちの形で点をとらなければいけないのかなと思います。(全日本大学サッカー選抜の強化試合で得点を決めるなどの活躍もありました)アピールの勝負の場でした。強化試合で決められたのはよかったですが、本番で決めるというのが大事なので1発で終わらないように、また連続して決められるようにやっていかなければならないと思います。(次節の相手は明大ですが、意気込みをお願いします)対戦相手はどこだろうと勝ち点3を取りにいくというのは自分たちの中では変わらないし、ここ3試合で勝ち点をしっかり積み重ねられていないので、次の試合でしっかり勝ち点3を取れるように頑張ります。

 

宮原隆志(経4・武蔵高校)

(今日の試合振り返って)勝ちたかったのですが、逆転されたのですごく悔しかったです。(先制した前半の流れは)前半はうまくいっていて、インターセプトもできて、そこからカウンターでっていう思い通りのサッカーが出来て、スコアも1-0で良かったと思います。(後半は3失点許してしまいましたが)相手にプレッシャーかけられなくなって、そこから何度もピンチが生まれてきてしまったので、後半の戦い方では課題が残りました。(改善していきたい点は)3失点してしまったので、反省するところはたくさんありますね。(次節に向けて)相手明治強いですけど、勝てるようにまず失点ゼロに抑えたいと思います。

 

宮地元貴(総3・東京ヴェルディユース)

(初黒星となったが、この結果をどう捉えているか)負けたことは自分たちの実力不足なので。次の試合に向けて、いかにこの負けを引きずらずに準備をしていけるかだと思うので、ここで自分たちの本当の力が問われるなという印象です。(前半を振り返って)前半は比較的押し込めて、自分たちのサッカーができて、その中で良い形でPKから先制できたんですけど、後半にチームとして共通認識がうまくできていなかったなと。分かっていても皆の体が動いていなくて、思うような試合運びができなかったことが課題だと思います。(次節に向けて)自分たちは本当に関東リーグ優勝を目指しているので、次こそは勝ち切れるように、このような状況の中で何ができるのかをしっかり考えて日々を過ごしたいと思います。

 

望月大知(環3・静岡学園高)

(今日の試合を振り返って)前半はいい流れで入れたのですけど、後半は相手の勢いに飲まれて、逆転負けしてしまったので悔しい結果です。(失点シーンを振り返って)全体的にボールホルダーにいけてなくてズルズル下がってしまったことが失点につながったと思います。

(相手のペースのときに持ちこたえることがポイントだと思うのですが)どうしても相手の時間帯はあると思うのでそのときに、自分たちは練習でも守備に多くの時間を費やしているのでしっかりブロックをひくなどそういうとこをもう少し徹底したいです。(次節に向けて)リーグ戦は連敗できなくて、相手は明大で、個々の能力は非常に高いと思うのですけど、自分たちの堅守速攻というものを貫いて次は絶対に勝ちたいと思います。

 

松木駿之介(総1・青森山田高)

(今季初黒星となってしまったが、今日の試合を振り返って)本当に僕が決められるシーンもあったし、チャンスの時に判断をミスして潰してしまった場面もあって、3失点はしてしまったんですけど、僕が決められるところで決めていたらもっと違う展開になっていたと思うし、個人でしっかり反省してまた練習からやって来週に切り替えて、これから3連戦なので、しっかりやっていきたいと思います。(後半、相手の勢いに押されて3失点してしまった。原因はどこにあるか)相手がもうどんどん来て、僕たちが剣を捨てて守備だけになってしまって、でも途中から須田監督から「どんどん裏を狙おう、1回ひっくり返そう」ということで裏を狙い始めた時からだんだん流れが来て、そこで決定機があったんですけど決めきれず逆転されてしまったので・・・そういうところだと思います。(今日はスタートは右SH、途中から左SH、2トップと複数のポジションをこなして2、3回惜しいシュートシーンがあった。自身の出来は)いやもう全然まだまだで、決定機を決めきれなかったっていうのは本当にチームに迷惑をかけているし、守備でも何回かやばいなあっていうところもあったりして、もっともっと突き詰めていきたいと思っています。(1年生ながら開幕から5試合連続でスタメンとなった。ここまでの手ごたえは)開幕2戦は本当に自分の良さを出しながらできたと思うんですけど、そこから今3試合連続で結果を残せていなくて、なかなかチームに貢献できているとは言えない状況なので、次の明治大学戦は本当にすごく大事なので、結果にこだわって、チームに貢献していけたらいいなと思っています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました