【ソッカー男子】第11節 首位との激しい打ち合いは決着つかず… 国士大戦

前節は久々の勝利を挙げたものの、続くアミノバイタル杯でまさかの1回戦敗退となってしまった慶大。悪い流れでリーグ前半戦を終えることは避けたいところだが、開始早々の16分に先制を許してしまう。チャンスを作れないまま迎えた36分、抜け出した松木駿之介(総1・青森山田高)が落ち着いて決めて同点に。後半は一転して激しい打ち合いとなる。57分には黄将健(総4・近畿大学付属高)が豪快に決めて慶大が逆転に成功するも、65分、81分と立て続けに決められて再逆転されてしまう。しかしそのわずか2分後、松木がこの日2点目となるゴールを決め再び慶大が追いつく。その後スコアは動かず、首位を相手にした激しい点の取り合いはドローという結果に終わった。

 

2015/06/13(土) 13:50KO@東京国際大学グラウンド

 

慶應義塾大学3-3国士舘大学

 

【得点者(アシスト者)】

 

〔慶〕36分 松木駿之介(山本哲平)、59分 黄将健(加瀬澤力)、83分 松木駿之介(手塚朋克)

〔国〕16分 田場ディエゴ(松本孝平)、65分 松本孝平、81分 松本孝平(平野佑一)

 

◇慶大出場選手

GK宮原隆志(経4・武蔵高)
DF溝渕雄志(環3・流通経済大学付属柏高)
DF久保飛翔(環4・済美高)
DF宮地元貴(総3・東京ヴェルディユース)
DF井上大(総3・國學院久我山高)
MF山田融(総4・横浜F.マリノスユース)
MF端山豪(総4・東京ヴェルディユース)
MF加瀬澤力(総3・清水東高)→69分手塚朋克(環2・静岡学園高)
MF松木駿之介(総1・青森山田高)
FW山本哲平(政3・國學院久我山高)
FW黄将健(総4・近畿大学附属高)→81分小谷春日(環1・藤枝東高)
 

4バックで臨んだスタメン

4バックで臨んだスタメン

リーグ前半戦の最終節となったこの試合。慶大は負傷で望月大知(環3・静岡学園高)が欠場したため、5バックから4バックにシステムを変更。宮地元貴(総3・東京ヴェルディユース)と久保飛翔(環4・済美高)がセンターバックでコンビを組む。加瀬澤力(総3・清水東高)と黄将健(総4・近畿大学附属高)はともに久々の先発出場となった。リーグ優勝のためにも、勝ち点3差で首位を走る国士舘大をこの直接対決で叩いておきたいところだ。

 

今節2得点をあげた松木

今節2得点をあげた松木

前半は前から圧力をかけてくる国士舘大の前に苦戦を強いられる。7分、ペナルティエリアの外からミドルシュートを放たれるもこれはGK宮原隆志(経4・武蔵高)の正面へ。10分には左サイドからクロスを上げられるが、相手選手には合わず久保がクリアして難を逃れる。度々危ないシーンを迎えていた慶大だったが、15分にはこの試合のファーストゴールが相手に生まれてしまう。スルーパスから松本孝平に中央を突破され、最後はラストパスを田場ディエゴに流し込まれて失点。早い時間帯に相手に先制を許す苦しい展開に。その後も幾度となく相手にシュートシーンを作られるが、守備陣が体を張って2失点目は許さず、攻撃陣の奮起を待つ時間が続く。なかなかチャンスを作り出せないでいた慶大だったが、30分には浮き球を山本哲平(政3・國學院久我山高)がボレーで合わせる。これは相手GKに阻まれるも、36分、ついに同点ゴールが生まれる。山本の落としに抜け出した松木駿之介(総1・青森山田高)が相手GKとの1対1を冷静に決めて試合を振り出しに戻す。国士舘大の選手はオフサイドをアピールするも判定は覆らず。ピンチの多い前半だったが、このまま同点で終了する。

 

スタメンで活躍し追加点を獲得した黄

スタメンで活躍し追加点を獲得した黄

須田監督が「後半勝負と思っていた」と話すように、後半は慶大も猛攻を見せ激しい試合展開に。まずは47分、端山豪(総4・東京ヴェルディユース)が巧みなドリブルからクロスを上げるが誰も合わせられず。49分には山本がペナルティエリア内に侵入して折り返すが中の加瀬澤にはわずかに合わない。そして59分、久々の先発出場に燃える2人のプレーから逆転ゴールが生まれる。加瀬澤からのパスを受けた黄が豪快に右足を振り抜く。ついに慶大が試合をひっくり返し、沸きかえるスタンド。ところが喜んでいたのもつかの間、65分に一瞬の隙から松本に抜け出されてすぐさま同点に追いつかれてしまう。さらに81分には平野佑一のパスから再び松本にゴールを許す。これが首位の底力なのか。試合終盤、またしても追いかける展開になってしまう。だが選手は決して諦めてなどいなかった。83分、後半途中から出場していた手塚朋克(環2・静岡学園高)が右サイドを突破しクロス。中で待っていた松木がこの日2点目となるゴールを冷静に決め、またしても試合は同点に。その後も勝ち越し点を目指して両チームが激しい攻防を繰り広げるが、ゴールは生まれず試合終了。首位相手に一時は勝利を掴みかけていただけに、悔しいドローとなった。

 

チームは前半戦を4勝5分3敗で折り返した。なかなか得点を挙げられず苦しんだ時期もあったが、最後の2試合で5点を取れたことは後半戦に向けて明るい材料となったのではないだろうか。チームの持ち味である堅守の部分を立て直すことができれば、結果はおのずとついてくるはずだ。新戦力の台頭も含めて中断明けにチームがどのような成長を遂げているのか、期待せずにはいられない。

(記事 小林将平)

 

試合後コメント

 

須田芳正監督

(今日の試合を振り返って)まあ試合自体は非常に良いゲーム、お互い力を出し尽くした本当に良いゲームだったと思いますね。(黄選手と加瀬澤選手を起用した狙いは)(黄)将健に関しては非常に体もキレていて調子も良かったし、ゴールを取るためのスプリントだったり、そういう回数も多かったので彼を出したし、(加瀬澤)力の方もコンディションが良かったので、彼を右サイドで出したけれども攻撃の時はトップ下というような形で、トップと良い距離感でプレーしなさいということを言いました。(交代で投入した手塚選手も良い活躍をしたが、今日のプレーはどう評価しているか)彼も非常に練習の時から調子が良くて、後半勝負と思っていたので、相手が疲れた時間帯に出してきっちりと仕事をしたんでね、また今まで以上にこれからも頑張ってもらいたいな、と思います。(今日の試合でリーグは前半戦が終了した。前半戦の総括と後半戦に向けての意気込みを)勝ち点20という目標にどれだけ近づけるかという中で勝ち点17ということで、まあまずまずの勝ち点だったと思います。その中でも失点をやっぱりもう少し少なくしたいな、と。今日のゲームももちろん良いゲームだったんだけれども、ポジショニングのミスで失点したりということもあったので、後半戦に向けてはまず守備のところをもう1回やることと、今度はボールを我々が持っているときにもう少しやっぱりキープしたい時間帯があるので、そういったポゼッションのところと、「堅守速攻」がテーマなので手数をかけずにゴールまで持っていくと。そういったところを夏場鍛えていきたいなと思います。

 

久保飛翔(環4・済美高)主将

(今日の試合を振り返って)先制点を取られたんですけど、下を向くことなく1回逆転できたというのがチーム力が上がってきたところかなというところではありますが、こういう試合で最後勝ちきれないところが自分たちの現状です。前期はこういう試合で最後勝ちきれないことが多かったので、もっと夏の過ごし方を考えていく必要があるのかなと思います。(首位国士大の印象は)球際はしっかり強くきていて、対人のところは勉強になったというか、そういうところで首位に立っているのだと感じました。(早慶戦に向けてどのような準備をしていきたいか)失点が最近多いので、もう一度守備のところで、なんで失点が多いのかをみんなで分析して改善点を探していきたいなと思います。攻撃は今うまくいっているので、それを継続して質を高めていけたらいいなと思います。(前期リーグを終えて)勝てる試合を落としてきたという印象が強くて、そこをどうしていくのかについてまだ考えがまとまっていないので、そこをみんなで考えていきたいと思います。

 

山田融(総4・横浜F.マリノスユース)

(3週間ぶりのリーグ戦に向けて、どのような準備をしてきましたか)アミノ杯後の2週間、国士大戦に向けて準備ができて、主にセカンドボールの処理と前線の連動した動きと、チーム全体がずっとコンパクトにプレーすることを意識してきました。(今日の引き分けという結果について)正直3失点というのは、自分は後ろの方のポジションなので悔しい思いはあります。ただ、3点取れたのは力がついてきたという証拠だと思います。(具体的な守備面の課題は)攻めているときの後ろの(カウンターに対する)準備ですね。相手の16番がすごく良い選手で、1人でやられてしまった場面も多かったと思うので。(久保)飛翔、(宮地)元貴だけで対応し切れないときに、もっと自分やサイドバックの選手が連動してカバーに入ることが必要かなと思いました。(中盤のスペースが空き、攻め合いのような形になった終盤を振り返って)終盤は正直点を取りにいきたいという思いが、リードされる時間が多かったので強くて、自分が1ボランチのような形を取って、(端山)豪を前でプレーさせたかったです。キツかったですけど、割り切ってチームのために働こうと思いましたね。(前期リーグ戦が今日で終わりました)上とも勝ち点は離されていませんし、今年は優勝を狙う上で、まだ自力でつかめる位置にはいると思うので、(試合のない)夏の過ごし方をしっかり考えて、後期に向けて良い準備ができればいいなと思います。(7月には早慶定期戦も迎えます)魂のぶつかり合いというか、自分は4年でラストなので、試合に出たら(部員)120人だけではなくOBの方々も含めた全員の思いを背負って、120%のプレーをしていきたいと思います。

 

端山豪(総4・東京ヴェルディユース)

(今日の試合を振り返って)打ち合いの展開になってしまって、自分たちとしては今日しっかりと勝って前期終わりたいというのがありました。やられても点を取り返せたという部分ではよかったのですが、3点目を与えてしまったというのが、課題になってくると思います。(前期リーグを終えて)いいときもあれば悪いときもあったと思うんですけど、その中で大崩れすることもなく最低限のゲームを積み重ねてこれたので、後期はしっかりいい方向に積み重ねをしていけるようにしていきたいなと思います。(ユニバーシアードに向けて)日本の学生の代表として行くので、しっかり金メダルを取って帰ってきたいと思います。

 

宮原隆志(経4・武蔵高)

(今日の試合を振り返って)3失点したのは悔しいのですが、後期に向けて繋がる試合になったと思います。3失点してしまうと勝ちが遠のいてしまうのでそこは後ろの課題だと思います。(前期リーグ戦を振り返って)良かった点は自分たちの狙い所がはっきりしていて、そこからカウンターで点を取るということができたのでそこは後期に繋がると思います。課題としては色々あるが、悪い流れの時にどれだけ耐えることができるかだと思います。そこで耐えることができるとまた自分たちの流れが来ると思うので、そこは心がけてやっていきたいです。(早慶戦などもあるが、これからどのような準備をするか)まずは早慶戦に絶対勝ちたいので、そこに向けて万全の準備をしたいと思います。

 

黄将健(総4・近畿大学付属高)

(最終節どのような意気込みでしたか)自分たちは関東リーグ優勝を目標にしているので、首位相手でしたが、勝って前期を締めくくろうと。カップ戦も明学に負けて悔しい気持ちもあったので、2週間用意する期間があって、その間チームの中で元気よく高めあってきました。(試合を振り返って)得点できたところは良かったですけど、良いプレーできるように継続していきたいです。(前半戦終わったところで、チームの雰囲気はどう感じていますか)前期は終わりますが、これから早慶戦、天皇杯予選とあるので、まだまだ上げていかないとなと思います。自分たちの動きを見失わずにやることが大事なので、もっと意識をあげていきたいです。(早慶戦に向けてどう調整していきたいですか)チームとしても、個人としても、詰めるとこ詰めて結果出せるようにしていきたいです。(今後に向けて意気込みを)次は早慶戦が一番大きな試合ですが、チームとして、勝てるように、また個人としても貢献できるように、絶対勝ちにいきたいです。夏は天皇杯もあるので、総理大臣杯本戦出られなかった分、出場へ強い気持ちをもって戦っていきたいです。

 

宮地元貴(総3・東京ヴェルディユース)

(今日の試合を振り返って)1回逆転をして自分たちの流れになったのですが、そこで失点してしまい、個人的には課題の残るゲームでした。(首位相手に引き分けというのはどう捉えているか)あまり相手の順位とかは気にしていないのですが、もったいないの一言ですね。(個人的な出来について)大学サッカーであったら、その上を目指す上ではもっと勝たないといけないと思うし、今日は相手の16番も強い中でどういう状況でも16番を抑えなければいけなかったと思います。勝てたシーンもありましたけど勝てなかったシーンもあったので、そこは今後の良い課題かなと思います。(3失点の原因は)全体的な詰めの甘さだと思うんですけど、やはりもっと1プレー1プレーにこだわらないといけないなと思います。(リーグ前半戦の総括)個人的には退場した試合以外は試合には出れたのですが、パフォーマンスももっと出来ると思うし、足らない部分が多いので、それは夏もう1回、1から鍛え直してまた秋良いプレーが出来るように頑張ります。(早慶戦に向けて)早稲田に3年も勝っていないので、チーム全員で、そこはもう全戦力で、総力戦で勝ちたいと思います。

 

井上大(総3・國學院久我山高)

(今日の試合を振り返って)勝ちたかったのですが、前の選手が点を取ってくれたにもかかわらずディフェンス陣が失点してしまったので、勝てなかったのは僕らディフェンス陣が原因かなと思います。(相手の印象は)首位とかはあまり関係なくて、スカウティングで相手の特徴を消して戦っていこうと思っていました。ただ、それができなかったので、勝ちにつなげられなかったのかなと思います。(前期リーグを終えて)前期で13失点してますが、半分以上僕が関わっているので、チームとしてはまずまずの結果かもしれないですけど、個人的には反省点ばかりの前期でした。(早慶戦に向けて)ここ3年間勝てていなくて、去年は自分も出たのですが、負けてとても悔しかったので、定期戦の借りは定期戦で返したいと思います。

 

加瀬澤 力(環3・清水東高)

(最終節どのような意気込みでしたか)1位との戦いだったので、モチベーションは高くて、とにかく勝とうという意気込みで臨みました。(試合の方を振り返って)シュートチャンスが何本かあったので、そこをきちんと決めていかなければならないなと。チームとしては、失点を少なくできるように、共通意識をもって戦っていければなと思います。(前半戦終わって、チームの雰囲気はどう感じていますか)僕らは関東リーグ優勝を目指して戦っているので、その目標を立てた以上は、まだ今の状態ではよくないというか、まだ足りないというのが正直なところで。もっと勝利に対して、一試合一試合に対して取り組む姿勢を追求していかないと優勝は難しいのかなと思います。それが前期のこの順位にも出ているのかなと思うので、また後期は今の現状に満足することなく、日々の練習から頑張っていきたいです。(早慶戦に向けてどう調整していきたいですか)公式戦ではないにしても、僕らがこの1年の中で相当な思いを持って戦う特別な一戦だと、皆も同じ意識で思っています。僕らの仲間がこういう舞台を作ってくれて、大勢の観客の皆さんに見てもらうということで、どうしても勝たなきゃいけないし、一戦にかける思いが…なかなか言葉では表せないほどですね。(今後に向けて意気込みを)僕自身はこの前期自分の思ったようなシーズンを送ることができなかったので、すごく悔しい思いもしてきて。その中でも得られるものがものすごくあって、口で言うのは簡単ですが結果を出さないといけないと思うので、苦しい期間をどう過ごしてきて、どう成長できているのかを後期や早慶戦で、少しでも出せるように、この夏取り組んで絶対目標を成し遂げられるように、貢献できるようにやっていきたいです。

 

松木駿之介(総1・青森山田高)

(今日の試合を振り返って)勝ちきれなかった悔しさと最後まで粘り強く戦えて最後同点に追いつけたという複雑な心境です。(自身の2得点を振り返って)今週ずっと調子が良くて、前節スタメンを外れてしまって、ただ今節で監督に使ってもらえたので、その采配に応えられたのは嬉しいですし、個人的にこれから手首の手術があるので7月1日の早慶戦も出られなくて今日が節目のゲームだったので最後2点決められてよかったです。(リーグ戦前半の総括と後半に向けての意気込みを)最初はのびのび自分の良さを思い切り出せてやっていたんですけど途中から悪い意味で慣れて、なかなかハングリー精神を持てずにやっていたかなというのがあって、そういう中で1回スタメンを外れてまた気持ちを入れ直してこういう結果で終われたので、後期はもっと貪欲に結果にこだわって、常に謙虚にやって、前期は3点だったので5点くらい取るつもりでやりたいです。

 

 

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