【テニス(男子)】勝機見せるも早大に及ばず…リーグ戦に期待!/第180回早慶対抗庭球試合

 今年こそ、早大を倒す。初日のダブルスを1-2で折り返すと追いつく場面もあったが、最後に4年生が力尽き3-6で敗戦。負けてはしまったものの、新戦力の台頭など秋への期待を感じる試合であった。  

男子第180回早慶対抗庭球試合  2015/6/13、14 @早稲田大学東伏見三神記念テニスコート

 

慶大

スコア

早大

D1

高田航輝・上杉海斗

3{0-6、6-3、7-5、4-6、6-3}2

今井・河野

D2

逸崎凱人・畠山成冴

2{5-7、4-6、6-3、6-4、5-7}3

栗林・坂井

D3

渡邊将司・韓成民

1{6-3、2-6、5-7、2-6}3

松崎・小堀

S1

谷本真人

0{0-6、2-6、0-6}3

今井

S2

渡邊将司

0{5-7、1-6、1-6}3

栗林

S3

高田航輝

1{6-3、5-7、3-6、4-6}3

松崎

S4

上杉海斗 3{6-3、6-3、7-6(3)}0

村松

S5

逸崎凱人

3{7-5、7-5、6-4}0

岩崎

S6 韓成民 3{1-6、6-3、7-6(8)、3-6、0-6}0

合計

 この試合D1を任されたのは、やはり今年も高田航輝(環4・湘南工科大学付属高)・上杉海斗(環1・清風高)の二人であった。第1セット、高田、上杉ともにファーストサービスが全く入らない。甘くなったセカンドを、今井だけでなく河野にも痛打。イージーなミスも続き、1ゲームも奪えず、相手を乗せてしまう嫌な展開で第1セットを落とす。第2セット、ここまでとは見違えるプレーを見せた。1ゲームをしっかりとキープすると、高田がひっぱり、上杉が決める得意の流れで、このセット2つのブレーク。6-3でこのセットを奪う。第3セット、最初のサービスゲームを苦しみながらもキープすると、迎えた第6ゲーム。高田がここでスーパーショットを見せ、ブレーク。直後にブレークバックを許したものの、このセットを奪い、勝利に近づいた。第4セット、流れは完全に慶大であったが、相手が春関王者の底力を見せる。4-4からブレークを許し、このセットを落とした。試合は、高田・上杉組にとって2年連続のフルセットでの決着となった。序盤にブレークをし、先手をとると、上杉、高田、上杉の圧巻の3連続リターンエースなど、相手を全く寄せ付けず6-3でファイナルセットを奪った。

勝利を決めて喜ぶ高田(写真・左)と上杉

勝利を決めて喜ぶ高田(写真・左)と上杉

逸崎凱人(環1・大阪産業大学付属高)・畠山成冴(環1・湘南工科大学付属高)の二人の1年生が大抜擢されたD2は、男子ダブルスの中で1番の好ゲームとなった。第1セット、序盤からフレッシュさあふれる強気のプレーで先行する。このままこのセットを奪取するかに思われたが、5-3から2つブレークを許し、5-7で第1セットを奪われた。続く第2セットも落としあとがなくなった第3セット。最初のサービスゲームをブレークされる展開になったが、中盤に逆転すると、粘る相手を振り切り、1セットを奪うことに成功した。第4セットも奪い、タイに戻し迎えたファイナルセット。勢いそのままに、攻めのテニスで勝利を狙った。第6ゲーム、深いリターンで栗林のミスを誘い、ブレークに成功する。畠山の巧みなリターン、ボレーが冴えわたり5-4で慶大のサービスゲームに。しかし、連続して2つミスをすると、このゲームをブレークされ並ばれると、次のサービスゲームもブレークされ試合終了。負けてしまったものの、彼らのプレーは今後に期待せざるを得ないものだった。

逸崎(写真・左)と畠山組は今後に期待のペアだ

逸崎(写真・左)と畠山組は今後に期待のペアだ

リターンをする韓(写真・右)と前に出る渡邉

リターンをする韓(写真・右)と前に出る渡邉

D3には、渡邊将司(総4・名古屋経済大学市邨高)・韓成民(総2・つくば国際大学東風高)が登場。公式戦では、初の組み合わせとなった。第1セットを6-3で奪ったものの、その後は早大に3セット連取され、勝利はならなかった。         1-2と早大リードで迎えた2日目のシングルス。まず、S4に上杉、S5に逸崎、S6に韓が出場した。 ユニバーシアード日本代表にも選ばれている上杉のプレーは今日も圧巻だった。「S4ということで絶対に負けられないのでプレッシャーがあった」上杉は、最初のサービスゲームこそブレークを許してしまうものの、すぐにブレークバック。その後は、相手を全く寄せ付けず、それぞれ6-3で2セット連取する。第3セット、あとがなくなり攻勢に出てきた相手を受けてしまい0-4とリードを許す展開に。しかし、ここから得意の回り込んでのフォアやサーブもギアを上げ、タイブレークの末ストレート勝ちを収めた。

圧巻のプレーを見せた上杉

圧巻のプレーを見せた上杉

S5には、逸崎が登場。1年生とは思えない積極的なプレーで攻めの姿勢を貫いていく。バックハンドでエースを量産し、相手との違いを見せつけ7-5で2セット連取に成功する。スタンドからの付属高生の応援も味方につけ、接戦を制す。「自分のほうがしっかりラケット振りきれて、最後まで戦えた」逸崎は、第3セットも6-4でストレート勝ち。「狙い通り」(坂井監督)の展開で一時は3-2と早大を逆転する。

春関に続き早慶戦でも強さを見せた逸崎

春関に続き早慶戦でも強さを見せた逸崎

ボレーをする韓

ボレーをする韓

結果的に勝敗を大きく左右することとなったS6。両者1セットずつ奪って迎えた第3セット。壮絶なタイブレークを制し、2-1と勝利に近づき完全に流れをつかんだかに思われた。しかし、ここからが早大の選手の底力を見せつけられることになる。第4セットを3-6で落とすと、走らされ完全に体力の限界であった韓は、0-6でファイナルセットも落とし、惜しくも敗戦。「勝っていたら流れが確実なものになっていた」(坂井監督)重要な一戦であった。

 

 

3-3で迎えたシングルス2ローテ目には、S1谷本真人主将(環4・名古屋高)、S2渡邉、S3高田という百戦錬磨の最高学年トリオが登場。

S2の渡邉は、栗林と対戦。昨季の全日本王座で完敗した相手にリベンジを誓った。しかし、第1セットを接戦の末落とすと、正確無比のショットを誇る格上の栗林に翻弄される。ストレート負けで3-4となり、慶大はあとがなくなった。

秋での渡邉の復活に期待したい。

秋での渡邉の復活に期待したい。

S3の高田は、高校の同級生でもある松崎と対戦。速いサーブを武器に勢いで押してくる相手に正確なショットで対抗した。第4ゲームに初のブレークをするとそのままこのセットを先取。しかし、接戦の末第2セットを落とすと、ここから相手のファーストサーブのフォルトが減り、苦戦をしいられる。ブレークのチャンスにつけるものの、強烈なサーブに対応しきれず、1-3で敗戦。悔しい結果となり、この時点で早大の早慶戦勝利が決まった。

ポイントを奪い吠える高田

ポイントを奪い吠える高田

敗戦は決まってしまったものの、エース対決で一矢報いたかったS1谷本主将であったが、室内インカレチャンピオンの今井主将に違いを見せつけられる結果となった。3セットでわずか2ゲームしか奪えず、ストレートで完敗。今後の対戦にも不安の残す結果となった。

チームをけん引する谷本主将

チームをけん引する谷本主将

昨年に続き、視界にとらえたワセダの背中。また、昨年感じた早大との選手層の差も、逸崎をはじめとする新戦力によって縮まった。D2、S6のような接戦、勝負所を制す勝負強さを身につければ確実に早大を倒せる。そんな期待が確信に変わる試合だった。目標である日本一への壁「ワセダ」。「自分の壁を突き破って」(谷本主将)進化した慶大庭球部が、この秋その壁を越えることに期待したい。

(記事:太田悠貴)

【監督・選手コメント】

坂井利彰監督

(男子ダブルスでは1年生の抜擢が印象に残ったが)二人とも期待の1年生で、組み合わせもかなり良くて、ナンバー何で出れるかみたいなところもあったんですけど、あのような起用になりました。(男子シングルスについて)逸崎、上杉がしっかり勝って流れを作ってくれて狙い通りだったんですけど、韓があそこで勝っていたら流れが確実なものになっていたので、この敗戦と昨日のD2の敗戦が早大の強さだと思いますね。(インカレ、リーグ戦に向けて)ケイスポさんに取材をお願いしたいということと、しぶといチーム、部員全員の力で日本一をとりたいと思っているので期待していてください。

谷本真人主将(環4・名古屋高)

(今回の早慶戦を振り返って)去年は男子4―5、女子3-4というスコアで、今年は男子3-6、女子3-4というスコアで、結果としても勝たなきゃ何の意味もないので、いろいろな芽が出てきているのは事実ですし、本当に最後勝ちたいと思って本当に震えるほどの場面で自分が信じたことができるかどうかなので。これからの夏に向けてやりこんで、自分の壁を突き破ってそういう経験をして、自分が自信をもって臨めるかどうかだと思うので、今回は惨めな負けを僕自身もました。(今後に向けて意気込みを)夏に向けて変わった姿でチームとして臨めるかどうか、細かいところではあるのですが、目に見えないところを変えられるかどうかだと思うので、今回の結果を真摯に受け止めて、次に向けてやりこんでいきたいと思います。

上杉海斗(環2・清風高)

(昨年同様、高田選手と組んでフルセットで勝ったダブルスについて)序盤はお互い緊張していました。どう戦っていくかをしっかり話し合って、強気で勝ちに行くことを確認して第1セットを落としてしまったことで、逆に攻めていくことができました。最後まで強気のプレーが貫けたかなと思います。(シングルスは圧勝でしたね)1回勝ったことのある相手でしたし、S4ということで絶対に負けられない気持ちだったんですけど、試合前に監督に1本1本集中してやっていけばいいと言われて、プレッシャーはありましたがいつも通りのプレーができました。(ここからユニバーシアード、インカレと続きますが)どんな大会でも優勝目指して戦います。

逸崎凱人(環1・大阪産業大学付属高)

(今回の早慶戦を振り返って)初日のダブルスは勝てるチャンスがあった中で落としてしまって、僕がそこで1勝していれば今日の上位の4年生も気楽に戦えたと思うので、やはり勝ち切りたかったところです。今日のシングルスは相手も早慶戦初めてで緊張しているかなと思っていたのですが、自分のほうがしっかりラケット振りきれて、最後まで戦えたのが勝因かなと、今日は良いテニスができたなと思います。(ベンチには谷本キャプテン、また大きな応援もありましたがどう感じましたか)応援もベンチコーチもボーラーも自分のプレーしやすい環境を用意してくださって、力になりました。(今後に向けて意気込みを)数か月後にはリーグと王座が待っているので、そこでもダブルスもシングルスも優勝して、チームが優勝できるように頑張りたいと思います。

畠山成冴(環1・湘南工科大学付属高)

(1年生ながら早慶戦のD2に抜擢されましたが)1年生ペアということで、早慶戦自体が未体験だったのでどういう大会かわからなくて、ウォーミングアップのときはガチガチに固まっていたんですけど、試合に入ってみると緊張はあまり感じなくてペアともしっかり話せて、雰囲気を楽しめたというかプレーも負けてしまったのですが楽しくできてよかったと思います。(ファイナルセットでは面白いようにドロップショットが決まっていたが)ドロップショットとかも、しっかりラリーした上で手先だけでなく体全体を使ったドロップボレーだったので、調子もよかったのもあるのですが、日々やってきたことがしっかり出せたのかなと思います。(谷本主将がベンチコーチに入っていたが)いい影響しかなかったですね。1年生同士ということで入ってくださったと思うのですが、安心感というか僕たち二人に足りないものを主将が補ってくれたので、2セットダウンから2セットアップできてファイナルまで持ち込めたのかなと思います。(今後の大学テニスでの目標を)今は、4年間での目標ではなくて、早慶戦は負けてしまったのですが、4年生を日本一にして卒業させてあげたい気持ちが強いです。自分も選手としてメンバーに選ばれている以上、全力で取り組み貢献したいです。

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