【野球】8月16・17日に第1回大学野球サマーリーグを新潟県三条市で開催!

第1回サマーリーグ開催!

第1回サマーリーグ開催!

今夏8月16・17日に新潟県三条市において、慶大、明大、上武大、新潟医療福祉大の4大学が「第1回大学野球サマーリーグ」を開催する。16日に慶大と明大は大学1・2年生を主体とした「次世代主力選手による育成試合」をコンセプトに、新潟の地で激突。その他17日には地元新潟医療福祉大とも慶大は対戦する。今回はこのサマーリーグの開催に尽力する國富建大(総4)選手にサマーリーグの開催の経緯や学生野球の今後について、話をうかがった。

※この取材は8月11日に行われたものです

―今回は新潟県三条市で行われる「第1回大学野球サマーリーグ ―次世代主力選手による育成試合―」の取材に伺いました。このサマーリーグを開催することになった経緯を教えてください

湘南藤沢キャンパスに野球部OBの松橋崇史さん(現・総合政策学部非常勤講師、東京工科大助教授)という方がいらっしゃって、その方が新潟県三条市の三条パール金属スタジアムの指定管理者である地元企業の「丸富」という会社と、スポーツを利用した街づくりという共同研究を行っていたんですね。その中でうちの球場に六大学野球が来てもらえないかという話をいただいていて、野球部としては部員数も多くて、どうにか下の選手の出場機会や真剣勝負ができる場を設けたいというのが野球部の問題点としてあったので、今回サマーリーグという形でしっかりとした場をいただいたというのは、野球部としてもメリットがあるんじゃないかということで今回の計画が進んでいきました。それから三条市側に対しても地域貢献だったり、スポーツを通した街づくりもできる、ということで開催に至りました。

―慶大のほか、明治大学、上武大学、新潟医療福祉大学も参加する予定になっていますね

最初に三条市からサマーリーグを開催しようということで慶大野球部が主導して六大学の中で声をかけた時に、明大野球部が一緒にやりましょうか、と声をかけてくださり、さらに地元の大学もということで最近野球を強化している新潟医療福祉大と、群馬の上武大学が参加してくれることになりました。上武大の監督(谷口英規監督)は慶大や明大の監督とも親交があったようですし、新潟医療福祉大の佐藤和也監督も新潟明訓高校で長く監督をやられて有名な方ですし、そういうつながりもあって一緒にやることになりました。

―初日は試合後に野球セミナーも開催されるんですね

地域に貢献するというのもテーマにしているので、地元の中学生を対象に野球セミナーを行い、さらに球場内の会議室で慶大と明大の監督が選手の保護者や指導者向けの勉強会を開催する予定になっています。新潟の方々に少しでも六大学野球を知ってもらい、目標にしていただけたらなと思っています。

―新潟は昨年も南魚沼市で六大学オールスターが開催されましたが、すごい盛り上がりでした。今回の企画にあたって、新潟には行かれたんですか

7月末に2泊3日で視察やあいさつ回りに行きました。新潟日報や地元のラジオに出させていただきました。球場や協賛してくださる企業にあいさつさせていただきました。

―視察してみてどんな感想を抱きましたか

率直にいいところだなと思いました。新潟はごはんはおいしいし、お酒もおいしいし、女の子もかわいいですし(笑)あとは球場自体もとてもきれいでしたね。球場の指定管理者の丸富という会社は農業器具の会社で、芝生のメンテナンスやグラウンドの管理が本職だということなので、とてもきれいでした。プロ野球のファーム(2軍)戦も何年もやってきているということなので、すごい施設もしっかりしているなという印象でした。

昨年新潟で開催された六大学オールスターは大盛況だった

昨年新潟で開催された六大学オールスターは大盛況だった

―実際に視察も行ったということで、今回の企画は國富さんがかなり関わっておられますが、どういう経緯でそうなったのですか

先ほども話に出た松橋さんと野球部のOB会が連携してこのサマーリーグの原案を作っていざやろうとなった時に、学生がサマーリーグの運営づくりに参画して、自分たちのプレーをする環境づくりを自分たちで行うというのが慶應らしいんじゃないかというアドバイスをいただきまして、松橋さんから僕が話をいただいて窓口になって、それに賛同する部員を集めて・・・という経緯ですね。

―今年の初めに大久保監督に取材を行った際に、國富さんが中心となって学生野球を盛り上げる活動をしているとうかがいました

そうですね、サマーリーグにかかわらず学生野球の観客動員の問題など、僕自身がOBとのつながりが深いこともあって、2年生の終わりくらいからプレー以外の面で少しずつ話す機会がありました。学生野球を盛り上げるにあたって賛同してくれる部員だったり、ケイスポさんだったり、塾内でも協力してくれる人がいるのはうれしいなと思います。

―率直に今の大学野球の人気について、どう感じておられますか

数字としても4、50年前と比べると動員が落ちてきてるのは間違えないですよね。お客さんを盛り上げていくのはやっていかなきゃなというのはとても感じていて、野球自体の競技人口が減っていたり、サッカーに押されていたりして、どこかで打開しなきゃいけないというところで学生野球というのは重要なファクターを担っていると思います。友達が出場しているから神宮球場へ野球を見に行こう、というきっかけで大学野球ファンが増えることもあるでしょうし、神宮球場は野球を見る人やる人両方にいい場所だと思うので、そういった意味で僕らの同世代が球場に来てくれるような秘策がないかなと・・・。サッカーやアメフトの早慶戦のような盛り上がりをリーグ戦にもっていけるようにすることが重要なのかなともいます。  

―それは僕らも感じている点です。早慶戦の動員はすごいですが、他大との試合はあまり学生の姿は見られませんよね

そうなんですよね。東大戦、立大戦、明大戦、法大戦というリーグ戦全体のストーリーを見てもらって早慶戦を見ていただくと、より面白みがあると思います。

―赤い衣服でスタンドを埋める「若き血デー」など、今年も様々なイベントを企画していた印象です

去年の秋季リーグに活動の一環として、慶大のミスコンの女の子たちを明大戦と、早大戦で神宮球場に呼んだこともありました。観戦した感想をブログに書いてもらって・・・(笑)今年はミスター候補も呼んで開催しようかと、企んでいます(笑)

―楽しみにしています(笑)話はサマーリーグに戻りますが今回、グッズ販売なども行うようですね

はい。また今回「丸富」さんが基本的に開催費を出してくれているというように話が進んでいて、先ほど話もしたように開催決定が直前になったので、協賛してくださる企業も限定的になってしまった部分もあったので、現時点では選手の交通費は自費という形になりましたが、当日もグッズ販売や入場料もあるので、売れ行きによっては野球部からの持ち出しは無しで開催できることになりました。今回のサマーリーグのようなスキームが広がっていけば、地方の野球の振興にもつながっていったらなと思います。今回は「丸富」さんが採算度外視で手伝ってくださるのですが、来年以降も行うことになれば早め早めにいろんな手を打っていけたらなと思っています。  

―時間がない中で、広報活動は苦労されたのではないですか

一応Facebookのページ(https://www.facebook.com/sml.sanjo)を設けて、そこで選手の紹介を行っています。また地元メディアの新潟日報さんやケンオー・ドットコムさん、新潟野球ドットコムさんに取り上げていただいて、宣伝させていただきました。現地の慶大や明大のOBの皆さんにも資金面含めたくさんのご協力を得ているので、助かる部分は大きかったです。実際に三条市へ視察に行った際も、当日行くからね!と声をかけてくださったときはありがたかったですね。

―そういった恵まれた環境でプレーをすることになる新人選手に期待することはなんですか

六大学は新人戦があるんですけど、僕も2年生の時に新人戦主将をやらせてもらって、初めて慶應のユニフォームを神宮で着てプレーする経験をして、そこからきっかけをつかんだというか、ステップアップして行けて、今Aチームに絡めて行けるようになった経緯があったので、今回の三条市の試合も、遠征で慶應のユニフォームを着て、しかも相手が明治で観客の皆さんが見守っている環境でプレーできるので、絶好のアピールチャンスになるし、1・2年生の飛躍のきっかけになればなと感じています。

―当日は大久保監督が指揮を執られるんですか

16日の明大戦には大久保監督が来て、指揮を執るので、1・2年生にとってはかなりアピールのチャンスになるのではと思います。選手構成は1・2年生が主体で、3年生が何人か、という形になると思います。

今回取材した國富内野手。今春リーグ戦初出場を果たした

今回取材した國富内野手。今春リーグ戦初出場を果たした

―上武大も一昨年の全日本で優勝、今年もベスト4と強豪ですし、新潟医療福祉大も創部3年で今秋から関甲信大学野球リーグ1部に昇格する強豪です。2日目もいい試合になりそうですね

その2大学は今回フルメンバーでの参加となるので、かなり面白い試合になるんじゃないかと思います。17日の試合もぜひ見ていただければなと思います。

―今回は新潟での開催ですが、他の県での開催というのも検討されているのですか

そうですね、まだ希望というか楽観的な思考の段階ですけど、今回球場指定管理者の「丸富」さんが主導してくださったように、全国にも指定管理者でありながら上手く施設、球場を活用できていない場所がまだ多くあって、今回の三条の例を成功させることで、そういったほかの地域にも声をかけていけたらなと思っています。今回「第1回」とせっかく銘打ったわけなので、第2回、第3回も企画していけたらなと感じています

―慶大だけでなく、他の中央の大学にもこういう動きが出てくるとうれしいですね

どうしても野球をする上で、アマチュアといえどお金の部分を回していかないといけないので、興行の試合を回していくことができれば、更に自分たちの活動の幅を広げることができると思います。ぜひぜひこういった活動を増やしていきたいなと思います。

―地方に出向いて活動をする體育會は他にもありますが、何か相談をしたり参考になさったりはしたのですか

僕はいまSFCで村林研究会というところに所属していて、村林裕先生はサッカーJリーグのFC東京の前社長の方で、スポーツビジネスを専攻としているんですけれど、その研究会の同期にソッカー部の男女主将、硬式テニス部の主将、バレーボール部の主将とたくさんいて、1つ上の学年にもバスケットボール部やフィギュアスケートの主将がいたりして、各部とのかかわりが僕自身強いのもありまして、例えばソッカーのリーグ戦ではない早慶定期戦を等々力のスタジアムでどうやって1万人集めているのかという話はよく聞いて参考にしました。蹴球部もチャリティーマッチを多く行っていて、どんな運営を行っているのかとかを主務の方などから話を聞いたこともありました。そういった横のつながりを利用して、どうやったら慶大の體育會を応援してもらえるようになるのかなどを、個人的なレベルですけど情報共有をしています。

―7月1日に行われたサッカーの早慶定期戦は平日開催ながら、等々力陸上競技場に1万人もの観衆が詰めかけました

実際に企画書を見せていただきました。あれだけリーグ戦ではない定期戦で観衆を集めるのは素直にすごいなと思いました。僕らもナオト・インティライミ呼ぶか!なんて・・・(笑)話を聞いているとサッカーのほうが野球よりも規制は低いみたいなんですけど、僕らも負けずと頑張りたいですね。

―今回のサマーリーグ開催にあたって、手ごたえや不安はありますか

どれくらいの方が来てくれるのかなという不安はありますが、新潟に行った時に地元の方やメディアの方々の反応が暖かかったので、どうにか・・・という感じではあります。1000人、2000人と入ってくれれば試合をする1・2年生にもいい刺激になると思いますし、これから野球を頑張る地元の中学生、高校生の刺激にもなればなと思います。

―僕らケイスポにもオール早慶を観戦して慶大を目指した部員もいます。このように地方開催をすることで将来慶大に興味を持ってくれることも期待できますね

そうですね、とりわけ今年は慶大の野球部がサマーリーグ以外に、四国での六大学オールスターや名古屋や福井でのオール早慶など、地方で活動することが多いので、期待できます。僕もそうなんですけど、慶大の野球部は高校の野球部の先輩が入っているから、慶大を目指そうっていう人が多くて、先輩がいるから早慶戦を見に行こうというようになるんですけど、先輩が別に慶大にいない地方の子は早慶戦や慶大の野球というものに触れる機会が全くないので、今回のような企画でぜひ幅広い地方の方に見ていただければ、人気面でも人材面でも裾野が広がっていくのかなと思います。

―では最後に、この記事を読んでくれている方にメッセージをお願いいします 来てくださる方には、六大学野球はこういう野球をしているんだよというのを見ていただきたいですし、試合や野球教室で大学野球の良さをいろいろ感じ取ってもらいたいです。ぜひお越しください!   ―お忙しいところ、ありがとうございました!

(取材:荒川智史)

    ▼國富建大(くにとみ・たつひろ)

岡山県立岡山城東高校を経て、総合政策学部に入学。2年次には新人戦で主将を務め、今春の明大3回戦で代走としてリーグ戦初出場を飾る。初出場の感想は「興奮した」という一方で、「代走での出場だったので、刺されたらまずいな」と緊張もあったと笑顔で語ってくださりました。

 

☆第1回大学野球サマーリーグ -次世代主力選手による育成試合― 開催要項

8月16日(日)

12:45 市長挨拶・記念品贈呈

13:00 慶應義塾大学 対 明治大学

16:00 野球セミナー(三条市内中学生)

8月17日(月)

10:00 慶應義塾大学 対 新潟医療福祉大学

13:00 明治大学 対 上武大学

開催球場:三条パール金属スタジアム

入場料(当日券のみ):内野席1000円 外野席500円 高校生以下無料

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