王座出場のために早大以外には絶対に負けられないリーグ戦。男女とも第1戦に勝利し、第2戦へと臨んだ。男子は、法大と対戦。毎年王座を争うライバルとの一戦は苦戦が予想された。試合は、第1戦で課題だったダブルスで全試合ストレート勝ちを収める好発進。シングルス1ローテ目で逸崎凱人(環1・大阪産業大学付属高)、渡邉将司(総4・名古屋経済大学市邨高)が勝利し、早々に5勝を挙げ慶大の勝利が確定する。しかし、2ローテ目が全敗し、5-4での辛勝。次節の大一番・明大戦へ不安を残した。
関東大学テニスリーグ 第2戦
2015/8/31 @有明テニスの森公園
<男子結果>VS法大
| 慶大 |
| 法大 |
D1 | 高田航輝・上杉海斗 | 2{7-5、6-3}0 | 大友・杉本 |
D2 | 逸崎凱人・畠山成冴 | 2{6-4、6-2}0 | 山田・塚越 |
D3 | 谷本真人・渡邉将司 | 2{7-6(8)、6-3}0 | 小林・長田 |
S1 | 上杉海斗 | 0{5-7、3-6}2 | 大友 |
S2 | 谷本真人 | 0{6-7(8)、0-3Ret}2 | 杉本 |
S3 | 逸崎凱人 | 2{6-4、6-2}0 | 村上 |
S4 | 高田航輝 | 0{1-6、4-6}2 | 長田 |
S5 | 渡邉将司 | 2{6-1、6-4}0 | 小村 |
S6 | 韓成民 | 0{1-6、4-6}2 | 塚越 |
合計 | 5 | ― | 4 |
まず、第1戦で課題に挙げられていたダブルス。オーダーは第1戦と同じであった。インカレ準決勝と同じ顔合わせとなったD1。そのときは、高田航輝(環4・湘南工科大学付属高)・上杉海斗(環2・清風高)組がわずか57分で圧勝している。この試合は、ファーストセット、第3ゲームでブレークを許す嫌な展開となるが、次のゲームで高田のリターンから上杉のボレーという得意のパターンとは逆の形が決まり、すぐにブレークバックに成功する。6-5で迎えた第12ゲーム。大友に比べてサーブの威力が落ちる杉本のサービスゲームを見逃さなかった。ここをものにし接戦でファーストセットを奪取。セカンドセット、第5ゲーム。ここまでキープが続いていたが、上杉のサービスゲームで15-40を迎える。しかし、ここをしっかりとキープすると、第8ゲームの杉本のサービスゲームをブレーク。試合を通して杉本に1度しかキープさせずに慶大ペアがストレート勝ち。リベンジを許さなかった。
D2には、逸崎・畠山成冴(環1・湘南工科大学付属高)組が登場。第1戦では流れをつかめず完敗し、仕切り直しの試合であった。大事な最初のサービスゲームをしっかりとキープし、落ち着いた試合運びを見せた。逸崎の正確なショットと畠山のネットプレー。お互いの持ち味を発揮し、第5ゲームをブレークし、ファーストセットを6-4で先取した。セカンドセットでは第1ゲームで早速ブレーク。その後も最後まで流れを崩すことなく6―2でこのセットも奪った。第1戦の反省を生かしストレート勝ち。次に繋がる試合であった。
D3は、谷本真人(環4・名古屋高)・渡邉組。この二人の試合はファーストセットがカギとなった。お互いのことを知り尽くしたこの二人が抜群のコンビネーションで試合を進めていく。第3ゲームで15-40のブレークのピンチをしのいだが、第7ゲームでこの試合初めてブレークを許した。しかし、今日の二人は慌てなかった。続く第8ゲームでブレークバックすると、ファーストセットはタイブレークに突入。4-6とセットポイントを握られたが、ここから谷本のサーブが決まりリターンをさせずに流れを引き戻すと、最後は慶大ペアの気迫が勝り、10-8でファーストセットを奪取。結果的にこれが大きかった。キープが続いたセカンドセット、第7ゲームでブレークに成功すると、続くサービスゲームでブレークバックのピンチはあったもののしっかりとキープを続け、ストレート勝ち。この結果、ダブルス3試合すべてをストレート勝ちした慶大が3-0のリードでシングルスへ進んだ。
レストの関係でS3、5、6が登場した1ローテ目。S3では1年生とは思えない抜群の安定感を誇るチームの勝ち頭・逸崎が登場した。この試合でも実力をいかんなく発揮し、相手のサービスゲームを続けて2つブレーク。第7ゲームでブレークを許したものの、6-4でファーストを奪う。セカンドセット、捨て身の勢いで押してきた相手にひいてしまう場面も見られたが、逸崎の正確なショットは最後までほとんど乱れなかった。リターンでも自分のペースでラリーを組み立て、いい意味で自分の得点は逸崎のショット、相手の得点は逸崎のミスという展開となった。最後まで力の差を見せつけた逸崎が6―2でこのセットも奪い、危なげなくストレート勝ちを収めた。
S6には韓成民(総2・つくば国際大学東風高)。今大会、坂井監督が重要と語るシングルス下位で2試合連続の起用だ。そんな期待の中、送り出されている韓だがこの日は最後まで流れをつかめなかった。ファーストセットを1-6で落としてしまう。セカンドセット、最初のリターンゲームをブレークに成功するも、すぐにバックされてしまう。その後はキープの展開となるも第9ゲームにブレークを許し力尽きた。ここで法大に1勝を許した。
S5には、渡邉。今季調子が上がらなかったが第1戦では勝利し、調子は上向きだ。ファーストセット、ダブルスで勝った勢いそのままに序盤からエンジン全開。相手を圧倒し、6-1でこれを取ると、セカンドセットも5-1とあと1セットで勝利という場面を作る。しかし、ここから5-4とされるとなおも30-40のブレークのピンチ。この場面で渡邉はしっかりとキープし、ストレート勝ちを収め、この時点で慶大の勝利が確定した。
慶大の勝利が確定してから試合に臨んだシングルス上位陣。S4の高田は第1戦でもシングルスでは敗れており、勝って次戦以降につなげたいところだった。しかし、1-6でファーストセットを落とすと、セカンドも4-6で競り負けストレート負け。要所では、いいプレーを見せたものの及ばなかった。明大戦での復調に期待したい。
S2の谷本主将は、インカレで敗れた杉本へのリベンジマッチとなった。シングルスからの流れを生かし、最初のリターンゲームをブレークし試合を優位に進める。しかし、中盤でブレークバックを許すと、タイブレークの末6-7で競り負けファーストセットをダウン。セカンドセット、0-3となったところで審判にけがを訴え、無念のリタイアとなる。主将のリタイアはチームへどのような影響をもたらすのか、次戦の明大戦に出場できる状態なのか不安が残る。
S1は上杉。慶大絶対的エースが法大のエース大友との試合に臨んだ。春関では上杉が勝利している。試合は上杉が先にブレークに成功するも5-4で迎えたサービスゲームでブレークを許す。続くリターンゲームで15-40のブレークチャンスにつける。しかし、ここを4連続ポイントでキープされると、続くゲームでブレークを許し、5-7でファーストセットを落とす。セカンドでも終盤にブレークを許した上杉がまさかのストレート負け。次戦までの上杉の立て直しに期待したい。
5-1と早々に勝利したものの、結果は5-4。ダブルスの重要性が身に染みてわかる展開だった。次戦に不安を残す結果ではあったものの、第1戦から第2戦へ、ダブルスを完璧に修正してきたことを考えると今回のシングルスの結果もいい教訓となったのではないか。次戦、王座出場への最大のライバル・明大戦だ。日本一になるために早大を倒す目標はもちろんだが、まずしっかりとその出場権を確保したい。インカレ上位進出者も多数いる明大戦で慶大の真価が問われる。
(記事:太田悠貴)