―春季リーグを振り返って
3位という結果に終わってしまった原因は、10試合ほどしかない中のはじめの2試合で法政に2連敗してしまい、そのままの流れで行ってしまったことだと思っています。1回から9回まで粘る力や全力で戦える体力、集中力などの精神面でも足りない部分が大きかったと思います。
―この夏の練習でご自身が意識されたことは?
1試合通して戦える体力をつけることや、1球1球をおろそかにせずに集中してプレーをすることを意識しました。また、慶大の持ち味は積極性だと思うので、積極的な走塁や守備をする攻めの野球を意識していました。
―チームとして大切にしてきたことは?
振り込みや基礎練習を反復することによって基礎体力をつけるなど、チームとしてではなくて、まずは1人1人がどうやって成長するかということを考えてやってきました。
―ご自身の練習の成果はオープン戦などで表われましたか?
守備では、基礎練習や反復練習を行ってきたので、安定した守備をすることができました。打撃の面では、力がついてホームランや長打が増えてきたので、このままリーグ戦に持っていきたいと思います。
―オープン戦で刺激を受けたチームは?
やはり楽天と戦ったことが大きいなと思います。プロの力にどれだけ学生が適応できるか、力を試すことができました。
―六大学オールスターでは、他大の選手と交流が深まりましたか?
1日目は上原選手(明大)と同じ部屋で、明大とは元々仲が良かったので結構話しました。法政と東大とは同じチームだったので、選手の話を聞いて色々と交流ができました。
―技術面で何か学んだことは?
技術面ではないのですが、どこを意識しているかという点を共有することができました。
―慶大の中で普段から仲が良い方は?
横尾(総4)は仲良いですね。
チームの方針として、全力疾走など全てのことを全力でやると決めていたので、手が抜けないというか、自分が率先してやらなければならなかったので、時には疲れていることもあったのですが、当たり前のことを妥協しないでやってきたのが、しんどかったなと思います。
―レギュラーを守り続けられた理由は何だと思いますか?
誰かと勝負するのではなく、基本的に自分がどうやったら上手くなるかということだけを考えてきて、どうやったらプロ野球で活躍できるかという自分との戦いというか、自分で高めていたので、その結果が繋がったのかなと思います。
―練習外の自主練ではどのようなことをやっていますか?
足りない分のバッティングや、練習ではなかなかできない基礎練習の反復をやっていました。
―チームの中で、頼りにしている人物は?
やはり横尾は本当に頼りにしています。打撃の面でも守備の面でも中心選手で、チャンスの時にしっかりとランナーを返してくれるので、そういった意味でも、キャプテンとしても、頼りにしています。
―大学4年間で一番印象に残っている試合は?
去年の春優勝したことが一番印象に残っています。
―高校と大学の野球で変わったと感じた点は?
高校時代よりも自分で考えることが多くなって、練習でできない部分を自主練で補わなければならないので、その自主練でどれだけ自分と向き合えるかを考えてきました。
―調子が悪い時は、どのように克服してきましたか?
練習するしかないと思っているので、どこが悪いかビデオで復習しながら考えてやっていました。
―慶應7年間の集大成として、慶應に対する思いは?
これだけ慶應にお世話になったので、最後の最後に自分が、今までにないような結果を残さなければならないと思っていて、慶應のユニフォームを着てプレーをするのは最後になるのですが、慶應らしく攻めの野球をしたいなと思っています。
―大学卒業後の進路は?
プロを志望しています。
―4年生はどのような代だと思いますか?
4学年で一番人数が少ない代なのですが、それぞれ個性があって、同じような選手がいないので、まとまりにくいかなと思ったのですが、色んな意見が出て参考にすることができたので、個性があって良かったと思います。
―六大学の中で警戒している選手は?
ドラ1候補にも挙げられている、上原投手から打ちたいと思っています。
―今シーズン、守備面での目標は?
失策0で、ピッチャーが打たれた球をしっかりとさばいて、流れが来る守備をしたいです。
―打撃面での目標は?
出塁率を上げることに加え、長打も打てるようになったので、ホームランなどの長打も打ちたいです。
―ベストナインは取れそうですか?
今季は、取りたい、ではなく、取らなければならないと思っています。
―チームとしての目標は?
1球1球、1戦1戦大切に戦っていく中で、勝ちが転がり込んでくると思うので、その中で優勝します。
―お忙しい中、ありがとうございました!
取材:木下恵・鈴木優子
◆山本泰寛(やまもと・やすひろ)
1993年10月10日生まれ。175cm76kg。慶應義塾高出身。環境情報学部4年。右投右打。内野手。背番号1。誰もが認める高い身体能力を武器とする、走攻守3拍子揃ったプレーヤー。特にショートの守備で見せる強肩は観客を魅了する。1番打者を務める山本泰の出塁が、慶大の得点力を左右する