【バスケ】息詰まるシーソーゲームを制し価値ある一勝を手にする!! vs専修大戦

先の法大戦では自分たちのバスケを展開できず悔しい敗戦を喫した慶大。その次なる相手は専修大だ。昨年のリーグ戦は最下位に沈んだが、今季は4勝1敗と好成績を残しており、今1部でもっとも勢いに乗っているチームと言える。その勢いを慶大が持ち前のディフェンスでどこまで抑えられるかに注目が集まった。試合内容は互いの意地と意地とがぶつかりあうシーソーゲームに。しかし最終盤で気迫あふれるディフェンスからリズムを掴んだ慶大がリードをギリギリのところで守り抜き、貴重な一勝を手にした。

 

2015/09/20() @筑波大学中央体育館

第91回関東大学バスケットボールリーグ戦 5日目 vs専修大

 

1Q

2Q

3Q

4Q

合計

慶大

24

19

24

19

86

専修大

24

17

29

15

85

スターティングメンバー

PG

#4 福元直人(環4・福大大濠高)

SG

#13 西戸良(総3・洛南高)

SF

#5 大元孝文(環4・洛南高)

PF

#22 トカチョフ サワ(環2・國學院久我山高)

#7 黒木亮(環4・延岡学園高)

主要選手スタッツ(背番号/選手名/成績)

#4 福元直人:11得点、7リバウンド、8アシスト、3スティール

#5 大元孝文:16得点、4スティール #7 黒木亮:31得点、9リバウンド

シックスマンとして積極的な攻撃を見せる鳥羽

シックスマンとして積極的な攻撃を見せる鳥羽

法大戦と同じスタメンで試合に臨んだ慶大。第1Qで活躍を見せたのは主将の福元だった。スティールからの速攻や、ミドルシュートなどで得点をあげると、リバウンドの面でも貢献を見せる。そんな主将に率いられ、他のメンバーものびのびとプレー。先発全員が第1ピリオドで得点をあげるバランスのよいオフェンスを展開し、相手に的を絞らせなかった。しかし対する専修大も#6渡辺のドライブなどを中心に、高確率でシュートを決める。トランジションの速い点の取り合いは最後まで続き、同点で第1ピリオドを終えることに。

第2Q、慶大は福元のアシストから大元がスリーポイントを、黒木がゴール下での得点をそれぞれ決め、得点を重ねオフェンスは依然好調。ディフェンス面でも懸命のチェックを見せるものの、専修大も打点のたかいミドルシュートを沈め、第1ピリオド同様一進一退の攻防が続いた。迎えた前半残り2分、均衡状態を破ったのは途中出場の鳥羽(環1・福大大濠高)だった。「ゴールに向かおうと思って全力でプレーしました」と語る期待のルーキーはその言葉通りに積極的にドライブを仕掛け慶大に勢いをもたらす。さらには大元の速攻へとつなげるアシストも決め、この日最大となる7点のリードを奪った。しかし専修大も黙ってはいない。エース#24田代がハーフコート近くからブザービーターとなる3ポイントを決め、慶大に流れをわたしてはくれなかった。

黒木はシーズンハイとなる31得点を記録。チームの勝利に大きく貢献した。

黒木はシーズンハイとなる31得点を記録。チームの勝利に大きく貢献した。

第3Qに入っても壮絶な打ち合いがやむことはなかった。慶大オフェンスにおいては「自分がポイントになると思っていた」と語る黒木が躍動。福元との絶妙な合わせや、フックシュートや、ターンアラウンドなど多彩なバリエーションを持つポストプレーで連続得点。このピリオドだけで15得点をあげる活躍を見せた。しかしディフェンス面で専修大を止めることはかなわず。この日好調の渡辺に対し、黒木同様15得点を奪われ逆転を許してしまう。好プレーが続いているにもかかわらずリードが奪えない歯がゆいピリオドとなった。

3点ビハインドで迎えた勝負の第4Q、大元が体をはった懸命なディフェンスからスティールを獲得すると、鳥羽がこれを速攻へとつなげ慶大が逆転。さらに続くオフェンスでも大元の3ポイントと黒木のインサイドでの得点が決まり9-0のスコアリングランを奪う。しかし専修大の田代もワンマン速攻や、3ポイントを決め返し慶大に食らいつく。残り時間が少なくなるにつれ、かかるプレッシャーも重くなるが、両校のオフェンスが停滞することはなかった。そして迎えた最終局面、サワの得点で5点をリードし優位にたっていた慶大だったが、残り13秒で渡辺に3ポイントを決められ点差は2点に。ここで阪口HCはタイムアウトを申請。残り時間はボールをキープし勝利を手繰り寄せたいところだったが、タイムアウト後のインバウンドで痛恨のスティールを奪われてしまう。速攻を狙う#7國分に対しサワがファウルでこれを止め、専修大に2スローが与えられた。國分は1投目を冷静に決める。そして会場全体の注目が集まる2投目。静寂の中放たれたボールはリングに嫌われ慶大がリバウンドを獲得。そしてこのボールをキープし、わずか1点差でこの死闘を慶大が制した。

勝利を喜ぶ慶大ベンチ

勝利を喜ぶ慶大ベンチ

「今日の勝ちは大きい」という阪口HCが振り返るように、好調のチームを相手に接戦の末に手にした1勝は大きな意味を持つ。法大戦では不調だったオフェンス面でもしっかりとした修正が見られ、選手たちの自信を取り戻すには十二分の結果を残せたと言えるだろう。次なる相手は拓殖大学。2年以上続いた東海大のリーグ戦での連勝を止めた強豪校だが、この試合で得た勢いをそのままに、慶大が番狂わせを起こしてくれることを期待したい。           (記事:岩田 亮)

 

阪口HC

今日はよく頑張ったね。最初から福元のシュートも好調だったし、昨日は本当にシュートが入らなかったからね。あと福元を田代に当てたのがよかったね、技術的な面というよりも精神的な面で福元は相手を楽にさせていなかったと思います。(鳥羽の活躍が目立ったが)まあ相性とかもあるんだろうね、サワの代わりで出たんだけどうまくいったんじゃないかな。ただほかのベンチメンバーも後半で使えるようになりたいね、そうしないとチームが持たないから。(昨日との違いは)やっぱり大元かな、昨日よりは調子がよかったからね。ディフェンス面でもうまくいっていたと思います。(5試合を終えた感想は)昨日の負けが痛かっただけに今日の勝ちは大きいね。ただ昨日は離されてしまって、最後に得失点差になったときとかに響くかもしれないんで、もうしょうがないんですけど、これからはより意識していかないとね。(拓大戦に向けて)まあまた何か考えていかなきゃいけないんですけど、今年の拓大は本当につよい印象です。バンバも上級生になったし、その周りも去年よりも安定してるね。ただうちもディフェンスがよくなったので、俺がコーチになってから一回も勝ったことないんだけど頑張っていきたいと思います。

黒木亮(環4・延岡学園高)

昨日があまりチーム的にもよくない内容のゲームだったと思うんですけど、全員が今日の専修戦にいかに気持ちを入れ替えていくかという部分を意識していました。その中で最終的に勝ち切れたというのが嬉しいです。(意識を切り替えた部分はどこに出ていたか)昨日の法政は大元の1対1を止めるとか、福元のアシストをなくすとか、ポイントを絞って抑えてきてたんですけど、今日はその裏をかくことや、トランジションでも落ち着いてプレーできたことや、あげたらきりがないと思うんですけど、そういった部分に出ていたと思います。(今日の勝因は)途中で点差が離されていきそうな場面でも、全員が前を向いて、絶対に逆転できるという共通意識を持てていたので、そういった姿勢というのがゲームの内容にもつながったのかなと思います。(31得点の大活躍だったが)自分のマークが1年生だったので、そこは負けられないなと思っていて、僕自身の中でも自分がポイントになると思っていたので、福元からの合わせだったり、ポストプレーでもゴリゴリ押してチャンスを広げることを意識していました。そういった部分が結果につながったと思います。(拓大戦への意気込み)拓殖は僕が入学してから多分一度も勝っていないので、なんとしても勝ちたいですし、勝つチャンスはあると思います。拓殖の個々の能力の高さをいかにチームとして、組織としてカバーできるかが大事だと思うので、残り1週間で出てきた課題を明確にして、練習していきたいと思います。

 鳥羽陽介(環1・福大大濠高)

昨日の法大戦を落として、今日は絶対に勝たなきゃいけない試合だったので、出たらとりあえずゴールに向かおうと思って全力でプレーしました。(ベンチスタートの際に意識したことは)このリーグ戦ではあまり調子があがっていなくて、特にベンチメンバーの活躍があまりなかった中で、阪口さんから信頼して使ってもらっていて、とにかくがむしゃらに5対1でも行けと言われていたので、速攻で先頭を走ることや、ディフェンスで頑張ることを意識してプレーしました。(今日の勝因は)スカウティングから相手の攻めどころを、一試合通して徹底して抑えられたことだと思います。(専修大では同じ高校の野口選手も活躍されていますが)普段からちょくちょく連絡はとってはいるんですけど、同期の活躍には自分も刺激を受けているので、これからもお互いに頑張っていきたいと思います。(5試合を消化した感想は)調子が出る試合と出ない試合のばらつきがあるんですけど、今日みたいな接戦は絶対勝っていかなきゃいけないので、絶対に気を緩めないことが大事だなと感じました。(拓大戦への意気込み)今日みたいに抑えるべきところを徹底すれば絶対にいいゲームができると思うので、そこにポイントをおいてまた頑張っていきたいと思います。

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