リーグ戦を5位で終えた慶大。目標だったプレーオフ進出は叶わず、次の戦いはグループB2位・日体大との入れ替え戦となった。日体大は昨季リーグ戦で2敗と慶大にとっては相性の悪い相手だったが、この日はカテゴリーの差を見せつけ4-0と完勝。グループA残留へ王手をかけた。
関東大学アイスホッケーリーグ戦 Division1 グループA,B入れ替え戦
2010/11/27(土)14:55 FO@ダイドードリンコアイスアリーナ
慶應義塾大学4-0日本体育大学
{得点者 慶大のみ} 氏橋×2、小川、荒谷
第1ピリオド、「失点をなくすというところから」(浅沼監督)試合に入った慶大は、あまり攻撃に人数をかけず、セーフティーな戦いを見せる。しかし一方の日体大も守備の意識が高く、序盤はあまりチャンスが見られない膠着状態が続く。そんな中、「押されていたり、危ない展開があった」(FW金村・経2)慶大はなかなかペースが掴めない。その中で突破口を見出したい慶大。8分にはFW小坂(商2)がゴール前でルーズパックを拾いシュート。しかしこれは惜しくも枠を捉えられない。その後もアタックが見られない両チーム。ところが14分、慶大は一瞬のチャンスを得る。FW荒谷(経3)がセンターライン付近でパックを奪うと、そのまま持ち込みGKと1対1でシュート。しかしこれはGKの好セーブに阻まれ、先制には至らない。そしてその後も両チームともシュートシーンは見られるも、得点には結びつかずスコアレスで第1ピリオドを終える。
第2ピリオド、膠着した第1ピリオドに反し、すぐに得点が動いた。2分、金村が右サイドでルーズパックを拾いFW氏橋(法4)にパス。そのパスを受けた氏橋がGKと1対1になりシュート。ループ気味になるもゴールネットを揺らし、慶大が先制点を挙げる。しかし先制に安心はできない慶大。4分にはパックを奪われシュートまで持ち込まれるが、これは今日正GK長嶋(経4)に代わり入ったGK細井(政1)がしっかりブロックし、得点を許さない。一方、攻撃陣も攻めの手を緩めない。6分に日体大が退場者を出すと、流れは完全に慶大へ。そして8分、ゴール前の混戦の後ろから放った小川(環2)のロングシュートが相手GKのブラインドを誘い、そのままゴール左隅に吸い込まれる。その後も、運動量で勝る慶大。試合のペースを完全に掴むと12分、FW松山(商3)が1人で持ちこみGKと1対1でシュート。これはGKにセーブされてしまうも、その後も日体大に対しシュートの嵐を見舞い、日体大につけ入る隙を与えず第2ピリオドが終了。シュート数慶大17本に対し日体大は7本と、完全に圧倒した第2ピリオドとなった。
追加点を奪い、試合を決したい第3ピリオド。第2ピリオドに引き続き攻勢を仕掛ける慶大は3分、金村が前線でパックを奪い持ちこみバックパス。これを受けた小坂がダイレクトでシュートを放つも、これはうまくヒットせず得点とはならない。その後も運動量、技術面ともに圧倒する慶大。日体大にまったくチャンスを作らせない。そして10分、この日ホットラインとなった金村から氏橋へのパスが通りシュート。これが決まり、試合を決定づける3点目を奪う。そして時間は刻一刻と過ぎ17分、後がなくなった日体大はタイムアウトを取り、6人攻撃を仕掛ける。しかしリスクマネージメントができていなかった日体大。金村にパックを奪われ、荒谷につなぎそのまま無人のゴールへシュート。これが決まり万事休す。グループAへの切符に王手をかける1勝は慶大が手にした。
昨季のデータから、戦前は互角もしくは慶大には不利と見られていた日体大との一戦。しかしその不安を振り払い、4-0と日体大を圧倒した。また点差以上に、この日見せた慶大のホッケーは日体大のホッケーを格段に上回っていた。これはひとえに慶大がグループAという厳しい戦いの場を経験し、一回りも二回りも成長した証しだと言えるだろう。しかし戦いが終わったわけではない。入れ替え戦が2試合の勝敗で争われる以上、慶大には第2戦も勝利が求められる。あと1試合、残り60分間慶大のホッケーを貫くこと。それこそ今慶大に必要な唯一の意識であることは間違いない。
By Daiki Yamamoto
浅沼監督(振り返って)1戦で終わる試合ではないので、2戦どれだけ集中できるかが最終的な結果だと思うので、今日は今日でしっかり1試合として60分間、いつもと同じだが慶応の戦い方を貫いて、相手が下位のグループだろうと実際に去年のリーグ戦では2敗している相手なので、しっかりシンプルなプレーを心がけて、慶應のプレーで戦おうとみんなに言っていた。結果まず一番良かったのは失点を0に抑えられたこと、キーパーが正キーパーの長嶋ではなくサブの1年生の細井に行かせたのですが、非常に細井の調子が上がっていたこともあるので、試合慣れしていないところはあったと思うが、非常度胸よく、しっかり守ってくれた。一方で、長嶋も多少けがもあったのだが、それをチーム全員で細井を支えようという気持ちがあったのが非常に今日の失点0につながったところだと思う。(今日は運動量、技術面どちらも日体大を上回った印象だが)日体大も非常に走れるチームで、前回勝ってるという自信もあると思うので、我々も怯むことなく相手がどこであろうとシンプルなプレーでやっていこうと思っていた。(1ピリは守備に意識を置いていたように見えたが)うちのチームのほんとの基本の部分は、失点をなくすというところからなので、グループAに上がった時点でなかなか得点は取れないだろうと、そういうところで失点をとにかく減らして、少ないチャンスの中で得点をして、ほんとに僅差だと思うので、それで勝っていくというのが我々の今年のシーズンの目標だったので、1ピリ0-0は予定通りだったと思う。(明日、第2戦への抱負は)まだまだ2戦ちゃんと勝たないと勝利と、1部残留という形にはできないので、今日も最後のミーティングで言いましたけど、今日勝ったことで喜んでいる場合ではなく、次への準備は始まっているわけで、すぐクールダウンして、今日の反省点、今日の良かったところ。今日の良かったところは続けて、反省点は少なくして、明日3ピリが終わった時点でその時勝てたらみんなでしっかり喜ぼうと、まだまだ今は一休みというか嬉しがっている場合じゃないというのはいったん締めておきました。
氏橋主将
(今日の試合を振り返って)全体でみれば慶応が自分たちの試合をして流れをつかんだ勝った試合だった。ただ部分部分、特に第一ピリオドの最初とかでは日体大にペースを持って行かれそうになったところもあった。自分たちのミスで不用意に危ない、危険なプレーをして相手にチャンスを与えるような危ないシーンもあった。(試合中で修正点はあったか)特に修正点ということはなかったがインサイド、ゴール前を守るという守備の意識が全員にあった。これを高く持てたのが二ピリだった。(その中で先制点をあげたが)あれは完全に荒谷と金村のいい動きから自分にパックが回ってきて自分は決めるだけだった。三点目も自分がシュートできたがこれもこの二人からの得点だった。(無失点に抑えたディフェンスについては)ディフェンス、フォワードともに守備の意識が高かった。あとは今日キーパーで登板した1年生の細井が非常によく守った。ほぼリバウンドも危険なところに出さなかったし完璧なセービングだったといっても差し支えないと思う。(試合前のゲームプランは)大体いつも毎回毎回同じゲームプラン。60分間で勝つということ。たとえ第1ピリオド、第2ピリオド負けてたとしても第3ピリオドしっかり走ることで最終的にこちらが有利に試合を進められるようにということを意識していた。今日はそれがしっかりできた試合だった。(明日の試合にむけて)試合に見に来てくれる観客の皆さんが楽しめるようないい試合をしたい。慶応スポーツさんにもいつもお世話になっているのでまたいいプレーができるように頑張りたいと思う。応援よろしくお願いします。
金村
(完勝でしたが)明日もあるんでいったん今日のことは忘れて。明日勝たないと残れないので、明日に集中して頑張りたい。(入れ替え戦に臨むにあたってのモチベーションは)もちろんチャレンジ精神で。うちはそんな上手くないんで。それに去年はこのチーム(日体大)に2敗してたんでチャレンジ精神です。(3ゴールに絡む活躍でしたが)そうなんですよ(笑)。ありがとうございます。このリーグ戦は全然ポイント取れていなかったんで、嬉しいですね。(2ピリからは攻撃が上手くいっていたように感じたが)1ピリは押されていたり、危ない展開があったんですが、その後はこっちの方が足が動いていたんで、良かったです。(明日への意気込み)絶対勝ってAに残ります。来年はベスト4に行くんでよろしくお願いします。
小川
(今日の試合を振り返って)気の抜けない試合だったがみんな集中力を切らさずやったのでいい結果がついてきた。(試合を通して無失点で抑えたが)実はアクシデントで前の試合の先発の4年生のキーパーがけがをしてしまって、1年の細井が先発だったのでそれでみんなしっかり守ろうと。リバウンドの処理やシュートをさせないだとかいろいろ作って守りきったので、こういう結果になった。(第2ピリオドでは追加点となるロングシュート)あそこは積極的にシュートを打っていこうと思って、たまたまだったが入って良かった。(危なげない試合運びに見えたが)最初流れがつかめなくてどうなるかと思ったが、2ピリからこっちの足の方が勝ってきてこういう結果につながった。(明日に向けて)いつも通り今日と同じようにしっかり走って、しっかり守って勝ちたい。明日も頑張りたい。
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