【ラグビー】新年度特集③豊田祥平副将

新年度特集第三弾は、豊田祥平副将だ。昨年度は、けがのためリハビリに専念していたが、今年度は、LOとして、そして、副将として、その活躍に期待がかかる。インタビューに受け応えて下さる姿勢から感じられたのは、責任感の強さと実直な姿勢。副将として、今季にかける思い、目標などを語っていただいた。

2016年度副将 豊田祥平

2016年度副将 豊田祥平

 

―副将になるまでの経緯は。

 

そもそも、昨年は、オール早慶明のときに肩をケガしてしまって、公式戦には一度も出場することができませんでした。4年生では確実に(試合に)出るために8月に手術を受けて、そこからリハビリを始めたんですけれども,完治させることはできていなくて、ようやくもうすぐ復帰というところです。そんな中で、まず主将が同期の中で選ばれて、その次にヘッドコーチ、主将、スタッフ、学生コーチを中心に副将を選出するという流れの中で、僕が選出されました。

 

―選ばれた際の心境は。

 

最初は僕でいいのかなという不安しか無かったですね。それも、試合に出ていなくて実績も無い僕に務まるのかな、と。

 

―チームメイトからの反応は。

 

適任だと思ってくれていた人も結構いたようで、すんなり受け入れてくれました。

 

―この一年チームマネジメントの面でどういった取り組みをしていきたいとお考えですか。

 

僕は、副将として常に達哉(主将)の味方でいなければならないな、と考えていて、風通しが良くて、みんなのベクトルが1つに向いている、そういった組織作りをしていきたいと考えています。

 

―今年度からFwdリーダー、Bksリーダーという役職が設置されましたが、副将として彼らとの連携はどうやって取っているのですか。

 

主将と副将がFwdということで、Bks陣の幹部が必要不可欠なのではないかという話になり、今回新たにこういう役職が作られました。やはり、Bks陣をまとめるのはFwdにはできないことなので。そこは、Bksリーダーの清水(環4)をすごく頼りにしています。Fwdリーダーの大樹(総3)は、去年からずっと試合に出ていて、そういう意味で経験値では僕より上ですよね。同じポジションということで、僕がラインアウトを中心にやっていくことになっているので、そこでの連携はしっかり取っていきたいと考えています。

 

―彼らの存在がある上で、プレー以外の面での副将の役割はどういったものになるとお考えですか。

 

FwdリーダーはFwdというユニット単体としてのリーダーなので、ユニットで分かれたときには、大樹が中心になってやっていく形ですね。実際のところ、まだ僕が練習に参加できていないので、そこでの兼ね合いは模索中なんですけれども。

 

―鈴木達哉主将とはどういったお話をされましたか。

 

副将として選ばれる前、達哉に「お前は去年めちゃくちゃ頑張って凄く活躍していたから、今年はお前に負けないぐらい頑張る」と個人的に話をしていて、そういう思いが(彼に)伝わったのか、(副将に)選ばれました。その後は今年のチームはどうあるべきか、という話し合いを重ねて、誇りを持つこと、4年生として尊敬されるようになりたいという話が出ました。

 

―金沢ヘッドコーチとはどのようなお話を。

 

最初に金沢さんから、副将をやってみないかというお話をいただきました。やっぱりリーダーというのは人間性が大事だし、みんながついてこれる人じゃないと務まらないから、というお話をいただき、やってみようと決心しました。

 

―ご自身から見た主将はどういった方ですか。

 

プレー面でいうと、「圧倒的強さ」って感じですね。それ以外の面だと、マイペース、寝るのが好き、だけど自分の軸は持っている。誰に対してでも物事を言える。そういう風には見えないけど、言える。そんな男ですね。

 

―今年度の目標は。

 

今年度の目標は「打倒帝京」ですね。あと、大学選手権の出場枠も去年とは変わってきていて、キーになるのは早大だと僕は思っているので、早大が最大のキーという感じですね。早大には絶対に勝って、最大目標である帝京大に勝つと。

 

―「打倒帝京」というと、昨季、一昨季と同じ目標になります。これまでも達成することができなかった高い目標にみえますが、今年度達成するために慶大に必要だと考えることはなんですか。

 

僕らが考えるのは、一体感ですね。部員数も多いうえにスポーツ推薦もなくて、環境も他の大学と比べるとそれほど良くない中、どうやったら勝てるかを考えたとき、160人全員が切磋琢磨できる環境を整えるには、チームが一体感をもってやらないと成し遂げられないことかなと。部員数が多いことを良い方に捉えて、160人が一体感を持つということで、今年のスローガンは「One Team」に決めました。

 

―では、一体感を持つために行おうと考えている具体的な取り組みはありますか。

 

スローガンを作って一体感を意識したのち、試合前やウエイト前にみんなでコールするようにしています。「One Team」と聞いたら、一体感を出せるように意識づけていきます。

 

―徹底的に共有させていこうということですね。

 

練習中でもどんどん取り入れてきたいですね。

 

―昨季のチームからプレーの面で継続してやっていきたいことは。

 

慶大の生命線はタックルなので、そこは去年よりさらに厳しくやっていかないといけないところかなと思いますね。

 

―逆に改善していきたいところは。

 

セットプレーですかね。やはり、セットプレーからの得点というのは凄く大きな割合を占めています。僕はセットプレーが取れないとアタックの時間も続かないと考えているので、そこの獲得率を上げるために、修正していかないといけないと思います。去年出ていた選手が抜けてしまったので、スクラムは改善していきたいです。

 

―現在のチームの雰囲気と状態はいかがですか。

 

新チームが始まって一体感を持ててやれているなと感じています。

 

―春季リーグの目標は。

 

目標としては全勝ですね。

 

―今季全体における春季リーグの位置付けは。

 

春はどれだけ成長できるかだと思います。試合を通して、試合で出た反省点を次に活かせるかが大事になってくると考えています。夏合宿前のチーム作りの段階として、ステップアップできるステージかなと思います。

 

―先ほど意識しているライバル校として早大を挙げていましたが、特に意識している選手はいますか。

 

僕とポジションが一緒のLO桑野英心選手(ス4)です。1、2年生から試合に出ていておそらく相手のラインアウトの要にもなってくると思うので、そこでは負けたくないという思いがあります。

 

―チーム内で今季ブレイクしそうな選手は。

 

うーん…(しばらく長考した後)CTB丹治(政2)ですね。今年から入ってきた2年生なのですが、去年は訳あって入部はしていなかったんです。でも大学で日本一を目指したいという志を持って新しく入ってきてくれました。高校日本代表候補にもなっていて、スピード、フィットネスがあり、とてもセンスのある動きをしているので、入ってすぐにシニアチームに上がっているし、今年ブレイクするんじゃないかなと思っています。

 

―ちなみに弟のCTB豊田康平選手(総2)はいかがですか。

 

プレーの面では、タックルが良くなったら、もっと上のレベルで出れるんじゃないかと期待しています。あいつも僕と同じで脱臼しているんですね。やっぱり脱臼しているとタックルのところで癖が出てしまうので、僕もなんですけれど、そこをどう治していくかというのが大切なんです。僕と康平の目標が2人で早慶戦に出ることで、去年からずっとそれは2人で話し続けていますね。

 

―最後にご自身について伺います。プレー面で強化していきたいことはありますか。

 

タックルですかね。2回も手術もしているので不自由な肩ではありますが、そのような中で慶大の生命線であるタックルをどれだけ体現できるかが僕の中では鍵になってくるのかなと思います。

 

―最上級生になり、副将に就任したことによって、意識面の変化はやはりあったのでしょうか。

 

チーム全体を見れるようになりましたね。今までは、自分が上に出るため、自分のための努力をすごくしていたんですけれども、全体を見れるようになって、できていない選手を上げるための努力を一緒になってやれるようになったことは、副将になって変わったことかなと思います。

 

LOとしてのご自身はどういった選手だとお考えですか。

 

LOとしてはガンガン目立つようなプレーはしない、どちらかと言うと仕事人タイプですね。自分が突破するよりも、仕事量で他の人を上回って、味方を生かすようなプレーの方が得意です。

 

―ご自身の理想の副将像は。

 

やっぱり、みんなから尊敬されるような副将でいたいなと。達哉の味方でいれる副将で、なおかつ尊敬される、そんな副将ですね。

 

―個人としての今季の目標と意気込みをお願いします。

 

去年出ていなかったということもあって、今年にかける思いは他の4年生と比べても自分が一番強いと思っています。あとは、絶対ケガをしないことですね。試合に出続けて、チームを鼓舞できるような存在になりたいと思っています。

 

―最後にWebをご覧の皆さまにメッセージをお願いします。

 

今年の慶大は一味違うぞというところを皆様にお見せするために、僕らは日々努力しています。今年度、打倒帝京という目標を達成するためにこれからもご声援お願いします。

 

(取材・江島健生)

 

 

豊田祥平(とよだ・しょうへい)

2016年度副将、総合政策学部4年。國學院大學久我山高校出身、ポジションはLO。リハビリに見舞われた昨年度は出場した試合数こそ少ないものの、その人柄が買われ、今年度副将に就任。今季、満を持して復帰する。

 

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