【ソッカー男子】第4節 前半の失点が響き痛恨の敗戦 桐蔭大戦

前節、初勝利を挙げた慶大は今節、いまだ無敗で2位(第3節終了時点)と今季好調の桐蔭大と対戦。連勝して流れに乗りたいところだったが、一瞬の隙をつかれ、前半に2失点。後半は圧倒的にボールを支配し、攻勢に転じ、加瀬澤力の2試合連続ゴールで1点差に詰め寄るも、1点が遠く、そのまま試合終了。前後半を通して多くのチャンスを作りながらも、前半の2失点が響いた形となった。この結果、今季ここまでの通算成績は、13敗となった。

慶大は前節と同じメンバー

慶大は前節と同じメンバーで連勝を狙う

 

第90回関東大学サッカーリーグ戦 第4節

 

2016/4/23(土)11:30KO @川口市青木町公園総合運動場 

慶應義塾大学1-2桐蔭横浜大学 

 

【得点者(アシスト者)】

 

[慶] 56分 加瀬澤 力 (手塚  朋克)

 

 [桐] 28分 石川 大地(佐藤 碧)

    39分 鈴木 国友(石川 大地)

◇慶大出場選手

GK上田朝都(総1・横浜F・マリノスユース)

DF溝渕雄志(環4・流通経済大学付属柏高)

DF宮地元貴(総4・東京ヴェルディユース)

DF望月大知(環4・静岡学園高)

DF井上大(総4・國學院久我山高)

MF豊川功治(総4・ジェフ千葉U-18)

MF加瀬澤力(総4・清水東高)

MF増田皓夫(商2・桐蔭学園高)

MF手塚朋克(環3・静岡学園高)→77分 鴻巣良真(総2・國學院久我山高)

MF松木駿之介(総2・青森山田高)

FW山本哲平(政4・國學院久我山高)→74分 小谷春日(環2・藤枝東高)

 

今節の慶大のスタメンには今季初勝利を収めた前節の法大戦と全く同じ11人が起用された。中でも、前節、強烈なミドルシュートで決勝点を挙げたMF加瀬澤力(総4清水東高)のプレーに期待がかかる。今シーズンいまだ無敗と勢いのある桐蔭大に勝利し、流れに乗りたいところであった。

 

序盤は一進一退の攻防を繰り広げた。8分、加瀬澤のコーナーキックを望月大知(環4・静岡学園高)が折り返し、松木駿之介(総2・青森山田高)がシュート。ゴールネットを揺らすもオフサイドの判定で、ゴールとはならなかった。11分にはDF宮地元貴(総4・東京ヴェルディユース)のパスにMF手塚朋克(環3・静岡学園高)が反応し、右サイドを駆け上がり中央へクロスを送り、中でMF松木が合わせるも、惜しくもゴール右へ外れた。一方で桐蔭大も13分、24分とシュートチャンスを作るも、いずれもGK上田朝都(総1・横浜F・マリノスユース)が正面でキャッチした。

井上はこの日も抜群の安定感を見せる

井上はこの日も抜群の安定感を見せる

そして28分、左サイドからのクロスをFW石川に頭で合わせられ、先制を許した。失点後は慶大がペースを握った。30分には増田皓夫(商2・桐蔭学園高)のパスに反応し、裏に抜け出した加瀬澤がゴールネットを揺らすも、オフサイドの判定。その後も松木、山本哲平(政4・國學院久我山高)らが鋭い突破でチャンスを作った。しかし39分、相手ディフェンスからの1本のパスで一気にゴール前まで迫られ、FW鈴木に得点を奪われ、スコアは2点差に広がった。2点のビハインドで前半を折り返した。

 

後半開始と同時に慶大はフォーメーションを4-5-1から4-4-2に変更した。好調の加瀬澤が2トップの一角に入った。この狙いについて須田監督は「単純に負けていたことと、前半にFWの山本が孤立するシーンが見られたので、FWの孤立を防ぎたかった。」と語った。この狙いは見事に的中し、後半に入ると、慶大が攻勢に出た。まずは51分に松木のパスを受けた手塚がシュートを放つも枠の上。56分、右サイドを手塚が突破し、クロスを上げると、中にいた加瀬澤がヘッドで合わせ、ゴールを奪い、1点差に詰め寄った。

前節に続きゴールを決めた加瀬澤

前節に続きゴールを決めた加瀬澤

59分、70分には今シーズンから10番を背負うFW山本が立て続けにミドルシュートを放つも、ゴールとはならなかった。あと1点が遠いもどかしい展開の中、慶大ベンチが動いた。74分に山本に代えて小谷春日(環2・藤枝東高)を投入、77分には手塚に代えて鴻巣良真(総2・國學院久我山高)を投入した。2人のサイドアタッカーを投入し、サイド攻撃の活性化を図った。81分には宮地からのパスを受けた松木がシュートを放つも、ディフェンスにブロックされた。89分には松木が執拗なプレスで相手DFからボールを奪い、加瀬澤へとつなぎ、加瀬澤がシュートを放つも、惜しくも枠外へと外れた。結局、最後まで1点が遠く、1-2で敗戦となった。

小谷が得意のドリブル突破でチャンスを作る

小谷が得意のドリブル突破でチャンスを作る

 

この試合を通して、選手たちの勝利への欲は所々に見られた。激しい接触プレーもあったが、それを恐れず、闘志を見せていた。ただ小さなパスミスやトラップミスが散見され、それらによりチャンスを自分たちで潰してしまい、逆にカウンターによりピンチを招くシーンが見られた。一方で今節の勝利により首位に浮上した桐蔭横浜大学はミスが少なく、シンプルにボールをゴール前まで運んでいた。今節の敗戦により4試合を終えて1勝3敗となった慶大。「もう次はない」とキャプテンの宮地が言うように、厳しい状況ではある。ただ、まだ全部で22試合あるリーグ戦のうちの4試合が終わっただけである。今後の立て直しに期待したい。

リーグ戦3敗目となった

リーグ戦3敗目となった

 

(記事 佐賀裕真)

 

試合後コメント

須田芳正監督

(今日の試合を振り返って)締まらないゲームだった。このチームは堅守速攻のチームだから0-2になるのはおかしいことだ。攻めているときに準備をしておこうということをずっと話していて、2失点目のシーンでは守備の人数が足りなかった。そういうところが締まらなかった点で、やはり0-2から返すのは難しい。みんな一生懸命やっているけど、バラバラの部分がある。(いい結果が出ていない理由は)ゲームに集中していない選手が何人かいるからだと思います。(対戦した桐蔭横浜大学の印象)スタートダッシュに成功して、今日もチームとしてやることがはっきりしているし、個人の役割もはっきりしていて戦うところも充実している印象がありました。(後半開始時にフォーメンションを変更した意図)負けていたこともあるし、トップが孤立している感じがあったので、前に二人置いておこうと思いました。(今節に向けた練習で意識したこと)ボールを持っているときのトレーニングを結構やりました。ボールの取られ方がよくないことが結構あったので、そこはトレーニングしてきました。 (小谷選手、鴻巣選手投入の意図)サイドアタッカーを投入して、サイド攻撃を活性化させたかったです。(上田選手に対する評価)よくやってくれています。これから、ディフェンスラインとの連携を深めていければ、もっと良くなるはずです。すごく思い切りがいいし、まだまだ伸びると思うので楽しみです。(こういう試合が続くのは苦しいですね)これが実力なので、ただ前期なので思い切った選手交代をして、思い切った戦い方をして、チーム作りをしっかりしていきたいです。頑張ります。

 

宮地元貴主将(総4・東京ヴェルディユース)

 (今日の試合を振り返って)自分たちのゲームプランは無失点にこだわることなのに、前半に2失点したことがよくなかったし、それでは自分たちは勝てないと思います。 (失点シーンについて)1失点目のシーンは真ん中の対応はしっかりできていたが、 人につききれなかったことが失点につながったと思います。2失点目のシーンは望月と僕の準備不足だったと思います。単純に個々の甘さが出たシーンでした。(この1週間のチームの雰囲気)すごくいい雰囲気でしたが、前節の勝ちによって、謙虚になりきれなかった部分があったと思います。 (次節の専修大学戦への意気込み)自分たちの目標である関東リーグ優勝という目標をぶらすことはないし、そのためにも勝たなきゃいけないですし、専修には、自分が入学してから勝ったことがないので、まずは専修を倒すことだけを考えて、もう次はないので、危機感を持って、練習から準備していきたいです。

 

井上大(総4・國學院久我山高)

(今日の試合を振り返って)前半に点を取られて、そこでゲームが終わってしまったかなと思います。堅守速攻を掲げている中で、前半に失点してしまうと後半にどれだけ攻め込んでも相手はゴール前を固めてくるので、前半で勝負あったかなと思います。(前半と後半で変えたことは)フォーメーションをダブルボランチにして相手にミラーでマークに付くようにしたので、誰が誰にマーク付くのかということがはっきりしました。(左サイドの攻撃が多かったことについて)試合前は自分が相手のサイドの裏にボールを蹴り込んで裏を取ろうと思っていました。ただ、自分が上がっても相手の右サイドハーフがついてこなかったので、だったら自分が高い位置を取って裏を取ろうと思ったので、それが結果的に攻撃的なプレーにつながったと思います。(左サイドの松木・小谷との連係について)連係は高まっています。松木は自分がパスを出して前を向くというよりも、自分が縦パスを出して落としたボールをさらっていくような動きをするので、その点では去年からさらに向上させていきたいと思います。小谷は足元に入れて前を向いてドリブルする選手なので、僕が簡単に小谷にパスをして、前を向いて仕掛けさせたいと思います。(次節に向けて)今まで通り相手をスカウティングしてしっかりと対策を立てるのは重要ですが、今日みたいに特徴のある相手だったら立ち上がり10分くらいで相手がどのようなサッカーをしてくるのか特徴をつかまないとこの先イレギュラーな状況に対応していけないと思うので、試合前の準備にプラスして試合中の流れを読むこともやっていかなければならないと思います。

 

山本哲平(政4・國學院久我山高校)

 

(今日の試合を終えて)前節勝っていい流れできていたのに負けてしまって悔しいです。(チームとしての戦い方は)前節と同様に、中盤で構えてカウンターを狙うという形を狙っていました。(自身にも何度か決定機があったが)1-2の場面での右サイドの決定機も決めなければいけないシーンだったし、シュートを5本打ったのに1点も決められなかったというのはフォワードとして責任を感じています。(後半は慶應が押し込む時間帯もあったが)1点とったあとは相手も1点差を守りきろうとしていたので、前からプレスをかけて押し込んで、セットプレーなりチャンスの形を作ってどんどん攻めていこうという感じでした。(今日の敗因は)前半に安易なかたちで2失点してしまったというのが大きな敗因だと思います。でも自分が点を決めきれなかったというのも反省点ですし、それが負けに繋がってしまったのかなとも思います。(次節に向けて)ここ4試合で1勝3敗とふるわない結果ですけど、下を向く必要はなくて、結局どの試合も勝ちを目指してやっているので、そこは変えずに次も勝ちたいと思います。

 

手塚朋克(環3・静岡学園高)

(試合を振り返って)2失点してしまったことが問題だと思います。前半はあえて引いて、ブロックを作った上でカウンターを狙うという戦い方でした。だからこそ、簡単に失点してしまったことは良くないですし、後半で挽回したとしても、前半で2点差というのは厳しいと思います。返せれば良いんですけど、力及ばずという感じでした。(やられていたというわけではなかったが、簡単に失点してしまった原因)攻めている時の守備の準備や攻撃陣の前へのプレスが少し甘かったと思います。あと、前半は結構(ボールを)回している中でしっかりとしたフィニッシュまで持っていけなかったことが原因だと思います。(後半は押し込む展開になったが、具体的に変わった点は)勢いに乗ることはかなり良いことですし、サイドからも中央からも崩すことができたと思います。ただ、何回もチャンスがある中で決めきれないことが課題なので、このままでは勝てないと思います。(一点返したシーンではアシストを記録したが、振り返って)自分のスペースが空いていました。あまり右から攻撃できていなかったし、自分のタッチとクロスには自信を持っているので、結果的に良いクロスになって良かったです。ただ、この試合を通して大チャンスはあの一回だけしかなくて、自分の役割は多くのチャンスを作ることなので、上で戦うためにはもっと回数を増やさなければいけないと思います。まだまだ足りないです。(次節への意気込み)こうやって上手くいっていない中でも、個人個人で役割があるのでそれをしっかりやること。自分としては、まだまだ持ち味を出し切れていないので、もっと結果を出していかないとチームも自分も波に乗らないと思います。そういう部分では結果にこだわって、練習から積み上げていきたいと思います。

 

鴻巣良真(総2・國學院久我山高)

(投入される際の監督からの指示は)とりあえずもう前で勝負しろ、調子が良いんだから前で勝負しろと言われて、もう前に行くことしか考えていなかったです。(球際で闘えていたように感じた)そうですね、そこは自分の強みでもあるので。やれていたのかなと思います。(開幕から流れが悪い中でラッキーボーイ的な存在になれるのは、鴻巣選手をはじめとする控えで出場機会をうかがっている選手だと思うが)なれたらいいなって感じです。なりたいですけど、とりあえず今は役割を果たすことしか考えていないので、またチャンスをもらったら頑張りたいです。(次の試合への意気込みを)点ですね。点に絡むようなプレーをしたいです。

 

松木駿之介(総2・青森山田高)

(今日の試合を振り返って)桐蔭大にやりたいサッカーをやらせてしまったというか、桐蔭大は今季堅守速攻という形で去年の僕たちみたいなサッカーをやられてしまって、本当にもったいなかったなと思います。(前節初勝利を挙げて気持ちの面で楽に試合に入れるのかと思ったが、やっていて試合の入りはどうだったか)全体的にチームとしてやりたいことはやれていたと思うし、ただその中でボールを持てていた分最後の最後でゴールを奪えなかったというところが反省点だと思います。(後半の出来を考えると、前半がすごくもったいなかったなと思うが)決定機を作られたのも結局(失点シーンの)あの2本くらいだったと思うので本当に関東リーグは甘くないなと感じたのと、後半の戦いはゲーム展開的に桐蔭大が2点差あったのであっちも気持ち的に落ち着いていたと思うし、僕たちはもう取りに行くしかない状況だったので、必然的にああいう流れになったのかなと思います。前半から後半のようなサッカーができるかと言ったらゲームの流れもあるので難しいとは思いますけど、もっともっと迫力を持ってやりたかったです。(次の試合に向けた改善点は)形は徐々に見えてきているので、最後の最後詰めのところ。攻撃面はそこと、守備面は筑波大戦もありましたけど前線でボールを蹴らせてしまった後の処理とクロスの対応というのはずっと課題に挙がっていると思うので、そこを早く改善できれば去年のような隙のない固い守備ができるようになると思うので、課題がはっきり出ている分しっかり修正していきたいです。

増田皓夫(商2・桐蔭学園高)

(今日の試合を振り返って)ほとんどの場面で慶應が攻めていたので、法政大戦のようにしっかりと攻めきるということができなかったので、前半2失点食らってしまったのが痛いというのがあります。(前半と後半で試合の流れが大きく変わったがその要因は)後半はポジション変更して4-4-2にして相手が戸惑ったというのもあるし、0-2という展開だったのでしっかりと前からプレスをかけて後ろで取りきって、そのこぼれ球も取れたので、それが慶應の流れになった一因だと思います。(後半のあの流れの中で勝てなかったが、チームや個人として足りない部分は)個人としては、前半は加瀬澤力さんがオフサイドになったシーンのスルーパスとかあって、ああいうパスをどんどん増やしていかないといけないと思うし、サイドに展開するっていうボールは自分はできていると思うので、それにプラスして決定的な仕事ができるように意識してやっていきたいと思います。(次節専修大戦に向けて)専修はあんまり慶應が勝ってないチームで、だからといって臆せず慶應らしく戦えば勝てる相手だと思うので、しっかりと準備して戦いたいと思います。

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