ここまで5勝負けなしでリーグ2位につける慶大バレー部。今日の相手は現在11位で、いまだ今季勝利なしの桜美林大学。格下相手ということもあり、ストレート勝ちが予想されたが、現実は甘くなかった。第1セットを自分んたちのミスで落とすと、第2セットも19-24と相手にセットポイントを握られ、絶対絶命のピンチに。しかし上野素希(文4)のブロックなど、7連続ポイントで逆にこのセットを取ることに成功。その後のセットでも再三リードを奪われるが、何とか終盤の追い上げで得点を重ね、この試合を勝利で飾った。5月7日(土)春季関東大学男子2部バレーボール第6戦 慶大×桜美林大@亜細亜大学体育館
得点 | ||
慶大 | セット | 桜美林大 |
21 | 1 | 25 |
26 | 2 | 24 |
25 | 3 | 23 |
25 | 4 | 23 |
スタメンにこの男が帰ってきた。昨季サイドのエースとして大活躍した池田裕哉(環4・北嵯峨高)である。しかし本職とは違うセッターでの出場となった。正セッター・尾木将(政3・修道高)のケガで急遽池田がセッターにコンバートされたのである。
第1セット。「スパイカーで試合に出た時の自分の気持ちと、セッターとしてコートの中に入った時の気持ちが全然違って、緊張かなにかわからない状態で1から4セット目までプレーしてしまった(池田)」と語るように堅さからトスのミスが目立った。加えてブロックの連携も合わず、相手スパイカーに思い通りに攻撃されてしまい、4-11と大きくリードを許してしまう。なんとか黒田彪斗(環3・富山第一高)の攻撃が決まり、徐々に反撃に転じるも、勝負所でのサーブミスも響き、このセットを21-25で落としてしまう。
第2セットでは宗雲監督が動く。今日不調の布川智規(商4・桐朋高)に代え期待のルーキー・マルキナシム(総1・川越東高)がコートへ。そのマルキが相手サーバーに狙われ、このセットも苦しい展開に。黒田のスパイクで点を取っていくが、連続ポイントがなかなか奪えない。頼りのルーキー富澤太凱(経1・慶應高)には今日はミスも多いためかボールが回らず、なかなか反撃の糸口を見つけられず、19-24と相手のセットポイントに。だがここから慶大バレー部の今日1番の見せ場に突入する。相手のサーブミスで1点を返すと、その後は上野のブロック、そして富澤、マルキの1年生コンビがそれぞれ2本ずつスパイクを決めるなどして7連続ポイントを奪い、見事逆転をしてこのセットを取る。
第2セットの流れに乗りたい慶大だったが、そう上手くはいかなかったのが第3セット。序盤に大きくリードを奪い、楽な展開に持ち込むことを期待されたが、富澤のサーブミスや黒田のスパイクミスもあり、中盤まで終え、16-15と息の詰まる接戦となる。相手のミスもあり、一度は22-20と2点のリードを奪うが、ラリー戦でチャンスボールを2本得点に結びつけられず、22-22の再び同点に。それでもレシーブでミスをしたマルキが名誉挽回のスパイクを2本決めるなどして25-23でなんとか第3セットを取った。
第4セットは相手のミスに助けられた。このセットだけで相手が5本のサーブミスをして、慶大が終始リードを奪う。このセットでは今日元気のなかった富澤にもブロックが飛び出すなど当たりが戻り出す。中盤慶大のミスが目立ち、相手に3連続ポイントを奪われ、タイムアウトを要求する場面もあったが、最後はこのセットもマルキの得点でこの試合を勝利で終えた。
予想外の苦戦を強いられた。第2セットも怒涛の7連続ポイントがなければこの試合の勝敗は全く別のものになっていたかもしれない。正セッター尾木がいないことは「緊急事態(宗雲監督)」とも捉えられるが、このような苦しい場面をバレー部全員で乗り越えられたら、チーム力はさらに強くなるのではないか。その意味でも次の大東文化大戦での勝利は大きな意味を持ってくる。慶大バレー部の目の前に今大きな壁がそびえ立っている。
次戦 5月8日(日) VS大東文化大 @亜細亜大体育館
昨季リーグ戦、インカレと2敗を喫した相手に今年の慶大バレー部はどのように戦うのかが見どころだろう。次の戦いにも注目だ。
(記事:後藤 理央)
宗雲健司監督
(今日の試合を振り返って)
疲れました。
(セッターは池田選手を起用しましたが)
練習の時の方が良かったです。試合になると、(練習でやってきたことを)すべて出そうとするのでトスがぶれてしまっていましたね。
(マルキ選手を第2セットからの起用でしたが)
第1セットを落としたというのもありますし、マルキ選手は最近サーブレシーブが良いので思い切って代えました。サーブレシーブでは何本かははじいていましたが、Aパス入ったのも多かったんじゃないかと思います。スパイクの効果も考えると、プラスで終われたのではないかなと思います。
(増田選手も佐藤選手に代えての起用でしたが)
見てのとおりプレーがバタバタとしていたので少しゲームを落ち着かせる、ボールを落ち着かせられる選手が必要だなと思いまして、増田選手はバレーをよくわかっているので増田選手を入れました。
(第1セットを取られた要因は)
こっちのミスが重なったのと相手のデータと少し違ったような攻撃(クイックや割と速い攻撃が多かったこと)で準備不足というか少しテンパったからだと思います。
(明日大東大戦に向けて)
とにかく尾木選手がいなくて今は緊急事態なので自分たちのことがちゃんとできれば良いです。底の部分にだけ集中してくれればなと思います。
上野素希主将(文4)
(試合を振り返って)
先週尾木がけがをして、セッターがいない状態で日曜日を何とか乗り切って、2週間開いて今度は池田がセッターになったんですけど、2週間開いたことにとって合わせる時間があったという意味においては良かったんですけど、逆に良い勢いというのは失われたような気がして、試合前はちょっと不安だったんですけど結果的に2セット目から立て直すことが出来てよかったと思います。
(勢いが失われたというのは練習から感じていたということか)
うちは試合をやっていく中でどんどん上がっていくタイプなのでそこで時間が空いたということですね。練習自体はそんな変わっていないんですけど、実際に試合に入ると、試合感を取り戻すのに時間がかかるかなとは思っていました。
(2セット目から出ていたマルキ選手は)
大学に入って初めてのスタメンなのですごい緊張していたと思うんですけど、2セットの最後、あの開いた場面から連続でブロックだったりとかが決まってそこからスパイクが何本も決まりだして、そこで一皮むけたかなと思います。
(池田選手のセッターは)練習では合っていたんですけど。彼は一年生の時はセッターとして出ていたんですよ、それでまた4年生になってセッターとして出て、結局久しぶりだったので緊張したのかなと思います。
(次戦に向けて)明日も今までやってきたことを出して乗り切って、来週になれば尾木が戻ってくるのでしっかり来週につなげたいと思います。
池田裕哉(環4)
(今日の試合を振り返って)
緊張かなにかわからない状態で1から4セット目までやってきて、チームメイトには散々迷惑をかけてしまいましたし、コンビが合わなかったせいでああやって1セット取られてしまったので、次の対戦相手は大東ですけど、まあ今日やったところよりも強いのでもう一回気を引き締めてやっていきたいなと思います。
(1週間空いて少し固さが戻ってしまったように見えたが)
その通りですね。4年前セッターとして入部して、2年生からスパイカーとして出場して、また尾木が怪我してしまったので自分がセッターとして出場させてもらったんですけど、やはりスパイカーで試合に出た時の自分の気持ちと、セッターとしてコートの中に入った時の気持ちが全然違って、2本目スパイカーに良いトスを上げるという感じのプレーに今日は全然慣れてなかったので、明日もう一回やっていきたいと思います。
(今日の課題や収穫は)
一番はコンビが合わなかったのと、あとは自分のドリブルとかで相手のムードが変わってしまったりとか、セッターとしてはそれは絶対やってはいけない。明日は自分のそういうミスをなくしつつ、元気あふれる、活気あふれるプレーを心掛けていきたいです。
(セッターの練習を本格的に始めたのは尾木選手の負傷からか)
そうですね。監督から将が怪我をしたときに、お前今日からやってくれと。まあ4年生なのでチームのためにとやってみたものの、今日がこんな感じだったので、もう一回ちゃんとやっていきたいですね。
(今日はマルキ選手や初出場の選手がいて合わせるのに苦労した点もあったのでは)
そうですね。まあそれでも監督がとりあえず高く上げとけって言ってくれたので少し楽に上げられたかなというのはあります。それでもマルキとか初出場した選手とかがいきいきとプレーしてくれて、こっちとしてもありがたいです。
(次戦の大東文化戦にむけて)
先ほど言った通り桜美林より全然強い相手なので、それでも負けない強いメンタルとセッターとしての覚悟をもって1部復帰を勝って果たしたいと思います。
サイド | 黒田 彪斗(環3・富山第一高) |
セッター | 池田 裕哉(環4・北嵯峨高) |
センター | 佐藤 康平(環3・桐蔭学園高) |
オポジット | 富澤 太凱(経1・慶應高) |
サイド | 布川 智規(商4・桐朋高) |
センター | 上野 素希(文4・甲陽学院高) |
リベロ | 松岡 海(文3・慶應高) |
途中出場 | 増田 拓人(環3・習志野高) |
| 長澤 翔吾(環3・盛岡第一高) |
| マルキ ナシム(総1・川越東高) |
| 岩本 龍之介(商2・仙台第二高) |