第24回早慶ラクロス定期戦。慶大女子ラクロス部は10連覇をかけて、宿敵早大と伝統の一戦を戦った。試合開始早々、副将のMD浅野(環4)のフリーシュートが決まり先制。その後は点の取り合いになると、3-4で迎えた前半24分にAT西村(経2)が早慶戦初出場初ゴールとなる1点を決め同点で折り返す。だが、後半早大アタック陣の巧みなパス回しの前に翻弄され立て続けに3失点。慶大はなかなか攻めに転じれず無念の試合終了。4-7で敗れ早慶戦10連覇という偉業は達成できなかった。
第24回早慶定期戦
5/15(日) 13:00ドロー
@日吉陸上競技場
| 前半 | 後半 | 合計 |
慶大 | 4 | 0 | 4 |
早大 | 4 | 3 | 7 |
スタメン
ポジション | 背番号 | 名前 | 学部・学年 | 出身高 | 得点 |
G | 61 | 梶谷香月 | 商4 | 学習院女子 | 0 |
DF | 3 | 大木茉莉 | 総3 | 慶應NY | 0 |
DF | 20 | 岩波友香 | 法4 | 慶應女子 | 0 |
DF | 30 | 松本彩花 | 経4 | 慶應女子 | 0 |
MD | 11 | 竹村薫 | 環3 | 桐蔭学園 | 0 |
MD | 42 | 力丸絢 | 法3 | 慶應湘南藤沢 | 0 |
MD | 44(C) | 渡邉ひかり | 法4 | 慶應女子 | 0 |
MD | 54 | 浅野玲子 | 環4 | 国際基督教大付 | 1 |
MD | 73 | 伊藤香奈 | 経2 | 慶應女子 | 0 |
AT | 1 | 早乙女華子 | 経4 | 慶應女子 | 0 |
AT | 33 | 西村沙和子 | 経2 | 慶應女子 | 1 |
AT | 99 | 出原佳代子 | 経3 | 慶應女子 | 1 |
ベンチ入り選手
ポジション | 背番号 | 名前 | 学部・学年 | 出身高 | 得点 |
G | 49 | 横田真央 | 経2 | 渋谷幕張 | 0 |
DF | 70 | 飯豊広奈 | 政3 | 慶應女子 | 0 |
DF | 87 | 早川芳 | 総4 | 日本女子大附属 | 0 |
MD | 97 | 小久保まり奈 | 政2 | 慶應NY | 0 |
MD | 89 | 山﨑茉莉花 | 政3 | 渋谷幕張 | 0 |
MD | 96 | 白子未祐 | 文3 | 慶應女子 | 1 |
AT | 32 | 友岡阿美 | 政2 | 慶應女子 | 0 |
AT | 43 | 藤川悠希 | 商4 | 慶應湘南藤沢 | 0 |
第24回早慶ラクロス定期戦が今年も晴天のもと、ホームの日吉陸上競技場で行われた。対戦相手の早大は9連敗中であり、打倒慶大への思いは強い。10連覇か。10年ぶりの勝利か。意地と意地のぶつかり合いとなった。
前半、5分に相手のパス回しをMD伊藤(経2)がカットすると、そこからボールを繋ぎ、最後はMD浅野(環4)がゴール前で反則を受ける。そこで得たフリーシュートを浅野がきっちり決め大事な一戦の先制点をもぎ取る。7分に慶大のディフェンス時の反則から今度は早大にフリーシュートを与えてしまい、失点。直後の9分に再びフリーシュートを得るとAT出原(経3)が決めまたもリードを奪う。さらに攻勢を仕掛けた慶大は直後にAT西村(経2)のシュートがネットを揺らしたが、反則を取られノーゴール。すると、12分13分と立て続けに早大にゴールを決められこの試合初めてリードを許す。20分に慶大はゴール前に侵入したMD白子(文3)がショットを決め再び同点。23分に1点取られるも、24分G横田(経3)のセーブから、MD浅野がゴール前にロングパスを渡すと最後はAT西村が落ちついて、出てきた Gを見極めループシュートを流し込んで同点に追いつく。シーソーゲームとなったが、前半を4-4で終える。
後半早々、早大の反則からボールを奪った慶大は繋いでいき、AT西村がシュートを放つも相手のGのセーブに阻まれる。さらに5分にはAT出原がフリーシュートからゴールを決めたかと思ったが、イン・ザ・クリースの反則。勝負所でのアタックの反則が勝敗を分けた。一方早大は反則によって流れを完全に引き寄せていった。その後、早大がゴール前でボールを回す時間が増えていき19分までに3得点を奪い試合を決定づけた。慶大も必死のディフェンスで食らいついていったが、それを上回る早大アタック陣巧みなパス回しには主将のMD渡邉(法4)も「技術の差を感じた」と完敗だった。4-7で敗れ、早慶戦10連覇の夢は潰えた。
10連覇。環境が変わり、選手も変わって行く中で10年間勝利のタスキを繋がなければならない。達成すればとてつもない偉業であった。「大きな十字架を背負っていた」(浅野)。当然選手たちには大きなプレッシャーがかかっていただろう。ただ、【3冠=日本一】を目標とするチームにとって改めてゼロからチームを見直さなければならなくなったことは間違いない。秋のリーグ戦で早大は必ずや大事な一戦で相見えるだろう。その時、本当の真価が問われる。2016.5.15を”WIN THE DAY”シーズンにとって大事な日であったと振り返れるよう慶大女子ラクロス部の新たな戦いが始まる。
(記事:森田悠資 写真:江島健生)
以下、選手コメント
渡邉ひかり(法4=慶應女子)
(今のお気持ちは)単純に悔しいです。10連覇とか言われてたんですけど、そういうの関係なしに目の前の早慶戦に勝ちきれなかったのが悔しいです。(今日の試合を振り返って)負けた今だから言えることなんですけども、一人一人覚悟が足りなかったかなと思って。もちろん試合前にこの試合を勝ちきるという覚悟を持って臨んだとは思うし、それは当たり前のことですが、こうして負けてしまったということは何か覚悟が足りなかったし、準備が足りなかったんじゃないかなと思うので、今後改善するとしたら、より準備をしっかりして覚悟を高く持ってやるというのを改善点にしたいです。(ご自身のプレーを振り返って)私自身も、正直全然ダメだったなと思っていて。一人でなんでもできるっていうのが理想のチームプレーではないと思ってるんですけど、やっぱり主将としてもっとやれることは広くないといけないし、もっとやれたと思うし、やらなきゃいけないんじゃないかとも思います。なので秋のリーグ戦でフィールドに立つ時は、もっと自分のやれる幅を広く持って、強い選手になりたいと思います。(早大との差は)単純に技術の差だったかなと思っていて、慶應は10連覇がかかっていて、早稲田は9連敗していたから死に物狂いで戦ってくる、ということで気持ちは向こうの方が強いという話もされてはいたんですけど、結局負けた理由は技術かなと思っていて、そこが一番の差かなと思います。(試合後チーム内でどんなお話を)今日の早慶戦は2度と来ないし、負けは負けなので、これで引退じゃなくて秋のリーグ戦があってよかったです。ゼロからのスタートでリーグ戦は絶対勝つというところまでレベルを上げていきたいです。(今後に向けて)今までやってきたことは間違いではないなと感じていて、ただどうやって質を高めるかというところやそれぞれができる幅をどうやって広げていくかというところを考えていく必要があると思うので、次はリーグ戦なので、強いチームを作っていきたいなと思います。
浅野玲子(環4・国際基督教大学高)
(今のお気持ちは)単純に悔しい気持ちでいっぱいです。(チーム内で試合に臨む前はどのような話しがあったのか)試合に入る前に主将の渡邉と「誰よりも良い笑顔で試合に入ろう」と話しはしていたので、楽しむ気持ちを忘れずに試合に入って仲間もそんな姿を見てついてきてくれればいいなと思っていました。(前半は一進一退の攻防でしたが、前半の入りはいかがでしたか)どっちが最初のボールを取れるのかが勝負だったので、ドローに賭けていて、そこからとりあえず1点を取って、相手に嫌だなと思わせるプレーをしていこうというのがチームの意識としてありました。(後半のチームのプレーについては)チームに関しては向こうに点を取られて、私たちが点を取り返せなくてという形でしたが、流れを持って行かれたときに引き戻すだけのチームの一体感、個々の強さが足りなかったと感じています。練習試合や試合でもそういう場面はあるんですけど、こういった大きな舞台で引き戻せなかったというのが今の現実であって、そういう部分は今のこの気持ちを忘れずに、次の練習であったり試合でどういう風に結果を残していくのかを大事にしてやっていければなと思っています。(ご自身のプレーを振り返って)私は2年生のときにベンチに入ったんですけど1分も試合に出れなくて、 3年のときはスターターで出れて、と色んな気持ちでこの4年目を迎えたんですけど、誰よりも楽しみたいなという気持ちが強くて、ボールが回ったときは何か やってやろうという気持ちで臨めたのは良かったかなと思います。(試合後にOGやコーチからチームに向けて話しがありましたがどういった内容でしたか) 私が凄く印象に残っているのは、慶應には日本一を取った後の次の年に決勝で負けてしまったりだとか、関東を優勝した後のFINAL4で負けてしまったりと そういった十字架を背負った試合で勝てない弱さがあるというお話しをいただきました。今日も10連覇という大きな十字架を背負っているなかで、結果を残せなかったので本当にその通りだなと思いましたが、逆に今回結果を残せなかったからこそ、運が良く、といったら言い方がおかしいかもしれませんがリーグ戦が 残っているので目指そうとしている日本一という目標は絶対に達成したいという気持ちがより湧きました。ここで慶應の歴史を塗り替えることができるんだと思うことができたので、今後も頑張っていきたいと思います。
西村沙和子(経2=慶應女子)
(試合を終えて今の気持ちは)ただ悔しくて、OGの方たちには勝てなくて申し訳ないという気持ちもあるんですけど、それを無しにしても自分の試合に勝てなかったことが本当に悔しいです。(今回の試合を振り返って)前半は勝つという気持ちで臨んで、同点まで持って行けたところまでは流れは悪くないし自分の強さを出せたなという感じはありました。ただ、後半で相手の流れに持っていかれてしまって、私は特にアタックなのでディフェンスの時間が長い分もどかしい気持ちがあったので本当につらかったです。(自身のゴールについて)浅野選手から目が合った瞬間にロングパスが来るとわかって、すぐに切り替えてロングパスを受けました。後ろを振り返ったらゴーリーが外に出ていて、自分で走っていってゴーリーに近づくか、そのまま打つかすごく迷ったんですけど、走っていくよりもその場で打ったほうがいいかなと瞬時に判断してそれを打てたことはよかったです。(早大の印象は)三校合宿でぼろ負けしてしまって、六大戦では同点で終わってしまったので早慶戦では勝ちたいなと思っていました。うまく言えないんですけど、圧倒されてはいないんですけど、終わってみると勝てなかったんだなと今になって実感している感じです。(今後に向けて)日本一を掲げているので、今日の試合を踏まえて日本一に向けてまた一からチームを作り直していきたいと思います。