【弓道男子】全国選抜覇者、無念の一回戦敗退/第64回全日本学生弓道選手権大会

全国優勝校として臨む全日本

全国優勝校として臨む全日本

8月9日から8月11日にかけて行われた全日本学生弓道選手権大会。優勝すれば11月に行われる王座決定戦の出場権を獲得する。全国選抜王者として挑んだ一戦だったが、結果はまさかの一回戦負け。秋のリーグ戦に向けて課題の残る試合となった。

 

第64回全日本学生弓道選手権大会

8月9日(火)、10日(水)、11日(木)@日本武道館 

 

団体戦

ポジション

選手名

予選

選手名

一回戦

大前(おおまえ)

日野浩明

(文3・慶應義塾)

本郷一輝

(法1・慶應湘南藤沢)

2番

蜂谷康一郎

(商3・桜修館)

蜂谷康一郎

佐久間淳

(環4・慶應義塾)

日野浩明

(文3・慶應義塾)

落前(おちまえ)

山下健太

(商2・慶應義塾)

山下健太

落(おち)

稲熊渉

(総4・城北)

佐久間淳

(環4・慶應義塾)

合計

 

16

 

14

対戦校

 

 

 

鹿児島大

合計

 

 

 

16

※ 1回の試合で各選手4本の矢を放つ。トーナメントは2チームが同時に矢を放ち始める。男子団体は1チーム5人で構成され、計20本のうち的に中(あた)った本数の多いチームが勝ち進む。

 

6月の全国選抜で優勝し、各大学からのマークも厳しくなった慶大。全日本(インカレ)は優勝すれば王座への出場権を得ることができる。全国選抜以上の重要な大会に、メンバーを少し変更して挑んだ。

予選は16中で7位タイでの通過。1位は20射皆中と、昨年よりもハイレベルな展開となる。上位8チームがシード権を得るが、抽選により慶大は一回戦からのスタートとなった。

一回戦の相手は鹿児島大学。予選では14中と、一手競射を経てギリギリで予選通過を果たしている。前日とはメンバーとポジションを入れ替えての初戦、慶大は前半の2本を10射8中と上場の折り返し。1本差のリードを守りたかったが、慶大は3本目を中てられず鹿児島大に逆転を許す。4本目を残して3本差と万事休す。最後は全員的中するも、差を埋めきれず一回戦負け。全国選抜王者は早々に姿を消した。

敗因はやはり自分たちの実力を出し切れなかったことにあるだろう。「若干準備不足だった面が否めない」(鈴木清久監督)、「何かしら不安要素を抱えていてそれがそのまま試合で出てしまったのではないか」(稲熊渉主将・総4)と語ったように、技術面と精神面の両方に揺らぎがあった。しかし負けたままで終わらないのが今年の慶大弓術部。全関東の敗戦から1週間で全国優勝という結果を導いた実績がある。消化不良で終わったこの悔しさは、秋のリーグ戦にぶつけてくれるはずだ。

 

 

男子個人戦

選手名

3次予選

射詰(尺二)

射詰(八寸)

廣田将也

(法2・慶應湘南藤沢)

×○

 

 

山下健太

(商2・慶應義塾)

○×

 

 

小林拓貴

(商3・慶應義塾)

××

 

 

蜂谷康一郎          

(商3・桜修館)

○○

 ○○○

 ○×

日野浩明

(文3・慶應義塾)

○×

 

 

村田滉

(商4・清風)

○○

× 

 

久慈直仁

(経4・慶應義塾)

○×

 

 

菅谷脩

(法4・韮山)

○○

× 

 

※まずは一手(2本)の3次予選を行い、2本詰めた者のみが射詰(尺二・36㎝)に進む。さらに3本詰めたものは的が八寸的(24㎝)に変更される。射詰はサドンデス方式で進められ、外した者は順位決定の遠近競射により10位まで決定する。

 

団体予選の敗戦から一夜明け、個人戦が行われた。慶大からは8人が出場するも、3次予選で3人にまで絞られる。その中でも全関東で4位入賞、全国選抜優勝のメンバーである蜂谷康一郎(商3)が安定した射で的中を重ねる。射詰も難なく3本的中し、2日間を通じて抜いた本数は0。この試合も入賞への期待が高まる。的替えが行われ、小さくなった的に向かう6本目も動じず的中。しかし続く7本目はわずかに外れ入賞とはならなかった。

 

的中だけでなく美しい射も印象的だ

的中だけでなく美しい射も印象的だ

(記事:村上慶太)

 

 

監督・選手のコメント

 

鈴木清久監督

大変残念な試合で、若干準備不足だった面が否めない。下級生は試験があり、練習量が不足していたということに尽きる。基本的に試験中には練習をせず学業を優先しているので、もう少し選手としての意識を持って高めてもらいたかった。維持しか出来ていなかったので結果としては低下したので、合宿に向けて巻き直していく。全体として選手が8人いて、的中のレベルは上がっているところもあったが安定せず、誰が出るか分からないという状況が結果としては奮わなかった。選手8人の質を高めるということと、16人の1軍選手がいないとリーグ戦は戦えないので、これから選手を増やすということで質の高い練習を合宿でやっていきたい。合宿ではとにかく一生懸命に引く。稲熊主将もミーティングで一生懸命引けという話をしていたので、その通りやっていく。合宿でも頑張って、リーグではこのような結果にならないようにしていきたい。

 

稲熊渉主将(総4)

練習の時からしっかり息を下ろして強い矢を出し、自分のやることをやりきるということを言っていたが、何かしら不安要素を抱えていてそれがそのまま試合で出てしまったのではないか。相手に負けたというよりも自分自身に負けてしまったというほうが正しいと感じている。この試合に向けて特別練習した事は特にないが、しっかり体配からそろえて一本一本丁寧にひくということを春シーズンからやってきたのでやること自体は間違っていなかった。しかし各自の意識がどれほどだったのかというところは結果を見るとやはり甘かったと言わざるを得ないと思う。練習と違った点は特になかったが、自分がこれをやったら中るだろうなど、必死さに欠ける部分があったのかもしれない。特に三本目一人しか中らなかったこともあり、もう少し相手のように粘り強く、抜いても次の矢をしっかり中てる等、そういったところで勝負の分かれ目になった時に自分の強い矢を出せなかったところは非常に大きな反省点だ。練習は嘘をつかないと思うので、しっかり練習しこれだけ練習したのだから大丈夫、と自分で言えるくらい自信を持てるようリーグ戦と王座に向けて頑張りたい。

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