【ソッカ―(男子)】第18節 逆転負けで明大の優勝が決まる 明大戦

前節引き分けたことでインカレ出場に暗雲が立ち込めてきた慶大。今節の相手は、この試合の勝利でリーグ戦優勝が決まる明大だ。前線から激しいプレスで相手のミスを誘う慶大は、前半15分にFKを獲得し、明大のゴールキーパーがクリアしたところを田中健太(法3・横浜F・マリノスユース)が決めて先制する。しかし、前半28分、右サイドからフリーでクロスを上げられ、守備が乱れたところを突かれ失点し追いつかれる。さらに前半アディショナルタイムに間接FKからのクロスで逆転される。後がない慶大は積極的に仕掛けていくも明大にペースを握られ、無念の敗戦。目の前で明大の優勝が決まった。

主将宮地は最後まで闘う姿を見せた

主将宮地は最後まで闘う姿を見せた

 

関東大学サッカーリーグ 第18節

2016/10/15(土)14:00KO@江戸川区陸上競技場

慶應義塾大学1-2明治大学

 

【得点者(アシスト者)】

〔慶〕15分 田中健太

〔明〕28分 土居柊太(岩田拓也) 45分丹羽詩温

 

◇慶大出場選手

GK田野稔明(経3・慶應義塾高)

DF溝渕雄志(環4・流通経済大学付属柏高)

DF沼崎和弥(商1・暁星高)

DF豊川功治(総4・ジェフ千葉U-18)

DF佐藤海徳(政1・桐光学園高)

MF宮地元貴(総4・東京ヴェルディユース)

MF落合祥也(商1・横浜FCユース) → 86分 渡辺夏彦(総3・國學院久我山高)

MF手塚朋克(環3・静岡学園高)

MF田中健太(法3・横浜F・マリノスユース) → 76分 小谷春日(環2・藤枝東高)

FW近藤貫太(総1・愛媛FC) → 76分 加瀬澤力(総4・清水東高)

FW山本哲平(政4・國學院久我山高)

 

前節引き分けたことでインカレ出場が危うくなった慶大。対するは今節の勝利でリーグ優勝が決定する明大。次節から上位陣との対戦が続くだけに、首位明大を倒し勢いに乗りたい。スタメンは負傷中のDF望月大知(環4・静岡学園高)に代わり沼崎和弥(商1・暁星高)、MF松木駿之介(総2・青森山田高)に代わり田中健太(法3・横浜F・マリノスユース)が起用された。

 首位相手になんとしても負けられない慶大は2分、いきなりピンチを迎える。パスミスを奪われGKと1対1を作られてしまう。しかし前節初のリーグ戦出場を果たしたGK田野稔明(経3・慶應義塾高)が体を張ったセーブを見せゴールを死守。その後は明大にボールを持たせるも前からの激しいプレスでボールを奪いとっては素早いカウンターを仕掛けて行く。そして試合は前半15分に早くも動いた。相手のパスミスから左サイドに抜け出した田中が倒されFKを獲得。クロスは明大のGKにクリアされるも、それを拾った田中がDFの隙間を抜いてゴールを決め、首位明大相手に先制した。

田中がこぼれ球を振りぬき先制

田中のゴールで先制

 

先制ゴールでペースを握った慶大はその後も前線からプレスし、明大のミスを誘っては仕掛けていくも、得点につながらない。22分にはMF手塚朋克(環3・静岡学園高)がスルーパスを受け、ドリブルで相手の陣地深くまで駆け上がり倒されるもノーファールの判定だった。

 守備を固める慶大だったが、26分に左からのクロスがフリーで渡ってしまう。ここは田野が飛び込んで止めたが28分に右からのクロスがまたもやフリーの選手に渡ってしまい、失点。

山本がゴール前まで迫るが得点を奪えない

山本がゴール前まで迫るが得点を奪えない

左右からの波状攻撃でリズムが崩れた慶大は、明大に主導権を握られる時間が多くなってしまう。そして45分、GKが蹴ったボールが左サイドの選手に渡り、ドリブルで突破され中に折り返されてしまい、DFが乱れた隙を突いて突破され、ゴールを決められ逆転を許してしまう。

 

後半も明大にペースを握られてしまった慶大は、76分に小谷春日(環2・藤枝東高)と加瀬澤力(総4・清水東高)を投入し運動量を活かしたプレーを仕掛けていくが、明大の守備は固く、簡単にボールを奪わせてはくれない。

途中出場の小谷が前線でキレのある動きを見せる

途中出場の小谷が前線でキレのある動きを見せる

なんとしても1点が欲しい慶大は94分にロングスローから猛攻を仕掛ける。中央に出したスルーパスがオフサイドの判定を受けてしまい、そのまま試合終了。明大は今節の勝利でリーグ戦優勝を決めた。

手塚は素早いドリブル突破から何度もチャンスを作った

手塚は素早いドリブル突破から何度もチャンスを作った

 

今節を終えてインカレ出場がさらに怪しくなり、残留争いの危険も残る結果となった。次節も上位陣との対戦が続く中、主将の宮地元貴(総4・東京ヴェルディユース)が語るように、いかに自分たちの甘さや弱さを克服するかがこれからの試合の鍵になるだろう。残り少ない試合を全力で戦い、インカレ出場を勝ち取りたい。

 

(記事 中村駿作)

 須田芳正監督

(今日の試合を振り返って)相手のレベルが違った。相手の方が一枚上で、実力的には今のままだと厳しい。(試合プランについて)しっかり失点をしないでゲームに入っていき、相手の裏にボールを出して、相手陣内で仕掛けてはフリーキックやコーナーキックを取るように行った。前半に幸先よく狙い通りの形で得点できたので、そこからは守備を固めていったが、簡単に失点を許してしまった。(最終ラインに1年生を起用したことについて)けが人が出たことで代替の選手を選んだ。これから先を担う1年生を積極的に起用した。(次節に向けて)非常に苦しい展開になったが、これから残留を目指してやっていくしかないので、チーム一丸となって目標を目指して戦っていく。

 

宮地元貴(総4・東京ヴェルディユース)

(今日の試合を振り返って)自分たちの甘さや弱さが出た試合でした。(守備と攻撃の切り替えについて)無失点に抑え、セットプレーのチャンスを活かして得点するというサッカーをこの一週間掲げてきたので、前半の途中まではプラン通りに行けました。しかし、首位明治ということもあり組織としてではなく、個人個人がマークにつけなかったり、相手に寄せられなかったりしたことで失点してしまいました。(最終ラインに1年生が多かったことについて)学年は関係なく、グラウンドに戦う資格があるだけの力を持つ選手たちばかり。キャプテンとして、4年生として、後輩たちがプレーしやすい環境を作るために、まずは自分たちが個人のできることを最大限やることがサポートになると思います。一人ひとりがとても自立した選手たちなので、特別何か気を使うことはなかったです。(次節に向けて)次節は累積で出場停止だが、ピッチ外でもできることはたくさんあるので、1週間後の法大戦で勝てるよう準備していきたいです。

 

豊川功治(総4・ジェフ千葉U-18)

(今日の試合を振り返って)相手が今日勝てば優勝が決まるという試合でみんなすごく気持ちも入ってた試合だと思うんですけど、先週から「はっきりしたサッカーをやろう」ということで徹底したサッカーをしていて、もちろん2失点してしまったのは反省点があるんですけどその中で後半もやっぱり攻め込む時間帯もありましたし、今の現時点での力で力負けしてしまったなという印象で、(順位が)下のチームが勝ったというのも聞きましたけど次につながる試合だったかなと個人的には思っています。(チームとしては開幕戦でシュート0本に抑えられての敗戦のリベンジ、豊川選手自身としてはその開幕戦での退場のリベンジという意味合いもあったと思うが)その意味もあって自分は結構思い入れのある試合だったんですけど、まあやっぱり2失点が悔やまれるなというところで、完全に自分がやられたというふうではないんですけど、望月(大知)がケガしてしまって1年生が代わりに入ったりとかそういうディフェンスラインの中でもっとやっぱり自分が統率していれば失点は防げたかなと思っています。(開幕時にチームとして関東リーグ優勝を目標に掲げた中で、目の前で明大に優勝を決められる結果となった。率直な気持ちは)やっぱり正直「悔しいな」という気持ちもあるんですけど、2週間前に駒大に負けた時が1番自分的には悔しさがあって、そこからもうインカレ出場という目標に切り替えてやってたので。まあ今日は出し切ったかなという思いもあり悔しさもありという感じで。相手にもユースの同期とかもいたので、率直に悔しさと「おめでとう」ということも伝えたりとかそういう複雑な気持ちはあります。(次の試合に向けて意気込みを)法大は上位のチームなんですけど、下位チームが勝ってきていてここで落とすとインカレどころの話ではなくなってくるので、次しっかり叩けるようにまた頑張っていきたいと思います。

 

田中健太(法3・横浜F・マリノスユース)

(今日の試合を振り返って)自分としては引き分けか勝っていたと思う試合だったので、すごく悔しい思いがあるし、そこで勝ちきれないということが今の自分たちの実力だと思うし、明治の強さだと思います。できた部分ともっともっと改善しなければいけない部分が見えたので、そこは次に繋げられたらいいなと思います。(開幕戦で明大に敗北。今日も目の前で優勝決められたが)開幕戦はあれだけボロボロにやられて、今日も目の前で優勝されたんですけど、開幕戦のときの無力感ほどではないなというのが正直な思いです。(先制点を振り返って)こぼれ球を拾ってシュートまで持っていくのは、得意としているところなので、それが良い所で出せて、後は気持ちで押し込んでいくという形だったので振り抜くことができて、ゴールにつながってよかったと思います。(後半にもGKとの1対1のシーンあったが)あの場面でも確実に点を決めることができなければ、チームが勝てないし、そこは完全に自分の責任だと思うので、慶應全員を背負っているという責任感を持って日々の練習から取り組まないとやっぱり本番で決めきれないということがわかったし、あのような場面でしっかりと点を決めれるような選手になりたいです。(改めてチームの目標や方針について)残留とインカレ出場ということが表裏一体というか、2つが近くにあると思うので、まずは勝つということが絶対条件となるので、あと4試合全て勝つという気持ちで戦えば、残留もインカレ出場も成し遂げることができると思うので、目の前の1戦1戦を勝つということをチーム全体の目標としてきます。(次節へ向けて)残り4節絶対に負けられない戦いが続くと思うので、逆にここで勝てればチームはエネルギーを持って、それを次に繋げられると思うので、何が何でも勝ち点3を取りたいと思います。

 

沼崎和弥選手(商1・暁星高)

(今日の試合を振り返って)相手が勝てば優勝が決まるというなかで絶対に自分たちが勝たないといけない試合だったんですけど、結果負けてしまって残念です。(バックラインの1年生の起用が多かったことについて)溝くん(溝渕)もコウジくん(豊川)も引っ張ってくれるのですごくやりやすかったんですけど、2失点したという意味ではCBとしてはもう少し抑えられたかなと思います。(相手の攻撃はどうだったか)自分がマークしてきたFWの中では結構トップクラスに入るくらいすごく上手くて、1人が上手いのではなくみんな上手くて、そのなかで連携とか2列目から出てきた選手とかに付いていけなくてやられてしまったので、首位を走っているだけあるFWだったなという印象です。(勝利に足りなかったことは)自分たちははっきり前に蹴るサッカーをやっているので後ろは絶対ゼロにしなきゃいけないんですけど、そのなかでチャンスも結構あったので後ろはゼロにして前の得点力をもっと上げていければ次勝てるかなと思います。(次節へ向けて)もう1個も落とせないので残留のためにもインカレ出場のためにも全力で1週間準備していきたいなと思います。

 

山本哲平(政4・國學院久我山高)

(今日の試合を振り返って)セットプレーから得点を奪うところは理想的だったんですけど、守って勝ち切るサッカーができずに前半で2失点してしまいました。これは自分たちの甘さが出てしまったかなという印象です。(取られ方、時間帯ともに悪かった印象だが)守り切るっていっても、前から奪うっていう気持ちでやっていたんですけど、結局失点の仕方が安易でした。中にクロス入れられて、ファーにいた選手に決められてしまったところなどは集中力のところかなと思います。(後半には決定機があったが)このサッカーをやっている以上、決定機がそう何度も訪れるわけではありません。今日に限っては、相手のミスとかからチャンスがあったにも関わらず、決められないていうのを続けてしまっていては、勝てないと思います。(シンプルに縦へという意識とセットプレーはチャンスにつながっていたと思うが手応えは)正直、自分としては縦の精度を上げていかないとと思っています。奪ったあとすぐに裏をとるっていうサッカーをやっているんですけど、その精度を上げなければチャンスの数も少ないし、今日はチャンスを作れましたが今後点を取れるかはわからないので、そこは改善が必要だと思います。(残り4試合、今後の抱負)残留争いとインカレ争いが実質イコールのような形ですけど、自分たちはインカレ出場が目標なので、残留を念頭に置きつつやりたいです。残りの試合で何ポイント積めるかわからないですが、この団子状態では勝つことが大事だと思います。引き分けではなく、勝ちを目指してやっていきます。

溝渕雄志(環4・流通経済大学付属柏高)

(今日の試合を振り返って)やりたいこと、守備から入るということを最初は統一して出来ていたんですけど、結果的に2失点してしまって、勝ち点1でも取りに行きたいところで力負けしてしまいました。すごく残念なゲームでした。(首位の明大相手に先制したところまではプラン通りだったか)先制するということもプラン通りかと言えばプラン通りではなかったです。ラッキーな形のゴールだったので。ただ無失点にすることだけを考えていたので、結局2失点してしまったことが一番プラン通りじゃなかったところです。(後期を通してセンタリングからの失点が多く感じるが)中に人がいないわけではないです。前で誰かが触ったりしてちょっとズレたボールに対してのリアクションで相手とちょっと離れてしまうということが多いので、そのあたりをもっと粘り強く、人にどれだけタイトにつけるかというところがもっと見直すべき部分だと思います。(前期はシュート0に抑えられた相手に対して今日はそれなりに決定機も作り出せていたが、実力差は感じたか)実力差は間違いなくありました。相手の方がチャンスが多いですし、攻撃のクオリティの高さは戦っていてずっと感じていました。ただ、クオリティが高いから必ず失点するというわけではないので、割り切って戦いました。僕らなりに五分の戦いはできましたけど、やっぱり明大のクオリティはすごく高かったです。(次節に向けて)下が詰まってきてるので、後輩たちのためにも一部に残らないといけないし、そのためには勝ち点3というよりも勝ち点1をどれだけ粘り強くとっていけるかというのが大きくなってくると思うので、もう一度今日の反省をポジティブに見直します。宮地が出場停止で出れないので、あいつの分も4年生でしっかり補ってリーダーシップをとってやっていきたいと思います。

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