10月16日(日)、慶大の因縁の相手、早稲田との戦いが代々木体育館にて行われた。前日の拓殖戦では後半で怒涛の追い上げを見せ、強豪相手に最終Q終了時には同点にまで食らい付いたが、延長戦でリードを許し惜敗に終わった。今回の相手である早稲田は、1部リーグ5位と好調だ。対してここまで連敗が続いている慶大は、残り5試合、1戦も負ける事が出来ない現状。9月の早稲田戦で、ホームで屈辱を味わった慶大は、今日その雪辱を果たすため代々木体育館で闘志を爆発させることとなる。
2016/10/16(日)@国立代々木第二体育館 | |||||
第92回関東大学バスケットボールリーグ戦 早稲田戦 | |||||
| 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 |
慶大 | 16 | 14 | 21 | 15 | 66 |
早大 | 17 | 16 | 14 | 13 | 60 |
◆慶大スターティングメンバ―◆ | |||||
PG | #4 西戸良(総4・洛南高) | ||||
SG | #5 後藤宏太(環4・藤枝明誠高) | ||||
SF | #9 鳥羽陽介(環2・福大大濠高) | ||||
PF | #22 トカチョフサワ(環3・國學院久我山高) | ||||
C | #11 木村能生(環3・東山高) |
試合はリーグ戦開幕以降スタメンとして安定しつつあるメンバーで始まった。慶大は序盤から西戸、鳥羽が得点を決め積極的にシュートを狙う。ディフェンスもしっかりと機能し、6分30秒の間早大の得点を僅か5点におさえた。それに関して後藤は「今回の早稲田戦に向けて、相手のピックに対する守備を重点的に練習し、それが上手くいった」と振り返る。更に中盤、後藤がセンターライン付近から放った3ポイントが決まり、会場を沸かすと、サワのレイアップがそれに続き、大きくリードする慶大。しかし終盤では早稲田が反撃を開始。早大に連続12得点を許してしまい、16-17。1点のビハインドでこのQを終えた。
続く第2Q、#16髙田淳貴(環1・徳島城東高)の3ポイントが決まると、その直後早大もシュートを決め、両校の得点が並ぶ。その5秒後に#14原匠(環2・近大附属高)が3ポイントで離したと思うと、再び早大の3ポイントが決まり追いつかれる。一進一退の攻防が続く中、前半残り3分、タイムアウトがあけた直後、木村のアシストを受けた後藤が得点を決め、リードを奪う慶大。終盤で早大に再びリードされるが、前半残り30秒で西戸が3ポイントを決め、なんとか得点差を3点におさえ、30-33で後半へ。
第3Q開始直後、得点を許してしまうが、鳥羽がすかさずシュートを決め、反撃する。更に髙田淳貴(環1・徳島城東高)のミドルシュートで同点に追いつくと、そこから一気に流れは慶大に向く。鳥羽が速攻、3ポイントでチームに大きく貢献。試合後、主将西戸は、「後半後輩がのびのびとシュートをうってくれていたのが勝利につながった」と下級生の活躍について振り返った。その後、一度は早大に同点に持ち込まれるものの、鳥羽と西戸の活躍で次々と得点を重ね、4点リードで最終Qへ向かう。
最終Q序盤は、早大にフリースロー等で連続得点を許す展開となる。早稲田にゴール下でシュートを狙われる時間が続くが、慶大は必死にディフェンスで対抗。両校の得点が動かない中、残り3分29秒でサワのアシスト受け後藤が勢いのある3ポイントを決める。更にラスト1分で鳥羽、30秒で髙田の3ポイントがそれぞれ決まり、慶大が4点リード。残り27秒を切ってから早大のファールが目立ち、慶大はフリースローで駄目押しの得点を重ねていく。最終スコアは66-60、代々木での早慶戦を勝利で飾った。
9月のホームでの早稲田戦では、30点以上の差をつけられ完敗だったが、今回はその雪辱を果たし勝利を収めた。慶大は試合序盤からいい流れでゲームを遂行し、最後まで勢いを失うことがなかった。「早慶戦だからこそ自信につながる」と西戸も話すようにこの試合の勝利は選手にとって大きな自信となったであろう。リーグ戦も後4試合、慶大の活躍に期待したい。
(記事 大場春佳/前田さつき)
阪口HC
(早稲田との試合でしたが)今年の早慶戦は、2勝1敗で終わることが出来ました(笑)(久しぶりの勝利となりましたが)西戸と後藤が特に積極的に声を出して、チームを引っ張っていたと思います。最後髙田がシュートを決めたけど、今までの後藤だったら自分で打っていたと思います。そういう面で成長が感じられました。あと4試合、もっと成長していくところが見れると思うと、楽しみです。(第4Qの中盤までずっと早稲田との接戦が続いていたが)そこで色々なバランスを考えて、少しサワと西戸を休ませ、木村・原に思い切って代えました。これまで連敗が続いていたので、普段と変えてみることも良かったのかもしれません。(1年生の髙田選手の活躍は)1年生を試合に出すことは勇気のいることで、4年生から受け継いだという部分が無いと1年生が委縮しちゃうことがあります。でもようやくその時期がきたのかなと感じました。髙田選手も白鷗大戦・筑波大戦あたりでは調子が悪かったので、今日決まって良かったです。彼の自信に繋がると思います。(今日の勝利は次にどう繋がるか)今のチームは、みんながぎゅっとまとまるという事に重点をおいていて、これまで個人が色んな方向を向いていたのが、全員の向く方向がまとまると、チームがうんと強くなると思っています。あと数試合ですが、全て負けるわけにはいかない試合なので、頑張ります。
西戸良(総4・洛南高)
(試合を振り返って)リーグ戦を通してずっと勝ちたくて、そこで早慶戦で勝てたことに一番意味があると思っています。流れは良い悪いどちらもあったのですが、何よりも最終的に勝てたということが、早慶戦だからこそ自信につながるものもあって、このあとのリーグ戦にもつながる一勝だったと思います。(主将としてチームメイトにかけたい言葉は)チームメイトも何度も心が折れそうになったと思うのですが、それでも毎週毎週気持ちを切り替えて、試合に向けて心と体の準備をして頑張ってきてくれていたので、ついてきてくれてありがとうと言いたいです。まだ終わってはないのですが、みんなで勝ち取った勝利だと思うので、本当に結果が出てよかったと思います。(接戦の状況から慶大が競り勝った理由は)相手のシュートが落ちだしたときに自分たちが走ろうと意識していたことです。速攻は一番簡単に点が取れるので、速攻で攻めようというところと、シュートが落ち始めているときにさらに相手をあおるようなプレーをして、プレッシャーを与えて、相手がやりたいオフェンスをさせないことが今日できていたのかなと思います。(序盤からシュートが多く決まっていたが)僕自身は、昨日もシュートが入っていたので、得点を狙える時は積極的に狙おうと思っていて、うてるときにうって、それがたまたま入ったという感じなので、それよりも後半にかけて後輩がのびのびとシュートをうってくれていたのが勝利につながったと思います。自分のプレー、シュートというよりは周りに関してという試合でもあって、もっと後半に自分で積極的に点数を取りにいかなければいけないという課題もありました。(前回の早慶戦と違った点は)9月に自分たちがやられたところを重点的に今週は練習で改善してきたので、そこが試合に出て、9月でやられたところで自分たちのミスが出ずに攻めることができたというのが一番だったと思います。9月があっての今日の勝ちだったと思うので負けから修正して勝てたというのも大きい一勝だったと思います。(次戦に向けて)このチームでできる試合も残り少なくなってきているので、人数は少ないですが、4年生がどれだけ後輩たちに来年のステージを整えてあげられるかというのがこのリーグ戦の重要なところだと思うので、結果をさらに突き詰めて、この一勝で勢いづけて勝ちを狙っていきたいです。
後藤宏太選手(環4・藤枝明誠高)
(試合を振り返って)先週の負けからミーティングを重ねて、昨日から本当にチームが変わったな、という印象です。気持ちを前面に出して、チーム一丸となってプレーできました。(ディフェンスが機能していたが)昨日の拓殖戦もハードに守りたかったけれど、打ち合いという相手の得意な展開にしてしまった、というのが反省点でした。ただ今回の早稲田戦に向けて、相手のピックに対する守備を重点的に練習してきたので、それが上手くいったのだと思います。(自身のプレーについて)まだ満足はしてないです。でもチームが勝つことが一番なので、その意味では4年生として最低限の仕事はできたかな、と思います。勝利のためにもっとシュートを決めて、ディフェンスでも貢献したいです。(残り4試合への意気込み)とにかく勝つしかないので、そのために自分が何ができるのかを考えてプレーしたいです。得点でもディフェンスでも、とにかくチームを勝たせるプレーを心掛けたいです。
トカチョフ サワ選手(環3・國學院久我山高)
(試合を振り返って)勝利最高です。久しぶりの勝ちで酔いしれています。来週の試合のモチベーションにもなったので、来週も2勝したいです。(今日の勝因は)早稲田のスカウティングをしまして、それをチームで徹底して40分間やりきった結果、こうやって勝利につながったと思います。(試合中の気持ちの変化は)40分間通して流れは悪くなく、ディフェンスもしっかり機能していました。そんな中、自分たちがやってきたことを信じて最後までやろうということだったので、動揺している選手もさほどいませんでした。その結果、勝利につながったのだと思います。(早稲田の感触は)前回ホームゲームでボロボロにされたので、勝てるのかなという不安は一応あったのですが、入りからディフェンスがうまく機能したのでそれがみんなの自信につながりました。(次の試合に向けて意識していきたいことは)もう勝つしかないので、勝つために一人一人ができることを最大限に考えてチームの勝利のために全員で頑張りたいと思います。
髙田淳貴選手(環1・徳島城東高)
(今日の試合は)この前のホームゲームでは、第3ピリオドで30点離されたってのがあって、今日はハーフタイムに「3ピリで絶対勢い負けずにやろう」という事を話していたので、それが試合に出せたので、最後勝ちきれたのかなと思います。(勝利の要因は)これまで負けが続いていましたが、2周目の青山学院大戦後に、チーム全員でミーティングをして、今マイナスであることを言い合って、それを1度消化したうえでまた1からやろうっていうことを話しました。その後の、筑波大戦・拓殖大戦・今日の早稲田大戦と、どんどん良くなってきているので、チーム一丸となれたことが勝利に繋がったと思います。(ラスト30秒のご自身の3ポイントで勝利がぐっと近づいたが)あのシュートは何も考えずに打ったっていうか(笑)先輩が1発くれたので、これは絶対に決めなきゃと思っていました。それがいい方向に行ったので、決まった後は素直に嬉しかったです。