【フィギュアスケート】一丸となって挑んだインカレ予選 第10回東日本学生フィギュアスケート選手権大会

部員の前で演技する竹居

部員の前で演技する竹居

 

 

10月15日から二日間に渡って、東大和スケートセンターにて第10回東日本学生フィギュアスケート選手権大会が開催された。部で掲げている目標はインカレで各クラス入賞。そのインカレ出場権を懸けて、慶大からは9名の選手が今大会に出場した。9名全員がインカレ出場権を獲得することは叶わなかったが、収穫の多い大会となった。

 

 

 

 

第10回東日本学生フィギュアスケート選手権大会

10月15日,16日 @東大和スケートリンク

カテゴリー

選手名

点数

順位

男子A

小曽根孝浩

93.62点

7位

女子A

鈴木美桜

77.10点

4位

 

庄司理紗

67.76点

12位

 

鈴木星佳

59.07点

25位

男子B

橋本將太

48.30点

5位

 

富田雄登

38.74点

8位

女子B

佐々木花音

31.20点

42位

男子C

竹居峻治

34.11点

5位

女子C

棟尾観月

38.39点

4位

 

 

鈴木星佳は惜しくもインカレ出場を逃してしまった

鈴木星佳は惜しくもインカレ出場を逃してしまった

大会1日目。女子Aクラスのはじめに登場したのは、鈴木星佳(総1)。部員たちがリンクサイドで見守る中、ハイタッチをしてスタート地点に向かった。冒頭のトリプルサルコウは転倒。「どうしてもインカレに出たい」という思いとは裏腹に、その後も両足着氷などジャンプのミスが続いた。だが、失敗しても立ち上がり、最後までスピードを落とさずに滑りきるという練習の成果は発揮できたようだ。最大の見せ場、ステップでは長い手足を生かし、豊かな表現力で「smile」のメロディに乗せて軽やかに舞ってみせた。演技後は悔しい表情を見せたが、次の大会となる国体予選“ウィンタートロフィー”にこの気持ちをぶつけてほしい。

 

優雅にリンクを舞った庄司

優雅にリンクを舞った庄司

胸に手を当てながら、スタート位置に立ったのは、庄司理紗(総2)。けがの影響でなかなか練習できない日々が続き、不安からか極度の緊張があったようだ。だが、静かで荘厳なメロディで音楽がはじまると、氷を削る音が聞こえるようななめらかな滑りを見せる。始めのトリプルループは着氷に失敗したものの、その後はミスを引きずらず、手足の先まで行き届いた美しい所作で上品かつ優雅に舞った。中盤、アップテンポな曲調に様変わりする場面では、スピードをだしながら緩急のある動きで力強く演じた。万全の状態とは程遠い中、「最低限にミスは抑えられた」と振り返った庄司。まずはけがを治し、全日本予選、そして国体予選に照準を合わせていきたい。

 

徐々に調子を上げてきた鈴木美桜

徐々に調子を上げてきた鈴木美桜

 最後に登場したのは、鈴木美桜(法3)。冒頭のトリプルサルコウを成功させると、笑顔を見せる。ステップでは伸びやかなスケーティングで、観客を独特の世界観に引き込んでいった。美しいポジションのスパイラルで見せ場を作ると、後半は手をあげるタノジャンプを次々と成功させる。一回転になったジャンプ以外に大きなミスはなく、全体的にまとまった演技であったものの、4位という結果には「やっぱり3位に入りたかった」と悔しさもにじませた。ジャンプの小さなミスなど取りこぼしをなくし、ノーミスのプログラムで弾ける美桜スマイルを見たい。

 

前回の大会から成長を見せた佐々木

前回の大会から成長を見せた佐々木

 

女子Bクラスに登場したのは、佐々木花音(文1)。「挑戦者という立場だと思って吹っ切れて臨むことができた」と振り返るように、前半は流れに乗って次々とジャンプを決めていく。スピンやステップも、一つ一つの技を丁寧にこなした。だが、後半は疲れが見え、ジャンプで転倒する場面が目立ってしまった。前回の大会からジャンプがパンクしないように練習を積んできたというが、「前回より少しは改善できた」と手ごたえを掴みつつあるようだ。自身が課題と語ったジャンプと体力面を克服し、さらなるレベルアップを図りたい。

 

初めてインカレ出場を決めた竹居

初めてインカレ出場を決めた竹居

大会2日目。男子Cクラスの1番滑走には竹居峻治(法2)が登場。9月のバッジテストで3級を取得し、Cクラスとして初めての試合に臨んだ。プログラムは「トロン」。練習ではほとんど失敗していなかったという冒頭のアクセルジャンプは転倒してしまったがその後のジャンプはしっかりと成功させる。観客やジャッジの前でのパフォーマンスの多いプログラムで会場を大いに沸かせた。結果は6人中5位と厳しい結果となったが今後の飛躍に期待だ。

 

攻めの姿勢で演技した棟尾

攻めの姿勢で演技した棟尾

 

 

女子Cクラスからは棟尾観月(文3)が出場。今大会に向けて4種類のダブルジャンプを確実に跳べるよう練習してきたという。ダブルフリップはシングルジャンプとなってしまったが、残りの3種類のジャンプは着氷すると、終盤には壮大な曲調に合わせた華麗なステップシークエンスを披露した。惜しくも表彰台は逃してしまい、4位で今大会を終えた。4種類のダブルジャンプが確実に決まればより高得点が狙えるだろう。今後も「守りの姿勢にならずに」挑み続けてほしい。

 

Bクラスでの出場は初めてとなった富田

Bクラスでの出場は初めてとなった富田

 

男子Bクラスには2名が挑んだ。まずは富田雄登(商4)が初めてBクラスのカテゴリーに出場した。成功とはならなかったが冒頭にはトリプルトウループに挑戦。5級を取得したばかりであまり準備期間が無かったという中で、ジャンプのミスはあったものの「My heart will go on」の歌声に見事にマッチしたスパイラルで観客を魅了し、うまくプログラムをまとめた。最後の出場となるインカレでさらに成熟した演技を見せてほしい。

 

点数の大幅アップを目指してきた橋本

点数の大幅アップを目指してきた橋本

 

続いて橋本將太(政2)が登場。和風の衣装を身にまとい、プログラム「斬鉄剣」を披露した。冒頭のアクセルジャンプがシングルジャンプになってしまうと、続くトリプルサルコウでは転倒。その後もジャンプでのミスが続き、5位に終わった。自身でも「普段の練習でもやらないくらい初めてのひどい演技」と振り返り、悔しさをにじませた。この悔しさを糧に、インカレでは満足のいく演技を披露してくれることを期待したい。

 

 

 

このリンクでは最後の演技となった小曽根主将

このリンクでは最後の演技となった小曽根主将

男子Aクラスには小曽根孝浩(環4)が出場。慶大フィギュアスケート部の主将として最後の東インカレに臨んだ。東京ブロック大会後に靴を変え、ジャンプの調子が良くない中で挑んだという今大会。課題のトリプルフリップがダブルになったり、終盤の2つのジャンプがシングルになるなどのジャンプのミスがあった。しかし、後半の2本のトリプルトウループは綺麗に決めると、持ち前の表現力で力強い演技を披露した。昨年は出場が叶わなかった国体・全日本選手権への出場をかけた試合が間近に迫っている。試合後に自身が課題として挙げたスピンとサルコウジャンプを改善し、今後の大一番に挑んでほしい。

 

(記事 反保真優、伊藤史織 写真 西村夏菜)

 

 

◇以下、選手コメント

 

鈴木星佳(総1)
(どのような気持ちで試合に臨んだか)A女子のカテゴリーの中で3人そろうことはあまりないのでどうしてもインカレに出たいという気持ちが強かったです。(演技を振り返って)気持ちは思い切って、自分のやるべきことをやろうと思って臨めたのですが、結果がついてこなかったです。ジャンプに関しては練習をもっとしなくてはいけないなと思いました。スピンやほかの部分でもカバーできるようにしたいと思った演技でした。(良かった点は)この間の試合で失敗しても続けることを課題にしていたので、一回失敗してもすぐ立ち上がって最後までスピードを落とさずに演技するように練習してきました。それが出せたのが良かったと思います。(ウィンタートロフィーに向けて)今日は悔しい思いをしたので、ウィンターは国体予選がかかっているのですが、全然そういうことも考えずに思いっきりこの悔しさをぶつけたいと思います。

庄司理紗(総2)
(どのような気持ちで試合に臨んだか)9月の頭にけがをしてからなかなか思ったような練習ができなくて、精神的に焦りが多かったので、自信はなかったですが、できることしか本番はできないと思って、今できることをできるように、と思ってやりました。(今日の演技を振り返って)最初曲が鳴ってから、ずっと緊張していて足が浮いているような感覚でちゃんと滑れなかったので、それが最初のジャンプにつながってしまったと思います。練習不足というのが自分でもわかっていただけに、自信もなくて、終始ドキドキしていたのですが、その中で最低限にミスは抑えられたかなと思います。(プログラムの見せ場は)私はゆっくりした曲調の方がやりやすいのですが、中盤テンポが速まるところがあるので、そことその後の柔らかいところの差を見てほしいと思います。(今日見えた課題は)まず足のけがを完全に治すことと、毎日同じモチベーションでできることをやっていくということが一番の課題だと思っています。東日本選手権まで時間があまりないので、毎日フリープログラムをたくさん通して体力をつけて、できる限りジャンプを戻して難易度をあげていきたいです。(次に向けての目標と意気込みは)東日本選手権からショートプログラムを変えて臨むので、また新しい気持ちでシーズン初めのような引き締めた気持ちで頑張って予選を通過したいです。また昨年出ることができなかった国体にどうしても出たいので、予選を通過したいと思っています。
 
鈴木美桜(法3)
(どのような気持ちで試合に臨んだか)前回の東京ブロックでフリーがあまり良くなかったというのと、ショートは次の東日本までないので今回はフリーを重点的に練習してきました。練習では結構まとまっていたのであとは一つ一つ自分のできることをやるという気持ちで臨みました。(演技を振り返って)一発目のサルコウが決まって、結構試合で降りたのも久しぶりだったので、そこで少し肩の力が抜けたかなと思いました。いつもはサルコウで失敗してもトウループはきちんと落ち着いて、というふうに練習しているんですけれども、今日は逆にサルコウがきれいに決まったのでそこでトウループを跳びたいという気持ちがあったかなというのは正直思います。ところどころスピンとかでもミスは出てしまったのですが、東京ブロックよりかは終わったあとにまとまっていたかなと思えたような気がします。(4位という結果を受けて)正直やっぱり3位に入りたかったなという気持ちの方が大きいです。本当はトウループの3回転‐2回転‐2回転の3連続の予定だったのですが、それが入らなかったり、ところどころミスした中では点数は出ていたかなとは思います。4位という悔しい気持ちを忘れずに、逆に完璧じゃなくこの点数なのでもっと点数の伸びしろはあるかなというふうに思います。(ウィンタートロフィーに向けて)ウィンタートロフィーもフリーだけの演技で、それは国体の県予選になります。それも今日みたいに一つ一つしっかりというのを頭に置いてあと2週間練習していきたいと思います。

佐々木花音(文1)
(どのような気持ちで試合に臨んだか)今回はカテゴリーが5,6級ということで不利からのスタートで、通過人数も少ないのですが、自分は挑戦者という立場だと思って吹っ切れて臨むことができました。(重点的に練習してきたところは)前回はジャンプが抜けてしまったりしたので、ジャンプの練習でもプログラムの練習でもパンクしないようにすることを一つの目標にして練習してきてきました。今回もジャンプが一つ抜けてしまいましたが、少しは改善できたと思います。(今日見えた課題は)後半に疲れてしまったので、今後は体力をつけていきたいです。(次に向けて)新しいプログラムになるかもしれませんが、プログラムの振付を疲れても最後まで踊れるように体力をつけること、そしてジャンプのパンクをなくせるように努力していきたいです。

竹居峻治(法2)
(Cクラスでの出場にあたってどのような練習をしてきたか)9月の最初に3級のバッジテストがあってそれがCクラス男子の試合に出場する最後の締め切りだったんですけど、それまでに結構何回も受験して、練習ではできていたけど本番ではできなくて不合格が続いてたので、とりあえずこの試合に出ることだけを考えて毎日スピンとかジャンプとかステップの練習をしていました。(演技を振り返って)今日の演技は、とにかく失うものは何もなかったのでとりあえず今自分ができることを精一杯やろうと思ってやりました。最初のアクセルが、練習ではほとんどミスをしていなかったのでちょっと悔しいですが、その後サルコウを2本決められたので良かったです。スピンはちょっと改善が必要かなと思います。(プログラムの見所は)ステップや振付で結構お客さんの近くに行ってジャッジとかにアピールするところが多くて、そこで盛り上げることができればいいと思っているので、そこが見所かなと思います。(今後に向けて)他のCクラスの男子の選手を見れば分かると思うんですけど、ダブルジャンプもたぶん一種類じゃ戦っていけないと思ったので、スピンは必ずキックアウトだけにはならないようにして、ジャンプも確率を上げて他のダブルジャンプにも挑戦して、インカレはできれば40点台を目指して頑張りたいと思います。

棟尾観月(文3)
(どのような気持ちで試合に臨んだか)この大会に向けてダブルフリップとダブルルッツの調子を上げて、4種類のダブルジャンプを確実に跳べるようにしてきました。(演技を振り返って)公式練習と6分間でフリップとルッツどちらもあまりミスなく調子が良く跳べていたのですが、やはり本番になってしまうと焦って自分が練習してきたジャンプを跳べなくなってしまったところが残念でした。(今後改善していきたい点は)本番で焦って跳ばないようにいつもの練習を心がけていきたいと思います。また、シングルでまとめた方が点数が高く出る傾向があるのですが、そこは4級というプライドを持って5級のレベルに近い内容にするためにシングルの守りの姿勢にならずに、これからもダブルジャンプで攻めの姿勢で跳んでいきたいと思います。(インカレに向けて)4種類のダブルジャンプを確実に決められるように調子を上げていって、本番では回転不足なくフリップもルッツも跳べるようにしていきたいと思います。
 
富田雄登(商4)
(Bクラスでの出場にあたってどのような練習をしてきたか)Bクラスに上がったのが1か月経っていなくて、そこから新たに曲を作り始めて、あまり準備期間がありませんでした。その中でいかに点を取っていくのかということと体力に気をつけて練習してきました。(プログラムの見どころ)曲の中盤にあるイナバウアーからのスパイラルの流れが一番曲とマッチするところなので見せ場です。(演技を振り返って)試合が始まるまでどの構成にするか迷っていたのですが、東インカレは公式戦で唯一トリプルに挑戦できる機会だったのでやってみようということで頑張りました。回転が少し回っていなくて残念だったのですが、今回は自分の中では悔いのない演技ができたなと思っていて、インカレの本戦ではもっとしっかりと点数を取れる構成にして、入賞もしくは表彰台を狙いたいなと思います。(今後に向けて)引退まであとわずかとなっているんですけれども、その中でも学生生活でできることをしっかり練習して、今までやってきたスケートに対して悔いのないように取り組んでいきたいと思います。

 橋本將太(政2)
(どのような気持ちで試合に臨んだか)この前の関カレが5級での初めての大会だったんですけど、ショートプログラムだけでやることも少なくて。今回はフリーの点数がちゃんと出る初めての5級での試合だったので、Cクラスで出た時の点数よりも大幅にアップできるような演技を目指して頑張りました。(演技を振り返って)今日の演技は普段の練習でもやらないくらい初めてのひどい演技で本当に最下位なんじゃないかと思ったんですけど、点数は思っていたほど悪くなかったので、やっぱりスケーティングだったり下の演技構成点が良く評価されるようになったのかなということで練習してた意味はあったのかなと思いました。これからはそういうことも糧にして今回は上の技術点が全然無いと思うので、そこを上げて60点・70点を目指せるように頑張っていきたいと思います。(インカレに向けて)緊張してたのもあったんですけど体力が無くてすぐバテちゃって、普段絶対降りてるジャンプとかを失敗してしまったので、そういうミスを無くして表彰台は分からないですけど、60点以上を目指して頑張りたいです。(次のウィンタートロフィーに向けては)あと2週間後で、技術の向上とかはすぐできないと思うので、走って体力をつけたりして今できる最低限のことをこなせるように頑張りたいと思います。

小曽根孝浩(環4)
(どのような気持ちで試合に臨んだか)ずっと大学1年生の初めての試合から4年間、思い出のあるリンクでついに最後に。個人的にはあまり好きじゃない、演技するのに苦手なリンクだったのですが、最後という気持ちで試合に臨みました。(演技を振り返って)この間の東京ブロックが終わってから靴を変えて、あまり調子が合わなくて。本当にジャンプが全然跳べない状態の中で、本番で完璧ではなかったのですが、ある程度跳べたところは跳べたので良かったなと思います。でもやっぱり、今のままだとまだ全日本には全然全然遠い壁を自分の中で感じてしまったのであと少しですが、もっと点数を取れる練習をしていかなきゃなというのはすごく思いました。(改善していきたい点は)スピンがまだ甘かったなというのと、あとジャンプもサルコウがはまらないので、サルコウの練習量を特に増やして試合に臨みたいです。(ウィンタートロフィーに向けて)国体に行きます!
 

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