春を予感させる暖かな日差しが降り注ぐ中、赤羽スポーツの森公園競技場で関東大学サッカーオープニングフェスティバルが行われた。3月4日から行われるデンソーカップの前哨戦としての一戦は、関東の各大学から猛者達が集い、関東選抜A、Bに分かれ凌ぎを削った。慶應からは関東Aに藤田(政2)が、関東Bに田中(環3)、笠松(総3)が出場した。
2011/2/26(土)13:30 KO@赤羽スポーツの森公園競技場
関東選抜A1-1関東選抜B
{得点者}前半16分 安柄俊(中大)、前半33分 松本大輝(法大)
試合は序盤から互いにボールを激しく奪い合った。前線からのプレッシャーで押し込んでいく関東Aに対し、関東Bは笠松ら安定感のあるディフェンダーを中心に守備を固め、中盤では早いパス回しを展開。サイドバックを担う田中のオーバーラップなどで攻撃の機会をうかがった。しかし最初にチャンスを得たのは関東A。前16分、ゴール前右側に詰め寄った三田(明大)が放ったシュートはDFに阻まれたが、そのこぼれ球を左から安がクロスに叩き込み、先制した。
負けてはいられない関東Bも中盤から巧みにパスを繋ぎ、ゴールにあと一歩というところまで詰め寄った。そうした中、前34分、ドリブル突破を仕掛けた松本がPKを獲得すると、それを自ら冷静に決め同点に追いついた。
試合が振り出しに戻り、混戦状態が続いた前42分、関東Aは畑尾(早大)に代えて藤田をピッチへ送り出す。藤田は、「ボール奪取能力が非常に高く、相手としたら嫌な選手」と笠松が振り返るように、中盤で奪ったボールを確実に前線につなげる光るプレーを随所に見せた。関東Bも鉄壁の守備でゴールを譲らず、勝負は後半へ持ち越された。
後半開始直後に存在感を見せたのは関東Bの田中。ボールを受けると力強いドリブルで右サイドを攻め上がり、ゴール前へパスを送るなど巧みな攻撃で相手を翻弄した。しかし試合の主導権を握っていたのは関東A。後21分には藤田がゴール前右側に絶妙なパスを出して、チャンスを演出した。惜しくも決定打とはならなかったが、チームに良い流れをもたらした。個々の能力で相手を上回った関東Aは後半だけで10本ものシュートを浴びせる、驚異的な攻撃力を見せつけた。それでも磐石な守りでゴールを割らせなかった関東B。その中心には慶大でも主将を務める笠松の存在感があった。試合は両者一歩も譲らず1-1の同点。試合終了のホイッスルがピッチに響いた。
どちらのチームも高い攻撃力をもつ選手が多く、決定的な場面が多くあった。それでも雌雄が決することはなかった。これは守備面から見れば「攻められつつも最後我慢できた」(笠松)ということ。そして攻撃面から見ると決定力に欠けたということでもある。関東選抜というハイレベルな環境の中で、今季の慶大ソッカー部を牽引する選手たちが経験したことは、チームにとっても非常に大きな糧となるはず。リーグ戦開幕はもう目前。フレッシュな新戦力を迎えた新生慶大イレブンをまとめ上げて、彼らはどのような戦いを見せるのだろうか。その活躍から、今後も目が離せない。
By Asuka Ito
選手コメント笠松主将
(今日の試合を振り返って)選抜の試合ということでA、B分かれての試合だったが、BのメンバーとしてはAに勝ちたいって気持ちが強い中で試合に入って、結果として1対1ということは、攻められつつも最後我慢できたということなので非常に良かったと思っている。自分に関しては、最初失点のシーンに関しては、ちょっとキーパーとの連携が合わなくて、もったいない失点だったと思ったが、その後立て直せて、それ以上失点しなかったことは次に繋がると感じている。(いつもと違うメンバーで戦うことについて)やっぱり失点のシーンとかはキーパーとのコミュニケーションという点で、やっぱりいつものメンバーではないので、そこはいつもと違う部分が顕著にでた例かと思うが、合宿を通して一緒に過ごしたので、この選手がどのような選手かというのをほとんどわかっていたので、そこまでやりにくいということはなかった。(藤田選手と敵として戦ったが)相変わらず息吹はボール奪取能力が非常に高く、相手としたらやな選手だと感じた。(90分フルで戦ったが相手の印象は)全体的に上手い選手が非常に多いということと、ボールキープもできるし、取りどころがなかなかないということが感じた部分ではあるが、自分たちとしてもやれる部分はあったので、そういう部分で手応えを感じた試合だったと思う。(新キャプテンとして、これからの意気込みをお願いします)ここで経験したことをしっかりチームに持ち帰って、大事なのはチームが上に行くことだと思うので、そういうのを還元して、離れた分またしっかりチームをまとめて、一つにして、開幕に向けていい準備が出来ればいいと思う。
田中副将
(今日の試合を振り返って)みんな体張っていたので全体的には良かったが、個人的にはそんなに良くなかった。(今日の試合で心がけたことは)相手もやっぱり得点できる選手が多いので、まず守備から入ってその上で攻撃に絡めればと思ったが、クロスとか最後の形に入れなかった。(選抜で他大の選手と試合して得られたものは)いろいろあるが、僕は4年生で上の舞台でプレー出来る機会もそんなにないので今日もいい機会だったが、また経験積んでレベルアップできるようにしたい。(慶大副将には立候補したのか)学年内で話し合って決めた。(副将として心がけることは)カサ(笠松主将)がいろいろなところ生活面まで見るので、僕は練習で気が緩んでる選手とか、1年から試合を経験させてもらって練習で甘かったプレーとかで負けた記憶というのがあるのでそれを変えていくことが役割だと思う。
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