【ラグビー】「フラストレーションの溜まる試合」ジュニア初勝利ならず/関東大学Jr.選手権カテゴリー1② vs流経大

 最後まで流れを掴むことはできなかった。10月7日、関東大学Jr.選手権の第2戦が行われ、慶大は流経大と対戦した。前半、慶大はスクラムで相手に押し込まれつつも、BK陣の好タックルで失点を最小限に抑え込み、12-7でリードして試合を折り返す。後半も苦戦が続き、同点に追いつかれたものの、互いに決め手を欠き、19-19でノーサイド。Jr.選手権初勝利をものにすることはできなかった。

最後まで自分たちらしいラグビーができなかった

10/7(土)13:00K.O. 関東大学Jr.選手権カテゴリー1 vs流通経済大学

@慶應義塾大学グラウンド

得点

慶大

 

流経大

前半

後半

 

前半

後半

2

1

T

1

2

1

1

G

1

1

0

0

PG

0

0

0

0

DG

0

0

12

7

小計

7

12

61

合計

7

 

得点者(慶大のみ)

T=安田、安西、栗原

G=豊田2

慶大

ポジション

 先発メンバー

 交代選手

1.PR

渡邊悠貴(経3・慶應)

 

2.HO

安田裕貴(政2・慶應)

 

3.PR

大山祥平(経1・慶應)

→前半29分 鋤柄仁志(総4・飯田)

4.LO

相部開哉(政1・慶應)

 

5.LO

西松広夢(商4・慶應志木)

→後半10分 植竹創(商3・湘南)

6.FL

辻本大河(法3・慶應)

 

7.FL

川合秀和(総2・國學院久我山)

 

8.No.8

山中侃(商3・慶應)

→後半34分 佐藤航大(理3・國學院久我山)

9.SH

若林俊介(政1・慶應)

→後半8分 小宮山大地(政4・慶應)

10.SO

南翔大(総3・常翔学園)

→後半8分 今泉宏健(総4・清真学園)

11.WTB

安西浩昭(政2・慶應)

 

12.CTB

栗原由太(環2・桐蔭学園)

 

13.CTB

豊田康平(総3・國學院久我山)

→後半22分 今成哲(経4・

城北)

14.WTB

権正拓也(政4・慶應)

 

15.FB

宮本恭右(環1・慶應)

 

公式戦初先発を果たした宮本恭

 慶大のキックオフで試合開始。まず攻めたのは風上に立った慶大。前半7分、WTB権正拓也(政4・慶應)が右ライン際を駆け上がると、公式戦初先発のFB宮本恭右(環1・慶應)が鋭くギャップを突き、左に展開する。最後は中央に走りこんだCTB栗原由太(環2・桐蔭学園)がトライ。BK陣の連携がピタリとはまり、慶大が先制点を奪った。

 

 しかし、その後はチャンスでハンドリングエラーが相次ぎ、今一つ流れに乗れない。今季好調のスクラムもこの日は噛み合わず、徐々に試合の主導権は流経大に移っていく。スクラムが不発だった原因を、HO安田裕貴(政2・慶應)はこう話す。

 

「試合の入りは良かったのですが、途中からはレフェリーとのコミュニケーションが上手くいかなくなって、どんどん相手に有利なスクラムになってしまいました」。

 前半15分には、自陣でのラインアウトを起点にトライを許し、同点に追いつかれてしまう。

 

 その後は互いにチャンスを作り出せず、スコアの動かない時間帯が続く。均衡を破ったのは30分。「自分たちが得意としている」(HO安田)形であるラインアウトから、モールドライブで一気に押し込み、最後はHO安田がグラウンディング。12-7、慶大リードで前半を終えた。

持ち前の快足を飛ばしトライを奪った安西

 後半も依然流経大ペース。後半8分、相手FWに粘り強く近場を突かれ、同点のトライを許してしまう。16分、WTB安西浩昭(政2・慶應)の好ランニングが飛び出し、再び慶大がリードを奪ったものの、29分、ペナルティーのクイックリスタートから、相手LOモツラロの力強い突破に屈して失点。結局最後まで自分たちの形を出せないまま、19-19、ロースコアでのドローとなった。

 

 慶大の志向するラグビーは、そこには無かった。「いつもの良いテンポでラグビーができなくて、フラストレーションが溜まりました」と話したのは、CTB豊田康平(総3・國學院久我山)。「アティチュードやレフェリング、相手のプレーなど色々あるんですけど、(一番大きかったのは、)それで僕らの気持ちが切れていたわけじゃないんですけど、コミュニケーションがいつもより少なくて沈んでいる感じがありました」。ブレイクダウンで強くプレッシャーをかける流経大に対し、ポジショニングやサポートの声かけが出ず、結果として攻守共にちぐはぐな形になってしまった。

大学日本一達成に、Bチームの奮闘は不可欠だ

 Jr.選手権での初勝利は、またしてもお預けになった。

 長丁場の秋季を勝ち抜くためには、Bチームからの突き上げが不可欠。次の東海大戦こそ白星をものにし、チームに良い流れをもたらしてほしい。

 

(記事:江島健生 写真:萬代理人、重川航太朗)

 

 

豊田康平(総3・國學院久我山)

 

——今のお気持ちをお願いします 

全然自分たちのプレーができなかったというか。アタックもディフェンスもそうなんですけど、いつもの良いテンポでラグビーができなくて、フラストレーションが溜まりました。

 

——自分たちのプレーができなかった要因として考えていることは

アティチュードやレフェリング、相手のプレーなど色々あるんですけど、(一番大きかったのは、)それで僕らの気持ちが切れていたわけじゃないんですけど、コミュニケーションがいつもより少なくて沈んでいる感じがありました。後半になって、結構テンポの良いプレーは出ていたんですけど、最初からそれができなかったことが、このロースコアに繋がったのではないかと思います。

 

——コミュニケーションが上手く取れなかったことについて、個人的に思い当たる節はありますか

いつもよりブレイクダウンで(プレッシャー)をかけてくるチームだったので、そこで速く回すときに、出てくるディフェンスに対して、BKであれば深く立つとか、そういったサポートのコールが無かったです。それでノックオンなどボールのミスが前半は多くて。ボールが滑るというのもあったんですけど、やっぱりコミュニケーションのところに原因があったのではないかと思います。

 

——一方で、BKのタックルについては慶應らしい低く突き刺さるタックルが出ているように見受けられました

課題としては、相手が左右に振ってくるチームなのに、BKが片方に固まってしまう場面が多くて。そこをもうちょっとスプリット(※両側に分散すること)して、FWを上手くコントロールすることが最初の方はできていなかったので、そこは課題になったと思うんですけど、タックルに関しては、ダブルで入れていて良かったと思います。個人的には一本抜かれてしまって、大事なところで低く刺さることができなくて、そこはまだ課題ですね。

 

——今日はキッカーも務めて3本中2本成功でした。ご自身の中でのキックの手応えはどうですか

いつもはキック蹴ってないんですけど、今日は大事な場面で端からのゴールに決められたのは大きかったと思います。次のJr.の試合でも蹴る機会があると思うので、練習して精度100%で蹴りたいです。

 

——今季ここまでを振り返って

夏合宿はけがで参加していなくて、みんなよりちょっと出遅れた状態なのに加えて、大事な対抗戦やJr.選手権でもミスが多かったので、勝負どころで良いプレーができるように普段の練習から精度を高めていきたいです。

 

安田裕貴(政2・慶應)

 

——今日の試合を振り返って

自分たちのやりたいことが全くできなくて、とてもフラストレーションが溜まった試合でした。

 

——トライのシーンを振り返って

敵陣に入って、自分たちが得意としているラインアウトモールでトライを決めることができました。FW8人全員で押すことができたので、良かったと思います。

 

——ご自身のプレー全体を振り返って

少し慌ててしまって普段はしないようなプレーをしてしまったので、もう少し冷静にプレーできたら良かったなと思います。

 

——スクラムに関してはいかがでしたか

試合の入りは良かったのですが、途中からはレフェリーとのコミュニケーションが上手くいかなくなってしまって、どんどん相手に有利なスクラムになってしまいました。自分はHOでスクラムの要なので、もっとレフェリーとコミュニケーションを取って良いスクラムを組めるようにしていきたいと思います。

 

——ボールキャリーについては

前に出るべきところで出ることができたので、良かったと思います。

 

——今後に向けて

今はHOで二番手につけられているので、しっかりアピールして、一番手になれるように頑張っていきたいと思います。

 

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