10/14(土)13:00K.O. 関東大学Jr.選手権カテゴリー1③ vs東海大
@東海大学グラウンド
ついにトンネルをくぐり抜けた。ここまで明大、流経大に勝ち切れず苦戦が続いたJr.選手権。迎えた第3戦は敵地で東海大を迎えた。前半は相手の強力なスクラムに苦しんだが、ゴール際で粘りを見せ、前半を5-5の同点で折り返す。後半もセットプレーを起点とした東海大の激しい攻撃は続いたが、慶大BKが随所に鋭いランを見せてトライを量産する。一進一退の攻防の末、最後は慶大がリードを守りきり、念願の初勝利を収めた。
得点 | ||||
慶大 | 成蹊大 | |||
前半 | 後半 | 前半 | 後半 | |
1 | 4 | T | 1 | 3 |
0 | 3 | G | 0 | 3 |
0 | 0 | PG | 0 | 0 |
0 | 0 | DG | 0 | 0 |
5 | 26 | 小計 | 5 | 21 |
31 | 合計 | 26 |
得点者(慶大のみ)
T=豊田2、山本、植竹、若林
G=今泉2、豊田
慶大 | ||
ポジション | 先発メンバー | 交代選手 |
1.PR | 町田裕史(文4・埼玉栄) | |
2.HO | 山本英晴(商2・慶應) | |
3.PR | 鋤柄仁志(総4・飯田) | →後半9分 菅公平(政3・慶應) →後半40分 鋤柄 |
4.LO | 相部開哉(政1・慶應) | |
5.LO | 植竹創(商3・湘南) | |
6.FL | 中川丈豊(経3・慶應) | |
7.FL | 西松広夢(商4・慶應志木) | |
8.No.8 | 山中侃(商3・慶應) | |
9.SH | 若林俊介(政1・慶應) | |
10.SO | 鎌形正汰(商1・慶應) | |
11.WTB | 安西浩昭(政2・慶應) | |
12.CTB | 今成哲(経4・城北) | |
13.CTB | 豊田康平(総3・國學院久我山) | |
14.WTB | 権正拓也(政4・慶應) | |
15.FB | 小谷田尚紀(経1・慶應志木) | →後半0分 今泉宏健(総4 ・清真学園) |
前半は東海大のプレッシャーに圧倒された。前半12分、右展開から絶妙なグラバーを通され自陣深くまで後退する。ゴール際でペナルティーを取られスクラムトライを奪われてしまう。先制点を奪われ、何とか同点に追いつきたい慶大だったが、スクラムとブレイクダウンで分厚く圧力をかける東海大に対し、なかなか状況を打開できない。それでも29分、ハーフウェイ付近で裏に抜け出した若林が独走でトライ。同点に追いつく。その後はスクラムで一気に押し込まれる場面もあったが、ライン際で粘りを見せ、相手のペナルティーを誘いピンチを脱出した。不利な展開が続いたものの、5-5の同点で試合を折り返す。
膠着気味だった前半から一転、後半は大きく試合が動いた。後半4分、自陣からテンポ良く展開、的確に東海大のギャップを突き、CTB豊田康平(総3・國學院久我山)がゴールポスト右にフィニッシュ。ボール奪取からノーホイッスルでのトライでリードを奪う。7分にスクラムトライ、14分に再び追加点を東海大から奪われてしまう。それでも慶大は意気消沈することはなかった。ここから慶大が怒涛の反撃に打って出る。後半22分再び豊田、SO鎌形正汰(商1・慶應)が鋭く切り込み、最後は植竹創(商3・湘南)がトライ。更に30分、敵陣ゴール前、相手ペナルティーからのクイックスタートに対し、相手が再びペナルティーを受けシンビンが出る。敵陣が浮足立ったところをラインアウトからモールドライブできっちりインゴールに押し込んだ。一気に逆転に成功する。畳み掛けるように32分にリズミカルなパスワークからボールを受けた豊田が再び鋭い突破を見せ、ゴールラインを割った。一挙3連続トライで31-19。東海大に対しリードを奪う。意地を見せたい東海大もハーフウェイラインのラインアウトからじりじりフェーズを重ねて前進し、37分に7点を返したが、反撃もここまで。慶大が31-26で強豪・東海大を下し、念願のJr.選手権初勝利を挙げた。
「前半は凄くディフェンスの時間が長くて、自分たちとしては辛い時間帯が長かったんですけれども、そこをしっかり我慢しました。あれだけ攻められていたにも関わらず、同点で返せたというのは自信になった」。この日ゲームキャプテンを務めたFL西松広夢(商4・慶應)のこの言葉通り、前半苦しい展開をしのいだことが後半のトライラッシュにつながった。慶大のJr.選手権次戦は21日。敵地で王者・帝京大を迎える。今回の勝利を足がかりに、ジャイアントキリングを果たしてほしい。
記事:江島健生 写真:江島健生、萬代理人
以下、コメント
FL西松広夢(商4・慶應志木)
——Jr.選手権初勝利おめでとうございます。今のお気持ちを
シンプルに凄く嬉しいということと、先週流経大戦で良い態度で臨めていないとHCから言われていて、自分たちでそこを改善できて、今回全力を出せたことは良かったと思います。
——今回はゲームキャプテンを務められましたが、試合に臨むにあたって意識したことは
あまり気負いはせずにいつも通りのプレーをすることと、そこにみんなが乗っかってくれるように自分から身体を張ることを意識しました。そうすればみんな付いてきてくれると思ったので。
——前半はスコアこそ5-5でしたが、かなり苦戦を強いられました
前半は凄くディフェンスの時間が長くて、自分たちとしては辛い時間帯が長かったんですけれども、そこをしっかり我慢しました。あれだけ攻められていたにも関わらず、同点で返せたというのは自信になって、それが後半も良い流れを持ってこれた要因だと思います。
———ハーフタイムはチーム全体でどのような話をされましたか
みんな疲れていて息も絶え絶えだったんですけれども、ディフェンスのところは凄く我慢できていて良かったので、そこを継続して、あとは自分たちのボールになったときにどれだけ継続できるかを意識して、という話がありましたね。
——後半の中盤あたりで3連続トライを決め、自分たちの流れを掴めた時間帯があったと思うのですが
あそこは本当にチームが一つになって、しっかり自分たちのプレーをするというところに立ち返れて、そこを依り代にみんなで団結して、ベンチからの声も中の声もそうですけど、凄く良い雰囲気でできました。
——ただ全体的にはスクラムで苦戦を強いられました
スクラムは反省点です。凄く押し込まれてしまって、ターンオーバーやペナルティーもあったので、そこは反省して更にまた練習して、来週の帝京大戦や対抗戦にも繋げられるようなスクラムを組めるようにしていきたいです。
——技術というより単純に相手のパワーが上回った、という感じでしょうか
そうですね。そのへんもFW全体で持ち帰って話してみたいと思います。反省点が出たというのも一つの収穫だと思うので。
SH若林俊介(政1・慶應)
——今日の試合をどのように臨みましたか
前回の流経大戦で大きな実力差があった中で引き分けになってしまい、ヘッドコーチに怒られました。今日の試合ではしっかり勝ち点をとることと網走での東海大のBチームとの対戦でいい試合をしたので勝ちを狙いに行きました。
——戦術面での意識について
ピッチコンディションがあまり良くない中、最初はハーフからハイパントを上げて相手のキャッチ能力を見ようという指示がヘッドコーチからありました。自分自身のキックがあまり良くなく、途中から敵陣でプレーすることを意識しました。
——前半のトライのシーンを振り返って
味方が良くターンオーバーしてもらいました。たまたまボールが自分に渡って走り切っただけなので僕がトライを決めたというよりは味方がしっかりターンオーバーしてくれたおかげです。
——大学ラグビーのレベルをどう感じていますか
フィジカル面で高校とはかなり大きな差があります。自分は怪我をした分、フィジカル面で大きな遅れをとっています。だから他の戦術面などの理解を深めていかないとまだまだ上のレベルにいけないです。
——今後の目標は
ハーフには小宮山選手と江嵜選手がいます。対抗戦に出場するためには二人を抜かないといけません。ここ2試合ではいい動きができていないので、ジュニア戦でしっかりアピールしていきたいです。