秋季リーグが終わっておよそ1ヶ月。4年にとっては4年間の集大成となる全日本インカレまで残り1週間となった。全日本インカレへ向け一段と気合の入る中、選手を代表して攻撃面でチームを引っ張る4年の黒田彪斗(環4)と佐藤康平(環4)に意気込みを語ってもらった。
――まずはこの1年間の話を中心に振り返っていただきたいと思います。2年ぶりの1部リーグ復帰、現時点でこの激動の1年間を振り返っていかがですか?
佐藤 春は正直、入替戦進出が他力本願というか、自分らで勝手に負けたっていう感じで。しかも最終セットで先に14点とってから負ける、とかもあって。
黒田 青学戦でしょ?
佐藤 青学戦。それでもうあぁ…みたいな感じでみんな泣いてて。最終戦が終わっても、俺はもう試合見たくなかったから部室帰ってて。そしたら「入替戦決まりました!」って。
黒田 棚ぼたっていうかね。しかも入替戦もフルセット、最後はデュースで。すごく少ない可能性の中で1部に上がることができて嬉しかったです。
佐藤 入替戦に行けたら負ける気はしなかったよね。
黒田 そうだね。入替戦に行ければ大丈夫、みたいなことはみんなで言ってたから。
佐藤 言ってたね。秋はなんだろう…関東1部って大学リーグの中でも強いところしかいなくて。夏に合宿で結構勝ってたじゃん、あの九州の方のチームとか。それで結構いけるんじゃないか、みたいな感じになってたんだけど、秋季リーグで本当の意味での強いチーム、実力を改めて見せつけられたというか、やらないといけないことがまだまだたくさんあるっていうことを痛感したというか。今年はもうあと1ヶ月しかないけど、後輩たちにとっては、来年以降もっと高い順位目指すにあたっていい経験になったんじゃないかなと思うんだけど、どうですかね。
黒田 その通りだと思います(笑)。
――印象に残っている試合は?
黒田 そりゃー、あれじゃない?入替戦じゃない?
佐藤 入替戦だよね。
黒田 しびれる試合だったんじゃない?
佐藤 あの入替戦の吉田(祝太郎(政1))のサーブに尽きると思うんだけど。
黒田 そうだよね、(第5セット)14-14だっけ?
佐藤 なんかでもさ、あの時、オーラあったよね。
黒田 ね。決めてくれるんじゃないか、みたいなね。勝手に思ってたけど。
佐藤 俺も思ってた。そしたら案の定だったしね。
黒田 色々な人が応援に来てくれてて…自分の話になるんですけど、おばあちゃんが観に来てくれたり、あんまり喋ったことがない親戚とかも観に来てくれたり。こんなに応援してくれる人たくさんいるんだ、って。しかもスタンドを見ても、慶應の人の方がむちゃくちゃ多くて。これは応援してくれる人たちのためにも勝たなきゃな、と思いながらずっとプレーしてました。人生で一番気合を入れたというか、絶対1部に上がらないと、っていうプレッシャーもすごくあったんですけど、そのプレッシャーも忘れるくらいその試合に勝つことに夢中になっていた感じで、一番印象に残っています。
佐藤 たしかにね、OBの方とかも。
黒田 そうだね。
佐藤 いつもの試合で、結構地方に行ってる人がわざわざ来てくれたりしてて。国士館の応援はすごいけど、それ以上にうちのOBの声がすごく響いてて。慶應のチームカラーというか、うちのバレー部がどういう組織であるかっていうのが本当に一番よく見れた、ありがたかった、勝ててよかったって感じです。
――最上級生としてチームをまとめてこられましたが、今年の慶大チームについてはいかがですか?
佐藤 …それはゲームキャプテンから(笑)。
黒田 (笑)。僕はプレー自体に自信があるわけでもないです。下級生にすごく強い選手がいっぱいいて、でもやっぱり年も若いから、(スパイク)レシーブとかサーブレシーブとかっていう細かいプレーがちょっと雑なところがあって。それをどれだけカバーできるかっていうところを、僕自身は頑張ってました。でも、下級生は自分の意見を持っている人がいっぱいいて、それをまとめるのがすごく大変で…そういう時に頼りになるのが、康平でした。僕はゲーム中とか結構熱くなっちゃうんですけど、そういう時に冷静に声を掛けてくれるのが康平で、そうやって二人でまとめることができたのかな。わかんないけど。
佐藤 個人的にはやっぱり(彪斗が)言った通り、下級生中心のチームで、良い意味で本当に自分の意見を持っている人が多くて。本当に勝ちたいっていう気持ちが…なんていうんだろう、俺たちが1年生の時よりも…
黒田 すごいよね。
佐藤 すごい遠慮がないというか。まあ、その組織を作ったのは、増田(拓人主将(環4))だったり尾木(将副将(政4))だったりですね。すごく風通しの良い雰囲気なので、意見をどんどん言ってくれて。こっちが思っていることに対して「こうじゃないですかー?」みたいな。それで議論がどんどん進んで、良いものが出来上がってるっていうのがすごくあります。ただ、下級生が多い分、試合になるとミスとかも多くなっちゃうので、そういうところを彪斗がうまくプレーで魅せて、引っ張ってきたっていうところがあるのかな、と思ってます。
黒田 上級生が少ない分、下級生の意見も言いやすくて、良い意味でコミュニケーションをとりやすい環境があったんじゃないかな、って。ゲーム中とかでも。
佐藤 そうだね。それに尽きるわ。でも、その背景には僕らの代の出られてないメンバーの思いとか考えとかがあって、その上に良いものがどんどん乗っかってて。それを4年の代表として僕と黒田が、あと(長澤)翔吾(環4)が出てるんですけど…なんていうんだろう、フィードバックするというか、それで今チームが回ってるっていうのがあります。
――今お話に出ましたが、同期のほかの4年生については?
佐藤 もちろん出たい気持ちも勝ちたい気持ちもあると思うんですけど、現状マルキ(ナシム(総2))とか富澤(太凱(経2))とか、背が大きくてパワーもある選手がいるので。悔しい気持ちは当然あるんでしょうけど、その感情を上手く出さないで、そこで腐らずに、チームのことや勝つためのことをずっと考えて練習を組んでくれたり、意見を言ってくれたり、それこそ後輩の面倒を見てくれたりしてるっていうのはすごく感じています。そういう同期の思いも、出ている自分や黒田が汲み取って、もっともっと頑張んなきゃいけないっていうのはすごく思うんですけど…現状あれだよね、そういうことを考えると、まだまだ甘いよね。
黒田 そうだね。本当に、チームのために尽くしてくれてます。とくに増田とか。キャプテンっていうプレッシャーがすごくあると思うんだけど、本当にレギュラーのためを思ってくれた練習内容とか、集合の時の声の掛け方とか…増田もそうですけど、尾木とかもすごく真剣に考えてくれています。他にも名前出すと、松尾(壮一郎(環4))は選手を諦めてアナリストっていうポジションについて、リーグ中の相手の分析とかもしてくれていて。本当に僕たちに尽くしてくれているっていうか、チームが勝つために自分は何をしなきゃいけないっていうのをちゃんと考えてくれているから、もう何も言うことはないんですけど、そういう面ですごくいい環境を作ってくれてるな、と思います。
佐藤 だからもっと頑張らないとだめだよね。
黒田 うん。
――先ほどもありましたが、後輩たちの成長については?
黒田 成長はすごくしていると思います。去年、マルキが入ってきたときに「あ、こいつすごい選手だな」って感じたんですけど、マルキ自身まだまだなところはいっぱいあって。もっと成長してほしいなって思います。でもなんか、プレー面とかじゃなくて、マルキとか富澤とかの周りからの信頼度っていうのがすごく高くなってるんじゃないかなって思います。代表的な例だと、春の青学との試合ですね。14-11くらいで勝ってた時に、サーブレシーブ返って、(吉田)祝太郎がトス上げて…マルキミス、富澤決まらない、マルキ決まらない、みたいな感じで負けたんですけど、そのときに彼ら自身も「自分たちが最後決めなきゃいけないんだ」みたいなことを言っていました。それを機に練習への姿勢とか、スパイクのもう1点取れる工夫とかっていうのを考え始めたと僕は思ってます。本人たちはわからないんですけど。まあ、すごく頼りになってきたな、っていうのはとても感じています。
佐藤 なんかその、メンバーに入っている1・2・3年…
黒田 そうだね、その二人に限らず。
佐藤 素質というかポテンシャルを持っている選手がすごく多いと本当に思ってて。そういう子たちを、やっぱり効率的に、飛躍的に成長させてあげられるような環境をあと1ヶ月で整えて、引退したいね。
黒田 そうだね。
――黒田選手はゲームキャプテンを務めていますが、難しさなどは?
黒田 一番難しいことは、プレーでも軸にならなきゃいけないし、精神面でも軸にならなきゃいけないし、ゲームコントロールもしなきゃいけない。全部自分で抱えるとかそういうのじゃないですけど、全部やんなきゃいけないので。サーブレシーブの中心も自分だし、スパイクの打ち方とか教えるのも自分だし。そういうなんか色々なことをやんなきゃいけない、しかも、自分が崩れちゃうとチームが崩壊しちゃうっていう色々なことを考えなきゃいけないのが一番難しいです。
――佐藤選手もタイムアウト中などによく声を掛けてらっしゃるな、と思うのですが
佐藤 …(首をひねる)
黒田 いやでも、ほんと声かけてますよ(笑)。
佐藤 いやそんな…何してるかって言ったら、申し訳ないですけど僕は何もしてなくて。意見を持っている選手が多いので、それをなんか、熱くなりすぎないようにするとか、ばちばちしないようにするとか…
黒田 謙虚だから(佐藤を指す)。
佐藤 いやいやいや、ほんとに。でも、ゲームキャプテンは黒田にしかできないポジションだと思うので、大変だと思うんですけど、そこはもうちょっと頑張っていただきたいです。
黒田 (笑)。
――ここからはお二人の4年間について振り返っていただきます。下級生のころから活躍されてきたお二人ですが、大学での選手生活を振り返っていかがですか?
佐藤 4年間か…2人で共通しているのは、大きな怪我があったこと。
黒田 そうだね。こいつはヘルニアで、俺は疲労骨折しちゃって。もともと1部にいたときにオポジットやってたんですけど、スパイク打ちすぎて脚の骨を折って。代わりにこいつがオポジット入ったら次こいつがヘルニアになって、みたいな(笑)。
佐藤 そうだったね(笑)。本当に怪我に関してはちゃんとしようって思ったもんね。
黒田 うん。
佐藤 気を付けてはいたんですけど
黒田 僕ら結構さぼりがちなところがあって…ストレッチとか(笑)。
佐藤 これくらいでいいだろう、みたいな。
黒田 2人ともあんまりやらない方なんで(笑)。だから、体は大事にしないといけませんね、ってすごく感じました。
佐藤 それはね、本当に。ヘルニアになってから本当に跳べなくなったからね、俺。
黒田 俺も跳べなくなった、骨折ってから。
佐藤 10センチくらい落ちた。
黒田 俺も10センチくらい落ちた。
佐藤 後悔しかないですけどね。
黒田 そうだね。
佐藤 悔やんでもしょうがないので、怪我は気をつけろと後輩にはいつも言ってます。
黒田 …こんなんで大丈夫ですか(笑)?
佐藤 上手くやってくれるから。
黒田 上手く編集しといてください。
――原点に戻って慶大バレー部に入部した理由を聞かせてください。
黒田 僕は、全国私学大会っていう全国大会に出たときに、そのときの3年生、元主務の岡本諒大さんっていう人がいたんですけど、その人に声をかけられて。慶應ってスポーツ推薦ないじゃないですか。受かるかわからないけど受けてみないかって言われて。その時の慶應のエースが柳田(将洋(TVインガーソル・ビュール(ドイツ)・H27卒))さんだったんですけど、僕はその人にずっと憧れてバレーしてたので、その人とバレーできるなら続けてみようかな、と思って入りました。
佐藤 僕は大学でバレーを続ける気はあんまり…いや、全くなくて、一般受験を考えてました。高校3年生の11月に春高予選があって、そこまでやろうって決めてて。けど志望大学に受からなくて、「どうしようかな、別の大学行こうかな」と思ってた時に、慶應大学に9月入学があることを知って、「あ、もう1回挑戦できるんだ」って。もともと第1志望が慶應だったんですけど、そういうことを知って、やるならバレーもやろうかな、って。
黒田 (笑)。
佐藤 さっき彪斗も言った通り、今全日本でもエースやってるような先輩がいて、伺った時に雰囲気も良くて、すごく魅力的な環境だな、っていうことで。自分自身、試合に出られるとかそんなことは思ってなくて。
黒田 俺も思ってた。
佐藤 とりあえずやるだけやってみようとを思って勉強して、無事受かりました。
――なぜ高校まででやめようと思われたんですか?
佐藤 …やる気がなかったからって感じですね。
一同 (笑)
佐藤 いや本当にきつくて、高校の練習が。大学でもまた地獄のような4年間が続くのか、というふうに思っていたので(笑)。でも実際来てみたら、厳しくはあったんですけど、しごきとかそういう部分ではなくて。高校のときは当然体力がなかったので体力をつけるようなメニューが多くて、ほんとにそれがしんどかったんです。けど慶應は、そういう部分ではなくて技術的に厳しい感じだったので、自分が思い描いていた大学の練習とはだいぶかけ離れてて、また違うベクトルできつかったので、だったらまた挑戦してみようかなと思いました。
――お互いの第一印象は?
黒田 えー?
佐藤 アホ。
一同 (笑)
黒田 アホー!?アホー?まぁ頭は悪いけどさ(笑)。
佐藤 ちょっと天然なところがあるので。
黒田 あるかー?(笑)
佐藤 なんかちょっとこっちが伝えたい意思と違う、みたいな。なんだろう、例がないな。
黒田 いやそんなのないやろ、だって例ないんやったら。
佐藤 なんかこう、話をしてるんですけど、「それどこげー?」みたいな。
黒田 ちがうちがう(笑)なまってるし(笑)
佐藤 例えば、こっちが「どこどこっていうところがあって」って話をしてたときに、話し終わってから、「それどこげー?」みたいな。
黒田 (笑)
佐藤 話したでしょ?みたいな(笑)。そういう天然なところがあって、そういう意味でのあれですね、だからバカではなくて、アホ。天然な意味も込めてのアホですね。ごめんね、悪口言って。
黒田 いやいいよ(笑)。俺はなんか、怖いなって思いました(笑)。
佐藤 (笑)
黒田 でかいし、黒いし、パッと見怖いじゃないですか。
佐藤 オーラがあるって言ってたね。
黒田 そう、怖いオーラがありましたね。
――4年間を通じてお互いのここが一番変わったと思うところは
黒田 じゃあ俺から。最初は怖いなって思ったけど、ちゃんと話してみると怖かったりとかもないし、逆にめちゃめちゃ優しいやつやんって。人の気持ちを本当に理解できる人だなって思います。
佐藤 変わってなくね、4年間で。「変わったこと」だよ?
黒田 変わったよ。怖いってイメージから優しいってイメージの人に。
佐藤 あー、イメージか。俺が最初は怖い人だったみたいになっちゃうかなって。
黒田 (笑)
佐藤 4年間で黒田が変わったことは、さっき言ったように上級生になるにつれてゲームキャプテンとしての役割とかそういう変化はあるんですけど、根底にある勝ちたい気持ち、バレーがただ単純に好きだっていう気持ちは、変わらずに。まぁ大きくは変わってないと思います。
黒田 成長してないみたいじゃん(笑)。
佐藤 成長はしてるけど、根本的なところは変わらず。純粋ないいやつです。
黒田 アホは変わらず…?
佐藤 …それは言ってない、俺は。
黒田 (笑)
――同じコートに立つ者同士、選手としてお互いの存在をどう思いますか?
黒田 僕は最初からずーっと頼りにしています。サーブレシーブする側として、ちゃんと返ったときは絶対決めてほしいんです。そういう時に康平にトスが上がったら、「あ、決まる」っていう感じがあるので、そういう面ではすごい頼りにしています。康平がいなかったら…こいつ、「今日疲れたから試合出たくない」みたいなこと言うんですよ。
佐藤 練習試合でしょ?(笑)
黒田 練習試合。
佐藤 やめてよ、なんか(笑)
黒田 (笑)。練習試合の時とか、「俺もう今日脚痛いし、ちょっと休ませて」みたいなこと言うんですよ。で、たまに本当に出ないんですよ。
佐藤 ほんと、腰があれで。
黒田 ヘルニア持ちなので、たまに出ないときがあって。
佐藤 兼ね合いがあるんですよ。
黒田 でもなんか、出てないときはちょっと不安になりますね。ちょっとした声掛けとかが上手いので、そういうところも全部頼りにしています。なんで試合でないの、って俺怒っとるんですけど。
佐藤 腰が痛いから、って。
黒田 そっか、って。
佐藤 まぁそうは言ってくれるんですけど、結局黒田がいないと回らないので。僕の代わりはいくらでもいるんです。今も樫村(大仁(環1))と(清水)柊吾(総1)と僕って3人センターがいるんですけど、この3人は誰が出ても同じような働きをすると思うし、もしかしたら自分よりも清水と樫村が出た方がいいんじゃないか、と思うくらい、センターのレベルは同じくらいだと思ってて。でも、黒田の代わりはいない。そして、さっき彪斗が言った通り、彪斗が崩れちゃったら負ける。良くも悪くも黒田のチームだっていうことは、みんな言わないですけどわかってると思うので、ある意味絶対的存在なのかな、って思います。
黒田 おー。
――では慶大バレー部の好きなところは?
黒田 あれですね、OBに恵まれているところが日本でも絶対的に一番かなって思います。毎試合大先輩とかも来てくれるし。
佐藤 叱咤激励してくれてね。
黒田 そう、本当に、それがすごくありがたいな、って思います。
佐藤 本当にすごいんですよ。本当に、ね。
黒田 すごい。
佐藤 ずばりと言ってくださるし、ぼこぼこにされたら、慰めてくださるときもあれば、厳しい言葉で激励してくださるときもあって。でも、恐れ多いOBっていう感じはなくて、一人のOB、先輩として応援してくださってる、っていうのがすごく伝わってきます。
黒田 僕らもそんなOBになりたいなって思います。
佐藤 大人の男としての鏡を見せていただいているような、そんな感じです。
黒田 あと僕は、みんな元気で楽しいところだと思います。それを象徴しているのがキャプテンの増田で、集合の時とかもいかに選手を笑かそうか、モチベーションを高くしてあげようか、みたいなことばかり考えていますね。練習中もそうですし、練習終わった後も「みんなでご飯行こう」みたいなこともあるし。
佐藤 変な上下関係がないのがいいよね。
黒田 そうだね。俺もそれが好き。敬語使ってこない後輩もいっぱいいるし、そういう面でやっぱりこう風通しの良い組織っていうものを増田中心に作り上げられてるんじゃないかなって思います。そういうところが好きです。
佐藤 そうですね。本当に同じようなことなんですけど、変な上下関係とかもなくて、そんな部則でがちがちに固められてるわけでもなくて。でも、もう二十歳越えてるので、一応大人として自律して行動して、それが練習や学校生活に活かされてる部分が多いです。他大に比べて、そういうところが誇れるところです。
――話は少し変わりますが、オフの日などはどのように過ごされていますか?同じ授業を取られたりなどは?
黒田 あ、しないです。仲悪いので(笑)まあ仲悪いわけじゃないんですけど、こいつが9月入学で僕が普通入学で、半年学年が違って取る授業もだいぶ変わってきて。だから授業が同じとかはないんですけど、でも趣味とかも同じことはあんまりなくて、たまーにご飯食べるくらい(笑)
佐藤 オフの日はあんまりバレーボールの話はしたくないよね。
黒田 基本オフはバレーのことは考えずにオフはオフで楽しく過ごしたいので、メリハリは心掛けています。バレーの話はしたことないです。
――全日本インカレが終わって引退したら、自由な時間はどのように使いたいですか?
佐藤 僕9月入学なので学校あるんですよ。
黒田 引退したらできた時間を…?
佐藤 勉強します(笑)
黒田 僕は友達とかと旅行とか軽く行ければいいかなと思います。
佐藤 今はそこまで考えられていないというか、試合が終わったらまた考えます。
――その4年間の集大成である全日本インカレを目前に今の率直な気持ちは?
黒田 今は全カレに向けて秋から一ヶ月時間があるのでもっと強くなろうとしているんですけど、僕らの代から、1年生から徐々に作り上げてきた慶應バレー部の本当に集大成だと思うので、それに向けて健康の面とかも、けがとかしてしまったらそれで終わってしまうので、それに気を付けながら今まで作り上げてきたチームなんだぞ、って自信を持って試合挑めるように頑張っていければなと思っています。また勝ち進んでいったら宿敵早稲田と当たるのでもうそろそろ勝ちたいなと思います。
佐藤 とりあえず足元すくわれないように勝っていって、順当にいけば早稲田と当たると思うんですけど、簡単にやられっぱなしで終わるのもよくないし、個人的にもちょっと嫌なので、ここで一回意地を見せて、リーグ戦でも同じようなことがあると思うので、来年以降もつながるような形で練習に取り組んでいって、来年の延長線上で早稲田に勝てるようにして、いなくなりたいと思います。
――また早稲田との対戦ということでトーナメントが決まった時のお気持ちは?
黒田 正直また早稲田かという気持ちは強かったんですけど、またやれる、早慶明(定期戦)もあるんですけどまた早稲田と2回も戦えるってなったら、勝つチャンスいっぱいあるんだって思って、どっちか、まあできれば両方勝ちたい、余計に気合が入りました。
佐藤 特になんとも思わなかったんですけど、順当に勝っていったら、早稲田も強いので、いつかは当たるだろうっていうのはありました。
――練習面では残り3週間ほど、どのような練習を積んでいかれますか?
黒田 秋リーグで自分たちの力不足だったところ、サーブレシーブとか基本的にレシーブの面なんですけど、そういうところを中心に強化していって、成長した姿を見せられるように粘りのバレー、自分たちの軸はやっぱりサーブアンドブロックっていうのがあるんですけど、それプラス、レシーブの粘りっていうのを出していければいいかなと思って、あと3週間練習していきたいと思います。
佐藤 彪斗が言った通り、課題はあるんですけど、長所も伸ばしながらという形で、来年向けるのが攻撃面の選手だと自分と黒田だけなので、来年以降もっともっと精度の高い自分たちのサーブアンドブロックという形ができると思うので、それにはレシーブがまだ追いついていないなと思うので、それの強化と、さらなる完成度の高いブロックを目指して勝ちますか!
――では最後に全日本インカレの意気込みをお願いします。
黒田 僕たちの今まで作り上げてきた慶應バレーの集大成を見せつけるので、応援よろしくお願いします!
佐藤 今シーズンのベストゲームを試合が続くにつれてできるようにして、一つでも上に行きたいと思います!
――お忙しい中、ありがとうございました!
(この取材は11月2日に慶應義塾大学日吉記念館にて行いました。)
(取材:藤澤薫、太田彩恵、写真:尾崎崚登)
選手プロフィール
◇黒田彪斗(くろだ・あやと)181センチ。富山・富山第一高校出身。ポジションはサイド。
◇佐藤康平(さとう・こうへい)187センチ。神奈川・桐蔭学園高校出身。ポジションはセンター。