【ラクロス(男子)】社会人相手に力負け、日本一には一歩届かず/全日本ラクロス選手権大会 VS Stealers

今年も全日本の舞台に駒を進め、全国クラブ2位のStealersとの対戦に臨んだ。1Qでは相手ディフェンスに苦戦しながらもAT井上裕太(経4・慶應義塾)、AT浅岡大地(文2・慶應義塾)、AT立石真也(政1・慶應義塾)ら攻撃の要が次々と得点を決め、リードを奪う。しかし続く2Q・3Qでは相手の攻撃を抑えられないまま連続失点を喫し、4点ビハインドで最終Qへ。MD小笠原圭允(商3・慶應義塾)がシュートを決めると、終盤には怒涛の追い上げでさらに3連続得点を決める。大学王者の意地を見せたが、逆転とはならず。目標の日本一にはあと一歩届かず、準決勝敗退となった。

今季の挑戦が幕を閉じた

 

第28回全日本ラクロス選手権大会 準決勝

2017/12/9(土) 10:00F.O. @駒沢第一球技場

慶大

経過

一橋大

3

1Q

2

2

2Q

6

2

3Q

3

4

4Q

2

11

合計

13

 

 大学王者となり、目標の日本一まであと2勝となった慶大。全日本準決勝は、昨季同様Stealersとの対戦となった。昨季13-7で快勝しているとはいえ、相手は経験豊富な社会人チーム。しかも、今季は全日本選手権9連覇中の絶対王者FALCONSを2点差まで追いつめている。負けられない戦いに向け、「入念に作戦を立てて」(井上)試合に臨んだ。

 

 1Q。開始早々、中央で落としたグラウンドボールを拾われ、あっさりと先制点を許してしまう。その後井上がゴール左から鋭いシュートを決めるが再び失点。ゴール前で細かくパスをつなぐが、Stealersの固いディフェンスに阻まれる。ファールにより、相手守備陣が1人減った状態となる時間帯もあったが、なかなかシュートまで持ち込むことができない。しかし14分にMD矢島荘太朗(経4・千葉県立長生)からのパスを受けた浅岡がしっかりとシュートを決めると、終了間際に立石が得点。相手ディフェンスに苦戦する場面もあったが、1点のリードを奪う良い滑り出しとなった。

相手にプレッシャーをかけるMD山本陽亮(商3・長野高)

 

 2Q。前半のうちにリードを広げたいところだったが、いきなり2失点を喫し逆転を許す。慶大も矢島、立石の連続得点で食らい付くが、相手の攻撃の勢いを抑えることができない。一気に慶大ディフェンスを抜き去ってシュートを決められるなど個人技でも圧倒され、悪い流れを断ち切れないまま立て続けに3点を許してしまう。終盤はG杉本健(経3・慶應義塾)が何度もファインセーブを見せ、なんとか3点ビハインドに留めた。

チーム最後の砦・G杉本

 

 まずは1点でも多く返したい3Q。相手のロングシュートが決まるが、6分に立石がゴール裏からシュートを決める。慶大は、ここから良い流れを作ろうと積極的に攻撃を仕掛けていく。しかし、松平のシュートは相手ゴーリーに阻まれ、相手ボールを奪って駆け上がったDF竹内豪(理3・慶應義塾湘南藤沢)のシュートも得点には至らず。慶大のパスミスも目立ち、なかなか得点を決め切ることができない。立石のパスから井上がゴールを決めるが、その直後、相手に速攻からの得点を許してしまう。最終Qを前に4点差を付けられるという厳しい展開となった。

自慢のスピードで相手を抜き去る井上

 

 逆転できなければ日本一への道が途絶えてしまう、運命の4Q。4点ビハインドという苦しい点差だが、FINAL4一橋戦での逆転劇のように、終盤での勝負強さも見せつけてきた慶大にとって、逆転できない点差ではない。序盤に小笠原がボールを押し込んで得点を挙げるが、またしても相手の速攻を抑えられず2連続失点を許してしまう。しかし、慶大の攻撃はここで終わらなかった。MD川上拓純(経3・慶應義塾)、松平が続けて得点を奪うと、相手のパスミスから一気に前線までつないだボールをAT井上がしっかりと決め、2点差まで追い上げる。終盤の猛攻で逆転の可能性が見え始めたが、反撃及ばず。11-13で敗北となった。

ゴール裏から回りこむ小笠原

 

 2017年度男子ラクロス部の戦いは、悔しくも敗北という形で幕を閉じた。振り返れば、リーグ開幕戦は6-13という大差で早大に敗れブロック2位通過となるなど、ここまでの道のりは決して簡単なものではなかった。また、チームがばらばらになってしまう時期もあったという。しかし、攻撃陣を支えてきた井上、守備陣を支えてきたDF細川優作(経4・慶應義塾)ら4年だけでなく、1年ながら慶大の攻撃を支えた立石やピンチを何度も救った杉本ら下級生も一体となって結束力を強め、日本一まであと一歩の舞台まで勝ち進んできた。これは今シーズンの大きな収穫と言えるだろう。この1年で大きく成長した下級生たちが、来シーズンも日本一という目標に向かって再び歩み始めていく。

(記事・伊藤史織/写真・下川薫、新井賀南子)

 

以下、選手コメント

井上裕太主将(経4・慶應義塾)

(試合を振り返って)学生とはレベルが違う相手と戦うということで、スカウティングもかなり入念に行って作戦を立てていました。ですが、さらにそれを上回る個人の能力や成熟したプレーがStealersにはあり、こちらが流れを奪おうとしてもすぐに引き戻されてしまいました。かなり苦しい試合展開でした。(経験の差ということも感じたか)そうですね。経験だけでなく実力の面でも上だということが分かっていたので、自分たちは気持ちでプレーをするつもりだったんですが、一歩足りなかったです。(慶大に所属していた先輩方との対戦について)試合前日、去年の主将の山田(晃平)には、「気負わず、楽しんで来い。それが一番良さが出る」と言われました。相手には安藤さん(安藤圭祐・15年商卒)や河村さん(河村剛志・商4)もいらっしゃって、その言葉通り楽しんでプレーすることができました。ですが、まだまだ実力が足りなかったという感じです。(主将としてチームの成長はどのように感じているか)僕たちの代では今年一年間で色々と変革をしようとしていて、その過程でチームがばらばらになってしまう時期がありました。それでも、関東FINALや全国大学選手権を経てチームとしてまとまりが出来ていって、プレー面ですごく成熟してくれた選手がたくさんいます。だからこそ悔しいです。あと一歩ピースがはまれば、という試合だったので。今日の試合を観て、3年以下の選手たちが課題を見つけて、来年は今回のような厳しい試合ではなく完全に相手を圧倒して日本一を獲って欲しいです。僕も、そのために最大限のアドバイスをしていこうと思っています。

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