5月11日から13日にわたって行われた関東学生馬術選手権大会、および関東学生馬術女子選手権大会では慶大の2選手が全国大会へのきっぷを手にした。大会2日目の12日は、更に上の順位を目指して慶大からは2選手が出場。それぞれ3回戦を突破するも準々決勝ではわずかに及ばず、最終日の準決勝出場はかなわなかった。
5月11日~5月13日
第90回関東学生馬術選手権大会
第62回関東学生馬術女子選手権大会
@御殿場市馬術・スポーツセンター
第90回関東学生馬術選手権大会
◇1・2回戦合同結果
順位 | 名前 | 1回戦順位 | 2回戦順位 | 合計順位 |
1 | 高橋駿人(総4・玉川学園) | 1 | 5 | 6 |
21 | 岩崎星斗(経4・慶應義塾) | 23 | 16 | 39 |
25 | 三浦大輝(政3・膳所) | 20 | 26 | 46 |
E | 四ノ宮康(理3・慶應義塾) | 二反抗E | ― | ― |
E | 田中宏明(総3・成蹊) | 二反抗E | ― | ― |
◇3回戦結果
馬名 | 選手名 | C:月川 | 浅野 | B:大貫 | 平均得点率 |
ダイナ | 高橋駿人(慶應義塾) | 65.210 | 65.789 | 58.684 | 62.894 |
鵜飼勇希(東京農業) | 64.473 | 61.052 | 57.105 | 60.877 |
◇準々決勝結果
選手名 | 馬場 | 障害 | 二種目総得点 | ||||||||
馬名 | C:月川 | H:浅野 | B:大貫 | 総得点 | 馬名 | タイム | タイム減点 | 障害減点 | 総減点 | ||
高橋駿人(慶應義塾) | 稲俊 | 119.5 | 112.5 | 105.5 | 337.5 | 明輝 | 59.64 | 1 | 5 | 6 | 331.5 |
近藤直人(専修) | 116.5 | 120.0 | 111.5 | 348.0 | 64.28 | 0 | 10 | 10 | 338.0 |
◇第90回関東学生馬術選手権大会
関東学生馬術選手権大会は完全な個人戦である。1・2回戦は各大学が持ち込んだ馬でそれぞれ障害、部班に臨む。1・2回戦の合計順位の上位16人までが3回戦に進出できる。3回戦からは馬も抽選になり、2人が同一の馬を用いて競技を行った結果で対戦する形式になる。また3回戦は馬場馬術、準々決勝以降は馬場馬術と障害馬術の双方を行い、その得点を競う。
大会2日目となる5月12日は3回戦および準々決勝が行われた。3回戦では高橋駿人(総4・玉川学園)は東京農業大の選手と対戦。相手より先の演技順で、初めて乗る馬を御するという難しさがある中、審判員3人の得点すべてで相手を上回り勝利。
準々決勝では最初に馬場馬術が行われた。最初の演技順ということもあり「馬のクオリティを上げることが出来なかった」(高橋)というように、限られた時間で調整しきることが出来ない中でも安定した演技を見せた。
その後行われた障害馬術では、後ろの出番であったこともあってか、1落下で走行を終えた。全体的にスムーズな飛越とコース取りで競技を終え、障害馬術のみの点数に着目すれば準々決勝に出場した全選手中で2番目の減点の少なさを記録した。
1・2回戦の結果ですでに全国大会へのきっぷを掴んではいたものの、結果的に準々決勝での敗退と少々悔いが残る結果となった。
第62回関東学生馬術女子選手権大会
◇1・2回戦合同結果
順位 | 名前 | 1回戦順位 | 2回戦順位 | 合計順位 |
7 | 松田和佳(商3・慶應義塾女子) | 7 | 14 | 21 |
8 | 津田脩子(法4・東洋英和女学院) | 10 | 12 | 22 |
27 | 椎野叶子(商4・慶應義塾女子) | 20 | 26 | 46 |
28 | 杉浦美桜里(総4・スイス公文学園) | 28 | 25 | 53 |
◇3回戦結果
馬名 | 選手名 | C:河野 | H;小川 | B:恵澤 | 平均得点率 |
ティンバーウルフ | 津田脩子(慶應義塾) | 52.631 | 55.000 | 55.000 | 54.210 |
安田利実(学習院大) | 53.947 | 55.789 | 56.052 | 55.263 | |
暁桜 | 大川空(法政大) | 50.526 | 54.736 | 53.421 | 52.894 |
松田和佳(慶應義塾) | 58.947 | 58.947 | 60.263 | 59.385 |
◇準々決勝
選手名 | 馬場 | 障害 | 二種目総得点 | ||||||||
馬名 | C:河野 | H:恵澤 | B:小川 | 総得点 | 馬名 | タイム | タイム減点 | 障害減点 | 総減点 | ||
松井久実(日大) | アサクサマリンバ | 119.5 | 112.5 | 105.5 | 337.5 | 薫桜 | 60.01 | 0.5 | 10 | 10.5 | 344.5 |
近藤直人(慶應義塾) | 116.5 | 120.0 | 111.5 | 348.0 | 60.51 | 0.5 | 10 | 10.5 | 336.0 |
女子選手権大会のルールは男子と同じで、障害競技のコース設計などで多少の違いがある。また全国への枠数もわずかに違い、男子は11位までに対し女子は12位まで枠がある。
大会2日目の12日は3回戦と準々決勝が行われた。準々決勝では松田和佳(商3・慶應義塾女子)は日大の選手との対戦。馬場馬術では「勝負に出ようと見せ場で攻めてみた」(松田)結果、得点の面で後れを取ることになってしまった。
その後の障害馬術では、わずかに馬が行きたがるような素振りを見せたものの、最後までコントロールし続け、2落下のタイム減点0.5を記録した。対戦相手の選手も同じ減点で差がつかなかったため、惜しくも準々決勝敗退という結果に終わった。
男女ともに全国大会のきっぷこそ獲得したものの、最終日に行われる準決勝進出がかなわなかった。しかし、この大会で慶應が個人の実力でも十分戦えることは示せた。次は関東学生馬術競技大会(三大大会)。団体でも全国へのきっぷを手にすることは十分可能だ。
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(記事・写真:中村駿作)
以下、コメント
高橋駿人(総4・玉川学園)
――準決勝、馬場馬術を振り返って
全日本学生選手権のほうの権利はもう取れていたので、1・2回戦終わった時点で取れているのは確定していたのでそのあとは気楽にやろうかなという感じでやっていったんですけど、やっぱり、ちょっと前団といって僕のほうが先の出番だったんですけど馬の調子もまだそこまで出ていない状態で。4分間で自分の準備をしなきゃいけないんですけどその中で馬のクオリティを上げることが出来なかったなと言う感じでした。敗因は、もちろん技術も相手のほうが一枚上手だったんですけどそこまで上げられなかったのもあるかもしれないです。
――借りている馬ということもあり、調整するのが難しいところか
そうですね、はい。普段競技場でしか会わないような馬が結構出てきて、そういう馬に乗るというのは難しいところがありましたね。
――結果も芳しくなかった通り、馬場では思うように行かなかった
ちょっと作戦も相手がうまかったなというのがあって、もう少し自分もできたことがあったなとは思うんですけど、自分の中では全て出しきっていたので、次は全日本で負けないようにまた練習していきたいと思います。
――障害の方は相手を上回っていた
障害は相手にも上回って、やっぱり馬場の点数の差が広かったので、それで負けちゃったんですけども、まあ障害は良いフィーリングで、初めて乗った馬だったんですけど乗りやすい馬だなと思いました。
――コース設計は難しい方だったか
難しい方ではなかったですけども、障害の方は準備期間が3分間しかないので、その中でどういう馬なのかなってのを見ていかないといけないのでそういう難しさはすごくありますね。
――次の関東学生馬術競技大会に向けて
あと1ヶ月ぐらいありますけど、それまでしっかり皆で、団体戦なので頑張りたいと思います。
松田和佳(商3・慶應義塾女子)
――この大会全体を振り返って
私は今まで馬場馬術の選手をメインでやってきたので、馬場と障害だったら馬場のほうが自分的には得意でした。1・2回戦で障害と部班があって、1回戦では障害があまり得意じゃないんですけども馬に助けられた部分もあって小回りとかもしてタイムを縮めることができてバーも落とさなかったので、まず障害は7位通過で、部班も13位とそこそこ悪くない感じで通過できました。3回戦の馬場で馬も馬場が得意な馬にあたって、私自身も得意なので、相手の子もすごく強かったんですけど、私のほうが後団で、相手のミスとかを見ていたら自分の演技ができたので、自分の得意な馬場で勝てたのはとても嬉しかったです。あとは3回戦から貸与馬で、いつも乗らない馬に初めて乗って、待機馬場で4分しか時間がなくて、その中で馬の特性とか特徴とか、どれくらいの感覚なのかなとかを見抜かないといけないので集中して疲れました。準々決勝では強豪校の日大の選手とあたって、馬場は得意だったんで勝ちたかったですけど、結果的に点数負けちゃって、障害は同じ減点数だったんですけど馬場で負けたのが決定的でした。前の選手は無難にノーミスで回ってきて、私も無難に回ったら差がつかないかなと思ってちょっと勝負に出ようと見せ場で攻めてみたら、一回イレギュラーで暴れてしまったのが点数に響いたかなと思います。
――全国へのきっぷを手にしたが、結果自体には満足しているか
全国に進める権利を手にしたのはすごく嬉しいことですし、1年生の時は3回戦で負けちゃったので、惜しいところで全国に行けなかったので今年はその時から二年ぶりで、やっと念願の全国進出できたのは嬉しいし、大変光栄なことだと思います。ただ、関東の中でも自分の実力がどこまで通用するのかわかって、でも全国大会に出られるのでそれまでに絶対実力を磨いて、全国ではぜひ上位に食い込めるようにしたいと思います。今回改めて自分の未熟なところを知ることができるいいきっかけだったので、自分に足りないところを全国までに頑張ってトレーニングしていきたいと思います。
――次の大会に向けて
私は選手かわからないですけど、関東学生も今年は慶應に乗れる選手が多いので年々慶應自体もレベルが上がってきているし、強豪校にも負けないぐらいの実力があるかと思います。あとは慶應は頭を使って、そこも重要かなと思います。馬は生き物ですし、実力もですけど考えて馬と息を合わせてといったところが大事なスポーツなので、あとは乗っている時は馬と人の個人に見えるけれどもやっぱり部全体の気持ちを一つに合わせれば、慶應もいいところまで行けるかなと個人的には思うので、皆で力を合わせて集中して頑張ろうと思います。