【野球】遠い勝利 序盤の失点が響き、反撃及ばず悔しい敗戦 フレッシュリーグ 東大戦

６月２日（土）　東京六大学フレッシュリーグ　東大戦

悔しさを次につなげる

フレッシュリーグで未だ勝ち星の無い慶大は、初勝利に向けて同じく勝ち星の無い東大との試合に臨んだ。慶大は３回までに７点を失う厳しい展開。しかし、３回途中からマウンドに登った関谷航平（総２・川越東）が試合を立て直し、流れを徐々に引き寄せる。関谷の好投に応えたい打線は、５回に押し出しと長門功（環２・札幌第一）の犠飛、６回には谷口勇紀（理２・鎌倉学園）と若林将平（環１・履正社）の連続適時二塁打でそれぞれ２点を加え猛追する。しかし、時すでに遅し。５－７で東大に悔しい敗戦を喫した。

東大バッテリー：○濵﨑、奥野―加見

慶大バッテリー：●杉原、井上怜、関谷―植田響

◆慶大出場選手

華の早慶戦がはじまる約４時間前。ブラスバンドによる応援も無い静かな神宮では未来の慶應を担う若武者達が晴れ舞台を目指して奮闘していた。

この日２安打の若林

慶大は後攻。慶大ペースで進むと思いきや、序盤は慶大投手陣がピリッとしない。初回、先発の杉原寛哉（総２・桐蔭学園）が先頭打者に四球を与えると、送りバントを挟み、３番打者にタイムリーを許すなど、初回に重い３失点。その後も杉原は粘ることができない。四死球でピンチを招くと慶大は２番手の井上怜（環２・慶應）にスイッチ。しかし、井上も四球を与え、東大に痛打を浴びる。嫌な流れを断ち切れない。

一方、打線は２回に６番の長門のチーム初ヒットに加え、２つの四球で１死満塁のチャンスを作る。しかし、後続が連続三振で倒れチャンスを生かすことができない。

３回も東大打線の勢いを止めることができない慶大は、井上怜に代えてマウンドに関谷を送る。不運な形で１点を失うもこの回を何とか２点で抑える。その後の３回は味方の好守もあり、ヒットを１本も許さない意地の投球を見せる。関谷の投球が慶大に流れを徐々に呼び込む。

３番手で好投した関谷

関谷の投球に応えたい打線は５回。四死球とヒットで無死満塁の大チャンスを作ると、押し出しと６番の長門の犠牲フライで２点を返し、着実に点差を詰める。６回も死球で水上海斗（経２・山手学院）が出塁し、２番の谷口が左中間を破る適時二塁打で１点を返す。続く３番の若林も適時打二塁打を放ち、ついに２点差まで追いつく。しかし、４番の植田響介（総２・高松商業）は三振。あとが無くなった慶大は５番の角谷隆之介（環２・湘南）が死球で首の皮一枚繋ぐ。一発で逆転の場面で打席に立つのは、今日ヒットを放っている長門。しかし、期待も虚しく三球三振。連盟規定によりこの回で試合終了となり、東大に痛い敗北を喫した。

吉田健一郎新人戦監督（商４・慶應湘南藤沢）が「力不足」と述べたようにピンチやチャンスの場面で粘り切れない、一本が出ないシーンが非常に多かった。確かに、東大はリーグ戦にも出場している選手がいたが、そのような選手に勝っていかなければ晴れ舞台に立つことは決してできない。今日の敗戦は非常に屈辱的で悔しいものだろう。しかし、選手としては多くの課題が見えたはずだ。この敗戦を糧にもう一皮むけた若武者たちがグラウンドで躍動するのを期待したい。

（記事：菊地輝、写真：小林歩）

◆打撃成績

◆投手成績

◆監督・選手コメント

吉田健一郎新人戦監督（商４・慶應湘南藤沢）

――今日の試合を振り返って

厳しい戦いでした。序盤に四球を重ねて、3回終了までに７点取られてしまいました。正直、力不足だったと思います。

――投手陣については

みんな状態は良かったらしいですけど、井上怜は初登板ということもあって難しかったのではないでしょうか。

――３回をゼロで抑えた関谷は

最近調子が良いので、役割をしっかり果たしてくれて良かったです。

――打線は序盤の好機を生かせませんでした

四球でランナーをためましたが最後の一本が出なかったのは、起用した監督にも責任はあると思いますけど、やはり実力不足だったかなと思います。

――今日の試合ででた課題というのは

投手陣で四球が絡んでしまうと、粘ることは難しいかなと思います。

――リーグ戦は優勝しましたが、感想をお願いします

チーム一丸となって上級生も下級生もよく頑張っていると思います。やってきたこと以上のものが出て、優勝したと思うので本当に嬉しいです。

――次戦に向けて一言

野球部の目標に「ワセダに勝つ」というのがあるのでフレッシュも絶対に勝ちにいきたいと思います。

若林翔平（環１・履正社）

――今日の試合を振り返って

正直、初回２回とあれだけ点を取られると、野手も厳しいです。やっぱり投手にはもう少し踏ん張って欲しいなと思いました。

――３回に円陣を組んでいましたが

試合前にも確認していたことですが、ボール球を振らないようにということをしっかり確認していました。相手の投手がストライクかボールかわかりやすかったので、そこをしっかり見ていこうという話し合いはしていました。

――２打席目のヒットを振り返って

１打席目は少し差し込まれてしまって、引っ張れないなと思っていたので、セカンドの頭を意識していたらいいライト前ヒットになってくれました。

――５回にはタイムリーも放ちました

自分の得意なところに（球が）来てくれたので、フルカウントで厳しかったですが、よく振り抜けたかなと思います。

――リーグ戦では優勝を果たしましたが感想は

リーグ戦のメンバーには入っていなくて、ただ応援だけになっていますが、１年の春から優勝を味わえて光栄です。

――明日に向けて

まだこれから早慶戦もあるので、自分ができる応援をしっかりします。そして明日のフレッシュリーグも早慶戦なので、しっかり備えたいなと思います。