7月6日から15日にかけて台湾で行われる2018 FISU世界大学野球選手権大会。この大会に出場する日本代表チーム侍ジャパンの大会直前合宿が7月1日から3日に行われた。この代表チームは同時期に第42回日米大学野球選手権大会が行われることもあり、東京六大学野球連盟の各チームから選抜メンバーを組んだチームが出場することとなった。慶大を率いる大久保秀昭監督が代表監督を務め、慶大野球部からは主将の河合大樹(総4・関西学院)、菊地恭志郎(政4・慶應志木)、田中裕貴(環4・芝)、石井雄也(商3・慶應志木)、郡司裕也(環3・仙台育英)、柳町達(商3・慶應)が選出された。
同時期に世界大会が並列して行われることによって六大学選抜による日本代表チームが編成されるのは2年ぶりとなる。
1日目はJX-ENEOSのとどろきグラウンドで初の全体練習が行われ、2日目はJR東日本と練習試合、3日目は東京ガスグラウンドに場所を移して東京ガスとの練習試合が行われた。練習試合で対戦する両チームは今月に開催される第89回都市対抗野球大会に出場する。補強選手も合流した「本気」の社会人チーム相手に胸を借りた。
菊地はJR東日本戦に先発し、得意の変化球で空振り三振を奪う場面もあった。本大会ではこの試合同様先発でも起用されるようだ。縦の変化が有効ともいわれる世界大会。伝家の宝刀を武器に、世界とも渡り合えるだろうか。
コメント「世界を舞台に戦うということで、
田中裕は2試合に中継ぎで登板した。変化球で2三振を奪ったが、2試合共に制球に苦しんだ。慶大では投手リーダーを務める大型左腕。菊地とともに4年として投手陣をまとめる役割にも期待だ。
コメント「リーグ戦での登板経験が浅いにもかかわらず、
石井も2試合に登板。JR東日本戦では力強い速球を武器に1イニングで2奪三振の好投を披露した。激励のため試合を観戦していた侍ジャパントップチーム監督・稲葉篤紀監督も投手陣で唯一名前を挙げて「強いストレートを投げていた」と評価していた。東京ガス戦ではピンチを招いたが、粘り強くゼロに抑えてみせた。2試合とも9回に登板し、リーグ戦同様抑えのポジションを任せられるようだ。侍ジャパンの絶対的なクローザーとして日本を勝利に導きたい。
コメント「今回このような六大学選抜に選んでいただきとても嬉しく思います
河合はこのチームでも主将を務める。JR東日本戦ではスタメン出場し2安打。ふらふらとレフト前に落ちる当たりで二塁に到達してみせた。東京ガス戦では途中出場でヒットを放ったあと、二盗を決めた。バットも足も春のリーグ戦同様に好調を維持しているようだ。日の丸を背負って戦うプレッシャーとも戦うことになるが、我らがキャプテンならこのチームでも引っ張っていくことができるだろう。
コメント「選んでいただけて非常に光栄です。
全大学から選抜される侍ジャパンの選考には落選してしまった郡司と柳町もこのチームに参加する。
2人のみ選考された捕手の一人として郡司は大きな役割を背負うことになる。スタメン出場したJR東日本戦ではヒットも放ち、選考合宿では結果が出なかった打撃でも復調の兆しが見えた。普段は対戦する他大学の投手とバッテリーを組むことにもなり、様々な発見をすることにもなるだろう。この経験を秋に生かしてもらいたい。
コメント「世界大学野球選手権に東京六大学野球代表として出場できることを
東京ガス戦でスタメン出場した柳町はあわやホームランという右中間への二塁打を放ってみせた。秋に向けて成長が求められる天才バッター。新たな刺激を受けさらなる飛躍への足掛かりにできるだろうか。
コメント「世界の選手たちと対戦する機会が初めてなので、楽しみつつ、
JR東日本戦後、稲葉トップチーム監督から「結束力の大切さ」、そして「JAPANの誇りを胸に戦う姿勢」を説かれたメンバーたち。普段から六大学で戦っているだけに、結束することは難しくないはずだ。もう一つの大学侍ジャパンの強みを武器に、”JAPAN”と”BIG6”の誇りを胸に世界への挑戦が始まる。
(記事:尾崎崚登)